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2019年5月20日月曜日

遠心鋳造ルツボ 


 遠心鋳造ルツボです。今回のこれは多孔質のシリカ製です。
 


 遠心鋳造ってなんじゃい!って方も多いと思いますが、今知らない方は知ったところでまあ間違いなく一生使わないし、知ってる方はまあそういう職業ですからそもそも知ってるわけで、ここで説明されたところでアヤフヤな解説に突っ込むだけ、というダレトクなことになりかねないんですよね。

 これルツボ全般そうなんですけど。展示会の場なんかはオーダーをいただく相手=お客様(予備軍含む)と出会う、というのがとりあえず第一の目的なわけですが、ユーザーたりえる方はモノ見ればるつぼだとわかります。見てるつぼだとわからない方が私の説明を聞いて「え~ルツボなんて便利なものがあるなら今度使ってみたいわ!」となる可能性はイ・ビョンホンがバーで女に振られる可能性より低いです。この辺が機械装置や新技術なんかと違って厳しいところですなあ。



 で、ここで切っても意地悪なだけですので説明しますと・・・
 
 普通?溶けた金属はるつぼを傾けて鋳型に流し込まれます。これを傾注(ケイチュウ)といいます。「片口」になるような注ぎ口(湯口ということが多いです)を付ける場合もありますが、何もない場合も多く、この辺は鋳型やるつぼの形状やサイズ、溶湯金属の種類にもよります。

 それに対して遠心鋳造は文字通り遠心力を使って鋳造するわけです。
 室伏みたいにぐるぐる回る機械に鋳型と一緒にセットされ、多分高周波とかで金属を溶融させた後ものすごい勢いで振り回されます。口が外向いてるので溶けた金属がぴゅーっと鋳型に注入される!というわけですね。
 ティーポットに水でも入れて振り回せばどうなるか?やってみてください!
 これ鋳型無しで振り回したらドクターストレンジみたいなことになるんじゃないでしょうか!ただじゃ済まないだろうけど。
 


2018年3月6日火曜日

ムライト、あるいはムライトという名の棚板 について

 今回はうちの耐火物のユーザーの方、ネタ探しに来られている一般陶磁器関係の方どちらにも関係がある話です。

 過去にも何度か触れてきましたが、耐火物屋をやっていると「呼称の混乱」に少なからず出くわします。まあ、先日のサヤと匣鉢、なんてのは言い方違うだけなんで関係ないんでどうでも好きなように呼んでくれなんですが、素材として不明瞭って場合があります。(俺が思ってるだけかもですが)代表的なのがジルコニアで、「ジルコニアとジルコンについて」は一つまるまる記事として説明しました。

 もうひとつ、西の横綱と言えるのがムライトです。
何かしらの理由で何かしらの炉を使う方はなじみがあると思います。るつぼ、炉材、その他にもいろんな耐火物がムライトって名前で呼ばれています。

(この一輪挿しの中にもムライトはたっぷりあるぞ!)

 まずはムライトって何かってことなんですが、
ムライト(Mullite)化学式は3Al2O3・2SiO2=Al6O13Si2
 細かいウンチクは知りませんが鉱物名、化合物の名前ってことでいいと思います。
では耐火物などでセラミック製品として出回っている「ムライト製〇〇」、「ムライト質〇〇」がこれかっていうとほとんど違うと思います。細かーい純度はともかく純ムライトの物なんて自分はスパッタリングターゲット(4N)ぐらいしかかかわったことないんですよね。

 ほとんどのものは何らかの割合でアルミナとシリカでできているもの、という意味で慣習的に「ムライト」と言っています。
 低温(1300℃以下?)の試験用炉をよく使っている研究者の方や、一般の陶磁器を作陶されている方にとっての「ムライトの棚板」は1000℃以上になるたけしないでね、すぐボソボソに痛むから、なんていう「安いほうの棚板」だと思いますし。アルミナ90何パーセントで1600℃でバンバン使ってるようなルツボや高温耐火物もムライトって言われることもあります。
 「ムライトって持たないから気をつけろよ!」「ウソ、持つだろ?」噛み合わねー、なんてことにもなりかねません。というか噛み合いません。

 個人的な意見では(全部個人的見解ですが)ムライトなんつう難焼結性で密度上げるの難しいシロモノを「あー、あの安くてショボイほうの棚板の」なんて安直に思われるのは我慢がならねえ~!って感じなんですよね。ムライト舐めんな!みたいな(笑

 というわけでつくばセラミックワークスでは「ムライト粉末で作った純ムライト製」しかムライトと言わないことにしています。アルミナとシリカによる耐熱衝撃を上げた耐火物は「アルミナシリケート」とか、「アルミナ-シリカ系」としてます。まあお客さんの都合で「ムライト系」って言ったこともありますが系ですよ系、その際は組成はアルミナ何%シリカ何%で使用温度は何度ぐらいです。といった説明をしています。ムライトのこんなの作ってください、って言われることも多いんですが、どういう感じのモノなのかお互いわかんなくなっちゃってもしょうがないので。
 この言い方はファイン作ってる側からするとかなり一般的になってると思うんですが、ユーザーからはアルミナシリカ系=ムライトみたいです。

 ちなみにうちの場合はシリカの方がリッチなアルミナシリケートは作る必要性が今までなく、そんなのは既製品買った方が安かろう、ということで基準の材質としては設定してません(当然オーダーには対応可能)。アルミナリッチなものの場合、アルミナ粉末+ムライト粉末(+場合によっては高純度カオリン)で製作していますので、フリーシリカは建前上はない作り方です。

 おそらく例の「ムライトの棚板」は、うちの定義(っていうほど厳密なもんないですけど、俺の言い方ね)に従っていえばシリカーアルミナ(先に言った方がリッチ)になります。でシリカが使うたんびに結晶どんどん変わっていくので(石英からクリストバライトへ)スカスカになってボロけて持ちが悪いと。(自分は使うことないからどっかの研究室で見た印象だけで語ってますので間違いかも?)


 本当は世の中全部に「ムライト以外はムライトって言うな!わかりづらい!」と思ってるんでこっそりキャンペーンしてますが、そんなこと言ってもしょうがないんですよね。だってお客さんにとっては今までずっとムライトだったわけだし。アルミナ+ムライト+シリカになってんのは間違いないし。俺に権力ないし。

(今回、写真は話の内容と関係ありません)

 というわけで、ムライトってそういうことなんで決して安物とかショボイってことではないよ(というかそもそも耐熱温度が高い=高級ではないし、価格が高価=あなたに最適ってことでもない。適材適所)ってことを口の聞けない「ムライト」さんと、へぼ扱いの「ムライトの棚板」君に成り代わって弁明したい所存であります。そもそも純ムライトは別に安くねえし。

 最後に、アルミナにシリカが加わった「アルミナーシリカ系質」=「いわゆる巷間言われるムライト質」は耐火物的セラミックス的に純アルミナと比べてどうなるのかってことを自分なりに簡単に説明して終わりたいと思います。



 耐熱衝撃アップ
 ムライトの針状結晶が混ざりこむのと気孔率がどうしても上がってしまうおかげじゃないかなと思います。

 耐火度若干ダウン 熱間耐荷重ダウン
パキッと割れない代わりに高温でダレて曲がりやすくなります。割れてもいいのか歪んででも粘ったほうがいいのかで選んでください。
 軟化の仕方が違う等、単純比較はできないんですが、融点でいうとアルミナ2050℃、純ムライトで1850℃です。もちろん融点は使用可能温度の上限ではありません。

 シリカ混入が許されない場合は使えない。
 どうしてもフリーシリカはあるらしく、溶湯からコンタミとして分析されてしまうことがあり得ます

 るつぼとしても炉材としてもド定番の実力者です。


(写真がないと、左の壊れたタンゲプレステージのようになんとなくさみしいんです)


 なんかもっと言わなきゃいけないことあった気もするんですがこの辺で

 
 

2017年5月4日木曜日

金塊用の鋳型 シリカ多孔質

多孔質シリカの鋳型です。
るつぼで溶かした貴金属をここに流し込んでインゴットにするための物。といってもホントの地金なんで、ルパンとかジェイソンステイサムとかオーシャンズチームが奪いにくるようなマーク入りの出来上がった「ザ・金塊」とは違うんですけどね。



鋳込んだ金塊の写真は無し。
「ルパン、金塊、掃除機」で画像検索してみたけど芳しいのがなかったんで今日はこれまで!!


2017年4月11日火曜日

遠心鋳造用るつぼ いろいろ

 よく考えたら「こんな物作りました」っていうタイトルはいつもこのHPでやってることとどう違うのかっていう根本的なギモンが出てきました。

 そんなコマケーこたあいいんだよ!なんつって鈴木ユーマ(わがアントラーズの切り札)もかくやといわんばかりに常識という名のディフェンスラインの裏まで突破しますよ。

 遠心鋳造るつぼの旧型がいくつか発掘されました。現行で製作してるのはいくつか紹介したこともありますよね。

 それぞれ研究室だったり、貴金属工芸用だったり歯科技工士用だったりしてますが、鋳造器各機種ごとに保持の仕方や細かい寸法、角度なんかが違っててなかなかおもしろかったり意味不明だったりします。

 このジャンルは作るのも、作り方考えるのもむちゃくちゃ楽しいんですけど、そうじゃない所でいろいろグレーゾーンな部分があるっぽいので細かい説明は省きます(笑)

 まあただのるつぼなら、近い寸法だから使える!とか何かと半端在庫の第二の人生も見つかることがあるもんですが、こういった専用フォルムのものは取っておいてもまずお試しで使ってみることすら不可能なので、ずっと行先のないまま箱の奥に何年も眠ってたわけです。下の娘(あぶらすまし似)の将来もありますし何かそこらへんグッとくるものがありますなあ。
 
プラチナ用のものなので純シリカ製 
後ろから見たフォルムが好きです



いずれも型の割り方作り方から頭ひねったんで思い出ありますなあ


2017年3月23日木曜日

年度末の名残 小さき者あれこれ ZrO2 Al2O3 SiO2


 この年度末、何かと小物をつくりましたので、るつぼを中心にご紹介。
まずはAl2O3=アルミナから、
手間のは径5㎜φです

つぎはZrO2=ジルコニア
12φと8φで細長系。試料を入れたら石英管に封入してから加熱!するようですよ。

これもジルコニアですが、
実はそれほど小物ではなくて大きいのは100φ弱あります。
段付きの円板ですが使い方は不明!

珍しいSiO2=シリカの緻密質
ハースライナーですね。おそらく蒸着用

二番目の写真のジルコニア、左と真中はタンマン管るつぼでした~
右のは平底。

 特になんの変哲もない形状で、ああ、るつぼなんでしょ?ぐらいに感じちゃいますし、まあ実際第三者的にはそれ以上でも以下でもないんですが、それぞれ設備に合わせて、内容物に合わせて、ハンドリングに合わせて、などなどご自分たちの実験条件に最適化するためにいろいろ考えて設計されたもので、お話伺うとなるほどだったりしますね。

 オーダーメードの醍醐味なんじゃないでしょうか?実験が上手くいってそれでいて少しでも楽しく軽快に使っていただきたいな~と祈って作ってます。早く次の実験したいぜ!なんてね。



2016年12月12日月曜日

シリカるつぼ

 底に6ケ所、貫通孔のあるシリカるつぼ
 貫通孔は見込み側はφ5㎜、底面ではφ1.5㎜とφ2㎜の段付き孔になってま~す



2016年11月29日火曜日

今から脱型!

いまから昼間鋳込んだ(固形鋳込み)大型のるつぼの離型にかかります。
シリカるつぼですが、この調合の場合、着肉完了までにも離型できるまでにもかなり時間が掛かります。

昼から夕方に鋳込んで夜遅く型から外す、というのはよくあることです。



 今日はチャンピオンシップだったので、最高の気分で仕事できる予定だったんですが、わざわざ取るほどでもないようなショボイPK一発で負けちゃったのでメッチャ落ち込んでます(笑

 広島・・・じゃなかった浦和に負けるのだけは我慢ならないですよね~
 でも今年は浦和強いっすな。アントラーズOBのコウロキも流石の働きでした。
 柴崎も戻ってきたし土曜日の第二戦が楽しみ



2016年8月21日日曜日

お盆明けは小さきルツボ達

お盆明けは関係ないと思いますけど小物多し!

形としてはおなじみですね。単結晶育成用のるつぼ
99.99%のアルミナです

こちらはただの丸棒と侮るなかれ!
先方ご指定の調合で製作したカスタム材質のるつぼです。
ベースはアルミナですが添加物が面白い。ナイショ!

小型ハースライナー二種。もちろんどちらも蒸着用!
左は緻密質のシリカ純度は約97%のホウ珪酸多結晶ガラス。
右はジルコニア緻密質です。

四角いボート(焼成皿)とルツボ
どちらも99.99%(4N)のアルミナ緻密質です

2016年6月13日月曜日

耐火物らしい耐火物、というかわかりやすい炉材感

があるとおもうんですがどないでしょう?

炉心管、ヒーター、熱電対の支持支柱です



どの穴に何が通るかはご想像にお任せします

2015年2月3日火曜日

小物たくさん成形中

ジルコニア、アルミナの小物成形中!
予算の残りは消耗品のオーダー!っていうのは例年のパターンのようです。

写真で紹介はできませんがチャレンジングな形のるつぼもちらほらあってなかなか楽しい。





2014年3月4日火曜日

多孔質ルツボの原料サイズ

成形したばかりの多孔質のシリカルツボ
まだ型の合わせ目などに出るバリも落としていないもの

大きさは170φ×250H

多孔質ルツボとしてはまあ標準的なサイズです
(生産現場によって全然違うでしょうけど)

同じものです




















このぐらいのサイズになると肉厚や原料素材によっても異なりますけど
下の写真の大きさの粒子が配合されています

(るつぼや耐火物としての)多孔質製品の場合、緻密質や一般の陶磁器と違って全体的に熔化しつつ固まってるわけではないので、このサイズの粒子がごろごろ出てきますから、焼成後の研削、研磨の精密加工が大変困難です。というかふつうあんまりやりません。

どうしても必要な場合は全体の耐熱衝撃性などを犠牲にして加工に耐えられるサイズの細かさで作ったり、ほかにもいろいろKUFUしながらとなります。


2013年10月28日月曜日

2013年10月25日金曜日

透明石英


透明石英、外径研磨加工の円柱 こんなピンぼけ写真でもはっきり透き通ってるのがわかります

石英ガラスの代替品になるようなものもあるのです(緻密質シリカの硼珪酸ガラス焼結体)が、
今は石英ガラスの価格も大分下がってきてるようで、ほとんどの場合本物使ったほうがいいようなきがします




2013年10月9日水曜日

ノズル孔付きルツボ

石膏型から抜いたばかりで、まだも何もしていないシリカるつぼの見込み
 外径170φ×内径140φ×高さ250H

バリのかけら屑が中に散らばってますが。






















6つの孔は溶解した金属溶湯を流し落とすためのノズル孔。
半乾燥後に追い加工で見込側と底側で径の違う段付き孔にします。

こういう形状 実際の孔系は見込側約5㎜φ、出口側約1㎜φ















型で一発に作るにはちょっと不都合がある形状なので(逆はわりかし簡単)追い加工になりますが
めちゃ粗い材料で作られたものなので後から細穴をあけるのは無理。
手細工で埋戻して孔系を作って仕上げます。

このような変わった条件でもできる限り対応いたします


2013年9月25日水曜日

シリカ SiO2

シリカは、難焼結性の素材ですが、比重が軽く、低熱伝導、低熱膨張、優秀な耐熱衝撃抵抗を特徴としています。
金属溶湯に対し濡れにくい性質もありますので様々な用途に使われています。
純シリカとしてだけではなくカオリン等の粘土系鉱物との混合坏土による製品も多いです。
また他の材質への添加物として使われることもあります。


多孔質

各種の低温用の炉材や、溶湯の鋳型、るつぼとしては貴金属にむいています
機械的強度が低くサクイ(業界用語)のを逆手に取った用途もあり得ます

純シリカ、あるいはシリカークレイ系で、用途に適した配合にて製作いたします

代表数値ですが、
気孔率 25%前後
熱膨張係数 0.4



緻密質

高純度アモルファスシリカを骨材に、硼珪酸ガラスマトリックスによる焼結体です
分析用のサンプラーや、石英ガラス的な用途に使われます。