2020年3月29日日曜日

業務連絡 的なもの


 うちの一般陶磁器製品は、釉薬や装飾の性質から上の写真を見るまでもなく、個体差が大きいです。一番肝心な腕を棚に上げてなんだ、どの口が言ってんだ!って気もしますが、そうなんです。

 遠くのお客様、発注者の方の場合、通販となると直接手にとって選べないのは嫌だけど仕方ない、なら少しでも個々を確認できるようにこういうこともしています。ってのをたまにはHP使ってやってます。

 そもそも写真に対する興味が全然ない人生だったので、技術も機材もないのが祟ってる部分が多い気もしますが、これでもできる限りは何かしようという感じ。

 写真で見て「これじゃない!」となればキャンセルなり再製作なりしていただいて構いませんし、届いて実物見て「思ってたのと違う」となっても同様に対応いたします。俺だってヤキモノをPCの画面で見ただけで買うなんてなかなかできないですよ。欲しいので作ってくれと言われるだけでも心から嬉しいものです。

 まあこれでも超細々とはいえ20年近くやってきてますので、奇特なお店に卸せばそこまでヒドイ死蔵在庫にはなってないようですし、うちの応接からでもボチボチお買い上げいただいています。作らせといてキャンセルなんて…と後ろ暗くならなくてOKです!




















なんか雪が降ってきてメチャ寒いです。
 

2020年3月27日金曜日

石粉粘土を焼成しちゃいけない理由はない・・・はず その1

この写真は無関係です・・・


 石粉粘土ってご存知ですか?
 イシコなのかセキフンなのか、そもそも読み方からしてよくわかってないですが、とにかく、これを使って見事なオブジェやらアクセサリーやらフィギュアやら作ってる方がたくさんいらっしゃいます。
 それが100円ショップで売ってたんで手に入れてみました。

もう使っちゃった後でキッタナイけど

「粘土」って部分ももちろんですが、そんなのはアブラだろうがジュシだろうがコムギコだろうが別になんとも思わないけども、何より『石粉』ですよ。このワードで俺のスパイダーセンス(別名ピータームズムズ)がビンビンに!!

 石の粉と聞いて何とかしてやろうと思わないようじゃあヤキモノ人としてどうなのよ?普段からそこらの石コロでもいいから砕いて練って、焼いたり溶かしたりしたくてたまんない病を罹患してるはず。 それがもう始めっから「粉」ですよ。成形したり焼いたりしないでどうすんの?
 それが良く考えたら超割高だけど、100円で、仮にどう失敗しようとそう苦しくない価格で、好きな形に作れるようになってんだから。


 とっとと断わっておきますが、そのままで焼成せずに済むようにできてるものをわざわざ本焼きして「陶芸気分(笑)」を100円ショップ素材で味わっちゃおうというバカを絵に描いて額縁にあつらえたような企画ですよ。期待しないでね。
 こんなこと書き始めた以上はお分かりでしょうが、焼成したらカチカチに焼き固まった!ってのは保証しますので、ご興味ある方はどうぞ。

 
 初めに理屈っぽい話から始めます。うちはつくばセラミックワークスですので、なんかその辺の凡百の陶芸家どもでは発信できないような切り口が必要ですからね(とはいえおふざけ企画なのでエビデンスは取らないよ)

 で、まず、これはどういうもんなんだ?ってのから始めます。 

 パッケージ裏面には材質欄があり、そこには
「石粉・水・パルプ・合成糊剤・防腐剤」とあります。
 石粉はなんつう石の研磨屑なのかわかりませんが、とにかくセラミックスです。
 パルプ、これは紙の粉(というか繊維)でしょう。いじくった感じは紙粘土っぽいです。
 合成糊剤、単純なごく当たり前のもの、例えばPVAならPVA(アラビア糊とかの成分ね)って書くんじゃないかと思いますが、おそらくこれは高分子の水溶性樹脂で、可塑剤、糊剤、湿潤材、増粘剤、etcな性質を発揮するものでしょう。

 つまり、石の粉末と紙繊維を骨材に、マトリックスが遅乾性自硬化樹脂でつなぎ、湿潤状態で捏ねれば成形(細工)しやすく、乾けばカッチカチに固まって必要強度を持つ(しかしまだ細工しやすいよ)、モデリング等々に適したように作られた不定形材料、みんな知ってる言葉にしないとわかってもらいにくいので、油粘土とか樹脂粘土と同じく土粘土(あるのかそんな言葉?)じゃないけど、手づかみ式造形用不定形材料を指すいわゆる「ネンド」である。
 といって、ほぼほぼ差支えないと思います(きっとそうだよね?、差支えるよ!って方は教えてくださ~い)

 あーわれながら理屈っぽい。

 紙繊維がなんで必要かって言うと、それがあることで強度アップできるからです。この場合で言うと、パックリ踏ん張りなく割れ切れたりするのを防ぎやすくなります。石膏像に麻ほぐしたのを入れるのと一緒、土壁に藁混ぜるのと一緒、炉材にムライトの針状結晶を生成させるのと一緒です。紙繊維なんで多少ですが。


 しかも多孔体にできます、成形~乾燥後の絵の具のノリがいいんじゃないかな?重量を大幅に軽くすることにも一役以上買ってます。
 もちろん本来の用途ではありませんが、焼成すればパルプ自体がイグニッションロスするので、ある程度以上管理された気孔率を得ることもできます。パルプフィラーを混ぜ込んで気孔率を確保した多孔質チューブ焼成体をかつて製作したことがあります。


 で、さらに、おそらくですが、石粉+バインダーのみでは密過ぎでカチカチすぎて、硬化させた後の精密な仕上げ細工がしにくくなっちゃうのも防げるんじゃないかな?適度な硬さを保つというか・・・

 長くなりましたが、それがこの「石粉粘土」と思っておきましょう。お願いします。


 と、なると、石は焼成すれば残るはずですが(温度とかどう残るかはまだ不明)、その他の水、パルプ、バインダー、防腐剤は100%じゃないだろけど焼け飛びます。つまり、成形材を適切な温度で焼成すれば、石粉と石粉が強度を持って焼結できないような状態にならない限り成形体が焼造物となって残るはず。
 どうせ100円だ~紙粘土に毛が生えた程度でいいだろう!なんて理由で実はあんまり石粉入ってない!とか、合成糊剤の焼け飛び方がダークフェニックス!とかだと、サノスに指パッチンされた人類の約半数みたいにボロボロ崩れるやもしれませんが…

 問題の何の粉なんだよって点ですが、とにかく白い石材を切断や研削研磨した際の粉末切子なんじゃないでしょうか?大理石とか石英とか大谷石とか、ひとっつも素材が不明なのがあれですけどね。まずは素焼きの温度辺りから試してみればいいじゃない!ぐらいの気楽な感じで。炉材にダメージを与えないように座布団(土で作った台の上に載せる)は絶対ですよ。

 もっといろいろ面倒な話をしようと思えばできるんですが、読者のみならず私も飽きてきたんで、そろそろ作り始めますよ!
 改めて確認しますが、このダイソーの石粉粘土は、SK7~8で焼成できます!!


 まずテキトーにこんなものを作ってみました。
 ただのおせんべいですが、1000℃で焼成しました。
  


 形は保ってますが、非常にもろいです。
 カッターでも爪でもシャリシャリ削れます。しかし形状は保ってますよ。
 色は真っ白ではなく、よくある白土の素焼き後の色、黄色っツウか赤っツウかの薄い色です。

 これを1250℃で焼成してみます。といっても一番上の棚板の上、今回の場合、おそらく1200℃行くか行かないかぐらいじゃないかな?いちいちコーンなんかの熱量計は付けません(遊びなので)
 
 ほかにも多少は面白そうなものを作って焼いてみたいですよね?
 その際、この粘土の特性を考えてみます。
 パルプフィラーが充填されてることによる超多孔質、時間はむっちゃ遅いですけど乾燥後そのまま割れも歪みも崩れもせずにきっちり自硬化する性質を考えると、肉厚差に対して非常に優れていると考えられます。

 簡単に言えば無垢の人形みたいなもんでも、トゲトゲだらけのものでも乾燥も焼成も通常の「土粘土(ヤキモノ用ね)」に比べて楽勝で焼けそう。なイメージ。実際耐火物でも超多孔体だったり、ファイバー混入物なら分厚いの作りやすいんですよ。そうじゃなかったら耐火発泡煉瓦の値段もっと高いと思います。

 という中、結局オジサンはこんなものを作ってみました。

黒い色絵の具?化粧土?でちょっと塗ってみました。

 化粧土とか下絵の具、というよりは正確に言うとウォッシュなんですが、ウォッシュってのが対応する日本語がないんだよなあ。その辺はまた気が向いた時に記事にしますね。
 配合は、マンガンオキサイド 5
     庭の黄土の水簸物  4
     適当な透明釉    1以下
 で、それを雑味水で溶いたものです。たしか・・・


じゃあ本焼きしますよ!

けっこう縮んだなオイ!
というか、全然迫力ねえな
 
  これ(ストームトルーパー 厚さ約25㎜)無垢ですよ、しかも作った日の晩にもう焼いてます
  つまり、樹脂の乾燥が全然足りないのに焼いちゃってもある程度平気!

 多孔性のものでよくありがちなんですが、化粧土(正確にはウォッシュ)は吸われちゃってますね。光沢感は一切ありません。
 ちゃんとしたガラス質を形成する釉薬(マットでもいい)じゃないと目止めの役には立ちませんね。

 しかしきっちり焼成できてます!是非話のついでにやってみてください。できれば、いわゆる陶芸ではセオリー無視の建て付けのもので試してみてください!肉厚は均一でないと割れちゃいます!焼けません!!ってのも相当なところまで無視できるかもよ!



 なんで釉薬使わなかったんだって言うと、第二弾第三弾とだらだら続けられるようにしたかったので、これをクリフハンガー方式といいます(笑


 次はもう少しちゃんと釉薬まで考えて手順を踏んで作ってみますね。


 そして、付け足しでは100斤で買ってきたセスキ炭酸ソーダの飽和水溶液を釉薬の代わりに使うネタをご紹介。


上の小壷の口元テカってますよね?土は赤津貫入土
下のは赤土に化粧土、火色?が出てます。

これは黒御影土の小鉢に


キチンと素地表面にガラス質を形成します!
これいじり甲斐がありそうなんですよ!




 
 
  

2020年3月26日木曜日

アルミナの小さなるつぼ みんながアベンジャーズ!

大きめに映ってますが小さいです。20φ程度

 今日ちょっと遠出して病院に行ってきました。といっても、私はどこも悪くなく、親族が手術だったので。これはさすがに不要不急じゃねえべ(笑
 家族でも入退院日、手術当日しか面会できないようになっていて、不穏な緊張感は全くありませんでしたが、医療関係の方々は少なくとも俺が知ってる限りでは最高レベルの事態なんじゃないかと思います。

 ニュース、新聞、ネット等でいろいろ記事は目にしますが、個人的にはいつもと一緒で半信半疑(全面的に鵜呑みにも、頭っから反論もしない)というスタンス、すなわちパニクらず舐めずで。ただ、先ほども言ったように今まで経験ないレベルで構える必要はありそう。何しろ二月の後半以降、この私が映画館に行ってない!という事実(笑、俺が移って苦しむ分には自分のせいだけど、人に迷惑かけたんじゃあ渡世人は終わりだしな。ひきこもり体質なので一切苦にならないのでよかった(笑

 そんな中、ニュージーランドかどっかの警察が
「人類史上初めて、な~んもせんとTVの前でゴロゴロし続けるだけで人類を救えるかもしれないぞ!みんなヒキコモロウ!(意訳)」みたいな発信をしてまして、さすがに上手いこと言うやつがいるなあと感心しました。

 自分はサッパリ影響力の無いしがないヤキモノ屋なので、何言ってもあれですが、引きこもってだらだらすることにかけては人後に落ちない自信があります!(自信持ってどうする!)
 また、本当に世界を変えることができるのはケーザイやセージなんかじゃなくて、知恵と勇気とユーモア、そしてフィクションの力=青臭い理想論だと信じてます。

 と、言うわけで、
 いくらTVの前で寝っころがっててもお母さんに怒られないのがわかったところで、時間つぶしに最適な映画の紹介でもして、世界のために戦ったつもりになりたいと思います。

 TVの前でボンヤリ寝っころがってるだけで事実上アベンジャーズに加入!(のつもり)
 だらけてるんじゃない!戦ってるんだ!
 という錦の御旗を我々はついに手に入れた!

 もちろん春休み青少年少女向けですよ!

まず、ウイルス(とか的なもの)と闘う!という局面で最悪の事態を覚悟しておきましょう
1・「コンテイジョン」
 一押しのウイルスコワい系映画です。ソダーバーグ監督ですがちっとも軽くないです(笑
 あのギャラの高そうなグウィネス・パルトローが5分ぐらいで死ぬ怖さ!
 そのままのタイトルの『アウトブレイク』はちょっと後半なんじゃソリャなのでそれこそ暇なときに
 
2・「28日後」+「28週後」
 ゾンビ(ウイルス扱い)もの。自分の知ってる限り猛スピードでゾンビが走り出したのはこれが当たったからじゃないかな?
 爆発感染するとジェレミー・レナー(=ホーク・アイ他)でも手に負えない怖さ(笑
 その他ゾンビものはまじでいい暇つぶしになりますよ(コメディ調で怖くないのもたくさんあります)
 
知性と理性とユーモアで困難を解決するもの
3・「オデッセイ」
 みんな大好きマットデイモンが火星に置き去りってあれです。科学の知識は役に立ちます!ユーモアがあれば強い心を保てます!叫んでも祈っても何も解決しません(むしろ空気と時間が減る)!ってことをみんな学ぼう!


次、気になってはいるけど、日常では滅多に見る気の起きない大長編もの。
1・「クレオパトラ」
2・「十戒」
3・「アラビアのロレンス」
4・「ベン・ハー」
5・「イントレランス」
6・「七人の侍」
7・「風と共に去りぬ」
といった名前は知ってるけどみたいなやつ・・・絶対に見る価値ありです!
この手で三つ選ぶと「七人の侍」と、「アラビアのロレンス」、「風と共に去りぬ」かな?



あとは長いシリーズものなんかで暇をつぶせばいいんじゃないでしょうか?
MCUなら、アベンジャーズに絡む奴だけで20本以上あります。
どうせなら内田吐夢監督の「宮本武蔵 五部作」なんかどうでしょう?高倉健が桃太郎みたいなカッコである意味いけてます。

個人的に推薦するなら、
ジョージAロメロのゾンビシリーズは全部通して見るには絶好の日々だ!

調べてないけど有名なのしか挙げてないんでアマゾンプライムとかで家から出ずに全部見られるんじゃないかな?

 是非普段見てないジャンルのものなど見つけて、面白いのを発見したら友達同士で紹介し合おう!

 もう一回言いますよ
 だらけてるんじゃない!戦ってるんだ!

















 ノーガキはいいからちゃんと勉強もしろよ!
 





2020年3月24日火曜日

マグネシアるつぼ 昆虫本

推しメン材質のマグネシア緻密質。のるつぼです
ただそれだけですが、写真がきれいに取れた感じがしないでもない(笑
 


このヨーヨーの直径は約58㎜φです

 あ、言い忘れてました、マグネシアのキャッチフレーズは『クリーム色のニクイやつ』でお願いします(何をだよ)


 NHK第二のラジオ番組『カルチャーラジオ(金曜日) 科学と人間』の今シーズン「虫たちの不思議な世界」、先日紹介した通りハマっちゃってます。今回のエイリアンネタも面白かった。ついうっかり、主演!の昆虫学者、小松貴先生の本まで買っちゃいました。

あの丸山先生が絶賛しとる!

 本もめっちゃ面白かった~。ファーブル昆虫記とかに燃えた経験のある方にもない方にもおすすめ。
 俺も昔は虫に刺されまくる少年でした(全然詳しくないけど)。蛇やムカデに咬まれたり、蜂や毛虫に刺されたり、ヘコキムシに毒ガスを喰らって指の色を変えられたり、いつの間にかやたらとかぶれてたり、ダサいカナブンを硬いところにたたきつけたり、ジグモを切腹させたりしてました。痛い目ばっかり見るうちに、いつの間にやら手づかみするのは腰が引けるようになってますが…。
 文章はファーブルというよりどっちかっつうとニュータイプのコンラート・ローレンツといった感じ(個人の感想です)

 ラジオでの語りよりも、文章になると(これが上手!)さらにこじらせた二次元オタっぽいレトリック満載。絶対全部自分で書いてるわ。本文中にもアニメ好き(それもモロオタク向けの)をはっきり公言してます。

 裏表紙折り返しの著者のプロフィール欄にも
 わろた!学者として一文の特にもならないだろうに趣味は美少女アニメと明言。

 完全にこっちサイド(ボンクラ男子)、信用できる男だ


 NHKラジオといえば、休日や長期休暇中の「子ども科学電話相談」も必聴プログラムなんですが、登場する日も近いかも?
 鳥の川上先生とか、恐竜の田中先生、動物の小菅先生とか、「言うてみてー」って言うオジサン(多分植物)にくわえて、新たな要チェック先生になれそう。
 しかし昆虫は丸山先生をはじめ充実してるんだよなあ。

 

2020年3月23日月曜日

アルミナ緻密質のるつぼ、けっこう大型

 素材はアルミナですが、いつもよりだいぶ大きいるつぼ(当社比ですよ)
このヨーヨーの直径は約57㎜です

 このぐらい大きい緻密質だと、使用環境、条件がよい、丁寧な操炉(窯詰、昇降温プログラムもろもろ含む、まあるつぼ壊さないのが最大の目的じゃあないので実験の都合によりますけどね)が要求されると思います。



 

2020年3月20日金曜日

アルミナ多孔質の箱型るつぼ そして今日はチャンツィーの日

 箱型でも角型でも、名前なんかどうでもいいんですが、そういうことです。
 多孔質の四角いるつぼです。アルミナ! 


 ユーザーの方も承知でやってるわけですが、ごく通常の底封じの円筒形、あるいは碗形(円錐台形)といったものに比べて、四角いるつぼはもう構造からして弱いです。しかもかなり。
 
 炉内スペースを有効に使う、という意味では当然デッドスペースが減るわけですから、丸いもんより有利なんですが、そこが考えどころ。

 耐火物ですから熱間での使用、とすると
 ①単に熱的に過酷、
 ②でもって、膨張収縮が起こる
 ③空っぽなわけないんで内容物からの圧力を受ける
 という負荷がかかりますよね。これに耐えられないとまずいっす。
 内容物と耐火材との反応等の化学的要因は今回とりあえず無視してます。

 ①と②はもうしょうがないんで、③の件、
 溶解させるのかさせないのかってのがチョイスの際のポイントになるのかな?と思います。
 つまり、粉体を入れて単に熱処理する、ってのと、金属を溶解させて=液体化する、ってのとでは壁に対して掛かる負荷がまるっきり違います。
 粉体の場合、よっぽど流動性が良くて(スプレードライヤー粉とか)生状態ではミチミチに詰まってたとしてもある程度温度が上がれば収縮してそれっきりですからほぼほぼ重力方向にしか負荷は無いはず。
 溶解するまで行っちゃうと液化して=クッソ重い水入れたのとほぼ一緒ですからパスカルだかアルキメデスだかの原理で壁にも底にもグワシとパワーがかかるはず。それも溶岩級のアツアツが。
 反応しない前提でも単に機械的強度の問題になります。これは肉厚一緒なら筒より四角い箱は弱いよね。まあ筒でも内側から喰らってるんで弱点サイドから攻撃受けてるんですけど。
 るつぼが「やっぱ比重デカいのの溶解はキッツいわー」とか言ってるのを聞いたわけじゃないけどね。

 この辺考慮して使い方からくる点を考慮して形状を考える際の参考にしてみてください。
 ざっと言っておくと、
 角型は丸型より、作るのが難しい、型もいろいろ面倒、というわけでそもそも品代も型代も価格は高くつきます。省スペースってだけだったらそこまで割に合うかも考えてみてください。





 以下やきもの雑談。
 今日は、BSプレミアムのお昼の映画が、『初恋のきた道』ですよ!
 前にも紹介しましたが、 ヤキモノ人必見のはずです。
 作陶シーンやヤキモノの解説があるわけじゃないんですが、器の人生に関わる使い方!器の修理シーンとその意味!をみれば、俺もこういう使われ方をするものを作らなきゃいかん!と思っていつも褌を引き締めています。サルマタですけど。
 
 興味を持って陶磁器修理について知見を広めようといろいろ読みましたが、金継ぎの人ってのは「エポキシ使うなんて偽物!」「欠けたままの器なんて破廉恥でとても人に出せない!!」「好きな器になら(高額な)金継ぎ代ぐらい出して当然!」みたいな○○な人が多いんですかね?

 私、底辺に這いつくばる庶民なんで、そりゃ金継ぎできれば立派なのは分かるけど、こんな言われ方されなきゃいかんのかね?と思います。かなりまじで。
 
 また、器の作り手の立場から言うと、アロンアルファでくっつけたけどまた取れちゃった、とか、セロテープでグルグル巻だろうが、そうやって下手でも無茶でも金なんか掛けなくても何とか長く使おうとしてくれてる気持ちだけでも涙が出るほどうれしいです。いや、また買ってくれるのもそれ以上にいろいろ嬉しいですよ(笑

 つくばセラミックワークスでは、日常用の製品(ファインの耐火物じゃないやつ)の修理を直せそうなものなら無償で行っていますので、欠けちゃった、割れちゃった、汚れがマジヤバいんですけど、になった場合ご相談ください。
 ええ、もちろん「邪道」な方法ですけどね!

 だからファインじゃないやつに限りますよ。それと余所の品は責任もてないんで無理ね。




 



 なんか子供たちだらだらしてるんでとっくに春休みみたいな感じなんですが、今日お彼岸のお休みなんですよね。調子狂うなあ。
 まあどっちみちうちは3.11以降お墓参りできないんですけど・・・


 
 

2020年3月17日火曜日

手仕上げの顛末、最終的には機械加工です

 2月末に紹介した角棒、最終加工が上がってきました。
 ユーザーから指定の調合で製作したものです。
 

 本焼成後寸法だしのために研磨加工したわけですが、以下のような感じ。

一回り小さくシャープになりました。

当たり前ですけど寸法も面精度もピシャーッと揃って気持ちがいいっす。

 こんなんが何種類もあったわけですが、絵面上は一切変わり映えしないのでここまで。


 ここから例によって雑談
 仕事中はラジオかけっぱなしが多いんですが、ここ8年ぐらいずっと午前中聞いてたNHK第一の「すっぴん」ってのが終わっちゃったんですよね。センバツが中止になっちゃったんだからちょこっと延長してくれねえかな?なんて思ってます。

 どうでもいいですけどラジオも硬派な(とは言わずとも、少なくともバラエティじゃない)報道系番組が一番聞きやすいんだけど、どんどんなくなっちゃってるんですよね。これ本当に残念!
 聴取率云々もそりゃもちろん大事なんだろうけどさあ、ロクスッポ掘り下げもしないような話を延々毎日されたところでなあ~ってのが多い。あんまりちゃんと聞かなくなっちゃって、最近はNHK第二を流しっぱなしってことが増えてます。どうせ聞かねえんだったら、少しでもためになりそうなのをね(笑
 

 語り手の昆虫学者、小松貴先生の行き過ぎた解説っぷりが切り口の面白さと相まって素晴らしいし、語り口の方々に見られる「こじらせた二次元オタク(多分、個人の感想です)」特有のレトリックが滑り気味で大変よろしい。マジ最高です。
 NHKでなきゃ到底無理な学術的内容をNHKでは到底無理目のキャラが半滑りでベシャリまくるという個人的には近年まれに聞く面白さです。

 ラジルラジルとかの聞き逃しでまとめて聞けるので虫が好きだったことがある、あるいは、そういう話を聞くのは大好き。子供電話科学相談を楽しめる人には絶対にお勧めです。

 小松先生、ここ数週は加減を見切ってきたようでギャグもいい塩梅で決めだしてうっすら周りのうすら笑い声も聞こえてくることがあるレベル。

 おすすめは水生昆虫の回。タガメのくだりとかマジ笑いました。

 あんまり表を薄々うろつきにくい今日この頃、是非どうぞ。

2020年3月15日日曜日

フランジ付の多孔質るつぼ

 アルミナの多孔質で、フランジ付。
 フランジで保持する高周波溶解の鋳造機でつかってるんですが、今や傾注の機能自体はどうでもいい使い方が多くなってるみたいです。フランジがないと保持できない、あるいはフランジがあると保持に都合がいいという設備上の理由。 

 いずれも大学の研究室ですが、複数のユーザーで同じパターンの使用状況がありますので、昔傾注用の高周波溶解機を使うのが流行ったことがあったんですかね?

 


 何が言いたいかというとですね、ご使用の設備に合わせてカスタムメイドしますんでご相談くださいね!ってことです(笑