ラベル 用語解説? の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 用語解説? の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2022年2月11日金曜日

ジルコニアのるつぼ 蓋付き 豆知識&識者に質問?

 というわけで、こんな感じ。まあ普通です。



 年度末時期で忙しいとか、オリンピックやってるとかで、ちょこっと無駄話してお茶を濁してきましたが、さすがに関係なさすぎだろ、と思わないでもないこの頃。


 しょうがないんで、ヤキモノ好きサン向け豆知識でやっぱりお茶を濁そうと思います。

 

 可塑性可塑性ってよく言いますよね。まあ、塑性、という性質のことなんですが、反対語って知ってますか?

 塑性の反対語は弾性です。

 弾性は簡単に言うと「押したり曲げたりしても元の形に戻ろうとする性質」

 塑性は逆で「握りこんだりしんねぶったりしたらそのままの形にとどまっちゃいがちな性質」

 別に粘っこいとかベタベタしたりするって意味じゃないですよ~。

 理屈っぽく言うと、「外圧によって生じた変形が、外圧を取り去ってもそのまま残る(塑性)のか元の形状に戻る(弾性)のか」みたいな感じかと…

 赤ちゃんの肌と年寄りの肌みたいな(笑


 で、ここからは勝手に付け加えるダバナシで、塑性も弾性も示す限界があったりしてある程度そのものの中に併存してるはずなんだと思うんですよね。スチールの定規でも曲げてみればわかるように、ある程度までならもとにビヨヨと戻りますが、限界を超えれば塑性変形しちゃいます。


 粘土って形作っても置いておいて乾燥したり、焼成したりするとある程度戻っちゃうじゃないですか?広げた分少しすぼまったり、轆轤引きしたものだと力かけた逆方向にねじれが戻るとか、いろいろ。

 あれは、時間軸を長ーくとって顕われる弾性なのか、ってことが気になってます。それとも、熱だの水分揮発だのの影響で新たに物理的圧力を加えられての現象ということなのか?

 どなたか馬鹿にもわかるように説明してください。 

 エラソーにしてるくせに自分で調べろや!!

 いやあ、年度末で忙しいし、オリンピックやってるしで…


 まあ、知ったからってどっちにしろやることは変わんないんですけどね。





 













2021年11月5日金曜日

ヤキモノ屋言葉シリーズ ひっそりと開幕 『締まる』

  とりあえずアルミナ多孔質のフランジ付きのるつぼをご紹介。


 焼造物で言う多孔質というのはシッカリ強度が出るように焼成していながらまだかなりの気孔率、吸水率がある状態のことです。つまり水(液体)が浸みちゃったり漏れちゃったりするわけです。

 るつぼん中で溶かした金属溶湯も浸みちゃうんじゃねえの?という心配ですが、その金属の表面張力の関係で基本的には心配ありません。もちろんサラッサラになるようなものだと使えないこともあります。


 と、ここで急遽ヤキモノ屋言葉シリーズ。


 ヤキモノ屋(工業的、理化学的、伝統的問わず)の口にする言葉の中に「締まる」という頻出ワードがあります。もちろん、能動的な「締める」も含んで。


 よく締まってる、よく締めて、締まってない、みたいな感じ。特に窯出しの後なんかは本当によく口にします。締まり過ぎ!というのもあるのがまた厄介で・・・。

 「アマイ」とか「ユルイ」が反対語かな(ちがうかも)?別にこれは栃ノ心のマワシの話じゃないですからね。


 このへん、単に日本語としても和言葉でものすごく基本ワードなところからも察せられるように、あんまり具体的な言葉じゃない気がします。

 おそらく大きく二つの意味があると考えてるんですよね。


 『締まる』これ皆さん(本職アマチュア問いません)どういう意味で使ってますか?

 この辺意識してもしなくても、そんなにやること変わったり致命的な影響出るわけじゃないんですが、ちょっと整理してみたいとおもいます。


1・十分に密度が上がってる(高い)、上げる(高める)こと

 成形密度の場合も焼成体の密度の場合も両方あるんですが、この意味で一番多くつかわれると思われます。

 つまり、自分の想定通りに気孔率、吸水率が低い、という場合かな。

 この場合の「密度」は嵩比重と言い換えてもいいですよね。

 



2・強度が高い、高めること。

 こっちも、成形強度と焼結強度、両方あるんじゃないかと。どっちも程度はあるものの、生ならちょっとぶつけたぐらいで簡単に欠けたりせず、焼いたもんなら思った通り(あるいは以上に)にしっかり強く焼結してる状態。とりあえず以下略。

 この場合、反対語には特に「サクイ」ってのが入ってくるかも?サクイってのは俺の個人の思い込みかも知れませんが、「サクサクしてる」って表現の変化形ではないかと。単に弱いってだけじゃなくて、なんつうんでしょうね?ウエハース感というか…。

 「サクイ」ももしかしたらそのうちやります(笑


 窯出ししました~モノ手に取って~「よく締まってるね~」

 よくある光景だと思うんですが、どっちの意味で言ってるの?みたいな。

 もちろんたーだ話す場合は二ついっぺんでいいわけですけど・・・


 また、『焼き締まらない土』みたいな表現をしますが、これは『サチるまで焼いても密度の上がらない土(吸水しちゃうような)』であるとともに『難焼結性でしっかり固くくっつかない土』の場合もありそう。

 両方の特性を兼ね備えた場合もありますし(いわゆる道具土とか志野とか萩とか用のパサパサ系、それこそサクイ土とか)、片一方しか当てはまらない場合もあります。こっちは陶磁器系でもありそうですが一般化しにくいなあ。例えば今回紹介した多孔質るつぼや高SKの発泡耐火レンガとかはガッチリ焼結してるのに気孔率数10%ですし、窒化硼素やなんかは水も漏らさないけど簡単に削ったり折ったりできます。


 で、その言葉使ってる本人の頭の中では区分して話してるつもりでも会話してる二人の間(特に先生と生徒やベテランとルーキー)の間では・・・

A齟齬る、

あるいは

B・齟齬ってることに気づかない、

ややもすると

C・そもそも具体的に意識してるわけでないので齟齬りようがない、

なんて状態になったりならなかったりしがちかも。


 『締まる』

大きくこの二つの意味があるんじゃないかと思っています。


 で、ここからが個人的に常々思ってる疑問。成型時の1=密度を上げる、に関することで…

3・その『締める』本当に「密度」が上がってるんですか?問題

 というのがあります。

 

『締める』問題は、ロクロ成形の際によく使われる『締める』について。

 口元締めろ!とか、底をよ~く締めろ!みたいな。



 あれって本当に該当部位の密度を上げてるんですかね?

 違うんじゃね?何十年も同じこと言ってバカなの?とか言いたいわけじゃ全然ないです。純粋に知りたい!!

 特に、山から次々切り離す連続式?(この用語もわかんないので教えてください)の場合における見込みの底!

 

 型に詰めてるわけでもなく、押し込んだ向こう側に壁もないのに密度なんてそんなに差があるほどあがんのかな?そりゃ多少は違うのかもしんないけど土が動いてるだけの感触しかねえし。

 もちろん土の種類や状態(特に水分含有量かな?)で全然違うとは思うんだけども…


 昔実験的に試したことはあるんですが、比重的に有意と思えるほどの差は見つけられなかったんですよ。でも何回もしっかり『(締める)カッコつき』をすると、S字型の切れが出にくかったりと、ハッキリ違うっぽいのが体験的には正しいじゃないですか?この辺、因果関係はわかってる気がするけど理論的納得ができないというか…俺が下手でバカなだけかもしれんけど。


 これは問題意識の当事者が一人で実験したところで「サクイ」(さっきのとは違う意味)が無意識に発露しやすいと見えて難しいです。

 被験者には具体的な目的は不明なハーフブラインドテストをやってみたいので。


 クループ活動してる方、教室で生徒や受講生を抱えてらっしゃる先生方に是非実験をお願いしたいです!!

 

 実験方法は簡単に

実験の手順

 1・底だけにそこそこ以上にうまい方にそこの広めのお鉢や皿を作ってもらう。いつものように(そこは意識して『締める』はず)複数挽いてもらう。

 2・そこそこまではいってない方に同じサイズ感で同じ形状のものを作ってもらう。これもできれば複数。

 3・1と同じ方に「底に手をかけない(締めてないように)で」作ってもらう。

 4・2と同じ方にもう一回作ってもらいますが、「より締めるを意識して」でもいいし「もっと底の締めは手を抜いて整えるだけ」でもどっちか。2の手つきから判断して指示してみてください。

 5・その場の雰囲気に応じて3,4の逆もやってもらう

 

 以上製作工程終了ですが、物自体がうまく出来てる必要はないです。どうせこの後ぶった切りますから。

 

 6・ある程度乾燥させたら、とりあえず先に謝る。特に上手にできちゃってた場合はとにかく謝る。向こうも何が何だかわからないけど謝る。

 7・向こうが逆に恐縮するぐらい謝ったら、底の部分を試験片に切り出す。

 こんな感じに、試験片(試料)を切り出します。

 問題なのは大きさですが、ある程度サイズがないと試験結果の計算が難しくなっちゃうんだよなあ。

 まあ30Φぐらいあればよさそうかな。

 底は、中心部と高台に近い部分、の最低二か所。多くてもいいです。

 あと壁部分のも必ず。

 サンプルが誰がどう作った何処の部分かわかるようにマーキングします。


 8・ふつうに焼成します。焼造物の隙間にでも入れとこう。

 多分素焼きだけでは不十分(高度の焼結、焼成収縮をさせたい)なので本焼きしちゃってください。釉掛けは不要。


 9・それぞれ比重試験をする。


 10・値を比べる


 これでどうでしょう?

 

 面白い結果が出たらぜひぜひ教えてください!!

 もちろん、実験する前からご意見、おしかり、アドバイス等々いくらでもお待ちしております!!








 


 

 













 




2018年10月17日水曜日

磁器陶器問題をオタクが斬る! 闇ヤキモノ教習(仮

 この闇ヤキモノ教習(仮)シリーズでは実際作陶するうえでそこまで問題にはならないような細かい用語の認識程度のことをいちいち揚げ足取ってるわけですが、もちろん理由があって、それは俺が純粋に、
「よりオタクっちい話題を垂れ流したい!」
 もっとすすめて
「オタクが増えればオタクっちい会話がもっとできるのに!」
ということです。一人で引きこもって仕事してるんで普段はラジオと話してるんですよ。

 ここでは、ハマり具合で、
 一般人=ヤキモノ趣味無し
 愛好家 
 オタク
 哲人=ガンダルフ級
 と仮に分けておきます。今回の場合技術レベルとは無関係です。

 だってどんな趣味でもそっちのが楽しいでしょ。上の子が中学から卓球部に入ったんですが早くも粘着ラバーがどうのカーボンラケットがどうの何とか回転サーブとかはじまってますよ。んな俺に言ってもしょうもないはずな話題を卓球だけに丁寧に。俺だって今月の映画秘宝に載ってた「舐めてた相手はじつは殺人マシンでした映画」について話したいよ!
 
 俺はヤキモノ人なのでヤキモノについてもそうです。5千円かと舐めてたお皿実は5万円でした!とか。違う!
 よく聞くその説明、ちゃんと考えたらそうとは言えなくね?とか、特に気にせずにさらっと流してたけど考えたらよくよく難しいな!みたいなことが増えるはずなんですよ。

 というわけで今回のタイトルをあらためてご覧ください。
 昨日の展示会中にちょっとこの話題になったんですよね。相手は研究者ではなくてまあありていに言えばヤキモノ弱者。「ヤキモノ弱者かと舐めてたそのオジサン、実はセラミックス協会の重鎮でした!」というのは10年前に身に起こった事実ですが(先生、すみませんでした)今回は違います。仲間内の一般人。

 石の粉から作る、土から作る、温度の高低、弾いてチンチンといった例のやつです。もちろんクールな俺は「まあそう言われることが多いかな。詳しく話し出すと長くなるぜ!」と流したんで話は終わったんですが、心の中では「いまだ世の中そんな認識なのだなあ(しかしここで説明が必要とも思えない)」というのと「スッキリこの場で非ヤキモノ人に説明できるとも思えない」というモヤモヤが…

 この「(もろもろひっくるめて)石土説明(と仮に名づけます)」どのぐらいの流布度なのか、と、今いじくってるこの機械で調べてみました。グーグル。
 結果「ス・ゴ・イ・量」
 わざわざHPなりブログなりに発表するレベルの方は、ほぼほぼこの認識みたいです。先にこの「石土説明」は陶器と磁器の本質的な差を説明してはいない!ということをよく考えた人には分かるんですが、そこまでじゃない人にはなんとなくわかるよくできた気がする説明だと万歩ゆずって認めてはおきます。

 そして恐ろしいことに本職=原料屋さんや作陶する側、製陶所=ここでいうオタクからの発信は限りなく少ない。食器屋さん系はほぼ例外なく「石土説明」。なぜか考えてみました。

 この陶器磁器問題、先のグループ分けに従えば
 一般人 言われなきゃ特に気にしてない、興味ない
 愛好家 作り方にも詳しいだけに「石土説明」に納得しちゃう。よく聞くし説明しやすいし。
 オタク(本職も) いろいろ考えすぎて整理出来ず発言できない
 哲人 さすがガンダルフ、一周回って興味ない(分類する意味も特にないし)
  という感じではないかと。
 こんなの説明するなんてやってらんねーよ!となるのはよくわかります。いいんじゃねえの?普通の人は「石土説明」でわかった気になってりゃ~。だよね~。

 否!こーんなどっから説明したもんかなメンドクサ物件の本質を説明しようと責任もって切り込むようなおっちょこちょい勇者がYOUTUBEに一人いました!!
 
必ず二回以上繰り返して見てください。
 さすが「オレたちの先生」。(セイジだけに)心底セイジツに解説しようと試みて、話は逐一本質的だったり興味深い話だったりの素晴らしい内容ながら、オタク=本職ゆえに苦心惨憺で、グリーンディスティニーのチャン・ツィーみたいになかなか着地点の見えないワイヤーアクションになってます。褒めてますよ!褒めついでに付け加えるとこの動画内では「釉も土も本質的には同じもの」ということまで説明してくれています。
 「陶器と磁器の違い」なんて感じで検索しても実質なんと三つしか出てこない解説動画の内、唯一「石土説明」を大幅に飛び越えてます!これ凄くない?たったひとつなんですよ。これだけヤキモノ動画とやらがあふれてるのに。

 そりゃそうですよ、陶器も磁器も炻器もそのほか器も、実は学術的定義なんてないようなもんで、各業界慣用的にいくつかになんとなく分けられてるのが多分実情。そりゃ粘土屋さんの親方=ガンダルフも一周回って「テキトーだよ」って言いますよ。
 境目や場合場合を考えれば考えるほど微妙になってきます。その証拠に用語辞典に項目がほぼありません。あっても「一般的に、主に、~なことが多い」なんて感じなんです。もちろん石土理論的なボンヤリした記述はまあないですけどね。よくよく考えれば「この製品の名前とか種類」を便宜的につけられる、以外では分類する意味すらないということに気付くと思います
 「石土説明」が間違ってるか、というと部分的にはもちろん正しい。その骨董オヤジの持ってる茶碗だの皿高だのに限ればそれでいいだろうし、例えば、ある製陶所内での分け方を便宜的に説明すればそういえるはず(その製陶所の人は上でいうオタク状態なはず)。ユークリッド幾何学の範囲内でなら正しいが…とか、一般相対性理論と特殊相対性理論(以下略)…みたいな?すいませんわかってないのに言ってみました。
 本当は俺個人は天動説と地動説だと思ってるけどこないだの今日なんでそういうディスはやめておきます

 分類する意味も特にないといいましたが、実際、磁器が好き陶器が好きとか言ったところで厳密に気にしてないでしょ?光が透けててステキ、とか、持った感じがやわらかあったかーいとか、冷たい感じの白が、とかそんな感じじゃん。俺だってそんな程度だよ。7割以上見た目だし。
 ファインの場合だって、常用可能温度帯、透過性(吸水性とかいろいろ)があっては困る(あった方がいい)とか、気孔率はこのぐらいが望ましいとか、熱間での内容物との反応性とかがそれぞれ大事なのであって、そんな陶器か磁器かみたいな言い分け方されたこと一回もないです。結果的に緻密(いってみれば磁器)か多孔(だからこの場合陶器)かみたいにはなるんですけどね。
 たとえば組織自体は緻密で吸水性ゼロだがブツとしてみればスポンジ状みたいなのあるしね。どっちなんだよ陶器?磁器?俺の判断では磁器!

 イノウエさんの動画にも答えは出てますが、俺もおっちょこちょい勇者の仲間入りをしたい。というわけで、オタクを自認したもののみに許される一方的な暴論で締めくくります。陶器と磁器の二つに分けるとしてならば…

 1、判断する必要はない
 2、どうしても決めたければ素地組織の焼結度合いの粗密で決める
 完全な多結晶焼結体、あるいは部分的に非晶質の結合部をもつ多結晶焼結体で、素地組織の吸水率がほぼゼロなら磁器。全部非晶質ならそれはもうガラス。
 3、そうでないなら陶器!(と適当になんとなく決めてよい)
 4、いろいろ考えてるうちに見ただけでとりあえず判断できるようになるし、あまり意味を感じなくなる。

で、どうでしょうか?異論は当然認めます!というか何か違う気もする(笑


 吸水率の簡単な判断方法

1、以下のものを用意します。
 A、ガラスのコップもしくは滑らかな透明光沢釉のかかったなにか
 B、石膏型、素焼き素地、棚板、つく棒のうちいくつか
 C、陶器だと思ってる食器をよく乾燥させたもの

2、Aを舐める。舌先を付ければよい。
  その滑らかな感触を味わう

3、Bを舐める。吸い付くのでびっくりする

4、Cの素地剥き出し部分に舌先を付ける
  AとBどっちにどのぐらい近かったですか?

5、いろんなモンに舌先を押し付けたくなる。

俺の修行してたところはみんなこれやってました。
「ヤベ!これ吸水率あるぞ!締め足りねえ!」みたいな~
大体何%か当てる奴いるし

 ちょっとだけ感じる!とかだんだんわかるようになりますよ!ただザラザラしてるだけのと吸い付くのの違いが分かればもうあなたはオタクです!!売り物にベロチョンしたくなる衝動を抑える努力をするようになれば俺の同類!気をつけろ!

 どっかの窯元や作家の個展やブースに行ってこんなことしだしたら「なめてたあの客、実はとんでもねえマニアもしくは作陶マシン!」と恐れられること請け合いですが…  







 
 PS/ユーチューブもグーグル検索ももっともっと先の方まで見れば窯業試験場とかの公的研究機関等の説明ページもあるのかもしれないけど、そこまで調べてはいません。普通そこまで調べないよね。だってみんな「石土説明」ばっかりだからそうなんだと思っちゃうじゃん。

2018年9月28日金曜日

焼結についてはどう説明していますか?難しくね?問題 闇ヤキモノ教習(仮

「お、これは陶磁器断面の組織をわかりやすく単純化した図にしようと思ったはいいけど底抜けに残念なできになったものじゃね?」と思ったあなた!すでに後戻りできないほどヤキモノ人。

 ちなみにこれは走査電子顕微鏡(SEM)による観察写真

 うちで作った、微粉のみを使った焼結体の断面図です。
 黒いところが気孔だってこと以外はよくわかりずらいですけどこんな感じ。手元にこんな写真しかないんで今回のテーマに沿って話しにくいから上のショーもない図を描いたんですが。
 もっといろいろナノオーダーの鮮明な写真とか見てみたい方は「セラミック 断面 SEM 観察」なんて感じでググればいろいろ見られると思います(英語検索のがすごいかも?多分)。


 今回のテーマは、通常知らなくても特に困らないことの方が多いけど、場合や立場によっては語らざるを得ない場合があって、よく考えると案外厄介な話。自分なりに理解の度合いを増しておけば作陶するうえでも手が増えるかもしれないし、そうでもないかもしれない話。

 「焼結」をどう説明するか?

 簡単でもあり、度を越して難しい話でもありますよね?よね?
教室の先生方はどうやって理解、説明してますか?すごく知りたい!

 「焼成」ではないですよ「焼結」です。
 焼成は作業としての行為、工程=加熱処理であってセメントでも樹脂などでも、もっと言っちゃえばパンでもピザでもシシカバブーでも多分焼成。
 焼結は我々がいじくってるいわゆるヤキモノに限れば(粉末冶金とかもあるけど)そんときブツの中で起こってるらしいカチカチ固まる現象
 
 これ、何がどうなってんの?どっからなに?じゃああれは?というわけで、バカなりにがんばって記してみたいと思いますが、焼結とはこういうことじゃ!とか言って先生目線で「おしえてしんぜよう!」などという大それたことでは全くありませんよ!

 なにしろ、このHP(ホームページです!)の場合は、ご覧いただくかたの何割かが同業者とかマジもんのセラミックスの研究者だったりして、そこで上から目線で程度の低いウソ説明なんかしちゃった日にはHP(ヒットポイント)なんか一瞬でゼロですよ。
 ただのヤキモノ好きのオジサンかと思ったらガッツリ専門家!うっかり列車ジャックしたらたまたま食堂車のコックの一人が元特殊部隊だったってだけでも大惨事なのに、うちの場合そこのコックに100%セガールいますからね。元とか退役じゃなくて現役のCIAとかシールズですよ。しかも複数。幸運にも今まで怒られたり殺されたりしたことなんかないですけど、エラソーながらも逃げ道の多い肝心なところにモザイクかかったような文章が多いってのはソーユートコがあるんですよ。
 

 とにかく!教えるなんてよりむしろ逆!俺こそもっとよく知りたい!
 こういう理解の仕方でほぼほぼ(約30%の方が使用する用語だそうです。俺も多用してます)間違ってないつもりでいいんじゃないのか?みなさんもう少しいい表現ありますか?え、やっぱそっち?等々、人に話さないといけない、自分でもうちっと知っといたほうがいい場合に備えて、自分の頭を多少は整理しようとする脳内活動を臆面もなく露呈しようと思ってるだけです。それも専門家、作陶趣味の方々の助けも求めつつ。
 こういう説明でいいですよね?いいですか?って感じ

ウソつけ!!お前殺人マシンだろ!!テロリストが気の毒だよ!

 では、学校と監獄の区別がいまだにつかない俺の脳みそでは「焼結」をどういうイメージでとらえているかですが、先に辞書的なものにあたって確認してみましょう。

 この言葉、純粋な国語辞典には載っていません。当たり前ですがこれは技術用語ってことですな。ウチにあるなかで唯一記載があったのは百科項目で項目数増やしてるだけじゃね?と常々思っている上に手がくたびれる『広辞苑』のみ。さすが天下の『広辞苑』焼結の項目がある上に、手に取れば手に取るほど腕力も鍛えられる!一石二鳥だ!

 広辞苑(第五版)の語釈
 「焼結」(Sintering)粉末を加圧成形し融点以下の温度で熱処理した場合、紛体粒子の間に結合が生じて成型した形で固まる現象。窯業製品・セラミックスなどの主な製法。

 まあ岩波系らしいすっきり最短語釈で、「まあ大雑把にそういうことだろうよ!」って感じですがイメージ喚起力に乏しいですな。まあ述語の解説なんてそんなもの。しょうがない。責められない。

 と簡単な前フリの後はセラミックス用語辞典。もう書き写すのがめんどいんで写真で勘弁!!
  
さすが専門用語辞典!こっちの方が現象を説明してるうえに危なっかしい無駄がない気がするよ!(加圧成形云々とかね)
 わかる人にはこれでいいんじゃないかって気がしてきましたが、人様に説明する時に突っ込まれたらどうしますかってところが今回のテーマでもあり、行間語間(俺の造語)ニュアンスやイメージをどこまで実感(したつもりでOK!)して理解(というのもおこがましいレベルですが)をできるかってことを言ってしまえば高めたいわけです。

 昔のテレビの洋画劇場で荻昌弘や淀川長治がそうしてくれたように、心に沁みる言葉でテーマやシーンの意味を教えあったり感じたりしたい!
 ひどい目にあったダニエルが悔しがって壁を叩く!その壁の向こうの暗い部屋にはミヤギさん。彼の堅く閉ざした心のドアをもノックしてるわけなんですよ!みたいな。ちがうか。
 
 無駄話はさておき、この解説からすると、もともとツブツブだった原料鉱物が熱処理されることによりくっつきあっていく現象を広く「焼結」と結局呼んでいる。ということがわかります(ものすごく意訳)
 液相あるなしは関係なく、固相だけでもいいわけで、そうなるとあるピンポイントで定義をもつある厳密な反応だけが焼結ってわけじゃなさそう。
 
 構成上一旦ぐっと話は飛びますが固相焼結と液相焼結があるってのはそういうことですね。
 それぞれの解説ページ。

上二つの項目も読んでください。


 だんだんすっきりして理解が深まってきたような気がしますよ。あくまでも気だけかもしれないけど。

 固相焼結は高純度の単一素材による焼成体の場合がほとんどで、高純度のファインセラミックスの場合に限るのかな?ってイメージになりますが、通常PPMオーダーだったりどんだけ少なくても不純物はあり、難焼結性原料だと液相促進のためにほんのわずか焼結助剤を使うことも多いので、相当化学結合力が強い素材でも全き固相焼結のみのものはかなり少ないかも知れないですね。ただし(厳密には分かりませんが)液相を生成してるとも思えない低温度でも結合強度はともかく間違いなく固くくっ付いてるわけで、たとえば釉薬層なんかもカリカリになりますから素焼きは固相焼結体といえるかもしれません。 


元に戻って、これが固相焼結の図だとします。緑の球が骨材。接触してる黒縁の部分が引っ付いて固相焼結。白い部分は空隙と理解できそう。もっとガンガン温度を上げることによってよりググッと密に接触し合って空隙は減って体積も減る(焼成収縮)


 素焼きどまりでない一般陶磁器の場合は、磁器だろうが陶器だろうがほぼほぼ(以下略)液相焼結の程度の問題と考えていいと思います。 


 この図では空隙部分を無視しちゃってますが、接触面で原料同士の反応により液相(赤い部分)が生じ、なおかつ液相と個相(骨材)との間の層=黒縁部分では、液相が固相に対してもある程度の溶解度をもって結合しているのが理想かと。で結合強度はガン上がり(の場合が多い。パキンと割れやすくなる場合もあり)
 おそらく液相は始めは粒と粒の接触点のほんの小さな一滴一滴バラバラで、それが表面張力で粒同士を互いに寄せつけ合い引っ付きあいつつ反応でさらに成長し、その程度、気孔空隙の減り加減で素地が陶器質~磁器質へと変わる。こんな認識でいかがでしょう?

 固相のまま残る分、つまり組織の素体を成す粒子が骨材(図の緑や青の丸)。それらを結びつける液相になった部分を基質(図の赤い塗り)といいますが、基質は言葉としてパッとわかりずらいので「マトリックス」とか「ボンド部」という表現が本職では多いと思います。どっちでもかっこいいと思う方を使ってみてください。
 自分はマトリックス、と呼んでいますが、「ボンド部」ってのもMのデスクの前にショーン・コネリーからダニエル・クレイグまで勢ぞろいしてそうでメチャンコ豪華ですな!!
ボンド部のSEM写真(ウソ

 突然アンケート。あなたにとってボンドといえは誰ですか?
 オレはロジャー・ムーア世代です。好きなのはダニエルクレイグかピアースブロスナンで迷う。。一番好きな作品は「スカイフォール」二番目が「女王陛下の007」です。もう今コネリーの007見ても妙なハリボテ感とかボンド隙だらけじゃねえかとかでかったるいんだよね~。

 全裸に腰タオル一枚で美女になまめかしくヒゲを剃ってもらったらもとに話を戻しますよ!

 焼き上がって冷却後のマトリックスはそのままガラス(アモルファス)層になるか、再結晶化するかのどっちかのあるいは混ざり合ったパターンになると思うんですが、これはシリカがどれだけ多いのかとか塩基性材料が多いか少ないかとかいろいろありそうですが、一般陶磁器の場合はまずガラス質がマトリックスを形成して粒子間を結合していると考えられるんじゃないでしょうか?

 度を越した「焼成」、つまり「焼結」のレベルをうんと超えて加熱した場合、炉の能力が届くのであれば「溶融」が起こります。融点に届いちゃった場合ですね。
 焼結の程度が段階的なものであるように、溶融も多くの場合段階的なもので、ここからは急に溶融!みたいなポイントはないんじゃないでしょうか。しいて言えば間違って温度上げ過ぎてへたり切って冷え固まったスライムみたいに、はたまたカルメ焼き状にしてしまった経験ある方もおられるかと思いますが、ああなればもう溶解といっても差し支えないのかもしれないですね。

 また釉薬に関してですが、あれは露出した液相なのか、溶融物なのか、実は液相も溶融物も実はおんなじなのかとかの考察は、もう疲れたので終わりにします。

 例によって余計な話に無駄に体力を削られちゃいました。
とりあえず、玄人や生徒さんなどにはともかく、大した興味もないくせに面白半分に茶化してくるオッサンオバハンには
「テレビの上に置きっぱなしのサクマドロップが中で飴同士全部くっついちゃったような感じですよ」
 と答えてお茶を濁しましょう!

 わかったようでわかってないのか?これで十分なのか?何かが決定的に足りなかったり間違ってたりするのか?さっぱりまとまらなかった気がしますが、何かの足しになれば幸いですよ。

 これにて沈黙します。セガールにかかってるし