2018年8月25日土曜日

内るつぼ ライナー式? 鋳造ルツボ関連

 ちょっと面白い形になってるアルミナるつぼ。4N(=99.99%)です。なにこれどうやって置くの?
 別に流行ってるからって尖底土器を高純度アルミナに置き換えたものではありません。まあ確かに縄文土器ブームがちっとは俺の頭の中にもありますけどね。月末までにこないだのへんてこりんも焼かなきゃいけないし(今日焼くつもりが風で断念)。


 これは鋳造に使うルツボのさらに内側に入れてつかう使い捨て内るつぼです。金属溶湯を直接抱える内るつぼ、内るつぼの破損を抑える、あるいは破損した場合の受け皿、バックアップとして外るつぼ、というデザインされた組み合わせはあるあるなんですが、この場合はちょっと事情が違います。

 遠心鋳造式だったり傾注式だったり(原始的なのはお兄さんがヤットコと根性で炉の中からつかみ出すとか)、まあとにかく鋳造用るつぼがあるわけなんですが、ひょんな事情で新たに試したい金属がでてきます。
 今までの鋳造ルツボでは、なにかしら温度的化学的に無理気味で、試してみたら軟化しちゃって持たない!反応しちゃって持たない!あるいは持ちが悪すぎる!すぐ割れちゃう!
 鋳造ルツボってのはフランジがついてたり肉厚に偏差があったり、とにかく熱間で振り回すには弱点の多い形状のものが多く、熱間強度高くキープするには材質にどうしても制限があります。
 
 今までうちでも、「やめた方がいいんじゃないの~、おすすめしないですよ~」って材質でトライしてきましたし、結局ダメだったり、よくてだましだましの域を出ない。感じが多くなっています。

 今回のライナールツボ式?(今考えた言葉)は、鋳造ルツボは従来通りの製品を使い、さらに内るつぼを使って「内るつぼはその時一回持てばいいっす!」な使い方です。今までのるつぼに直接ではるつぼが溶けだすほどだったんですが、これならとりあえず持つようです。でアルミナの高純度品が選ばれました。

 もちろんこれもおそらく「研究レベルまで。生産にはそこまで落とし込めない」だったり、「だましだましの域を出ない」ものになると思います。

 高くつく傾注ルツボの金型を新たに作って材質変更するに比べて大幅に安いコストで何種類もの材質適正を試すことができますし、だましだましでも研究を続けるに堪えれるレベルを維持できれば十分と考えておられるようです。

 まあもちろん似たようなすべてのケースで可能なわけでなく、「かなりたまたま条件的に行けんじゃね?」に限られそうですけどね。

 ぱっと思いつきですけど条件ぽいのを並べると、
 1、型新規に作成するのはもったいないレベル、段階の話。
 2、誘導加熱式で金属側が発熱するパターンでないと使えない。
   カーボン外ルツボ発熱式では意味ねーし
 3、形状的に見込とライナーとのクリアランス調整が楽でないと無理。
  たとえばストレート見込みだとガタツクので危険。
 4、口元からライナールツボを入れられないと無理。
   箪笥買ったのに間口通らないパターンになっちゃう
 5、何しろ作ってしまえば超高く売れるから余分なコストに我慢できる。
 等々、全部じゃないけど必要なんじゃないでしょうか?

 今回の場合、見込みのテーパーよりほんのちょっとライナーのテーパーのがぬるいんで少々傾いてもライナーの口元が見込みに嵌るからクリアランスはほぼほぼゼロにできる仕組み。ライナーの先端が見込みの底につかないギリギリの設計。これなら焼きっぱなしで摺合せ加工しないでも行けるはず、っちう読み。
このぐらいのサイズ


 なんて、この相変わらずクソ暑い中、これ最高だよ!やってみなよ!つって自慢してるわけじゃなく、その場しのぎの姑息作戦かもしれないけどKUFU(工夫)で我慢できる場合もあるかもしれませんよって話。
 ただのるつぼ(しかもそこそこ大きめ)にぴったりくるライナー作ってくれって話だと、むしろ高くつく場合もありますよ!

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