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2021年12月21日火曜日

リアルタイムレポート「楊枝立て、どうなってる?」

  さあ、先週の金曜日に原型~鋳込み用石膏型を作り始めた「お年始用の楊枝立て」

 排泥鋳込みによる制作、の詳しい流れを追っかけるのは後々記事として紹介します。


 五日目の今日21日火曜日夜8時現在どうなってるかというと。

朝昼夕と三回に分けて鋳込んでます
4つずつ乾燥収縮の程度が違うのがわかりますか?
 明日もう焼けます!
 というのは冗談で窯があいていません。

 ここまでの流れは・・・
 金曜日:思いついて原型製作~
 土曜日:鋳込み型を4つ作る~乾燥
 日曜日:乾燥中
 月曜日:鋳込み用素地づくり(たった2キロ分です)
  調合はそのうち紹介します。 
ビー玉+広口瓶で

 本日火曜日は、鋳込み開始~4型×3回=12個成形~仕上げまで行いました。
 朝、昼、夕方に1バッチずつ鋳込み。
 


 

 

 


 1日12個で明後日まで成形、二週間で30個焼き上げようと思ってるんですが、窯の空きがうまくタイミング取れるといいなあけどなあ。 


 あ、ご注文中のユーザーの皆さん安心してください。


 もちろん、滞らせることなく鋭意製作中ですよ!! つくばセラミックワークスは、別名「Hurry-Potter」とごく一部から言われてるぐらいなんで!

 るつぼが出来上がらないとお年始作るもへったくれもなくなっちゃうからね~

 ちょっとぐらい加飾入れたかったんだけどさすがにそんな時間は取れそうにないわ


2021年9月10日金曜日

排泥鋳込みの見込み側

  ジルコニアのるつぼです。蓋付き

 
 このるつぼは排泥鋳込み法で成形してます。
 泥漿を石膏型に注ぎ満たし、任意の肉厚を得たら石膏型から泥漿を排出して成形します。
 本稿では面倒だしこれ以上詳しく説明しませんので、気になった方は過去の説明記事を並べて閲覧できる「排泥鋳込み入門」タグから読んでみてください。

 この成形法の特徴は、きわめて均一な肉厚と成形密度を得られることなんですが、それは上手くいけばのこと。
 石膏型の出来が悪いと壁の肉厚ガッタガタになります。

 離型剤の施工に失敗したり、安手の石膏なのに攪拌不足だったり、そもそも駄目になってた石膏を使ったり、フライドチキン食った後洗ってない手で着肉面を触っちゃったり、理由はいろいろ。

 見にくい写真ですが、見込みの壁の光の反射を見ると、右側のはボコボコしてるのがわかると思います。(色味の違うのは写し方が下手なだけっす)

 で、右側作った石膏型がダメ型かっつうとそれも違ってて、実は同じ型で鋳込んでます。
 うちでは石膏型を作るときにグリスを塗って薄い皮膜で覆った原型を使います。処理が甘いと一回目使用時は右側みたいにデコデコになっちゃうんですよね。
 二回目は左側みたいにピシっと作れます。
 これを「洗い」なんぞといってますが、こんなシンプルなるつぼなら、一発目からキッチリ作れたほうがいいに決まってんだけどね。
 原型の素材や形状で「一回目洗いになるのはしょうがないかな」って場合もアリ。

 一番いけないのは、こんなの焼いてんじゃねえよ!原料に戻せや!ってことですな。夏の暑さのせいだったんでしょうか?ボケっとしてたっぽいな(笑
 鋳込みにしくじったらとっとと泥漿に戻さないとダメなんだよね~。もったいねえ。

 その際は石膏型に触れていた面は綺麗に削り落とします。純度が落ちちゃうし油脂分が泥漿に混ざると大変厄介。

 まあ、ネタができたってことで…







 








2020年6月24日水曜日

鋳込み用素地のワイルドサイドをほっつき歩く

 ここ最近、友人のパチーノ(仮名:会う気にならないほど遠い地方都市住まい:同級生のオジサン:陶芸教室に通いだして二年:ここはすでに俺のシマ発言=狂人)が、このHPに対しての不満を連発してきてます。
 去年後半からはサッパリ連絡もよこさなかったくせに、ここんところの教室レスでヤキモノウェーブがどばっと押し寄せてきたんですかね?
「おい、鋳込みのシリーズの続きやれよ!おせえよ!何年かかってんだ!」とのこと。
 先日の泥漿調整の記事はその流れで書きました。

 型はとりあえずある、泥漿の調整のやり方も分かった、というところで、排泥鋳込み用素地の出発点としやすいおすすめ基礎基礎調合を紹介します。(基礎基礎調合とは、こっから自分なりに調整して使いやすくしていってみようぜ!ぐらいの意味)




 もちろん、ただ調合例を羅列したんじゃあうちのHPの意味がねえ。一応意味っぽいものをくっつけていきますよ。

 まず、一般的な、いわゆる陶芸のヤキモノ素地の組成についてですが、アルミナとシリカでできています(普通シリカがリッチ)。
 そこにアルカリ、あるいはアルカリ土類金属の酸化物が適量混ざり込んでいます。で、この組成はまあそこら辺にある土だの砂だのはあらかたこうなっていて、人類の技術的な発展との帳尻が実に旨い事ピッタシきた結果、現在ほとんどを占めると思われる1200~1300℃ぐらいじゃね?というところに世界のあっちでもこっちでも収斂したと考えていいでしょう(多分)

 この、大体勝手に混ざり込んでるナトリウムカリウムの酸化物(いかKNO分)が適量混ざり込んでるおかげでその辺の温度でちょうどよく焼成できるというわけ。

 我々ファインの場合は単独では非常に焼結させにくい場合に(理由はそれだけじゃないけど主に)、何か母材の焼結を促進させる無機材料を混入させるんですが、これを焼結助剤と呼んでいます。
 
 一般陶磁器に置いては、メイン材料である長石とか陶石とか粘土鉱物にこれが端から都合よい程度混じってる、つまり焼結助剤内蔵!便利(というか偶然にしても大変都合よい。) 
 シャンプーにリンスが混じってるのも大変便利ですが、それはシャンプー屋が気を利かせてくれたもの。掘ったその土にもう勝手に入ってるってのは地球が気を利かせてくれてるわけです(つまり、地球というのはヤキモノ屋のためにあるのです)
 掘った土が使える使えないってのは、有機物分を除いた鉱物部分に関して言えば、おおかたは組成の違い自体ではなくて、粒度や粒形状を主な原因とした、捏ねたり焼いたりした時に機械的にどうなるかっつう性質によると言えるでしょう。違うかな?

 アルミナ、シリカ、その他チョロチョロという組成は、長石も粘土鉱物(カオリンも含むよ)も一緒です。まあ言っちゃえば長石もカオリンも中身はいくらも変わりません。その他チョロチョロの部分、特に可溶性塩になるアルカリ酸化物の量の多寡ぐらいなもんです。買ったばっかりのコーラと気の抜けたコーラぐらいには違いますけど。

 この辺の認識を叩きこんだら鋳込み泥漿用の配合例を考えていきましょう。出来合いの鋳込み泥漿売ってるんでそれがイイに決まってるんですが、鋳込みってのは、成形作業自体には個性や手癖が激しく出にくい成形方法です。だから舐められてるし。だったら、アコガレ!の俺の素地、にチャレンジしてみませんか?ロクロ用の坏土一から混練するよりは相当楽。釉薬自分で混ぜてんだったら労力変わらないです。

 型の設計、釉薬のチョイス、焼成、で一緒のものにはそりゃならんといっても、ヤキモノの本質は素地の組織です。そこに俺作用が施されるってのは楽しくね?
 窯自作する人より土掘ってくる人(そこまでせずともブレンドする人)の方が多いってのはつまりそういうことかと。
 
 俺のこの記事読んでる以上あなたも、《全部出来合いで粘土細工さえしてりゃあ「陶芸やってますです(はあと)」では済ますつもりなんかさらさらねえ餓えた狼》ってことだと考えて極論承知で言ってますが(笑

紹介した配合のテストピース
どれがどれかは自分で試してみて!!





 排泥鋳込み用基礎配合を、ヤキモノ材料屋で買えるもののうちからミニマムな順で考えてみました。せっかく鋳込みなんだから磁器で行くぜ磁器!
 さすがにミニマムっつっても長石だけ、とか、硅石だけってんじゃあ、「せっかく砕いてくれたものをもう一回石に戻してどうすんだバカ!」と言われちゃいそうですが、実はヤキモノっツウのはそういうことですよ。

 おすすめ基礎基礎配合①
 長石:カオリンを1:1の同量比
 〇〇粘土じゃなくて○○カオリンにしてください。この場合。 

 おすすめ基礎基礎配合②
 長石:硅石:カオリンを1:1:2
 硅石を入れることによってはっきりシリカが骨材として立ちます。

 おすすめ基礎基礎配合③
 長石:硅石:カオリン:蛙目粘土を1:1:1:1の等量比
 粘土鉱物のうち半分を高可塑性材料に置き換えます。(蛙目でなくて木節等でもOK!)

 で、これだけじゃお前本当に考えたのかよ!って言われそうなので、しょうがなくいろいろ試した結果の・・・
 つくセラおすすめ配合としての④
 長石 25%
 硅石 15%
 カオリン 50%
 ガイロメ 10%
 で、どうでしょう?
 カオリンをちょっと減らして(3~5%)、その分長石と硅石やや増やし目にしてもいいっすね。大差ないっす。

 ④は、自分で考えたり試したりするのがやってられない人向けですが、だったら出来合いのスラリー買えよ!そっちのがイイから。と言っておきます。

 では、①~③について、少量でイイから泥漿を作って焼成までやってみてください。
 その際、以下を気にしてみて、好みを探っていってください。

 A:泥漿のチクソトロピー性の大小。
 B:着肉時間(ここはびっくりするほど違うはずので楽しみにしてみてください)
 C:離型できる(もしくはしちゃう)までの時間
 D:いじくってもヨレなくなるまでの時間、またヨレっぷり
 E:完全乾燥してからの水分に対する性質
 F:生体加工(シノギ等の切削、取っ手付けたりのアッセンブル)のしやすさ、タイミングの振れ幅
 G:乾燥収縮はどういった具合か(収縮日だけじゃなくて、さっさと収縮するのかゆっくり収縮するのか、とか) 

 焼成の段階に入ってからは
 H:普段とおなじ温度に素焼きした時の強度や吸水性
 I:焼成での歪みやすさ
 J:透光性
 などなど
 で、忘れちゃいけないのが余って保管しておいた泥漿の状態。

 といったあたり。
 この程度の単純配合だからこその違いを楽しめると思います。
 
 それと、絶対やってほしいことが二点
一つは、離型するときに、完全に外れるまで待った場合と、多少早めにゴムハンでポンポコ叩いて外してみるという最低二種類。ヨレを起こさなくても焼成後のひずみに影響する場合があります。もし叩いた分がやたら歪んだようなら取扱いシビア君、と考えられます(焼き歪みのひどいのは本当に面倒)

 もう一点は、決まった釉薬、できれば貫入が出やすい釉薬を同じ厚さでかけて、貫入の出具合の違いを確認してみましょう。理由も調整の仕方も見当つきませんが、違ってて不思議なんだよ~


 一通りやったら、調合をちょっといじってみる。1割程度の増減や外掛け添加までならひどい事故にはなりません。ただし、中性(R2O3の式であらわされる)、酸性(RO2)の酸化物にしてください。塩基性(R2OやRO)のものはやめておきましょう。焼成温度がググッと変わっちゃう(多分下がる)ので・・・

 簡単なのはカオリンや粘土鉱物の増減がわかりやすいかな。
 俺はカオリン、あるいは硅石の一部あるいは全部をアルミナ(材料屋にあるうちで硅石ぐらいの粒度のもの)で置き換えてみるのをお勧めします。焼腰の強さや焼成温度帯、結構特徴が出てきますよ。

 ジルコン(珪酸ジルコニウム)などは好みはともかく白さをアップできます。

 たとえば庭や近所の土(ほんとに何でもいい)を掘ったくって水で洗って砂目を濾す。その細かい方を加えてみれば、ほんのちょっとで成形性に影響与えずに色もつくでしょうし、これぞまさにみんな大好きオリジナル(笑
 
 ぜひ試してみてください。
 粉末を泥漿にする作業やなんかは過去記事を参考にしてみてくれ~~。

 素地試験におすすめの釉薬も一つ紹介しておきます。

 長石  40%(いろんなのをブレンドしたりしてみて!)
 石灰石 15%
 カオリン20%
 硅石  15%
 タルク 10%
 骨灰  2~3%

 これはどんな土でも安定して食いついて、焼成温度帯も幅広く、釉掛け時の多少の凸凹はなめらかに落ち着く、しかも沈殿しにくい、光沢の透明釉です。
 貫入しないようにタルク10パーもブッ混んだのに意に反して必ず貫入します。きれいな貫入が出ることが多いですよ。骨牌を2%ばかし入れた理由はなんか通っぽいからってだけですが・・・(多分安定性が上がってると思う)
 この釉薬に酸化鉄(通称RIOちゃん)1.5%、あるいは酸化銅を1.5%加えると素地によって色味の出方の幅が広いので、新しい素地の試し打ちにぴったり。
 
 そんな感じで四種類の素地のこの釉を掛けたものがこの辺
収縮の差や貫入の出方、色味が若干違うんですよって言いたかったのに写真じゃわかんねえな


 結局いじくって気に入った高強度の素地と釉の組み合わせができました(4番にジルコニアの削りカスを外掛け5%混ぜたもの)

 この色の組み合わせ、名前まだ決めてないんだよね~











 
 
 





 



 
 

2020年6月7日日曜日

鋳込み泥漿の濃度(流動性)調整について

 写真の無い記事です。すみません。

 前回記事では、切り糸の縒り方、作り方の記事の閲覧が多いんだよなあ~ってことで、誰も真似する気になれない「世界最速の糸の縒り方」を紹介しました。動画の内容はいい年こいてバカ丸出しですが、糸に手早く撚りをかける理屈は分かっていただけたと思います。

 他に閲覧数が多いのが、「排泥鋳込みシリーズ」「石膏流すシリーズ」でした。

 この感染症騒ぎの中(友達が、今地球は「コロナ雰囲気」と言ってました。ヤキモノ屋病ですね)、講座や教室に行けないし、自宅にロクロが無くてもできる成形法、ってことだったんですかねえ。



 直接質問もいただいてて、鋳込み泥漿の調整について知り合い含め3件ありました(本当は4件だったんですが、一人は某ファイン屋の若手の方だったんでそれはノーカン。会社の電話からいい度胸だよ君は!すばらしい!でもまずは仲間と自社の伝統を尊重し給え!俺より絶対レベル高いはずだ!)

 というわけで、排泥鋳込み用の泥漿について基本的な考え方のようなものを紹介します。
 何作るかとか、どんな土なのかとか、そんな都合でそんときそんときですから、具体的な数字をあげて語れないのは申し訳ないんですが・・・。

 鋳込み泥漿、なかなかゼロから一人で試してみても難しいのかもしれません。個人的にはロクロに比べて能率的だとは全然思わないんですが(ほとんどの場合むしろ逆)、かなり産業的と思われている成形方法なので、いわゆる陶芸教室なんかでは扱われなかったり、先生が仕込んで出来上がってるのを黙って使ってちょろっとやる程度なのかも? 
 確かに何でもそうですけど先輩と一緒にやりながら覚えるのが一番いいのは間違いないです。

 ただし、最初に知っとけばそれだけでちったあ役立つ、地図のようなものはあると感じているので、興味のある方はご覧ください。

 では、つくばセラミックワークスが誇る「SAS(Slurry Analysis Service =泥漿分析機関)」による大体こんな感じ表、をご覧ください。
見にくいので右クリック、新しいウインドウで開く、してください。

 ある一定の坏土の量に対して、右側が水分量(含む解膠材)多めつまり薄い、左側が水分量少な目、つまり濃い、という割り付けになっています。
 緑の文字は、そういったスラリー(=泥漿)物性に対する表現の仕方、内側の黒い文字がその場合に出くわす不都合の代表例、を記しています。

 やっぱ、写真がないと寂しいので最近作った鋳込みの製品を




 
 で、ちょうどいいって何よ。って所ですが、ちょうどいいスラリーの特徴、こうであって欲しいということをここに並べてみます。
 
 必ずしも大事な順ではないかもしれません。
 1・確実に離型する。これは絶対。

 2・着肉が均一に仕上がる。

 3・着肉時間が適当。
    遅すぎるのも早すぎるのも良くない。
      数字で時間を示すのは難しいのですが、
      粒子の細かい結晶水の残っている粘土鉱物が多いと遅くなる傾向です。

 4・偏析しにくい。
   偏析というのは配合されている各素材が、組成や粒度ごとにバラバラになってしまう状態。
 5・使ってるさなかでもどんどん流動性が悪くなってしまう。
  チクソトロピックな性質が強いとこうなります。

 6・離型までの時間ができるだけ短く、
  離型後だらだらとヨレっぽい性質を残さない。
  これもチクソトロピーに関連

 7・使ってる最中の沈殿、分離が起こらない方がイイ
  頻繁にかき混ぜるようでは成形体にエアが混じります。

 8・かき混ぜても泡立たない。もしくは泡の収まりが早い

 といったところでしょうか。

 ほかにも、焼成終わるまで、や、保管、等々というロングスパンで考えると・・・
 ・いつも収縮が安定している。
 ・泥漿状態でも径時変化に強い。
 ・焼成歪が小さい。
 という性質だけでなく品質管理に直結する点。
 また。
 ・オキニの釉薬との相性がいい。 
 ・簡単に安定した原料が手に入る。
 ・できれば安い。
 ・臭くない
 ・人体、健康への攻撃性が低い
 等々あげられるかもしれません。

 まあその辺は今回は置いておきます。
 単に、いいスラリー=成形に都合のいいスラリー
 ということで~す。

 泥漿調整の基本、つってもいろいろ流派や流儀があると思いますので、俺がやってるパターンで説明します。

 解膠材に何を使うかでも変わるんですが、原料の乾燥重量に対して有効成分が0.3%~0.5重量%(以下w%)というのを基準としましょう。
 つまり、原料に対して0.5w%の解膠材を使ったら、もう水分以外は加えない、ということです。
 ただし、水分は原料の重量に対して45w%を超えるようでは行き過ぎな気がします(あくまでも一般論だけど)

 逆に、決まった量の原料に対して水30w%使ったもの、35w%、40w%といった具合に準備して、そこにそれぞれ解膠材を測りながら投入し混練、具合のいい泥漿になった割合を選ぶ。という方法もありえます(特に使ったことがない解膠材にたいしては)。

 そこで先のいいスラリーの条件を一番満たしているものをチョイスすればいいわけです。
 まあ一般陶磁器の坏土はそもそもナマモノ、というか組成的バラつきの大きなものですし、気温や水温、湿気など季節や環境によっても変わりますし、何も違うことしてないのにこないだまでとなんか違~う、なんてことも結構あります。大体そんなときは心の中で原料メーカーのせい、ということにして精神の安定を図っています(笑。ごめんね!

 慣れてくれば水ガラスぐらい目分量でやっても致命傷負わないようになりますよ。自分の中で基準の振れ幅が会得できるまではこの方法で慣れてみてください。
 水分量と解膠材の量を測り、良く混練し、一晩おいて試してみる。なんていうのをいつも同じようにやってれば、そのうち勘でできるようになります(多分。
 あ、言っときますけどファインの時はポットミルのボールのサイズまでキッチリ揃えてますよ。鋳込む直前、最後の調整は勘に基づく現物合わせですけど(読者のほとんどは実験室の先生なので強調しておきます!!)

 ここまでお分かりいただけたでしょうか?

 では、よくあるいい泥漿の言い伝え、的なものにメスを入れておきます。
  これね、これ

 切れずに細く糸を引くように流れるのがいい泥漿。
 これは正解です。まあほとんどの場合正解です。
 ただし、こうじゃなくても全然OK!むしろそっちの方がイイって場合もあります。

 こういう物性を示す泥漿にするのが目的なのではなく、使いやすいいい泥漿は、糸を引くように流れる性質を示すことが多い傾向がある、程度に捉えましょう。あと糸を引くってのは比喩ですよ。細ーくなっても途切れずにつーと流れるってことです。チェーンソーオイルみたいに本当に糸を引いていたらそれは解膠材多過ぎです!
 とにかく、あなたとその土にとって、作りやすくて実際出来も良かった時の泥漿の状態がいい状態です。当たり前ですけど。
 
 で、その状態が一応理想的な泥漿の状態であるとして、その理由。
 なるたけ少ない水分量で=粒子同士の間隔が密で良く絡み合い、でも流動性が高い状態であるといえます。
 無きゃ無いでイイ、実際焼けばその分無くなる物体=水が必要最小限に近いということは、素地ボディが緻密に成形できる=いろいろ強いということが一つ、
 でそれの流動性がイイってんだから、均一な肉厚で細かいところまで細密に写し取り、もちろん素地そのものの部分な粗密のばらつきが少ないということになるんだと考えられます。
 均一に、密に、強く成形できる、ということでこれは焼成しても優れた「組織」が作れるわけです。理屈の上でですが。もちろん実際も正しいはず。

 これが基本的な考え方ですのでぜひチャレンジしてみてください。これ以上細かく話し出すともうグダグダ間違いなしですけど、ここまでは間違ってないと思いますよ(笑

 個人的には、排泥鋳込みの場合に関しては、ちょうどいい範囲のうち、流動性の高い若干薄目のスラリーが好みな気がしています。

 水分量を少なくしてできるだけ濃い方がいい。という言い方もよく目にし聞きますが、成形できる限り濃きゃ濃い方がいいという風には考えない方がいいと感じています。
 むしろ、偏析したり分離したり成形体がラミネーションしたりしない、成形作業自体や工程管理に支障がない限り、あんまり濃いよりは薄めの方が扱い易いと思いますよ。

 濃いとチクソトロピー的性質(止まってると粘度が高くなり、速度がないと流動性が上がらない)が強く出過ぎて扱いにくくなるんですよ。とにかく作業に支障がない限り出来るだけニュートン流体に近い挙動を示すように調整したほうが扱い易いです。
 それでも釉薬なんかと比べるとかなり濃厚な感じなのでそういう言い方になってるんじゃないかな?

 参考にしてみてくださーい。




 では、ここからつくセラ的無駄話。
 この鋳込みの、均一に、方向性や粗密のばらつきがない、というのが鋳込みの強さですが、同時に弱点でもあると思っています。

 それは焼成歪みに現れるんですが、そうなるとロクロ成形との違いをラミネーション視点から比較解説しないといけなくなるので、もうだいぶ長いし別な機会に譲ります!

 でも、ここまで来るともう興味ある人は少ないかな?



 こんな細かい話をここまで読んでくれてありがとうございます。
 お礼に、このご時世、あんまり辛気臭いのは嫌だけど、気を抜くわけにもいかない、ということで、そんな今にぴったりの本(文庫本)を紹介します。 


 左がそれ、先月文庫版が出た『ホット・ゾーン』
 エボラをはじめとするフィロウイルスを調べたり封じ込めたりって話。ノンフィクションのドキュメンタリーです。もとは結構古い本なので今現在の科学的検証がどうなのか知りませんが、小説として読んでものすごく楽しい(とあえて言います)。お風呂で読んでてお湯の中に落っことしたの初めてですよ。ぶわぶわになっちゃった。

 右はとっくに読んだ本引っ張り出してきました。
 『ワールド・ウォー・Z』
 ゾンビパンデミックを生き延びた人や壊滅した町はどういういきさつだったのかってのをドキュメンタリー、ジャーナリズムの手法で描いたフィクション小説。作者のマックスブルックスはメルブルックスの息子さんなんだって!映画ファン必読!
 もちろん映画もヒットしましたし俺も好きですが、この小説版の方がハッキリ上です。
 世界中の各村、各町に取材をした体、という原作の一番いいところが、映画版ではなくなっちゃってます。ブラピが主演じゃゾンビに食われたりしないよな~!
 でも嘆きの壁をよじ登るゾンビの大群、とか、ブラピとゾンビのだるまさんが転んだ、とか、ペプシ最高!とか見どころは多いっすよ!(抜け作な部分も大変多いけど)

 小説として素晴らしいノンフィクション、ドキュメンタリーとして素晴らしいフィクション。どっちも有名な作品ですが、読んで無い方いたら是非!

 以上、普段らしさを出すために、無駄話を入れてみました。



 
 



  今週、なんでアホ部分が少ないかというとですね、
 大変実績ある陶芸家で、ヤキモノブログとしていろんな意味(作品や写真が素晴らしい、文章が簡潔で巧み、技法解説が惜しみなくダダ漏れ、最近連発しているシンゾーディスが痛快、社会人を全うしてるので常識人、等々)で頂点としか言いようのない、桃青窯三崎さん(リンクの必要なんかないですよね)に、この下品が三つ揃えを着たような駄文が読まれている、という穴があったら入りたいような事実が発覚しまして、挙句の果てには、うちの工場を覗いてみたいなどというお言葉をいただき、たとえリップサービスでも嬉しくて、真に受けてその日に備えて畳を備後表に取り換えようかと舞い上がっております。が、予算不足でしたし、格からも年齢からもこちらから伺うのが筋、是非ご都合を見計らって突撃したい!!

 御存じない方も少ないと思いますが、是非リンク先を訪ねてみてください。素晴らしいので私からは何も説明することはありません。あ、でも、何が何でもアベセーケン支持!!みたいな人はやめといたほうがいいですよ。

 そんなわけで三崎さんに読まれてもいいように自分としては大変上品な記事になりました。
まあ、普段からたとえ話がオタクすぎてわかりにくい、連体修飾節が長すぎて読みにくい、なんていうお叱りも多いんですけどね。
 今後も上品かどうかは、わかりません!

2019年5月20日月曜日

秘太刀「イコミコミ」 積層鋳込みやってみた

 うちのるつぼのユーザーさん(ヤキモノ趣味があったとは!)からは「教室の先生にHPお勧めされました。ルツボ頼んでるところですよ!」みたいな感じ。こんなHPをお勧めするたぁその先生もゆるいもんだなとかいうのは置いておいても私ノボセテおります。GW明けは鬱る方だけじゃなくうかれるヒョーロクダマが多いとは聞きますがまさか自分がそうなるとは!
 
 去年の今頃記事にした、石膏流しはこうやってますよ!の一連の記事は嬉しいことに閲覧数が多めで、今年に入ってからでも紹介した石膏上手いオバサマがいたよって記事もかなりの閲覧数いただいてるようなんですが、記事中で、そのオバサマの作品に使われてる技法?手順?をチラッと軽い気持ちで、しかも推測で説明しました。積層させて鋳込んでガワから削り落として模様にしてるんじゃね?今度ネタとしてやってみようかな?みたいな。(オバサマオバサマ失礼ですね。Sasha Wardellさんです。とそのHP勝手リンク)

 パチーノともう御一方から「ぜひやって見せてくれ!」となぜか先週になってからメールいただきまして、まあ二人とも自分でもやってみたいというよりかは「あんまり観たことないので見てみたい」ぐらいでして、それでもHPの各記事をお褒め頂いて俺も浮かれてます。

 積層鋳込みというのは複数の色素地スラリーで一つの製品を作るのに次々鋳込んで排泥してを繰り返してお碗の壁がミルフィーユ!みたいにする技です。練り込み技法の鋳込み版みたいなものですね。わかんないけど「イコミコミ」とでもしておきます。

 ファインの場合は基本的に焼成収縮合わせるのが狂気の沙汰になりがち!とか焼結温度が違うなあ~とかまあ~それはそれは難しくて溶射したりした方が手っ取り早いんですが、粘土物ならそれも磁器だの言わなくてそこそこザラい原料なら最終的な見た目はさておいてやりやすいです。
 
 俺も自分でいったい誰のためにやってるのかわかりませんが、誰の為でもいいじゃないか、みんなその気でいればいい。
 まあ、ロマンのかけらが欲しいって感じかな?(意味不明) 

 とりあえず白の泥漿と赤土の泥漿を用意。白土の泥漿に酸化鉄とか黄土を混ぜるのが手っ取り早くていいです。よく練り込みなんかだと呈色材や顔料を混ぜると収縮が変わって亀裂が!とか何とか云いますけど、この「イコミコミ(仮)」でやる分には剥離したことないですのでご安心を。タイミングは重要で、排泥後、次流し込むのは混ざらず乾かずで!


では赤土から行きますよ

適当な(お好きな、任意の)肉厚になったら

排泥して白土の泥漿に切り替えます泥漿を

一枚写真が抜けたような気がしますが白土を排泥。

もっかい赤土を充填!

その次は白土で!と繰り返します(好きなだけ)

四回目で肉厚を決めに行きました。

口元削るとこんな感じ。ネ?縞縞でしょ。当たり前ですけど

離型して口元すり合わせたところ

削ぐとこんな感じ

もっとそぎ落とします

じゃーん!みたいな。
あとは気が済むまで整えよう!

 めんどくさくも楽しいですね。いや、そこまで面倒でもないか。
 このパターン、二十代の頃隠れて作って知り合いに結構売ってました(笑
 削ぎ方シノギ方を変えるとけっこういろんな表情になりますよ!

 いろんな技法がありますね~。なんでだかわかりますか?
 ヤキモノ屋たるもの、器は料理の引き立て役、なんて心持のやつは実はいないからですよ!!わが師ヨーダ(今から思えばマジでヨーダっぽいじいちゃんでした。生まれベルサイユ講和前だし)の極論のごとく「手づかみで味噌汁飲めるかい!器のが偉いんじゃ。なかでもセラミックスの器がいっちゃんえらいんじゃ!料理なんてのは器を引き立てるためにあるんじゃ!!・・・と思っちょるよ(長州出身でジャとかチャっチュッチョが多かった)」というセラミックス原理主義者でしたが、おそらく皆さんも言うと角が立つ上にじゃあ皿でも喰ってろ!!って言われるとぐうの音も出ないので謙虚に装ってるだけだと思います。

2018年12月10日月曜日

鋳込み動画の解説のさらに補足編 闇ヤキモノ教習(仮 

 立て続けに行きますよ。「鋳込み動画解説記事」の補足編です。

 始めに動画では見せてなかった石膏型について
こんな感じのただの碗形の空間だけが開いてるものです。あとで切り取る前提の鋳込み口(押し湯、湯口部分)はありません。
ノー鋳込み口のメリットは、
 1:着肉厚さと掛かる時間を目視で計測確認できる。
 2:型が煩わしく難しくならない(特に石膏型を作る時ね)
 といったあたりが主。また、ここでは詳しく説明しませんが、ファインの場合あとで切り取るのに、粘土物のようには簡単でないので、あまり鋳込み口を設定した型を作ることが少なくて、単にこれに慣れてて不都合がないっていう個人的な事情もあります。
 デメリットは、排泥するまで常に泥漿面の高さをキープしなくてはならないのでせわしない=型を何個も何個も並べて大量同時成形が無理。
 断言していいモノかは迷いますが、始めてだったらこれで慣れるべき!と言っておきます。鋳込みのメカニズムを実感できる程度が違います。多分

 鋳込み口を作る場合は以下のような感じかな?

 
 排泥した後、点線から上の部分を切り取ります。このまま離型させてあとで切り取るのもOKですね。
 鋳込んだ泥漿は着肉~排泥後、すぐにそれなりに締まっている場合と、ブヨブヨしがちである程度以上の強度になるまで時間がかかるタイプとがあります。後者の場合、離形させるのが遅くなりますし、経験上乾燥に伴う収縮が大きいので歪んだ収縮を起こしたり、切れちゃったりしやすいことが多い気がします。早めに取り払っておく方がいいでしょう。

 筆でわざわざはみ出させるぐらいなら溢れ前提の型も考えられます。
 
まあ、こんな感じ。これなら筆を使わずいけますね。
 自分もいっぺんに多数の型を使うときに、こうすることがありますが、石膏型個々の着肉速度の差(個体差はでることも多い)に対応するにはそれなりの準備が必要です。
 始めの一回目に肉の薄いのがあったらその旨と必要な時間差をわかるように記す。といった作業をはさめばあとは楽なもんです。
 縁側が凸ってるので口元のカットは多少のテクを要します、場合によっては原料スラリーのタイプにも左右されるかもね。
 どっちも有効な方法ですよ。

 お好みで好きなタイプの型にしてみてください。


 着肉に伴う泥漿の減りがわかりにくかった件ですが、今日くっきり見える動画を取って編集したんですが、スマホからPCに移すときに間違って消してしまいました!
 この絶望感は昔ドラクエの冒険の書が(以下略
 てなわけで限りなく暗黒に近いブルー、モーレツにブルー、グラン・ブルーあらためグレート・ブルーな状態ですが頑張って続けます。(かつてうじゃうじゃいたように記憶してますがグランブルーとレオンが好きなシャレオツなリュックベッソンファンってその後何観てるんでしょうね?TAXIシリーズとか96時間シリーズとかも同じように好きなのかな?タイプは全然違うけどレオ・カラックスのファン、通称ポンヌフ派も今何見てるのか気になる。ホーリーモータースをヘビロテしてるんでしょうか?)
 動画だけじゃ無くて今日はクイーンのアルバムも何枚か見つからなくて最悪だ!
 (余談ですけどボヘミアン観て来て急にハマった友達にクイーンのアルバムのおすすめ教えてって聞かれたときの答えは?「フラッシュゴードン以外全部」で正解ですよね?)


 そして補足のための動画も、これは前回のに写ってなかった排泥してるところ!デカいのでわかりやすいかな?頭が邪魔かな?
 全然違うシチュエーションですが、まあこんな感じですよ。

 なんで気に入らないのかは、これがブヨブヨタイプの泥漿だったからですね。スラリーの時点でうすうす気が付いてたんですけど。型も原料も支給による試作品のそのまた練習なんで詳しいことは言えないんですが、俺の好みのスラリーじゃなかったってことです。

 排泥後の静置の方法ですけど、これもうつぶせにせず戻して普通に上向けたままですね。これの理由は前回の解説編で書きましたのでそっち参照してください。

 と、言ったところですかね。
これで排泥鋳込み成形の作業の一部始終は説明できたかな?実作業が見たーいってお便りくれたみなさんにも伝わったんならいいんですけどまだ25人しか動画見てねーんだよな(笑

 道具やなんか等の段取り編とか、鋳込みその後編、などなどはそのうちまた記事にしま~す。

 
   




鋳込み動画の解説編 闇ヤキモノ教習(仮

 先日、超基本的な排泥鋳込みの成形動画を紹介したんですが、その解説をしたいと思います。いまだ25人しか見てないんで必要なのかどうなのか心配ですがクッソ時間のかかる鋳込み中なんでやっておきます。

 まず型ですが、こんなのを使いました。


型についてのもろもろは次回「解説の補足編」で

 とにかくこの型を水平に置きます。俺の場合型の底は旋盤でナラっちゃうし、この型は小さいので気にしてませんが、口の広いのや長細かったりするのはちゃんと水準器で測ります。傾げちゃうのはよくない。

 スラリーはすでにビーカーに篩を通して準備済みです。これも近いうちに記事にしますが、今回は動画の解説なので割愛!



 字幕がフライングしてますが、鋳込み開始!
 口元ぎりぎりチョイ盛り上がりぐらいまででOK!

こうすることによって型いっぱいまでキッチリなじませます。動画ではちょっとはみ出すぐらいまでやってますね。そっちのがいいです。こうすることで口元が均一に着肉します。
 型に鋳込み口、押し湯部分があれば必要ない作業ですが、その点については型と一緒に補足編で説明します。とりあえず今回のように方から抜けたら即製品の形状!って場合はこうしてますよ。

 筆のチョイスですが、この作業に限れば、筆でなくとも棒でも指でも実は何でもいいんですけどね。自分はナイロン毛の絵の具筆にしてます。で、グリーン体の仕上げや修正にも使っています(原料ごとに数セット)、これはぺんてる(平仮名なのな~)のネオセーブル。この筆は毛が強くてイイですね。釉薬には使いませんが、素地をいじくるときはこれが今のところお気に入りです。名前もセーブルだし!
本当の毛の筆でもいいんですが、特にメーカー品でない100均とかのセットの安手の毛筆は脂ぎった中年男みたいに毛がまとまらない上にハラハラ抜けやすいので注意。



今回のはあんまり泥漿面の下がりっぷりが目立たないんですが、例えば型が細くて深かったりすると著しくせわしないことになります。もちろん泥漿比重や型の乾燥度合、消耗度合にもよります。

 一分半って時間はそんなもんと分かってたんでそうしましたが、実際は始めの一回二回は流したらタイマースタート、着肉を測って排泥するタイミングにストップで割り出します。これも日ごと型ごとスラリーごとに常に一緒ではないのでその日の一回目は必ず時間を計ります。回数を重ねると長くなってくる場合も多いです(理由は主に型の濡れだけど様々)。
 この着肉をみながら時間を測るってことが引き込んだ鋳込み口を有した型では確認しにくい場合があります。=フレキシブルさに欠ける。測る方法はあるんだけどね(粘土物には使いずらいテクなんでここではナイショです)

わかりずらいけどヘコンでます。この凹みは水分が型に吸われて原料粉末が目詰まり?するような感じで型の壁に吸い付いてしまっていってる(成形してる着肉してる)ってことですな。流しの排水溝の網にご飯粒とかがたまってくのと一緒です。時間を掛ければその分原料粉末の層が厚くなっていきます、品物の肉厚が増していく。


BGMでジャッキーがそう歌ってます(多分


押し湯部分(引き込んだ鋳込み口)があれば頻繁にはしない、あるいはいらない工程です。
型の設計は、作業や製品の形状によって変えればよし。

このシンプルな型方式、ではこれが肝です。フラれた次の日なんかやゲームの発売日なんかだとつい余計なこと考えちゃって気が付いたらベッコリ減ってたなんてことがありがちだぞ!気をつけろ!


排泥する瞬間が写ってないのは申し訳ないです!
 隣のビーカーにガバッとあけただけです。ちょっとピッピッと滴を振り落してもいます。本当は元の容器に戻さずに別な容器にあける方がベターです。場合や原料によってはそうしないとまずいですね。

 「諸説」とありますが、「諸方法」ですね。
 皆さんがはテレビなどで見たことがあるのは開けたらそのまま傾けっぱなしで置いておいて次に行くって光景かな?
 この動画ではすぐに普通に仰向けに置いちゃってますよね。この型の中はすでに水気は切れていて垂れる滴がないのでこうしても平気なんですってのが一つ。
 もう一つ傾けっぱなしだと、口元の下になってるところ=スラリーが流れ出てる部分が最後厚くなっちゃったりして偏肉や滴もっこり状態が目立つ場合があります。口元の偏肉は、特に粘土物の場合歪みの原因になりやすいです。押し湯部分があれば切り飛ばすだけでいいんですけどこのように排泥した口元即製品の口元の場合、修正は結構めんどくさい。
 ガバッとあけたある程度ですぐに上向きに戻して置いておけば底に向かって垂れ落ちるので口元は綺麗にそろいます(ベコベコだったら型が悪い)

 作るものや型の設計、原料の性質に合わせていろいろ工夫する(できる)ところです。原料によっては置きっぱなしにする角度によっても結構な違いがあるんですよ。

 で、この後ある程度乾いたら口元を切りそろえます。型にかぶさってる部分ができるだけないようにするのがいいですね。
ある程度以上スルリと切れるようになってからがいいでしょう。ねっとりカッターにひっ付くようでは早い。あんまり乾いたり縮んでからではやりづらい&無理な力が加わって歪みの元、もしくは割れちゃう。
 まあこれもケースバイケースですね。 



ほら綺麗になったよ~!
 切れ味のいい刃物を使うこと、石膏をあんまりザクザク削がないこと。
 大型刃剥き出し+素手が怖い人は使う刃物を工夫しましょう。
 原料次第では刃物でなくても構わないこともありますね。板っきれで裁断機みたいにせん断する方法を使える場合もあります。

型とモノの間に空隙が見えてきたらそろそろ離形のタイミングです。
 軽くたたいたりゆすったりしてヨレちゃったりするようでは早い。外した後の素地が娘のオシメを触った時のようにあんまりじっとりしてるのも早い。まあこれも時と場合によります。しっかりしてからだとクビレた部分で切れちゃうようなこともありますからね。
 そういう意味でも単なる一方通行テーパーのカップ型には余裕があります。置きっぱなしでもあんまり関係ないからね。

ポロンとかわいく取れました~

平らな板、ガラス板やもう使わなくなった鏡とかかな?反ってたりボコボコしてなきゃなんでもいいです。
 ここではキッチンペーパーですが、綿の下着的なメリヤス布でもいいです。濡らして絞って綺麗に広げます。板に吸い付くように。


スリスリして切り口を綺麗な面に整えます。
 そーっと丁寧に持たないと歪んじゃうような、あんまり濡れてるうちはやらないこと。変形の心配がなさそうな強度を感じられるまで待ちます。粘土物の場合(俺の場合磁器土も含めてますよ)うんと乾いてからでもこれができるので焦らないこと。やたら薄手の場合は、水吸って割れることもありますが、それはさすがに乾かし過ぎ。

ここではるつぼのようにスパッと揃えちゃいましたが、日用の器の場合の口作りでも一旦こうしてます。
 口作りはもっと乾いてからスポンジや、やはり濡れ布で、時に刃物を併用しながら任意の形状に仕上げます
 

と、言ったところ
 質問お待ちしていまーす