2018年8月31日金曜日

安全性問題シリーズ 第一弾はとりあえず概論 闇ヤキモノ教習(仮

 今回は書こう書こうと思ってて,たまに書き溜めてはバッサリ消したりと、結局ずっと書いてない話。
 たまに質問も受けたりする「安全性問題」を思いつくままたまに書き記す、というスタンスでシリーズ化しようと思います。決して綺麗にまとまる、ということはないと思いますが「あ、そうそう、これ言っといたほうがいいよね」とか、何かのついでに気が付いたり、誰かに教わったり、そんなタイミングがあり次第ちょこちょこ書き継ぎます。
 私の性格上、自動筆記的にいらないバカ話が差し込まれますけど内容はまじめなはずです。
 

 ここでいう「安全性問題」というのは、原料の毒性、害性のことです。この土、砂利っ気が多いからガリガリこすれて指から血が出ちゃったよ!とか。ウガ~!ブロアーいかれて火がボーボー!とか、なんかポジション悪くて腰がいてえ!という話ではありません。そっちも滅茶大事ですけどね。
 
 メインの対象者は、とりあえずは作る側の人です。経口、粘膜、吸引、皮膚からの摂取被爆したら害や毒どうなの?どうしてる?みたいな話です。
 使う側にとって大事なこともちろんあるんですが、そっちは話がより複雑というか難しくなるので差し挟めれば差しはさむ程度になります。
 製品からなんかが溶出するよりリスク(種類はともかく危険性)も可能性もずっと高いことですから、こっちサイドから始めるということでご了承いただきたい!
 また後々、もはやこのページ内でも矛盾してんじゃね?ってこともあるかと思いますが、それもご了承ください。



 で、第一回は大雑把に「これは前提」という辺り、ざざっといきます。
 どういう順で記すのがいいか、よくまとめないままですので申し訳ないですけど『パルプフィクション』を始めて観たときの気持ちを思い出して読んでいただければ幸いです(この辺もはや前提もおかしいけど)

 先に言っときますけど俺個人としては「絶対安全なんて言えないっすよ、そりゃ」という感じです。自己責任という言葉は使い方にってはこの世で最も嫌いな言葉の一つなので俺は「絶対」言いませんが、こんな記事書く以上、その材料の危険性の「とりあえず簡単な調べ方」は最後に記します。
 で、当然、自分で考えることができる方を対象にしています。

 たとえば、「○○は危険です!」とか、「ハザードマークあり!」とか言われただけで具体的によく考えたり調べたりしないまま勢いで「うぉぉ!そりゃ怖い!この業界(俺含む個人も)許すマジ!」とか言って3分後にはあっちこっちSNSで火ぃつけちゃったり、激おこコメントを金足農業のピッチャーみたいに連投しまくるような人は、この先今は読まなくていいんでイーライ・ロス監督の「グリーン・インフェルノ」(そういう無定見インスタント正義漢な人たちが食人族に食われる映画)でも見て時間を有意義に使って心入れ替えてください。

 そうでない人はリンクに飛んで気分ガン上がりだと思いますので続けますね。
 
1、服装その他
 わたしを含めてどこまでできるかはおいておいて、そもそも原料は素手で扱わない。長袖長ズボン。ゴム手袋。防塵マスク。ここまでは絶対。頭もできればなんかかぶる。
 サウジの女子陸上選手がストームトルーパーみたいな防塵マスク+ニトリルゴム等の手袋してるイメージを参考にお願いします。そこまでし無くても平気な場合が多いですがアウトブレイク系の映画で見る宇宙服みたいな防護服を持ってる人は、ここぞとばかりに是非使ってください(後半にいくほど無視してOK)
 簡単にその辺でバサバサはたかない、特に部屋の中とかね。
 特に小さいお子さんのいる方や、そうなる予定の方(おめでとう!)は注意してし過ぎのことはありませんね。
 どこまでやるかは以下も参考に個々考えながら対応してください。 
 


以下ってこの写真じゃないですよ

 2、危険とか安全とか何しろ一口では言えない場合がほとんど。
 どっから話せばいいのかこれ本当に難しいんですが、もちろんそれはもろに毒だろまずいだろってのもありますが・・・

 程度問題、というと、水でも飲み過ぎたら死ぬ、とか、体内にはいろんな重金属が微量元素として必要なんだ!だからちょっとぐらい平気。みたいな屁理屈になっちゃうんで、ここではそういうことは言いません。
 いうつもりはないんですが、やっぱりものには程度ってものがあるし、まあ、私自身子供の頃のどが痛いなあ~なんつって龍角散をカレースプーンでダンクしたらむせてむせて余計喉痛くなりましたけどね。マジで死にそうになりました(いらない逸話)
 毒性ありませんよって言ったからって食っちゃだめだろ!とか。
 これって有機農作物や放射能関連なんかでも近いですよね。声のでかい連中はゼロか100かみたいな別々のリングでセメントマッチな水掛け論してますが、我々心あるサイレントマジョリティは、これは気を付けよう、ここまではしょうがない、これは大丈夫でしょう。と、判定は人それぞれながらもいろいろ考えて折り合いをつけていると思います。
 当然、ごく当たり前の態度で原料を扱った場合で考えましょう。先に記した服装等も含め、そういう理性的な態度を取る!と心に強く誓ってください。
 
 程度問題にも先にあげた屁理屈レベル以外に…
A、危険や害、毒にもいろんなパターン、程度がある。
 ちょっとでも危険、大量(どの程度だよ)だと危険、慢性的(だからどの程度だよ)だと危険、といった危険の度合と、どういう場合どういう症状になるか、被爆方法?との関連で複雑です。各材料なんかしら毒性、危険性のハザードがある場合が多いですし、被爆の仕方でも扱いは変わりそうで、害も様々だと思います。線引きはかなり難しいモノです。これも全部が全部避けようと思うと霞食ってろの屁理屈に戻っちゃいますよね。

B、金属と金属酸化物の違いさえ頭に入れてない人が多いように感じる。
 形によって毒性ありなし違うこと多いんですよ。当然ですけど。
 鉄とか銅とかチタンって平気で言いますよね。金属と化合物(多くは酸化物)とを区別して言ってるのか微妙な方、中には名前に反応したのかまるっきり別金属の亜鉛と鉛までほぼほぼいっしょくた扱いとか(英語で調べてみてよ)、一般ヤキモノ愛好家レベルだと話ししてて結構いますよね。
 
 たとえば銅なら普通使うとすれば酸化銅、炭酸銅、硫酸銅(胆礬)とかだと思いますが、どのぐらい意識して物性的な違いなどを考えてるか。ただ使うだけならそれでもたくさんな場合がほとんどですけど、危険安全を気にするならで可能な限りちゃんと区別しておきたいですよ。それぞれどんな分類のものか(種類多いんだよ~)、その粒径分布は?とか気にしますか?

 ヤキモノ材料屋でラベル観たってわかんないですよね。試薬と違って純度の問題等もあってラベルに記しきれない場合やそこまで厳密じゃない場合もあると思います。

 まあ出来る限りでいいんで、酸化物なのか、炭酸塩なのか、硫化物、フッ化物、その他複合酸化物(骨灰=ほぼリン酸カルシウムとか結構あるんじゃね?)なのかの違いとその分子式を調べとくぐらいはやっといたほうがいいですよ。まあ同じと思ってたものでもいくつか種類あったりするけどわかる範囲でいいっすよ。この名前だけでもいくつもあるってのだけでも知ってると知らないでは雲泥だと思います。よくわかってないってことがわかるから。
 
C、粉末の粒径の大小による差
 要はその粉末原料の細かさです。何ミクロンから何ミクロンまでとか、何番メッシュから何番メッシュまでとか、マニアックにはBET比表面積(単位質量?嵩?あたりの表面積って感じ)とかなんてもいうんですが、とりあえず粉の細かさ粗さです。これも意識してない方が多そう。
 これは同じものでも細かければ細かいほどより低温で反応したり、焼結します。言葉の用法として正しくないかもしれないけど活性が上がる。

 釉薬でいえば、細かければ細かいほどよく溶け合うし、粗ければ粗いほどムラになり、もっと言えば塊で、フリーで残ります。場合によっては高々1300ちょっとの陶芸用の窯ではしみじみ焼き固めることすらできません。
 逆に、大した毒性でないとされてても超微粉末で、いじくるたびに舞い上がるようなものだと目や皮膚に付着したり吸入したりのリスクが増えて表面積大なせいでより簡単に多く被爆します。
 ここら辺は粉砂糖と普通のザラメの砂糖、角砂糖なんかのイメージしてみてください。胡椒とか。溶け方もくしゃみの出方も違いますよね。

 より微粒子で、しかも飽和しない量を調合されたよく溶けた釉薬であれば、焼成後の釉からの溶出の危険はなくなりますが釉薬調合時の危険性は増してくるわけ。逆に、ザラメなら調合時の被爆は抑えられる可能性が高いけど、釉薬からの溶出の危険性は高まる場合があると思っています。
 で問題は焼き上がった食器からの良くない何かが溶出する場合ですけど、どうなると溶出するのか、どんな調合どう焼いてどうなれば溶出を抑えられるのか、等々ははっきり言って難しいです。たまに研究者の方とそんな話もしますけど、そんなもん出来た後個別に試験したり、分析掛けないと確かなこと言えないですよ。それらを積み重ねて経験的に大丈夫であろうライン、やばいかも知れないラインなど決めていくしかない。
 自分なんかはモノ見てこれってマンガン系たっぷり君じゃね?とか、酸化銅で真っ黒子ちゃんじゃね?などとなんとな~く感じ分けることありますけど、まったく確かなこと言えないし。『SFボディスナッチャー』状態です。そんなごはん入れて食ったらすぐ熱出すような武士の一分のキムタクみたいにはならないし、後から出てもわかんないだろうなあと。
 やばいと思ったら酢の物入れっぱなしにしないとか、食器じゃないからOKだな、とか、自分なりの線引きだけです。
 実際、ものによってはその件について告知しない、もしくはわかってない、等々作家の責任感疑う場合もありますけど、それだって現状では俺の勝手な意見です。
 この辺が焼き上がった釉からの危険性についてはひとまず置いておきますと言った理由。

 で、邪馬台国や憲法解釈に限らず、結構学者研究者でも意見が割れたり認識の差はあるもので、何にしろどっちが正しいとかスパッとはわかりません。

 長くなってきちゃったなあ~
 
 多分、ルールや指標の在り方も、製作者の意識も遅れているのだけは間違いないと考えておいて、
3、まずディフェンスを固め敵を知ったうえで判断しましょう。
 ということです。判断つかなかったから使わなきゃいいし、めちゃ防御して試しに使ってみるでもよし。
 で、この材料俺使いません、となった場合も、やたら漠然と危険危険騒ぐとか、そんなもん全然へっちゃらだよ!とか、無責任なまねはやめて、何がどうだったので使わない(使ってみる)のか他人に説明できるようにしておこう!
 それが気持ちのいい傾向かどうかは別にして、世の中予防線の時代ですよ。混じり合えない思考回路の持ち主相手では議論にもならなかったり、そうでなくても人間なんて愚かなもので双方良かれと思って論点がずれることだってあるでしょ?
 やるやらないの理由は何でもいいんです。

4、で他人に判断を委ねない。
 俺なんて圧力鍋でお米炊くやり方、カミサンに教わった端から間違えます。これこれこうすれば安全だと思って使っています。と人に聞いても同じにできないですよ。向こうの常識でわざわざ言わなかったけども、こっちにはそうじゃなかったとかいろいろあるでしょ。「普通」だって結構違うわけで。
 昔、お勧め映画聞かれて『美女と野獣』を見に行って(俺は二回目)余りの伝わらなさに、ベルとは月とすっぽんのブスを映画館において一人で車乗って帰ったことがありますが、そういうことです。違うか。

決めるのは君だ!君だ!

 で、調べものの場合よくよく吟味すること。
 趣味半分程度のホームページはもちろん、俺含めた本職の意見も話半分以下で聞く。食器屋のHPなんかは自分が調べた限りでは、無視、無頓着、ウソ、過剰反応、もはやオカルトのどれかです。意識してセレクトしてるところならそんなこと書く必要もないかも知れないし、結局不明。まあ、健康ヒステリー系がやたらと検索にかかってきたり、かといって論文系では条件等々細かすぎて伝わらない場合も多い(ほんとはそれがいいんだけど)し。
 ある程度以上客観的な事実を自分で調べる方法が必要です
 
5、簡易的ではあるが調べる方法はある!
 まず、その材料の発売元、製造元に取扱の注意や、もしあるならミルシートや分析表のようなものがあるか聞く。これがとりあえず一番大事かも。

 調べたい材料があった場合、その材料の試薬がどういう扱いなのか調べるのもおすすめです。
 試薬メーカーのHPで調べものするわけですが、私は次の二社のHPを確認に使っています。
 

  純正化学株式会社

 
 勝手なリンクなんで怒られたら消しますが、製品検索や試薬検索できますので調べてみてください。いろいろ意外な結果が待っているかもしれません。
 もっと簡単に「酸化○○ 安全データシート」なんて感じに検索するとこういった会社のPDFファイルが得られることも多いです。誰かがこの文章みたいなのをつらつら書いてる話でなくて、そういったデータシートを見て判断します。

 そのためにも自分の使いたい材料の学術的名前や化学式は確認しといたほうがいいよねって感じ。どっちもちょっと検索に癖があると感じるかもしれませんが、慣れれば問題なく使えると思います。
 両ホームページともハザードマークや危険物のマークの説明もあるのでしっかりメモっておきましょう。
 多分法律で基準があるとおりになってますし、試薬の売り付け先ってのは「好むと好まざるにかかわらず使うしかない相手」なので、よく買ってくれるようにマークをウソついてつけてない、なんてことはないと信じましょう。
 ハザードマークがついてた場合、その材料名で、アカデミックな、あるいは統括的なHPで個別に調べることをお勧めします。
 同じ材料名でもゴロゴロ並んでる場合、しかもあっちが毒でこっちは無印とかあるんですよ。そういう場合の判断のつけ方はやはり個別に調べることをお勧めしてお任せします。
 陶芸の材料に比べて圧倒的に微粉末なことが多いです、中にはナノオーダーだったり。その辺も鑑みて参考にするといいと思います。メッシュと寸法の関係も頭に入れておくといいですね。
 勝手なイメージでは陶芸用材料では微粉ぽいのは325メッシュパスぐらいかな~ってのが多い気がしてますが、たとえばそれは44ミクロンです。とかね

 ただし、基本的に多くが高純度の「試薬」なんで、長石とか、粘土系鉱物とかのゴチャマゼ系鉱物、掘ってきた系鉱物は調べられないのがネックですが、その辺は製造販売会社に問い合わせてみましょう。
 たとえば、絶対クリンナップな材料ですけど長石硅石の塵肺珪肺被害はマジで気を付けてね。長石粉末が濡れてるのには理由があって、もちろん粉が舞わないようにしてるんですよ。
 
 ハザードマーク、個別に調べるを重ねて、自分ならどうするかの線引きをしていきます。
 たとえば、このマークなら気を付けて使うけどこれになったらもうやめる、とか、この材料は絶対、あるいは全体の何%までしか使わないとか。
 うおぉお!!もうだめだ。カオリンと石灰石しか使わねえぜ!となったとしてもなにかしら焼き物はできます。
 
 書き忘れましたが当たり前のことももう一つ。
 毒のあるなしにかかわらず、原料や資材を扱った後は手や顔をよく洗うこと!場合によってはすぐに風呂、シャワーに入って着替えてください。


 本当は最後に、
 よく使われてるっぽいけれど俺は使わない材料
 というのを記そうと思ったんですが、理由を書かずには無責任なので今回はやめておきます。

 ついでによく使われてる材料を並べますので調べてみてください。
 二酸化ケイ素(硅石)
 炭酸カルシウム(石灰石です)
 炭酸マグネシウム(マグネサイト)
 炭酸バリウム
 炭酸ストロンチウム
 酸化亜鉛
 カオリン
 タルク
 酸化アルミニウム 
 珪酸ジルコニウム(ジルコン)
 酸化スズ
 リン酸カルシウム(骨灰)
 二酸化チタン
 酸化鉛
 炭酸鉛(鉛白)
 酸化鉄
 酸化銅
 炭酸銅
 酸化コバルト
 炭酸コバルト
 酸化クロム
 二酸化マンガン
 炭酸マンガン
 酸化ニッケル

 などなど。周りの別な化合物との比較をすると、面白かったり不思議なことがあると思います 

 長くなったけど第一回はこの辺で!
 




  

2018年8月29日水曜日

野焼きしました ただのゴミ燃し

 ちょっと涼しかったのとそろそろ焼いとけ言われたんで野焼きしました。
 どんなもん作ったかはこの記事

 わたし:仕事忙しい~からの~メンドクサー
 子供ら:ゲーム忙しい~からの~もう忘れてる

 ってわけで嫌な予感しかしない上にお母さん不在。厳しい。

 とはいえやらないと俺まで怒られちゃいますからね。なんでだよ。
 なんかいろいろ仕事やりながらで写真撮り忘れてたんすよね。で、途中から。

 場所は我が家のゴミ燃し場。ざっと燃しまくってオキを作りつつ周りであぶり。のはずが、仕事中に子供たちが枯れた杉の葉っぱどっちゃり燃してキャンプファイヤー状態。
 そもそも作りが分厚いわテキトーだわでこの時点でナバロンの要塞みたいに吹っ飛びました。。きちんと作った土器と土偶だけはちょっと遠火にしてたんで無事。
 この辺すでにやる気とか思い入れの問題が結果に如実に反映してますな。

 で、いろいろあったけどぜんぶなかにおいてまわりから「BURRN!!」してるところ

 午後は子供たちのちょっかいもなく、木っ端切れを継ぎ足し継ぎ足ししつつ数時間。

 誰かの参考になるような話しもできませんがとりあえず終了。

 土器!

 で肝心のあいつなんですが、
真ん中に置き直すときに落っことして分解しちゃいました。
 成形時の接着の仕方が悪かったせいですな。 
サモトラケのニケ!状態


かわいそうに明日首と手ボンドでくっつけてやろう
俺のセリフだよ!

 いや、しかし野焼きは面白いですね。ゴミ焚き焼き芋とはわけが違いますな。焼き芋好きにはワリいけど。
 敗因は分かってるんで(宿題、やる気、タイミング、等々)近いうちにもう少し小ぶりな土器でしっかり作って再挑戦するつもり。10月ごろになって「先生これが本物なんです」つって持ってっても先生どうしたもんだか困っちゃうだろけど。娘の担任先生は社会(歴史)の先生で野焼きで土器作るっていったら俺もやりたいとか言い出して興味津々だったし、試しに誘ってみるかな。
 
 

仕事もしっかりやってますよ。

2018年8月25日土曜日

内るつぼ ライナー式? 鋳造ルツボ関連

 ちょっと面白い形になってるアルミナるつぼ。4N(=99.99%)です。なにこれどうやって置くの?
 別に流行ってるからって尖底土器を高純度アルミナに置き換えたものではありません。まあ確かに縄文土器ブームがちっとは俺の頭の中にもありますけどね。月末までにこないだのへんてこりんも焼かなきゃいけないし(今日焼くつもりが風で断念)。


 これは鋳造に使うルツボのさらに内側に入れてつかう使い捨て内るつぼです。金属溶湯を直接抱える内るつぼ、内るつぼの破損を抑える、あるいは破損した場合の受け皿、バックアップとして外るつぼ、というデザインされた組み合わせはあるあるなんですが、この場合はちょっと事情が違います。

 遠心鋳造式だったり傾注式だったり(原始的なのはお兄さんがヤットコと根性で炉の中からつかみ出すとか)、まあとにかく鋳造用るつぼがあるわけなんですが、ひょんな事情で新たに試したい金属がでてきます。
 今までの鋳造ルツボでは、なにかしら温度的化学的に無理気味で、試してみたら軟化しちゃって持たない!反応しちゃって持たない!あるいは持ちが悪すぎる!すぐ割れちゃう!
 鋳造ルツボってのはフランジがついてたり肉厚に偏差があったり、とにかく熱間で振り回すには弱点の多い形状のものが多く、熱間強度高くキープするには材質にどうしても制限があります。
 
 今までうちでも、「やめた方がいいんじゃないの~、おすすめしないですよ~」って材質でトライしてきましたし、結局ダメだったり、よくてだましだましの域を出ない。感じが多くなっています。

 今回のライナールツボ式?(今考えた言葉)は、鋳造ルツボは従来通りの製品を使い、さらに内るつぼを使って「内るつぼはその時一回持てばいいっす!」な使い方です。今までのるつぼに直接ではるつぼが溶けだすほどだったんですが、これならとりあえず持つようです。でアルミナの高純度品が選ばれました。

 もちろんこれもおそらく「研究レベルまで。生産にはそこまで落とし込めない」だったり、「だましだましの域を出ない」ものになると思います。

 高くつく傾注ルツボの金型を新たに作って材質変更するに比べて大幅に安いコストで何種類もの材質適正を試すことができますし、だましだましでも研究を続けるに堪えれるレベルを維持できれば十分と考えておられるようです。

 まあもちろん似たようなすべてのケースで可能なわけでなく、「かなりたまたま条件的に行けんじゃね?」に限られそうですけどね。

 ぱっと思いつきですけど条件ぽいのを並べると、
 1、型新規に作成するのはもったいないレベル、段階の話。
 2、誘導加熱式で金属側が発熱するパターンでないと使えない。
   カーボン外ルツボ発熱式では意味ねーし
 3、形状的に見込とライナーとのクリアランス調整が楽でないと無理。
  たとえばストレート見込みだとガタツクので危険。
 4、口元からライナールツボを入れられないと無理。
   箪笥買ったのに間口通らないパターンになっちゃう
 5、何しろ作ってしまえば超高く売れるから余分なコストに我慢できる。
 等々、全部じゃないけど必要なんじゃないでしょうか?

 今回の場合、見込みのテーパーよりほんのちょっとライナーのテーパーのがぬるいんで少々傾いてもライナーの口元が見込みに嵌るからクリアランスはほぼほぼゼロにできる仕組み。ライナーの先端が見込みの底につかないギリギリの設計。これなら焼きっぱなしで摺合せ加工しないでも行けるはず、っちう読み。
このぐらいのサイズ


 なんて、この相変わらずクソ暑い中、これ最高だよ!やってみなよ!つって自慢してるわけじゃなく、その場しのぎの姑息作戦かもしれないけどKUFU(工夫)で我慢できる場合もあるかもしれませんよって話。
 ただのるつぼ(しかもそこそこ大きめ)にぴったりくるライナー作ってくれって話だと、むしろ高くつく場合もありますよ!

2018年8月23日木曜日

来年の夏休みの自由研究。メモ書き

 夏休みももう終わり、ってこのネタばっかりですけど思いついたんで忘備録代わりに記しておきます。

 自由研究って99%の子供にとっては無理やり捻り出しておさめてると思うんですよ。心からやりたくてやってるような子っているのかな?昆虫とか恐竜とか植物とかにメチャンコ心奪われてる人間図鑑みたいな子供は多くてもだから自由研究ってことになるとなかなかハードル高いのでは?何も自然科学にこだわる必要もないはずだけど、宿題である以上宿命的に「センコーどもが喜ぶような、ピカピカ小学生新聞的模造紙」を作り上げなきゃいけないわけですよね。
 超映画好きな子が「ゾンビ映画の歴史」とか言って各名作ごとにゾンビはどんな社会問題や社会不安のメタファーとして扱われたのか(もっと子供っぽく各ゾンビの特徴や弱点を調べてならべたり)なんてことはどんなにすばらしい内容でも、「県に持っていきます」なんて日の目は見ないんじゃないの?

 で、何が言いたいのかっていうと、どうせどっかの本で見つけたような取っ手付けた感丸出しの来年忘れてるようことするのはつまらないじゃないですか。泣いてる子供と拾ってきた石の写真撮りまくったところで大人も子供も意味がないでしょ(鉱物好きな子供がやるのに文句言ってるわけじゃないですよ)

 だったら「ずっとやろうと思ってんだけど、いろいろ面倒で手を付けてない釉薬の調合実験をやらせる」
 これを来年のネタとしてメモっておこうかなと。

 まとめておきたい、あるいは、思いついた材料による三成分、四成分系とか、決まった釉薬に何種類もの添加材をそれぞれ数%刻みでラインブレンドするとか、数種類の釉薬をつかって二重掛け(上下ひっくり返して)や混ぜたり境目どうなるかの調べものとか、わかっちゃいるけど踏み出しきれないメンドクサ物件っていっぱいあるじゃないですか?
 それを子供にやらせるわけです。結果はお父さん焼くだけ。大助かり。これじゃね?
 契約金(小遣い)でもやれば両者ウィンウィンかもよ。カネもらって自由研究する小学生なんて多分いないよね。
 俺みたいに仕事じゃなくても、教室に通ってるなかに小中学生のお父さんお母さん方結構いらっしゃると思うんですよ。ガキども子供たち何人か集めて教室の材料でやらせてやれば、もっと楽しいうえに教室にも役に立つ。

 この釉薬実験、大人が子供を巧いこと利用する!だけじゃなくて
 1、いかにも本格的に理科っぽい。研究感大
 2、しかも芸術ヅラできるかも。
 3、学校じゃあまずできない内容
 4、先生も喜びそう
 などなどネタとしても優秀。
 5、今年は3成分、来年は織部、再来年は二重掛けとかネタ切れの心配すらない。

 完璧!3000円払っても得しかない!

 問題は瀬戸とか益子とかの産地の小学校だといくらでも前例ありそうで賞はとれまい。ってことかな。
 インディヤキモノ屋、インディ教室などにお勧めかも。

 とりあえず来年まで忘れないように書いときました。
 で,晩から何をするかって?自由研究の手伝いですよ!











2018年8月21日火曜日

単結晶育成用のるつぼ いろいろ

かなり小さめ細めのサイズなんですが、ジルコニア。
とまあ、こんな感じで先端がとがってます。
もちろん内側、見込みの奥底が尖ってるのが本当に大事な部分なわけで、外海は内側が尖ってるから一緒になって尖ってるだけなんですけどね。肉厚等しく。



 で、見込みの奥のトンガリ部分が結晶成長の核、とっかかりになるのでこの形がある種の定番化となって今に至るようです。モノによっては丸底でも平気だし、それこそ平底でも関係ないみたいです。

 先端角度は一番多いのが90°。とっかかりさあえあればモリモリ結晶するようなら何でもいい?と見えてなんとなく90°で十分(というか他を試すこともない)
 なるべく一点に集中させた方がいいようなものならば角度を尖らせていく。というのが考え方のような気がします(お話伺ってそういう感じ)。
 なわけでバリエーション
やたら広角なのもありますなあ。

と、「ファインでお茶碗」どうなったの?続き書けよ!って感じですが、あんまりああいうコラムっぽいのとかチビ助どもの土偶とかが続くと何屋だかわかんなくなっちゃうんで差し込んでみました。ちょうど焼けたしね~




2018年8月19日日曜日

ヤキモノ屋の娘、夏休みの工作は土器づくり 紐VS板

 世のお父さんお母さん方は、その昔の実感タップリあるので「宿題は早くやっとけよ~、やることないなら宿題でもしとけ!もう八月だぞ!もうお盆だぞ!お盆過ぎちゃったぞ!」等々、何回口にしたかわかんないことでしょうね。(まあわたくしなどひとっつもやったことない逃げ切り組だったんですが・・・)
 でも最近の子供たちはえらいもんで「なもんやらねえよ!」という選択肢はなく、普段から宿題は必ず四の五の言いながらもやってますね。結局やるなら早くやればいいものを、でもやらない。

 相変わらず小学生は工作(多くは貯金箱なの?)作るみたいです。
ウチは当然ヤキモノで作るわけですよ。理由は、道具もそろってるし、いろいろタダだから(笑)
 
で、勝手にやらせとくと・・・
何個も作る。なぜかスピードはある。できてなくもない?

だから、なんだよこれ!しかも無垢?

 ここでお母さんが「それじゃあ乾いたらとれちゃうでしょ!焼いたら割れちゃうよ!やり直す時間なんかもうないよ!毎年言ってるでしょ!」的に袖まくりしつつ参戦。
 
厳しい指導により一気にグレードアップ、なぜか縄文土器的な何かが・・・
そしてシワをなでつけだすお母さんの手

本人(小4女子)手持無沙汰になり得意の習字を披露?
装飾用の細い紐を作る(らされる?)こととなり・・・

薔薇って書けるらしい。これをどうしろと…

 なんと、ここまできて、作りたいのは土偶風貯金箱だったと判明。早く言えよ!
 
お母さん、紐作りを推奨。
お父さん、板しっぴいて貼り合わせるのが早いと推す。外野の意見が割れた!

 ここでアンケート
 皆さんどっちが難しいと感じてますか?
 俺はどう考えても紐作りのが難しいと思うんだけどなあ~
 耐火物屋では使わない技法なんで、チャンとやったことないからかもですが…
 
 俺の宿題なら電ロクでパーツ引いてくっつけちゃうけどね。大人だから。

 まあお母さんも忙しいし、とりあえずタタラ作ってひっ付けることにしました。
 板で作れば足の長さが一瞬でそろうわけよ。合わせ目の面積も少ないし。
素ボディ。アンパンマンみたいだな

 で、こないだの図鑑見ながらいろいろ土偶っぽい装飾を(結局一緒に)やってみて… 
ここまでで力尽きました…結局なんだこれ?
マッドマックスの敵キャラか?

小4では無理なレベルではあるくせに
一応とはいえプロが参加したとはとても言えないヘボさ。
なんて言い訳すればいいんだよ。これ。
背中側の端折りっぷりとか・・・

ここで豆知識。肉厚ヘンテコモノの乾燥方法!
バケツかぶせて日当たりに置いとくといいんだぜ~

 まだ焼成が残ってるんですよね。野焼きする気らしいんだけど…めんどくせ!

 よそのヤキモノ屋のお子さん方も夏休みはこんな感じなんでしょうか?





2018年8月15日水曜日

ファインで茶碗の続き!

 昨日、朝起き掛けにラジオからアレサフランクリン危篤ってニュースが!
うちの子供たちが小さいころ、アレサフランクリンとヴァンモリソンしか聞かせないぜ!英才教育だぜ!なんてしばらくやってたんですが、今二人ともばっちり音痴でやんす。おかしいなあ。
 とにかくレディ・ソウル・アレサ、ティーンの頃「カッコよさにしびれたミュージシャン」の一人。まだやりたいことが残ってるなら頑張ってくれ!

 もう一人のかっこよすぎる女子だったアニー・レノックスとの夢の競演(ユーリズミックス&アレサ)
 いろんな意味で最高です。
代表曲はそこここで流れるだろうからちょっと毛色を変えてみました。
 どっかの医大の関係者とか政治家も耳の穴かっぽじって聞いてくれよ~

 以上、記事の内容とは関係ないけどお盆お盆
 



 ---前回のあらすじ---
「ファインセラミックスでお茶碗作るといいんじゃないですか?」
そもそも論としてですね、この場合「いい」ってどういう意味?なにをもって「いいお茶碗」ってことなの?(ってのはヤキモノ人、ことにファイン屋ならお分かりですね)
 性能やデザインの優位性ではありません。こういうこと言う人にそんな知識もまずないです。「高い材料使って高い窯代で作るから高く売れる(万一買うやつがいればだけどね)、なんかよく知らないけど超頭よさそうな理系の研究に使ってるから凄いっポイ。焼く温度もお高いんでしょう~」程度のことです。
 つまり「高純度アルミナでお茶碗作ってもしょうがないよ!」 ってことなの。
 あの歴史的気持ち÷映画「3DCGのドラえもん」みたいなもんだよ。
 もうどっから突っ込んでいいのかわかんねえよ! 

だいぶ変わってる気もしますがそういうところまで話しました。


 たとえばアルミナでもジルコニアでもなんでもいいんですけど、普通の陶磁器用としてどう劣ってるかについて
 
 原料の価格高い、成形工程の自由度が滅茶低い、焼成温度高い=窯代高いといったこっちサイド≪作り手サイド≫の都合はこのさい無視することにしますが・・・

 出来上がってからに話を絞ります。
 まず熱伝導率ですかね。ここで係数とか数字出してもしょうがないんで省きますが、普通の食器などに使われてる素地に比べてほとんどのファインセラミックスは大きいです。熱がすぐに伝わっちゃう。
 これがどういうことかというと、熱いお茶なんか注いだ日には指もクチビルもヤバい。あちっちですよ。もうリッキー・マーティン状態ですな。懐かしすぎるけど。これはファイン屋の人は実感あると思います。

 また重い。通常の食器は重い素地でも比重2.5いかないぐらいだと思いますが、アルミナはほぼ4、ジルコニアは6です。アルミナの緻密のるつぼ持ったことない人はピンと来ないと思いますけどイメージする見た目よりずっと重いですよ。ヤキモノ人が見た目で想像する重さより実際重いんですよ。なんか軽い=エライが蔓延する風潮の中、重いんですよ。
 ちょっとこじゃれたカフェ~の極厚エスプレッソカップ(イタリー製)も中身入ってんのもわかんないような広辞苑級ありますけどね。

 総重量は薄さでカバーできるとしてそうなるとまた熱伝導率のデカさが際立ってくるわけです。熱しやすく冷めやすい。オレか!!

 多孔質ならどうなの?比重ずっと軽くなるでしょ?って意見に対しては、マジで水じゃじゃ漏れだから!
 貫入しないような釉薬掛けてもどっかピンするだけで水通っちゃうんですよ。陶器は水滲みますからってレベルじゃないです。素焼きぐらいの気孔率です。
 
 あと強さ。この場合強度ね。割れにくさ。丈夫さ。
 ジルコニアなんか強い強い言ってますし、実際無茶強いんですけどお茶碗作って床に落っことしたら一緒です。普通のが100割れるところ90ぐらいには強いかも知れませんけど。
 洗いモノしててつるっと滑ってジルコニアのマグカップなんか普通の食器の上に落としてごらんなさい、マグは無事でも喰らった方は死にますよ。っツウことは結局一緒ですよね。そんな感じ。

 シリカ(二酸化珪素、硅石だよ硅石)の場合は、熱伝導超低い、焼成温度低い、比重2と軽い。と三拍子そろってキタコレ感ありますが、弱い!サクい!割れやすい!の三拍子も。しかも釉薬掛かりません。といって吸水率の無い緻密質の場合は、価格跳ね上がり。

 で、生で加飾しづらい(何しろ可塑性がない)、釉薬も一から専用に作んなきゃいけないことが多い、ETCと何かイイことありますか?

 むしろこれだけセラミックスの研究が進んでるのに、いまだにお茶碗食器は従来通りってのは遅れてるんじゃなくて、もともと十分優れてるからです。先に答言っちゃう形になりますけど、粘土屋さんはそれ用に坏土作ってるんですよ!
 ただクルクルまわしてその辺ベチョベチョにしてなんか面白いことやった気にさせる為なわけじゃないです。
 それぞれ目的の製品として焼き上がった時の性能が十分で、美的工芸的欲求も満たせる土を、いろんな成形法に適する形で製造してるわけ。それってファインとやってること一緒なの。



 とまあこういうわけです。
 実感したい方は釉薬原料のうち、何か一つ単味で鋳込み成形でなんか作って焼いてみてください。添加材に使うようなジルコンとか酸化チタンとか酸化亜鉛だけ!あたりお勧めですよ。水ガラスと水でチョット溶いて作れると思いますよ。高くつくけどな!


 今日も結局仕事しながらなんですがやたら遅くなっちゃったのでここまで。

 え?だんだん攻撃的になってきたって?
 お盆お盆言いながら結局ちっとも休んでないからですよ!俺が仕事遅いだけだけど。
 ゴメンね!
 まだ続けてみるよ~。


2018年8月13日月曜日

ファインセラミックスでお茶碗!ってバカ言うなよ~って話

お盆ですね。
お盆はみんなお休みでしょうしグダ話で更新済ませます。

 私事ですが8/13が誕生日でして、おめでとう、ありがとう。
 また無為に年だけ食ってしまったんですよね。もう五捨六入でもフィフティと考えると余りのダメ大人っぷりに自殺の一回もしてみたくなりますね。
 小学生のころから使ってる「フィデル・カストロと同じ誕生日なんだぜ!」っちゅうネタも御大が亡くなってから使いずらいし、カストロに替わる同じ誕生日のリビングレジェンドもいないしね。

 まあ何しろありがとう母ちゃん、おめでとうハッピーバースデー俺
デカいケーキうれしい


 と、家族は誰もいない中さみしく石膏流しまくってます。
 その他の作業はお盆休みとしつつ(窯は回ってます)待ち時間に更新の一つも行おうというわけですね。




 よく人に言われるのが「ファインセラミックスでお茶碗とか作るとすごくいいんじゃないの?」ってことなんですよね。平均、年に十人ぐらい。メールで「○○(まあその辺の普通のもの)を超純度の高いセラミックスで作れないか?」みたいな相談受けることもあります。

 えーどっから話そうかな?
 まず言葉!
 「ファインセラミック(ス)」って言葉の決まった正確な定義はそもそも知らないのでさておきます。海外では別にファインセラミックスって言った場合に伝統的なセラミックス(だからいわゆる「陶芸」でつくられる類)との間にすら明瞭な区別はなさそうで、特に磁器ものなんかはファインていう(たぶん掘った土そのままじゃなくて、そのために精製後調整した原料で作ればファインなんだと思う)。とかいうこともこんがらがっちゃうのでさておきます。
 
 この「ファインセラミックスという用語」問題については、気がむいたら長い駄文を垂れ流すこととして、とりあえずうちがルツボを作ったりしてるような、理化学用陶磁器の高純度の理化学用工業用のセラミックスで作ったらいいんじゃない?ってことです。

 「高純度」とか、「理化学」とか「研究・実験」とか、「金属溶解用」みたいなワードの裏に、「最先端技術が使われてるっぽい」とか、「とにかく高そう(これ意外と大事)」とか、「とりあえず凄そう」みたいな意味が見え隠れしてるんですかねえ?

 もちろんほとんどの方は特に知識や興味があるわけでなく、話のついでに面白半分でなんか言ってみちゃっただけですし、こっちも「意味ないんすよ~あはは」「だよね~」で終わるんですが(話し相手が理系の研究者が多いしね)、どう意味がないかをいくつかの観点から説明すると同時に、「意味がある場合」と「実はすでにある!」ということもおはなししようかな~と。
 
 聞いていただきたい対象は
 1、俺のファン(誰だよそれ)
 2、飲み会用や、教室でかわいい初心者の女の子にマウンティングしたい、
  そんなわけでちっとは頭よさそうに聞こえるかもしれない薀蓄ネタが欲しい「ヤキモノ人」
 3、伝統陶磁器を下に見てるファイン屋(ファイン屋は「陶芸好き」ももちろん結構いるんですが、非窯業産地のファイン専門、工場規模がデカい、とかだとこの傾向がある)
 4、ちょっと面白そうとかが金に結びつく以外無い思考回路でできてる、実際何屋なのかがよくわかんない商売人。すぐ「付加価値」とか「誰もやってない」とかいうんだこれが。
 5、とかいいつつも「誰もやってなさそうなネタ」を探してるヤキモノ人にももしかすると役に立つかも? 
 と、言ったところでしょうか。

 第一の根本的なところを言うと、実は誰も望んでないってことに付きます。
しかも第二の根本「ファインセラミックスの各材料は食器をはじめとする陶磁器の材料として劣っている!!」のに。

 たとえばの話ですよ!
「誰も3DCGで寅さん観たくねえから!」
 ってことですよ。

 上にあげた「4番の人」みたいな方が考えそうなことでしてね。どうせ自分ですら見たいと思ってるわけじゃないくせに「フーテンの寅さん3DCGにしたら面白いんじゃない?例年かなりの成績は確保できてるし。誰も見たことない3Dの寅さんだよ!付加価値付加価値!」みたいなこと言い出すんですよ。 
 出落ちみたいなもので、「3D寅=めずらしいんじゃん」しか動機がないもんだから、みんな知ってる大好きなエピソードを矢継ぎ早に切り張りしただけのまったくもって愛の無い映画になるんじゃないかな?
 しょうがないからついでにタイトルも盛り合わせにしちゃおうぜ!なんつって「Stand By Me 寅次郎」。キャッチフレーズも「トラ泣き!」みたいなみっともないことにきっとなると思うんですよ
 こんな映画作ったって意味ないですよね?だから誰も作らないですよね?
 絶対にそんな理由で山田洋二は作らないと思います。映画的な意味がないから。

 しかも毎年恒例の寅さん映画なら、とりあえずいつも十分面白い。アバンタイトルとかで小さな映画表現的冒険も毎年入ってると思います。さすが山田洋二だよ!今年ベストになんて入らないけどね。
 たとえばそれはドラえもんなんかでも一緒だと思います。
 
 たとえ話が長くてすみませんね。でもそういうことなんですよ。つまり。

 これは何か、保守的に凝り固まって「改革や前進をやめて思考停止に陥ってる」ってことではありません。
 実際、ファインの技術知見を使っての食器などは実はあるのでそれは後述します。



と、ここまで書いて、もう今日の仕事終わりになっちゃいました。
  
続きは盆中に書き足します

どう意味がないの。性能が劣ってるってどういうこと?
意味があるとすればどういうことか。実はあるってなに?



2018年8月10日金曜日

ジルコニア 蓋付き

 のるつぼです。
 ちょいちょい紹介してる凸型の見込みに落とし込んで引っかけるタイプではなくて、ただ口元に覆いかぶさる、まあルツボの蓋としては従来型のオーソドックスタイプですね。

 


蓋もこんな感じで、シャーレ=浅皿なので蓋以外にも使えましょう

 蓋の頭に取っ手、ツマミの類も必要でしたら付けますよ~。熱間で中身出し入れするならあった方がいい場合も多いですよね。高純度のアルミナやジルコニアでそれやって割れずに済むかどうかは条件次第でしょうが…






2018年8月8日水曜日

細かい話とか細かい話とか

物理的に細かいのはこれ、大雑把に2mm×3.5mm×0.5mm、みたいな感じ
アルミナで、基盤に使うような薄板から切り出してます。

と、このように、私の写真の腕では何枚撮ってもシャープさが伝わらない。無念
 
次は細かい気づかいをし忘れると台無しだよっってかんじで・・・
 
それなりの数作って予備にも余裕があったもので気が緩んでたというか…
この二本だけ「まあいいか」って感じで焼成までの一時保管中に扱いがややおろそかだったんですよね。窯詰も最後で「まあいいや」って感じで・・・罰は当たる!
 いろいろ忙しかったり気が狂うほどクソ暑かったり「ミッションインポッシブル フォールアウト」なんか見ちゃった直後だと気分が上ずったりテキトーになりがち。
 こいつらの行先はもう、一般陶磁器用の炉材ですな。棚に釉薬ひっついちゃうかもな~って時の下駄とか。うちの座布団とかトチはそんなんばっかりだけど。

 それと俺以外のヤキモノ屋さんが何人使ってるかわかりませんけど「腰袋」
 大工さんとかが鉛筆だの玄能だのコンベックスだのよく使う道具入れてるケツにぶら下げてるアレ。自分も仕事によっては使うんですが、いつだか「アメリカの大工の腰袋はお腹側に来る」という話をどっかの誰かに聞いたことがあってウソくせーと、邪魔だろと。
 自分には他人に内緒にしてる趣味の一つに映画鑑賞があるんですが、工事現場のシーンなんていくらでもあるはずなのに、その話自体を忘れてて気にしたことなかったんですよね。
 
つい最近WOWOW観てたら、そんな与太話を突然思い出すような「おお!」というシーンがありました。
やっぱりケツ側じゃねーか!
字幕の「開けちまった」ってのは、休憩のためにビール持ってきたよ。もう栓開いてるから飲もうぜ!って意味で・・・仕事中にビール?ってのはべつに「アメリカ人だから」じゃなくて、右の大工さんが妻子を亡くしてしまって落ち込んでる、仕事して気を紛らわそうとしてるってのを気使ってくれてるんですよ。












  落ち込んでる大工さんは・・・
アーノルドさんでした(作品名は「アフターマス」意外と良いよ!)
と、いうわけで、少なくともシュワルツェネッガーは腰袋後ろが正解です。細かいうえに心底どうでもいい話ですみませんねえ。

 細かい話をしようと思えば細かくて細かくてまとめらんないよ!という解答になりそうな問題が、おなじみのイノウエセイジさんから出ています。

「今日は陶芸教室の日だわ、うふっ」なんつって部屋入ったらテストだってよテスト!弱ったなオイ!

 設問は、どの問題も「こんな場合は?」「こうとも言えるんじゃないか?」「どこから話し始めましょうか?」みたいな問題ばっかりで面白い!どうやって回答してやろうか!と出される側も緊張しつつ楽しいうえに自分の頭の中整理できていいですよね。俺もかなり考えちゃいました。求められた答えじゃないけど正しい答えとか、間違ってないけどそうじゃねえだろとか。そういう答えも出したいところだよね。
 自分ももう少し笑いが取れそうなら回答を書き連ねたいところですが…

 たぶん明らかな間違いを正すのはもちろんですが、個々人の知識、捉え方、考え方、スタンス等々その向きや深さのバランスなんかを見極めて生徒のみなさん各々にものすごく適切な指導に役立てるハラと見た!
 表っ面なぞっただけで突っ込み足らずのつまんない模範解答よりは少々危なっかしくても細かいところまでグサグサ行きたいですよね。
 多分先生もそう思ってるんじゃないのかな?
 受講生の皆さん!一本取るチャンスだぜ!
 



2018年8月2日木曜日

縄文土器

 噂の縄文展、日曜日に行ってきたんですが、縄文時代の陶工すげえ奴いっぱいいる!
 もともと考古学っぽい出土品の焼き物やその木っ端見るのも好きなんですが、いい!すげえ!

すげえというか、時代が流れることによって上がった技術はより高温度の焼成と釉薬に対すること、ほぼそれだけで、それは言っちゃあダビンチはパソコン使えないから俺のが上!とか、本因坊道策は今の定石知らないじゃん!いうのと同じで・・・そういうことじゃねえんだよなあ~

 粘土をこねくって何か作って焼きあげるんだよ!ってことに単純なむき出しの何かを見せつけられると過去の人だからといって脳ミソも手ワザも現代のが上でしょ!なんてことは一切無くてね。たまに指紋とか指痕なんか見つけちゃうといま俺たちが込めてるかもしれない怨念?と同じものが数千年の時を超えて共感しちゃいまして・・・
 修行中に親方から「オメーの作ったるつぼが何千年もたってからほじくりだされたときに、ヘタクソメ!と思われねえように作れよ!バレバレだからな!」などといわれたもんです。「いったい何やってんだ俺」って感じ
 まあコンセプトを上っ面でとらえると縄文土器がすげえすげえって展示で、派手な造形が素晴らしいとはいえ、他の世界の土器(弥生も含む)は、こんなにシンプルでさっぱりですよ~つって比較展示されたヤキモノも工業的技術的目線で見ると昔の陶工、どこのやつらもすげえ奴はすげえよ!
 やっぱりすげえやつが作ったいいもので、みんな大事にしてたから幸運が味方して残って堀り出されたのかもね。 



 いろいろな思考や妄想が頭の中を猛スピードでよぎるんですが、無学な身ですのでトンチンカンな話をだらりと垂れ流してもダレトクなので意識的にボンクラ中学生のように「ヤベー、スゲー、キタコレ~!」とだけ言っておきます。

 あとすげえといえば東博すげえ。展示がすげえのは当たり前ですが、よくよく建物としての来歴なんか考えれば俺がごときアンチオーソリタリアンの馬の骨がたかだか数百円で土足で上がれる立派な建物の上限かも(笑
 数年ぶりに行ったけどあらためてとにかく立派だわ



 まーいろいろヤキモノ屋として衝撃をあらためて受けまくってしまったので気が狂うほど炎天下の上野公園を走ってしまいました。


 イメージとしては全力疾走するトムクルーズだったんだけど、俺にはまだテレがある


これが理想!

ジルコニアのお碗

な感じ!




 本当は乳鉢のお化け的な奴です