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2022年11月23日水曜日

『ロクロの回転方向』の追補篇 その2

 前回記事の続きです。

 今回は画像が多いので楽しみにしてね!!


  当たり前ですが、ロクロは右にも左にも回ります(ほとんどは)。

 これを成型時(水挽、と言います)の回転方向で見ると、世界標準で圧倒的に左回りが主流です。なんと日本と韓国だけが右回り成形が主流なんです。欧米だけじゃない、中東もアフリカもラテンアメリカも、すべて左回りメイン(この調査~akaネットサーフィン~に3日かけましたw)

 よく言われるように歴史的に手回し轆轤メインの地域なのか、蹴轆轤メインかで違う、なんよく聞く話もだから多分ウソです。

 参考文献の一つとして以下を挙げておきます。

 前近代東アジア窯業技術系統論

 あくまで主流であって、すべてではない。というのももろちん肝で、そこら辺の考察は上記の論考を読んでみてください。


 多少の割合の違いはあっても、世界中で地域差はあれ少なくとも70%以上の方が右利きだそうです。これは旧石器時代からそうみたい(打製石器の打痕で判断できる)

 利き腕はほとんど右なのに、轆轤の回転は、割合は偏ってるけどどっちもありなわけです。左利きの人はこの右利き世界で常に何らかの対処(鏡合わせの翻訳、もしくは右用に慣れる)を余儀なくされてるわけですが…

 左回りメインの地域(つまり日本と韓国以外)では、「おれは左利きだから右回しのほうがあってるみたい」なんてことになりかねず、日本と韓国では「俺左利きだから左回しのほうが向いてるかも?」なんて話も?


 ありがちなお悩みだそうですが、気にすることはありません。利き手と回転方向の組み合わせに優劣は事実上ないといって間違いないと思います。自分のしっくりくる方で取り組んでください。やりたきゃスイッチヒッターでもOKなんじゃない?知らんけど。

 

 ただし、回転方向によって腕の使い方(左右の手の配置)は限定されます。 

 楽しそうにお姉さん二人がロクロってます。いや、よく見ると触ってないし多分まわってないし、ロクロってるふりをしています。

 この構図の写真を探すのに二時間かかりました!!いい写真だなこれ。


 お二人の手の配置をご覧ください。逆ですね。

 左のお姉さんは、見込み(器の内側)に右手を差し込んで左手が外側に。自然ろくろに向かって体の左側で(時計で言うと6時~9時の位置)でオブジェクトに触れます。右回り(日本&韓国標準型)の場合はこうなります。 

 で、右のお姉さんは左手を差し込んで右手が外側に。体の右側、時計で言うと3時~6時)のあたりがコンタクトポイントになります。これが左回り成形(世界標準)の組み手になります。

 個人的にはこれを相撲のマネして『差し手、上手』と呼んでまして、右回転なら右差し左上手左回転なら左差し右上手、となるわけ。相当わかりやすいと思うんだけど誰も使ってくれませんね。柔道好きの陰謀か?釣手と引手じゃどっちがどっちだかわかりづらいだろ!!


 これは必ず(多分だけど多分)こうなります。細かい話はしませんが、普通に構えると回転方向によってコンタクトポイントと差し手上手の組み方は決定されちゃいます。

 そうじゃないと右手と左手をそれぞれバックハンドにクロスさせて構える必要があって、絶対うまくいかないはず。

 そんなんマックス・チャンでもない限り無理でしょう。

この外伝も傑作ですよ!!いやー、すごいメンバーだ。

 ここまでまとめると、

1:成型時の回転方向は日本と韓国以外は左回りが主流。

2:世界中で右利きが多数

3:でも日本と韓国は右回りだし、利き手によって回転方向は左右されない。

3:ただ、回転方向は『四つ(組み手)』の左右と、どの位置で物に触れるかは強制される。


 じゃ、確認してみましょう。

ステキなお姉さん。左差し右上手なので左回しです。
ぼろジーンズ流行ってるみたいね


カザフスタンの職人さん。
同じく左回し。ロクロがスゲエ!
轆轤サイズとポジショニングの関係でコンタクトポイントがずいぶん差し込んでますね。


日本式蹴ロクロを使う陶芸家の兄ちゃん(短パン)
これまた左回しですね。
この写真の場合、蹴り足が左で掻き込み型というのがわかりますね。
あと、T-シャツが何となくミック・フォーリーを思い出させてくれます。


 捨てるにはあまりに惜しいので載せてみました。回転がどっちかとかどうでもいいわ。あなたはいくつツッコめますか?10はあるだろw

 
  やっぱり海外勢は左回転が多いですね。外国の方で右回りの人も見つけました。
 
 お‼右差し!右回転じゃん!!
 ただしこれは日本らしいのでノーコンテスト。お姉さんがあんまりステキ(多分)で捨てるに惜しいので載せてみました。しかし一つも汚れてねーな。

 ポップなイイ感じのお姉さん。脇締まってるな!!ガッツリ右差し。
 
イエーイ右差し!!かわいいお姉さんですね。

 どうやら俺はこの角度に著しく弱いみたいですね。『陶芸お姉さんのこの角度の写真』大募集!!

 
おい!!オッサンはどーでもいいわ。
肩を上あごにつけて保持(こういうとこも観よう)



 
 かわいい~~~。確信持てないので多分ですがこの子は右回しです(旋条痕=轆轤目が右肩上がり)。しかも右利きなんじゃないでしょうか?
 


 もはや目的を見失ってきましたが、続いては削り作業の場合。
 これは利き手が回転方向を決めることが多いはずです。
 右手にカンナを持てば左回転で3時方向に刃を当てる、左利きは左手にカンナを持つので右回転で9時方向に刃を当てるが自然だと思います。

 動画内でイノウエ先生が教えてくれて俺が茶化してる「バックハンドトリマー」な場合もありますし、内側を削るか外側を削るかでも変わる場合もあるので必ずしもではないものの、メインスタンスに対して回転方向は決まると思います。

 日本と韓国は逆回り(世界から見て)と言いましたが、削りの方向は世界的に圧倒的に左回しが多いようです。おそらく、これは右利きが多いからだと考えられます。
 
右手に刃物を持って左回しするとこうなります。

 左利きの削り写真を探したんですが見つけられませんでした。意外!!
 というわけで左利きの方、左手にカンナをもって削ってる写真ありましたら紹介してください!!


  この通り、右手カンナは左回しです。
 簡単芯出し便利グッズを買うために服とエアコンを売っちゃったんでしょうか?
 結構高いもんな、これ。

 両手を接触させて、顎に当て、両肘を太ももにあてがって手振れしないようにシッカリブレーシングしてますね。なんで裸なのかは知らんけど。 

 
 長くなったけど、こんなもんかな?

 今日の結論。
 斜め上からの写真は美人に見える!






 

 





 






 

2022年11月21日月曜日

『ロクロの回転方向』の動画を3倍楽しむための解説 その1

  こんな動画が「あなたの筒」に上がっています。(リンクします)

 


 イケおじ(自称)三人が、興味深いが知ったところでサッパリ意味なんざ無いやきもの雑談をしているようです。

 この記事を最後まで読んでから視聴しても、視聴してから読んでもお好きなほうで構いません。ただ、読むけど視聴しない、とか、視聴するけど読まない、はやめてください(笑


 では、本題

 ロクロというのは、右にも左にも回ります(ほとんどの場合)

 どちら回転でどの作業が行われたのか、を見分けるヒントを『あなただけに特別に』紹介します。

 ちなみに私は、成型が右回転(時計回り)、高台削りが「通常は」左回転(反時計回り)です。

 その場合はこうなります。

右側の湯飲み、轆轤目の描く線が右肩上がりになっています。
見込み側は鏡合わせで左上がりです(左側の白いの)

 探してくるのも面倒なので図を引きましたが、左回し成形の場合、ロクロ目はこう見えます。


 お皿などの平たい器のドテッパラにブイブイとロクロ目を残す、なんていうアザトイ作りのものもよく見かけますが、そんな場合はわかりやすいかと言えばさにあらず。

 外から中心に向かって渦巻を付ける、という場合もあり得そう。見込みの底や平たい部分を整えるとき、押圧する指やコテを行ったり来たりさせることをする人もいますからね(俺とか)

 右回転で、普通に中心から外に向かって指跡を残すと『逆「の」の字』を描いてこうなります。
 左回しで外から内に向かって痕を付けても渦の巻き方は理論上こうなります。



 ロクロで成形したものは、まだ焼き固めるには不完全で、美しく整えたり高台部分を形作るための『削り」という作業が行われることも多いんですが、その場合、どうやら右利きの人は左回転で削ることが多いです(この辺の事情は先の動画や今後の記事をお待ちください)

 どっち方向に回転させて削られたかがわかる場合があります(わかんないのもたーくさんあります)

 次の写真のように粗い粒子の入っている素地土の削り痕は特にわかりやすいです。

 高台周りの削り作業は器をうつ伏せにした状態で轆轤に載せ、回転させて刃物を当てます。

 粗い粒子が刃に引っかかって引きずられるため、星が動いてるのがわかる星景写真のように同心円状の短い円弧状のキズがたくさんできます。

 この傷穴の中に、粗い粒子が残っている個所を見て、その粒子が傷穴のどっち側に残っているかで判断できます。

 わかりにくいですが、上の写真のように、覗き込んだ時に左側に残っていれば左回り、右側であれば右回りなわけです。


 次、動画内でも言及している絵付けの痕跡。

 この見込みの内側、口元まわりのラインの場合、右回しで描かれたことがわかります。下側(二番目?)の濃いラインは写真中央あたりから描き始めているのがわかると思います(ちょっと段差がついてる)、ここから左側が呉須(青い色の原料)が濃く、右側が薄くなっています。

 冗談の薄めのラインも、「MW模様?」の左上あたりが書き始めなんですが、やはり左側が濃くて右側が薄いです。

 対して同じ器の表側のラインを見てみると…

 もし写真のようにうつ伏せで置いて描いたとしたら左回りです。

 逆に成立させて描いたのであれば右回りです。

 ラインを引く場合はロクロを回転させるので、どうしても筆が触った瞬間が濃く、だんだん薄くなる傾向があります。

 まあ何周かさせたり二度三度重ねたりもすることもあるようで、わかりにくい場合も多いんですけどね。

 

 この辺を頭に入れておくと、ちょっと飲み屋だのお友達のうちなどなどで、クソウンチクを披露してイッチョカミ気分が味わえると思いますよ。


 ちょっと考えればわかるよ!!と思うアナタ。正立の場合とうつ伏せの場合、外側と内側、で裏表になるので頭で考えるだけだと結構こんがらがりますよ(笑

 



 また今回は解説しませんが…

 日本では、水挽成形に限って言えば右回しで成形するのが主流です。動画の三人もそう。

 実は地球上ほぼすべての地域で左回りなんですよね。

 日本と韓国(北朝鮮も多分そうだと思うけど今のところ未確認)だけが右回り主流。これは特異な例みたい。

 韓国も日本も左回り成形の場合もあるんですが、その辺の話と、

 もう一つ、利き腕と回転方向の関係についてはまたそのうち記事にします。皆さんの興味があれば(笑



 動画の出演者をご紹介しておきます。右上から時計回り(右回り)に。

 右上のイケおじ:ふくおか陶芸窯のイノウエさん

 下のイケおじ:喜器窯の吉田さん

 左上の態度悪い奴:びんでぃーぜるさん


 でした~