2019年3月28日木曜日

るつぼお試しセット?のセール! ジルコニアとアルミナでタンマン管型&単結晶育成型

 世の中には天変地異に限らずいろいろ奇妙不可解なことがあるもので、武士道精神を貫くとかいうんならなんで殉死してなかったんだ?とか、あっちの県とこっちの県の言い分の扱いにずいぶん差がある政府だな!とか、なんで俺は朝起きたら寝たときと180度向きが変わってるんだろうとか、まあグジグジいうつもりもありませんが、まあいろいろあるわけです。
 別に閉店セールを三年もやってる靴屋じゃないですけど、オーダーメード専門のるつぼ屋さんが「お試しセット」なるものを売り出してみようか、と考えてみてもいいんじゃないでしょうか。
 ちょうど年度の変わり目ですし、気になってはいるけど一本二本試しにオーダーするには高くつく、そこまで寸法に制限はないけど適当な型でお願いなんて他の研究室の予算で作った型だし気が引ける、とかあると思います。

 小さめのものですが、タンマン管とジルコニアの高純度品のタンマン管と先端角度付の単結晶育成るつぼをそれぞれ試してみたい。そんな研究者の方にお届けしたいと思います。べつに、間違って寸法違いのものを作って焼き上げるまで気が付かなかったわけじゃありませんよ。
 
 材質は
 アルミナ 4N(99.99%)、推奨最高温度 1700℃
 ジルコニアが3モルイットリア安定化 推奨最高温度 1550℃
 寸法ですが、
 単結晶育成型が先端角90°で
  アルミナ 12.5φ×70H、ジルコニア 12φ×67H
 タンマン管るつぼが
  アルミナ 12.7φ×50H、ジルコニア 12φ×50H
 

 それぞれ1本ずつに、何かお好みの一つを二本にして計五本のセット。
 これを税別10,000円+送料で5セットのみですが販売いたします。
 
 大学の研究所を優先しますが、公立、企業の研究所、あるいはいないと思いますけど個人の方でも問題ありません。個人の方は取引にめんどくささがあるかもしれませんので、お伝えいただければ、どれも事実上使ってないような放置ショップなんですがIICHIMINNEはたまたウェブショップであれば対応可能です。

 材質や使用条件の詳しい相談、本数の割り付け、購入に際してとうとうご質問ありましたらメールでも電話でも、このページのコメント欄でも結構ですのでお気軽にお問い合わせください。(メールの場合「お試しセットについて」とかわかりやすい件名にしてください。たまに[ご相談]だけとか「フクダです」だけみたいのをいただくことがあるんですが迷惑メールかと思ってびくびくします)

ちょっと黄色っぽいほうがジルコニア(わかりずらいけど)

左がアルミナ、右がジルコニア(わかりずらいけど)

左がアルミナ、右がジルコニア(色が違うのは分かる)

左がアルミナ(ちょっと扁平)、右がジルコニア(くりっと丸底)


 何度でも言いますが、別に間違った型で作ってしまったわけではありません(笑

BN 窒化ホウ素のるつぼ 

細長系るつぼ、ボロンナイトライドことBNです





 映画館でもテレビでもアベンジャーズエンドゲームの予告編がジャンジャカ流れて気が気でないわけですが、そんな40オジサンがいてもいいんじゃないでしょうか?

 しかもそのひと月前に対サノス戦に置いて大変なカギを握るといわれる「キャプテンマーベル」公開ってどういう商法だよ!とお怒りの学生さん(うちのユーザーの方)がおられました。
 観とかないと「エンドゲーム」で意味わかんなくなっちゃうんでしょうか?心配!な皆さんにネタバレせずにお伝えしておくと、
 別に見なくても構いません。と言っておきましょう。
「キャプテンマーベル」を見たところで別に対サノス戦に関して何の秘密もなかった気がします。よね?よね?
 ワンダーウーマン(のガルガドットさん)に比べてドアップで二時間みられることの喜びが若干劣る(個人の好みの問題です。俺はブリーラーソン好きですよ。今回も十分チャーミングです。サンドラ・ブロックよりもえ?となる角度も少ないレベルです)こともありますし見たくない人は見ないでも全くアベンジャーズ見るのに問題ないです。
 しいて言えばよく知ってる人じゃないのが出てきたなーになるぐらい。
 
 面白いかどうかでいえば十分面白いです。失礼な言い方ですが70点満点で76点!みたいな。
 女同士の男以上に男らしい友情がアツイ!
 見た目と役者のミスリードに引っかかって真相がわかったころにはやられた!と思えて楽しい。
 俺と同世代の人にはあの90年代前半のロックがかかって楽しい。
 多分地球人の到達した強さの最高峰じゃないかな?って感じ。
 
 まあ最後に関しては一人でこんなに強いんじゃなあ…とか
 地球に墜落しても平気なのに交通事故で死ぬのかよ!とか、
 1995年でこの年じゃあいま俺より年上じゃん!サノス戦では中年じゃねえか!とか
 腑に落ちない点もありますが、必要以上にシリアスでもウェットでもなく、単純にスカッとした親しみやすい気持ちのいい女子の暴れっぷりを楽しめます。

 ホントに恋愛関連事項一切なく正しいことをするアツイ女の友情が見られますので、職場のドロドロした大奥っぷりとかにほとほと嫌気のさしてるサラリーマンの方、ママ友派閥のいがみあいとかにつかれたPTAお母さんにお勧めいたします。いや全女性にお勧め!

どういうサイトでしたっけ、ここ?

2019年3月27日水曜日

なんの工夫もなく直接的でランボーだが(ほぼ)正確な肉厚の測り方 

 轆轤で成形した器体は肉厚の把握がしにくいモノです。
 水引きする際もそうですが、特に気になるのは削りでの仕上げの時などもなかなか心配ですよね?
 
 私を含めた「上手じゃない人」の場合、なるたけ正確に肉厚をつかんで壁厚底厚決めたいですし、高台回りを中心にどんだけ削ればいいのかハッキリ知っておきたいと思うわけです。よね?よね?

 なんだか上手い方々はデコピンしたり指先の感覚で知るようなこと言っておられますが、まあシロートなりにでもそりゃなんとなくわかりますけどそんなのはどこまで行っても「勘」です「勘」
 大体どのぐらいのときにどんな音、とかこんな感じってのを唐竹割りにザックリ切らなきゃわからないようではヘタクソなりにせっかく作ったのにもったいないじゃないですか。万が一上手くできてたらどうしてくれんだ!みたい(わらい)
 
 切らずに、また、クッソ高い懐の深いマイクロメータを買わずに(そんなん使ってる人はいない)、肉の厚さを「ほぼ正確に、なんなら数字で」知る方法を紹介します。
 
 必要なものは「自作の」ニードルツール。市販品は太くて「釘か!」みたいのがおっ立ってるので今回の使い方「にも」結構不都合です。使い勝手のいいカッチョイイのが欲しい方は通称『ベルリンファイル』をこのホームページの過去記事から調べて製作してください。

 「ベルリンファイル」は大変に便利な道具で、いろいろな利点や使い方があります。市販品より使える上に、作るのに道具がいらないし。
 使い方は、
 1、板を切りだしたり口元を切りそろえたり
 2、傷つけたり気泡の息を抜いたり
 3、裏切り者の爪の間に差し込んで雇い主や文書の隠し場所を吐かせたり
 4、器体の肉厚を測ったり


画像はイメージです。

 簡単にはじめに使い方を説明しますと、針を直角にブッ刺して貫通するまでどれだけ刺さったか、を測ればオッケーです。簡単でしょ。終了!

 それではいきますよ!
 なにか適当な小さいキレッパシをゲージの目印として使います。薄いゴムとか発泡スチロールの板なんかいいんじゃないでしょうか。
ロクロ天面の土は器の底とでも思ってください。
ここではほぼ5㎜角×2t程度のEVAスポンジシートを針にセット。
キレッパシ(aka肉厚ガイドゲージ)はスルスル動くけど勝手には動かないものを。


躊躇なくブッ刺します!針先が天面にカツンと届くまで!

見込の底でキレッパシ(aka肉厚ガイドゲージ)は抑えられますから・・・
ゲージから針の先までが肉厚の(ほぼ)正確な読み取り量です。

 これを気になる壁の厚みでもどこでもやってみるといいですよ。その場合は針先が指に触れるまで、もしくは何か当て板でも使うといいでしょう。
 

 この方法は一個引きで成形する際に底の厚さを測る方法(針を天板に届くまでブッ刺す)として主に海外の書籍では紹介されていますが、あまり日本の書籍や映像では見たことがない気がします。さすが外人はやることが違う!卵立てるのに底の方グシャッと潰したり、お金強奪するのに金庫ごとスーパーカー二台で引きずったり(ワイルドスピードメガマックス参照のこと)するわけだ!日本だったら神の指先を持つ金庫破りとかがチマチマ針金突っ込んでるところですよ。
 ここではそれを成形中の壁の厚さや削りの際にも底も腰もブスッとやっちゃいましょう!ということを提唱します。細い針を使って、ロクロ引いたり削ったりしてる最中に孔なんか消えてなくなっちゃうものです。硬めの乾燥での削りの際はドベで埋めて親指でごしごしやれば問題ないです。釉薬で消えちゃうだろし。

 まあ職人の勘と経験で狂い知らず!みたいなものがもてはやされがちですが、知ってる限り製造業ならどんな職種でも職人さんは測れるぶんにはちゃんと測りますよ、当たり前でしょ、マジで。そりゃ経験で不都合ない程度に揃えるぐらいのことはできるようになりますけどね。それでもそうなるまでには測りながら鍛えたと思うけどな~。

 測りもしないでナタリー・ポートマンにすぐ隣でじっと見つめられても狂わずに肉厚をびしっと決められるレベルになるには相当な年季が必要ですよ。俺だったら測りながらでも失敗しちゃうよ。
 ちなみにですが、知ってる金属加工屋さんで旋盤工やってた女子は丸棒ぐいっと握って24.5φ!とかコンマ一桁までぴったり当てるつわもので、本当に歴代の彼氏さんがかわいそうなんですが(なんでだよ!)、そんな彼女もかなりこまめに測ってました。

 「厚さがそろわないんだよな~」「測らねえからだよ」
肉厚をそれなりに揃えるのは、Rを揃えるよりもはるかに簡単です。
 まあ個人的には器なんか少々不揃いでも気にしてませんし、それこそワンオフ(モノは言いようの「一品もの」だっったりして)次々作るとかならそこまで気にしないでもいい気がしますけど、そんなに揃えたいんならこまめに測れよって感じです。勘で揃うんだったら計測機器売ってねーっての。って言ってやったらパチーノがそりゃそーだなって納得してましたよ。

 まあもちろん今回も極論ですよ。どうしても孔開けたくない人、手わざのみでぴったりそろえなければ気が済まない人(イッピン!おやじ)にはお勧めしません。俺だってそこまで厳密にそろえるためにやってるってよりは不安解消のためにやってるようなものなので。

 さっくり切って断面を確認するのとは別の意味ですのでそれを不必要とか言ってるわけではないですよ。



 
『ベルリンファイル』切れ味も抜群だぜ!

 




 

 
 




 
 

2019年3月22日金曜日

緻密質マグネシアるつぼ

 緻密質のマグネシアるつぼです。
 ギミックも特にありません!


クリーム色のニクイやつ!でウチではおなじみですね。
 ですねって俺一人で言ってるだけですけど。

 昨日メンズデーだしあんまり家にいたくない理由もあったしで映画館行ってきました。っていっつもそればっかですけど。
 午前「スパイダーバース」午後「グリーンブック」とアカデミー賞で話題になった作品でハシゴするつもりだったんですが、先に見たスパイダーバースがすごいのなんのって、びっくりしました。劇場で見た映画としては生涯ベスト級の夢見心地でした!

 正直実写のシリーズのスパイダーマンは現行のアベンジャーズ(MCU)の含めて三つともかなり好きで(コミックは未読、多分今後も)、このタイミングでアニメって何?って思ってたんですよね。しかも違うスパイダーマンがいろいろ出てこられてもよく知らねーし。なんてテンションで期待値低目だったんですが、マジでやられた!
 話は、唐突にその展開?何、兆候あったっけ?とか、別に俺こいつは特にいなくてもいいな、とか、読み解けてないだけかもしれないですけどまあそれもあまりの映像の凄さにトリップさせられてたせい。

 こんな46にもなる枯れたオッサン(一人鑑賞、一号は部活だったので)がここまでに時間ウキウキできる体験ってなかなかないですよ。オススメ!超おススメ!
 原作はおろか過去シリーズ一本も見てない人でも、アニメが嫌いでも見とくと絶対将来孫に自慢できると思います。

 小中学生の頃は爺さんやオヤジに「アラビアのロレンス」がどうの「ベンハー」がどうの、「真昼の決闘」も「サンセット大通り」も見た!だの自慢されて(オヤジもさることながら、母方の爺さんが横浜野郎なんで手ごわかった!)、「そんなこといわれても俺生まれてねえし!」ってちょっと悔しかったじゃないですか。
 20年後孫がマーベルとか特撮ものとか見るようになったら「俺はスパイダーバースの一作目映画館で見ちゃったもんね!あれは歴史的だったなあ~!」って言ってやれます!まあ既にスターウォーズとか酔拳でやってますけどね。

 あんまり興奮しちゃって「グリーンブック」観るのやめて上書きしてないままので今日もスパイダーセンスびんびんです。
 アラゴルンの人すまん!!
 
 
 




2019年3月19日火曜日

試験に忙しくて製品を作る暇なんかねえ!という概念 灰釉シリーズ

 「殿、ご乱心!!」
 あほなタイトルですがそんな気持ちになっちゃいますよね。テストしてる間には夢と希望しかないんですから。実際茶碗サイズで作るとなんかもっさりしてんなあとかだっせえなあといろいろ不満やなんやかや「結構なダメージの裏切られ」(プロの皆さん実感あるよね?)が出てくるもんなんですが・・・

 具体的にこんな釉薬が必要だ!なんてせっぱつまった理由なんか別にないけれどついやってしまうのが釉薬の試験。すでに試験すること自体が目的のような面白さがあります。
 「世の中には二種類の人間がいる。釉薬をテストする奴としない奴だ!」とスタローンが言ってましたよ(ウソ)

 例の灰+長石のテスト(二回)の結果から

 灰4:6ソーダ長石
  Add ガイロメ粘土5%
 をチョイス。
 ボールミルでザザッと混練(軽く塊をつぶす程度で細磨せず)した後60#篩い通し
  
 扱い易さ(がありそうっぽい)と艶や透明感の感じ、何より貫入のきれいさが決め手。

 灰は、未洗未水簸のストーブの燃えカスです。エラそうに釉薬に使う灰って言ったところで薪の樹種や何かを選別したようなしみじみしたものではなくて、燃せそうなものなら何でも燃した、まさに現代人類の生活の縮図。アッシュオブヒューマンビーイングですよ。それじゃ火葬場か!
 なにしろメイン使用者のボンクラ一号(中二病罹患中)に至っては何燃してるか怪しすぎて知るのも怖い!
 まあそんな謎の灰でも釉薬になるんだよ(きっと)っていうドキュメンタリーシリーズです。
 
テストピースとしか言いようのないテストピースで前回試しましたが、今回からは碗形なり筒型なりのそれなりの器形で試します。
 ついでに酸化鉄、酸化銅を試して発色の確認もついでにやってみるといいかもねってところ。
 酸化鉄、酸化銅はそれぞれ
  酸化鉄2% 
  酸化銅1%と2% 
 で試しました 

 今回ちゃんとは試してないんですが、重ね掛け試験もやってみたいですよね。重なった部分の色味や性質を確認してみないことには、今後、境目に気を使って下手な掛け分けしなくてはいけないのか、それとも男らしく?バシャッと重なっちゃってても「いけるクチだねえ!」なんてことになりえるのかそれぞれの自分の釉薬ごとにも確認しなくてはね。

 まあ本来土もいろいろ試したいところですが、あったやつでいいや。

 またこれもまったく単なる個人的なイメージ問題なんですが、灰多い=流そう、という図式が頭消えないのも考えどころ。
 だらだらとは垂れないのも確認済みとはいえ、テストピース程度ならちっこいのでちょっとたまる程度で済んだだけやもしれぬ。器に使うとそもそも面積がデカくなるわけでお湯呑サイズまで行くと裾にたまる量もダンチ。こらえきれないかもしれないからね。また、粗い土や表面の処理なんかでももちろん変わります。鋳込み品だとツラの肌理が全然違うので同じ土でもつるつる釉が滑ります。その辺もチェック。
 怖いので上半身だけにしました。
 
というわけでノーガキはこの辺で結果
酸化鉄2%。一番右は素でリップに弁柄塗
貫入の出方が多少違うか?

酸化銅。やや垂れ多し。コーラの壜の色、ウソ青磁に使えるかもよ!

こっちが器に使ってみたバージョン。
定番湯呑の形、背丈で二種。
土は左があまってたテラコッタ。右が粘土屋さんドットコムの萩風土
右はちょっと厚かったかな?真ん中の防潮堤にかぶさってきてる。
口元で見込みの柿釉にかぶさった部分。
「純露」の黄色いほうの色。

細かい貫入がきれいなんだけどよく見えないかな

鋳込みに使ってみた結果(土は粗いのをふるった適当なもの)
危惧した通りかなり垂れてます。裾まで掛けてたらヤバかった。
しかし溜まりの色味はかなり綺麗!まさに黄金のタレ!
貫入が死ぬほど細かくなってるし。


いきなりにしては普通に使えました。
なんだよ事故らねえのかよ!面白くねーななんって言ってるのは誰だ!

 近いうちに重ね掛け試験するから事故的な何かはその時まで待っててください(笑
 重ね掛けは好まない方結構おられると思うんですが、俺は大好きです。
 重ね掛けの使いこなしは絵付けのできない漢(オトコと読む)達にとっては、絵では書けないある種の美しさを得るための秘蹟。追及してみる価値は絶対にあります!
 (絵付けできない理由は様々ありますよ、会得するまでにかかる時間と人生の残り時間の関係や、ドラえもん書くとこうなっちゃうレベルとか) 

 もう一つ絵付けできない男が絵では書けないようなある種の美しさを得られる釉薬に結晶釉があります。 
これも今回の試験焼成品

 結晶釉も垂れにくい調合!温度プログラム普通!が(自分なりには)完成してきてますので、ネタが切れたら記事にしますね。
 
 重ね掛けは「よるべなきオトコの仕事!累!」というシリーズは前っから考えてます。気が遠くなるような実験数を思うと腰が引けて引けて…


 まあゴミだらけのストーブの灰からでも釉薬ができたよって話でした。


で、あらためて黄金のタレ!
昔、双葉のばあさんちで見た相馬焼の皹青磁のイメージで墨入れ!
大堀相馬焼の皆さんも復興してます。ガンバ!


2019年3月14日木曜日

アルミナるつぼ

 一般のヤキモノ系記事が続いてしまったので、何屋だかわからなくならないようにアルミナるつぼの写真を載せますよ!
 
 高純度の緻密質、ちゃんとルツボ作ってます!!
 こういう製品も新しい調合や原料の際は同じように試験を繰り返して製品化します。

 ご覧のように口元に四つ孔あきの「イーサンハント仕様」です。
 ここ数年繋がりのない(と思われる)複数の研究室からこういった注文がありますので、「るつぼのぶら下げ」キテルのかな?って思ってます。

灰つくったった とりあえず実戦用テスト開始

 イノウエ先生の現行シリーズとうっかりかぶっちゃって解説の出来の違いに恥ずかしい限りなんですが、「ストーブの灰で釉薬試します」の件、続けます。

 まずは段取りから、
 1、先日の結果からお好みをチョイス。
ということで、灰+長石を選択。だってやってみたかったから&他のはメンドクセエし難しそう。お前ポカホンタスの歌まで上げて小賢しいノーガキ言ってたじゃねえかって突っ込みはなしで(笑)
 
 2、灰7:3長石~灰4:6長石まで4パターンをカリ長石とソーダ長石で。
 ずいぶんおおざっぱな目見当だな!お前ポカホンタスの・・・以下略。
 灰を消費するのが目的なのに長石9とかじゃ灰減らないし、灰9とかは練ってる最中に前頭葉が「やることないんじゃね?」と言ってきたんですよね、前頭葉が。まあ「そうありたい理想の俺」が「怠け者の現実の俺」に負けた瞬間ですよ。あるある~
 いずれも俺ルールで必ずガイロメ粘土を5%混ぜます。使いやすさがダンチ。ベントナイトでもいいんでしょうがこれは俺ルールなんでしょうがねえ。おいといたのがガッチガッチに固まっちゃったりしたらベンナイなりニガリなりで調整しますがそれは後々。

 3、土は灰釉なんだから、ザックリした粗目の土が向くだろうと、そして鉄っポイ赤い土(こっちは細かい)の二種類で。
 これもまただらしなくも大まかなイメージ引きずられ式の生ヌルチョイスですが別の試験にいつもの土はまわしたかったので・・・「ジョー、ワイはダメな男や」鼻からうどんを出すので許してください。

 というわけで





 4、焼成はうちのメイン釉薬の天目系黒と飴釉用のパターン、通称『バーフバリプログラム』で。何のこっちゃって感じですが、1220℃30分キープから時間100℃で下げて900℃一時間キープです。電気炉酸化ですが降温をいじくることで深みとそこはかとない清楚さのある(当社比)色味になります(個人の感想です)
 ゆっくり冷却とアニールは釉薬中のうかれポンチを落ち着いた微細結晶にしてなんとなく「いいな。おちついてるな」って感じにさせてくれるものですよ(勘で言ってます)
 せっかく電気炉なんだからうちの十人並の娘がたったの10センチでも桜井日菜子によるかもしれないと思って一変試してみてください。
 
  
 結果がこれ。







写真も塗り方もテキトーですみませんが、イノウエ先生の動画など参考に見てみます。





技術的な至らなさで写真じゃなかなか伝わらないしご覧いただいても突っ込みどころダラケとは思います。すいませんねぇ。解説は省きますが、今後に使うのは灰4:長石6です。

 保管後どうなっちゃうか、酸化鉄、酸化銅等添加した場合、他の釉との重ね掛け等々確認しつつサイズアップしたテストピース(楊枝立てとかショットグラスサイズ)に使って試験。さらに実際の湯飲みや茶碗といった、まあいつになるかわかんないですけど上手いこと製作品を作るところまで行ければなあと思います。

 こういう試験実験のいいところは理性的なデータの蓄積による実感と理屈の確認ができるところですね。ただ綺麗だダメだだけじゃなくて。もちろん理屈なんかいくら考えてもわかんないことばかりですけど、結果からわかることってのは「自分なりに」とはいえ少なくとも使い方の脳内シュミレーションをするには最高のおやつですよ。

 自分の場合こういった基礎試験で選択したのち、小さな器に使って、ちょっと違う?こうしてみるか、を複数回繰り返してやっとこれならいいね!って感じになりますね。でもそのあとやっぱりに三回違うんだよな~になりますが…
 それらから得られる実感と理解がすべて次への道。と思うと楽しいっすよ

ざっと今手元で進行中のものを並べると…
手前の基礎試験ピースからはじめて・・・
奥のような小物器で試験(これは重ね掛け試験のもの)
ひどいもんですが、これでもまだ見られる方だったりして(笑

で、右の重ね掛け試験から左の製品版用のプロトへ。
みたいな感じ。
各々手にするためには複数回の確認試験もしくは失敗があります

こうやって理解理屈(使い方)と実感「テゴタエ感?」を積み重ねまーす

実感ばかりを優先させると地球が平らと信じてしまう(そういう人達もいるらしいんですよ)
理屈ばかりにとらわれると話が先に進まなくなる

理屈と実感の両方を得るために実験~検証(とはいっても好き嫌いの判別程度かな?)が必要なんだろうな、と。

 判断の仕方は、テスト結果に限らずですが、群盲象を語るに陥らないようザックリした大区分けで判断するのも大事、個々の細かい部分部分をよく見ることも大事。
 年を取ったり、なんかの毒気に当てられて多様性に対して寛容心がなくなるとどこそこの国の人は…とか、右だの左だのバカみたいに大雑把なディスりあいになっちゃったり、なんか一つのミスや不出来を鬼の首を取ったように大騒ぎとかしてああいうのホント嫌ですよね。

 見た目と強さが第一基準ではありますが、沈殿具合や伸びの良さ、各土との相性といった使い勝手の部分等も織り交ぜながら、おのおの取捨選択を検討します。

 まあ普通に溶けてれば使い方次第で上手いやりかた絶対あるはずで、せっかく作ったのにたった一回二回で決めつけちゃうのもかわいそうではありますが、人生の残り時間や置き場所の問題等いろいろな現実が渦巻いてますから、バッサリ決めつけちゃうのも結構大事だったりします。
 沈殿するからダメ!でも、この一点が好きだから突き詰めようかなでもなんでもいいですよね。犠牲が出るのはやむを得ない!なんていう考え方は大っ嫌いでそんなこと言うような奴でカッコいいと思っちゃえるのはデスラー総統ぐらいです。「新幹線大爆破」の宇津井健だったらいっぺんそう考えただけで辞職しちゃうような最低最悪の思考ですが、しくじった少量の釉薬ぐらいだったらいいんじゃないでしょうか。
  
 それでも許せない!ダメ!な崇高な心の持ち主(俺とか)は、場所が許せばデカいゴミバケツにでもボンボン投げ入れてある程度たまった時にあらためて使ってみるってのも楽しいですよ。経験上、ゴチャマゼの釉薬って色味や光沢の好みはともかくかなり安定して使えるものです。
 着色剤入りとそうでないのにわけたりすると便利、うちには15年分の戦死釉薬がバケツ三つにたまってます。どっちもあんまり使いませんが黒マット(着色の方に酸化鉄ブチ込み)もコバルト釉(透明の方に酸化コバルトブチ込み)も成分不明のそれです。15年ロマンシリーズとでも名付けるか。

 先日亡くなった超尊敬する《大ウォーレン・マッケンジー》さんがいろいろ語ってるビデオを、昔どっかの美術館で観たんですが、そのなかで青黒い渋い釉薬について「釉薬室のテーブルとか床掃いたのをゴミバケツにためてるんだけどいっぱいになったら酸化コバルトをひと掬いいれてかき混ぜてんだよね。酸化コバルトなんざ強いから適当でもきれいに青い!うわっはっは!昔っからそうやってるんよ!」みたいなシーンを見て、やべーかっけー。ってのがヒントっちゃあヒント。中島敦の小説に出てくるような悟った達人感がいいですよね。まあ全員にお勧めはしませんが。
 
 とにかく取捨の判断基準は、見た目以外もろもろを含めた[前頭葉と良心で感じる美醜]で結構だと思います。勘って言わないところがミソ(笑
 損得や利害といった世知辛い、ともすると邪悪、冷酷にもなりかねないそろばん勘定をひとまずおいておいて(そりゃファクターじゃないとは言わないけど)、良心が感じる美醜で判断しましょう。これはたかだか釉薬に限らず、例えば、いろいろな差別、原子力発電、遺伝子組み換え、脳死、排他的な思想やカルトといった社会の問題から、夜の9時過ぎにお菓子を食べる、二人も三人も同時に好き、ニシコリケイ(変換できない)が試合をしているからと言って仕事を中断するかどうか、などなどすべての判断に役立ちますよ。
 
 お前が言うナ!

 いやあこないだ某大学の先生から「世界中のセラミックス社のHPで一番バカ、いい意味で!」とお褒めいただきまして調子に乗りました。

 あ、ちなみにテストピースは段階が進んだら結構捨てちゃうクチです。よく見るとかわいい部分とか見えちゃったりすると泥沼にはまります。うっかり雑草の花なんか見ちゃって情がわいちゃうあの感じに陥るので。
 気になって思い出したら新たにやり直します。

参考になれば幸いでーす

2019年3月13日水曜日

俺コーン 続報 というかこれでいいんじゃね?

 

 俺コーンシリーズの続報です。
 まあいろいろごちゃごちゃ楽しんだんですが、中間の写真が消失してしまって結論的なものでご勘弁ください。
 
 釉薬(長石、ドロマイト、カオリンで三等分)の釉薬を円柱形に鋳込み(練り固めてもOK!)、2種類の温度で焼成してみました(炉内の同位置)

見た目は一番いい感じなのがこれ。1210℃15分キープ

見えますかね?1230℃1時間キープ(うちの窯ではおそらくSK8相当です)ではベム化しています

 キープ時間差もありますが20℃の間にこんなんなってます。
  釉薬で作っちゃうと実コーンに比して軟化~ヘタリ~ダウン!(造語)までの反応温度が下がっちゃってる&粘り腰はないので熔け(「溶け」じゃないよね)だしてから崩れるまでは短いですね。
 これなら塊状ですし、ボディとの反応はほぼほぼ無関係で、器体に施された釉薬(厚くてもせいぜい2~3mm?)と違って溶解温度帯は高くというか必要な熱量が大きいため時間もかかるはず(今までの結果からも明らか)。ちなみに写真はなくしちゃって実物も捨てちゃったんですがボディの土と混ぜると9:1でもかなり溶け落ちにくくなります。

割ってみてもよく見えないか。

 ちなみにこの温度で釉薬として普通に使った場合は
これはちょっとジルコニア入れて白くしていますので参考まで。

 
左から、ルンビ、アルトハウス、高梨沙羅
じゃなくて生、1210、1230です

 これでピンと来たんですが、この方式で台座(要はセット用の器)の縁から見えなくなったらいい頃合いだよ!!方式はどうでしょう。

 未だ製作まではしてないんですが、こんな感じ。

 台座は手持ちの粘土にシャモットを混ぜて作成。見込の中央にコーン(円柱だけど)をセットできるようにザグリ穴をあける。何個も作って素焼きしといてもいいかもです。
 焼け石に水かもしれないけどシェルフウォッシュ(うちの場合アルミナ+カオリン50:50)を盛る。
 濡れてるうちにコーンをブッ刺してまっすぐ立てる。
 使う!
 覗き穴からのぞいてコーンが崩れて台器の口縁より下に下がって見えなくなったらOK!みたいな感じ。

 釉薬、使い方によって今度は台座の縁の高さが難しい問題なんじゃねえか!?みたいなことになりそうですが、溶けた釉が流れださないぐらいで作っておけば、ベム化したのを確認できるんじゃないかな。

 台座を結構かわいくして釉薬コーンも色つきなんかにしておくと、もしかするとたまった釉薬がきれいで素敵なボタンみたいなのになるかもよ!

 今後の課題としては
 1:コーン、台座の形を決めてみる。
 2:いろんな釉薬でやってみる
 3:シリカ添加、カオリン添加等で前後番手分も作ってみる
 
 といったあたりが浮かんできますが、とりあえずここでシーズンワンは終了ですな。

 こんな無駄企画を楽しく読んでくださった方がもしいらっしゃるなら「自分でやるならこうしちゃうもんな~」なんて感じで、ちょっとしたヒントぐらいにはなってるはずと思います。いいアイデア、面白コーンなど自作出来たら教えてください!

 と、結構な宙ぶらりんで終わるという海外ドラマみたいなクリフハンガーパターンで終了としておきます。
 まだ本人的には詰める気ありますので、気が向いたら程度にやり継ぐつもりです。
 

ショットグラスを作る

 今は時期的に官公立の研究所や大学がおとなしいので実験や試作、一般向け陶磁器の製作に時間を回しています。
 少しはたまった注文品を作っているわけですが、去年友達に言われてたんですが無視していたショットグラスに取り掛かろうと思います。だって「テキトーにショットグラス何個か作ってよ」テキトーってなんだよ!みたいな

 そもそも酒飲まないのでよく知らないものではあったんですが、ショットグラスってなんじゃらほいというところから条件付けしてどういったものを作るか考えてみます。

 まずサイズ感はいろいろあるみたいですが小さいです。相撲取りならいざ知らずまあ掌に軽く収まる程度でしょうね。形状は切立ちか、ちょっと口開きテーパーのほぼほぼストレート形状な感じが一般的なのかな?もろラッパってのは無しっぽい。

 機能面では酒飲む器なので詳しく考えることなし、むしろ「ちょっと飲みづらいほうが旨いんじゃ(師匠談)」髭面の口の脇からダラーつってこぼしてもそれはそれでいいんじゃないでしょうか。どうせ酔っ払いでしょ?(偏見!)
 釉のチョイスに関しても雰囲気重視で何でもいいと思います。
 但し丈夫さは大事!!西部劇やなんかでよく見た気がするようにマホガニーのカウンターにガシンと叩き置いても平気じゃなくてはならないし、例えば夜回り中に深夜営業の喫茶店(なんつうのああいう店?ダイナー?)でよく出会う女の子(クロエ・モレッツ似ならカンペキ!)を更生させるために、彼女を虐待するギャングの目に可能なら16秒以内に突っ込んでぶっ殺したりできないといけないわけです(リンク先1分10秒あたり参照。ここ10年ほど名優型だと思ってたおっさん俳優がいつの間にか無敵オヤジ化してるんだよな。リーアムニーソンなんかもう殺した人数が「シンドラーのリスト」の時に助けたユダヤ人の数越してるんじゃないか?)

 昔師匠から「蕎麦猪口は奥さんがオヤジに投げつけたときに結構なダメージを与えられるようにしとくべき!」という謎の信念を受け継いだのでそれと併せて
 「ショットグラスと蕎麦猪口は武器!」と言っておきたいと思います。

というわけで
寸法 口径40~50φ 容積 30~60cc(1~2OZ)(まあ多い分には良いでしょ?)
   肉厚=厚め、重量=重め(あえてボトムヘビーで!)
 で考えてみたいと思うんですが、

 ここで問題が・・・
1 このぐらいの径だと「飲むときに口縁の向こう側が鼻につっかえる」
 これに関しては牛乳瓶みたいに上向いて飲むしかないね。多分そんな飲み方するんですよね? 左手はご自由に
 イメージとしては
 ざこ「チキン」
 マーティ「なに?今なんつった?」
 ざこ「ああ、何度でも言ってやるよ!このチキンが!」
 マーティ「・・・」一気にあおる
 みたいなシチュエーションのあの飲み方です。・・・多分。

2「目のまわりの窪みにつっこんで脳まで届く」んでしょうか?
 ちょっと調べてみたところ、眼球 25φ 眼窩 35φぐらい?ノギスで自分のを測ってみたけどメモリが読めない。すんなりつっこむのは多分無理。
 しょうがねえ、使う人の近接格闘スキルに期待しましょう。

などなど、どこまで本気かはさておいてその辺を基本軸に

 高台の有無を含むデザイン、シルエット、縁作り
  持ちやすさ、扱いやすさ、殺傷力(こだわるよ!)、
  厚さ、重さ、丈夫さ、(古磁器向き?砥部とか?)
 等を手癖と相談で

 約100gの粘土玉からつくってみてちょっと厚めでがっちりした「ガラスのコップに負けるわけにはいかねえ!」マッコールさんとかアトミックブロンドのシャーリーズセロンに使ってもらえるようなのを目指してみます。

ショットグラス、
それはたくさん作りやすく、小さな窯でもたくさん焼ける、
変形や掘り込み、面取り、化粧掛け等しくじってもダメージが少ない
いろいろデザインや釉薬、絵付け等バリエーションを試しやすい
そこそこ良くできれば近所や友達に配ってもかっこいいし、テストピースにも最適では?
数がそろった時の「俺やった!感」「なんかプロっぽい!感」を感じられますよ。
しかもいつの間にか同サイズに揃える感覚、作業の段取りやテキパキ感も鍛えられるという考えれば考えるほど練習向き。いいことずくめじゃんか!
名前が「ショットグラス」ってのもカッコいいね。少なくとも俺の人生経験からはその生活感のないシャレオツっぽさが

 皆さんもショットグラス、一緒に作ってみませんか?(なんだこのオチ?)

 まあそんなん、小さめの蕎麦猪口とかグイノミじゃだめなのかとかいえないこともない感じですが、そこはとりあえず無視しましょう。だってショットグラスって言われたんだもん!

 
一応、釉抜きや絵付けといった今までやってなかった技法の練習も兼ねて試作中。

こっちは蕎麦猪口


作る、とか言っておいて考えただけだったね。制作編は需要があればそのうち



 

2019年3月8日金曜日

CaOるつぼ 今度は緻密質

先日、多孔質のカルシアるつぼを紹介しましたが、緻密質でも同じサイズ。
50φ×100H程です



 カルシアるつぼについての注意事項は右側の目次、タグ「カルシア」で過去記事を読んでいただき、保管方法、耐消化性、炉内へのセット時の条件、等の確認をお願いいたします。
 必要でしたら、MgO粉末(炉内汚染に問題がなければ、できれば多少0.5㎜前後のザラメのほうが安心かも)、MgO多孔質性の台座等も条件に合わせて作成いたしますので、検討されている方はお気軽にお問い合わせください。




 
えー、以下は、本当はヤキモノ教室シリーズ側の話題かとは思うんですが、そんな記事をかくには私自身に覚悟が足りないので適当に雑記扱いで記します。相談くださった方には申し訳ないんですが、そういう感じで気楽に。気楽でオーケーです。

 動画による発信、この場合「ヤキモノユーチューバー」と仮に記しておきますが、というのはそりゃもうヤキモノの知識や技術だけじゃなく、手間も根性も覚悟も(そしてそれなりに高価な機材や撮影編集用の何かも)いるものですので(だよね?)、内容的にも真面目にヤキモノ作りをしたい人に向けられます。だって真面目に動画作ってるんだから相手も真面目じゃなきゃ釣り合わないでしょ?
 
 
 ちゃらっけ、不真面目や中途ハンパ(とくに悪い意味じゃなくガチポッター志望じゃねえわい!ぐらいの意味ね)、とか、基本的な道理から見れば「いってみれば邪道」みたいなのは、経験、きっかけとして絶対に損はしないけれども「スムーズに技術上達する」上では確実に遠回りですから、発信の目的(その動画一本にかぎってかもよ)からはダメになります。気持ちの持ち方みたいな点に対してもきっと同じです。
 
 そんな動画があったからってべつに「選手になりたいわけではないんですが…」って方を否定しているわけじゃないはずです。その動画に込められたココロザシを届けたい対象者じゃないだけだと思いますよ。

 よくある普通の草野球、勝ち上がりを目指すというより月に二三回試合の時に集まるだけ。普段練習してるかっツウと別にしてない。ってのはちっとも悪いことじゃないでしょ?むしろ俺もやりたい。独立してから一回も野球してないし。
 そういうヤキモノ作りの趣味もアリです。全然大アリ。

 セーターとまではやる気ないけど、うちン中で使うひざ掛けとかマフラーぐらいは毛糸買ってきて自分で家族の分編むわ。ってのも大有りです。 

 動画の内容はおそらくですが、ヤキモノ屋になるにはどうしたらいいんですか?とか、定年後に食器を売って稼ぎたいんですがどうしたらいいんですか?みたいな「そのぐらい自分で考えろ!」なボンクラ質問にたまった毒がああいう形で発露したとでも思っといてオーケーです。

 ここで一般陶磁器ネタの開示、みたいな記事を書いてる原因の友人「パチーノ君」もまるっきりガチじゃありません。教室内でのし上がろう(相変わらず意味不明)とはしてるみたいだけどな。
 そんなガチ勢じゃない皆さんが、少しでも面白くやれるように、というのが絶対の第一条件で記事を作っています。そのためにガチ、本職のくせに明白なトンチンカンを必要以上に攻撃してるきらいもありますが…
 
 作りたいものがあればその時それだけ作れるようにすればいいだけです。ヒントはそこらじゅうに転がっていて、作り方に邪道も外道もMrポーゴもないです。作れればOK。もっと言っちゃえば過程を楽しむだけでもOK!そのうち世界が広がる人には広がります。
 自分が自分のために作るんだからそれでよし。教室の目的やタイプにもよりましょうが、それ手伝うために先生ってのはカネもらってるんだよ。

 陶芸なんて言葉自体がちょっとエラソーなくせに遊び臭さ(ごっこ臭)が抜けてないように感じるんだよね(いい意味でも悪い意味でも)そのうち陶道とか言い出すカルトも現れそう。

 ガチとホビーは先生も分けて考えてくれるはず。気にスンナ! 

 上達したい人はこんな駄文読んでないで先生や先輩から学びましょう。盗みましょう。
 人として信頼できる先生なら絶対に間違ったことは言わないので信頼すること