たまに質問も受けたりする「安全性問題」を思いつくままたまに書き記す、というスタンスでシリーズ化しようと思います。決して綺麗にまとまる、ということはないと思いますが「あ、そうそう、これ言っといたほうがいいよね」とか、何かのついでに気が付いたり、誰かに教わったり、そんなタイミングがあり次第ちょこちょこ書き継ぎます。
私の性格上、自動筆記的にいらないバカ話が差し込まれますけど内容はまじめなはずです。
ここでいう「安全性問題」というのは、原料の毒性、害性のことです。この土、砂利っ気が多いからガリガリこすれて指から血が出ちゃったよ!とか。ウガ~!ブロアーいかれて火がボーボー!とか、なんかポジション悪くて腰がいてえ!という話ではありません。そっちも滅茶大事ですけどね。
メインの対象者は、とりあえずは作る側の人です。経口、粘膜、吸引、皮膚からの摂取被爆したら害や毒どうなの?どうしてる?みたいな話です。
使う側にとって大事なこともちろんあるんですが、そっちは話がより複雑というか難しくなるので差し挟めれば差しはさむ程度になります。
製品からなんかが溶出するよりリスク(種類はともかく危険性)も可能性もずっと高いことですから、こっちサイドから始めるということでご了承いただきたい!
また後々、もはやこのページ内でも矛盾してんじゃね?ってこともあるかと思いますが、それもご了承ください。
で、第一回は大雑把に「これは前提」という辺り、ざざっといきます。
どういう順で記すのがいいか、よくまとめないままですので申し訳ないですけど『パルプフィクション』を始めて観たときの気持ちを思い出して読んでいただければ幸いです(この辺もはや前提もおかしいけど)
先に言っときますけど俺個人としては「絶対安全なんて言えないっすよ、そりゃ」という感じです。自己責任という言葉は使い方にってはこの世で最も嫌いな言葉の一つなので俺は「絶対」言いませんが、こんな記事書く以上、その材料の危険性の「とりあえず簡単な調べ方」は最後に記します。
で、当然、自分で考えることができる方を対象にしています。
たとえば、「○○は危険です!」とか、「ハザードマークあり!」とか言われただけで具体的によく考えたり調べたりしないまま勢いで「うぉぉ!そりゃ怖い!この業界(俺含む個人も)許すマジ!」とか言って3分後にはあっちこっちSNSで火ぃつけちゃったり、激おこコメントを金足農業のピッチャーみたいに連投しまくるような人は、この先今は読まなくていいんでイーライ・ロス監督の「グリーン・インフェルノ」(そういう無定見インスタント正義漢な人たちが食人族に食われる映画)でも見て時間を有意義に使って心入れ替えてください。
そうでない人はリンクに飛んで気分ガン上がりだと思いますので続けますね。
1、服装その他
サウジの女子陸上選手がストームトルーパーみたいな防塵マスク+ニトリルゴム等の手袋してるイメージを参考にお願いします。そこまでし無くても平気な場合が多いですがアウトブレイク系の映画で見る宇宙服みたいな防護服を持ってる人は、ここぞとばかりに是非使ってください(後半にいくほど無視してOK)
簡単にその辺でバサバサはたかない、特に部屋の中とかね。
特に小さいお子さんのいる方や、そうなる予定の方(おめでとう!)は注意してし過ぎのことはありませんね。
どこまでやるかは以下も参考に個々考えながら対応してください。
2、危険とか安全とか何しろ一口では言えない場合がほとんど。
どっから話せばいいのかこれ本当に難しいんですが、もちろんそれはもろに毒だろまずいだろってのもありますが・・・
程度問題、というと、水でも飲み過ぎたら死ぬ、とか、体内にはいろんな重金属が微量元素として必要なんだ!だからちょっとぐらい平気。みたいな屁理屈になっちゃうんで、ここではそういうことは言いません。
いうつもりはないんですが、やっぱりものには程度ってものがあるし、まあ、私自身子供の頃のどが痛いなあ~なんつって龍角散をカレースプーンでダンクしたらむせてむせて余計喉痛くなりましたけどね。マジで死にそうになりました(いらない逸話)
毒性ありませんよって言ったからって食っちゃだめだろ!とか。
これって有機農作物や放射能関連なんかでも近いですよね。声のでかい連中はゼロか100かみたいな別々のリングでセメントマッチな水掛け論してますが、我々心あるサイレントマジョリティは、これは気を付けよう、ここまではしょうがない、これは大丈夫でしょう。と、判定は人それぞれながらもいろいろ考えて折り合いをつけていると思います。
当然、ごく当たり前の態度で原料を扱った場合で考えましょう。先に記した服装等も含め、そういう理性的な態度を取る!と心に強く誓ってください。
程度問題にも先にあげた屁理屈レベル以外に…
A、危険や害、毒にもいろんなパターン、程度がある。
ちょっとでも危険、大量(どの程度だよ)だと危険、慢性的(だからどの程度だよ)だと危険、といった危険の度合と、どういう場合どういう症状になるか、被爆方法?との関連で複雑です。各材料なんかしら毒性、危険性のハザードがある場合が多いですし、被爆の仕方でも扱いは変わりそうで、害も様々だと思います。線引きはかなり難しいモノです。これも全部が全部避けようと思うと霞食ってろの屁理屈に戻っちゃいますよね。
B、金属と金属酸化物の違いさえ頭に入れてない人が多いように感じる。
形によって毒性ありなし違うこと多いんですよ。当然ですけど。
鉄とか銅とかチタンって平気で言いますよね。金属と化合物(多くは酸化物)とを区別して言ってるのか微妙な方、中には名前に反応したのかまるっきり別金属の亜鉛と鉛までほぼほぼいっしょくた扱いとか(英語で調べてみてよ)、一般ヤキモノ愛好家レベルだと話ししてて結構いますよね。
たとえば銅なら普通使うとすれば酸化銅、炭酸銅、硫酸銅(胆礬)とかだと思いますが、どのぐらい意識して物性的な違いなどを考えてるか。ただ使うだけならそれでもたくさんな場合がほとんどですけど、危険安全を気にするならで可能な限りちゃんと区別しておきたいですよ。それぞれどんな分類のものか(種類多いんだよ~)、その粒径分布は?とか気にしますか?
ヤキモノ材料屋でラベル観たってわかんないですよね。試薬と違って純度の問題等もあってラベルに記しきれない場合やそこまで厳密じゃない場合もあると思います。
まあ出来る限りでいいんで、酸化物なのか、炭酸塩なのか、硫化物、フッ化物、その他複合酸化物(骨灰=ほぼリン酸カルシウムとか結構あるんじゃね?)なのかの違いとその分子式を調べとくぐらいはやっといたほうがいいですよ。まあ同じと思ってたものでもいくつか種類あったりするけどわかる範囲でいいっすよ。この名前だけでもいくつもあるってのだけでも知ってると知らないでは雲泥だと思います。よくわかってないってことがわかるから。
C、粉末の粒径の大小による差
要はその粉末原料の細かさです。何ミクロンから何ミクロンまでとか、何番メッシュから何番メッシュまでとか、マニアックにはBET比表面積(単位質量?嵩?あたりの表面積って感じ)とかなんてもいうんですが、とりあえず粉の細かさ粗さです。これも意識してない方が多そう。
これは同じものでも細かければ細かいほどより低温で反応したり、焼結します。言葉の用法として正しくないかもしれないけど活性が上がる。
釉薬でいえば、細かければ細かいほどよく溶け合うし、粗ければ粗いほどムラになり、もっと言えば塊で、フリーで残ります。場合によっては高々1300ちょっとの陶芸用の窯ではしみじみ焼き固めることすらできません。
逆に、大した毒性でないとされてても超微粉末で、いじくるたびに舞い上がるようなものだと目や皮膚に付着したり吸入したりのリスクが増えて表面積大なせいでより簡単に多く被爆します。
ここら辺は粉砂糖と普通のザラメの砂糖、角砂糖なんかのイメージしてみてください。胡椒とか。溶け方もくしゃみの出方も違いますよね。
より微粒子で、しかも飽和しない量を調合されたよく溶けた釉薬であれば、焼成後の釉からの溶出の危険はなくなりますが釉薬調合時の危険性は増してくるわけ。逆に、ザラメなら調合時の被爆は抑えられる可能性が高いけど、釉薬からの溶出の危険性は高まる場合があると思っています。
で問題は焼き上がった食器からの良くない何かが溶出する場合ですけど、どうなると溶出するのか、どんな調合どう焼いてどうなれば溶出を抑えられるのか、等々ははっきり言って難しいです。たまに研究者の方とそんな話もしますけど、そんなもん出来た後個別に試験したり、分析掛けないと確かなこと言えないですよ。それらを積み重ねて経験的に大丈夫であろうライン、やばいかも知れないラインなど決めていくしかない。
自分なんかはモノ見てこれってマンガン系たっぷり君じゃね?とか、酸化銅で真っ黒子ちゃんじゃね?などとなんとな~く感じ分けることありますけど、まったく確かなこと言えないし。『SFボディスナッチャー』状態です。そんなごはん入れて食ったらすぐ熱出すような武士の一分のキムタクみたいにはならないし、後から出てもわかんないだろうなあと。
やばいと思ったら酢の物入れっぱなしにしないとか、食器じゃないからOKだな、とか、自分なりの線引きだけです。
実際、ものによってはその件について告知しない、もしくはわかってない、等々作家の責任感疑う場合もありますけど、それだって現状では俺の勝手な意見です。
この辺が焼き上がった釉からの危険性についてはひとまず置いておきますと言った理由。
で、邪馬台国や憲法解釈に限らず、結構学者研究者でも意見が割れたり認識の差はあるもので、何にしろどっちが正しいとかスパッとはわかりません。
長くなってきちゃったなあ~
多分、ルールや指標の在り方も、製作者の意識も遅れているのだけは間違いないと考えておいて、
3、まずディフェンスを固め敵を知ったうえで判断しましょう。
ということです。判断つかなかったから使わなきゃいいし、めちゃ防御して試しに使ってみるでもよし。
で、この材料俺使いません、となった場合も、やたら漠然と危険危険騒ぐとか、そんなもん全然へっちゃらだよ!とか、無責任なまねはやめて、何がどうだったので使わない(使ってみる)のか他人に説明できるようにしておこう!
それが気持ちのいい傾向かどうかは別にして、世の中予防線の時代ですよ。混じり合えない思考回路の持ち主相手では議論にもならなかったり、そうでなくても人間なんて愚かなもので双方良かれと思って論点がずれることだってあるでしょ?
やるやらないの理由は何でもいいんです。
4、で他人に判断を委ねない。
俺なんて圧力鍋でお米炊くやり方、カミサンに教わった端から間違えます。これこれこうすれば安全だと思って使っています。と人に聞いても同じにできないですよ。向こうの常識でわざわざ言わなかったけども、こっちにはそうじゃなかったとかいろいろあるでしょ。「普通」だって結構違うわけで。
昔、お勧め映画聞かれて『美女と野獣』を見に行って(俺は二回目)余りの伝わらなさに、ベルとは月とすっぽんのブスを映画館において一人で車乗って帰ったことがありますが、そういうことです。違うか。
決めるのは君だ!君だ!
で、調べものの場合よくよく吟味すること。
趣味半分程度のホームページはもちろん、俺含めた本職の意見も話半分以下で聞く。食器屋のHPなんかは自分が調べた限りでは、無視、無頓着、ウソ、過剰反応、もはやオカルトのどれかです。意識してセレクトしてるところならそんなこと書く必要もないかも知れないし、結局不明。まあ、健康ヒステリー系がやたらと検索にかかってきたり、かといって論文系では条件等々細かすぎて伝わらない場合も多い(ほんとはそれがいいんだけど)し。
ある程度以上客観的な事実を自分で調べる方法が必要です
5、簡易的ではあるが調べる方法はある!
まず、その材料の発売元、製造元に取扱の注意や、もしあるならミルシートや分析表のようなものがあるか聞く。これがとりあえず一番大事かも。
調べたい材料があった場合、その材料の試薬がどういう扱いなのか調べるのもおすすめです。
試薬メーカーのHPで調べものするわけですが、私は次の二社のHPを確認に使っています。
純正化学株式会社
勝手なリンクなんで怒られたら消しますが、製品検索や試薬検索できますので調べてみてください。いろいろ意外な結果が待っているかもしれません。
もっと簡単に「酸化○○ 安全データシート」なんて感じに検索するとこういった会社のPDFファイルが得られることも多いです。誰かがこの文章みたいなのをつらつら書いてる話でなくて、そういったデータシートを見て判断します。
そのためにも自分の使いたい材料の学術的名前や化学式は確認しといたほうがいいよねって感じ。どっちもちょっと検索に癖があると感じるかもしれませんが、慣れれば問題なく使えると思います。
そのためにも自分の使いたい材料の学術的名前や化学式は確認しといたほうがいいよねって感じ。どっちもちょっと検索に癖があると感じるかもしれませんが、慣れれば問題なく使えると思います。
両ホームページともハザードマークや危険物のマークの説明もあるのでしっかりメモっておきましょう。
多分法律で基準があるとおりになってますし、試薬の売り付け先ってのは「好むと好まざるにかかわらず使うしかない相手」なので、よく買ってくれるようにマークをウソついてつけてない、なんてことはないと信じましょう。
ハザードマークがついてた場合、その材料名で、アカデミックな、あるいは統括的なHPで個別に調べることをお勧めします。
同じ材料名でもゴロゴロ並んでる場合、しかもあっちが毒でこっちは無印とかあるんですよ。そういう場合の判断のつけ方はやはり個別に調べることをお勧めしてお任せします。
陶芸の材料に比べて圧倒的に微粉末なことが多いです、中にはナノオーダーだったり。その辺も鑑みて参考にするといいと思います。メッシュと寸法の関係も頭に入れておくといいですね。
勝手なイメージでは陶芸用材料では微粉ぽいのは325メッシュパスぐらいかな~ってのが多い気がしてますが、たとえばそれは44ミクロンです。とかね
陶芸の材料に比べて圧倒的に微粉末なことが多いです、中にはナノオーダーだったり。その辺も鑑みて参考にするといいと思います。メッシュと寸法の関係も頭に入れておくといいですね。
勝手なイメージでは陶芸用材料では微粉ぽいのは325メッシュパスぐらいかな~ってのが多い気がしてますが、たとえばそれは44ミクロンです。とかね
ただし、基本的に多くが高純度の「試薬」なんで、長石とか、粘土系鉱物とかのゴチャマゼ系鉱物、掘ってきた系鉱物は調べられないのがネックですが、その辺は製造販売会社に問い合わせてみましょう。
たとえば、絶対クリンナップな材料ですけど長石硅石の塵肺珪肺被害はマジで気を付けてね。長石粉末が濡れてるのには理由があって、もちろん粉が舞わないようにしてるんですよ。
ハザードマーク、個別に調べるを重ねて、自分ならどうするかの線引きをしていきます。
たとえば、このマークなら気を付けて使うけどこれになったらもうやめる、とか、この材料は絶対、あるいは全体の何%までしか使わないとか。
うおぉお!!もうだめだ。カオリンと石灰石しか使わねえぜ!となったとしてもなにかしら焼き物はできます。
書き忘れましたが当たり前のことももう一つ。
毒のあるなしにかかわらず、原料や資材を扱った後は手や顔をよく洗うこと!場合によってはすぐに風呂、シャワーに入って着替えてください。
本当は最後に、
よく使われてるっぽいけれど俺は使わない材料
というのを記そうと思ったんですが、理由を書かずには無責任なので今回はやめておきます。
ついでによく使われてる材料を並べますので調べてみてください。
二酸化ケイ素(硅石)
炭酸カルシウム(石灰石です)
炭酸マグネシウム(マグネサイト)
炭酸バリウム
炭酸ストロンチウム
酸化亜鉛
カオリン
タルク
酸化アルミニウム
珪酸ジルコニウム(ジルコン)
酸化スズ
リン酸カルシウム(骨灰)
二酸化チタン
酸化鉛
炭酸鉛(鉛白)
酸化鉄
酸化銅
炭酸銅
酸化コバルト
炭酸コバルト
酸化クロム
二酸化マンガン
炭酸マンガン
酸化ニッケル
などなど。周りの別な化合物との比較をすると、面白かったり不思議なことがあると思います
長くなったけど第一回はこの辺で!
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