2019年12月30日月曜日

なんとかヒマなし?

 つくばセラミックワークスは冬季休業中です。
 
 石膏型もお休み中です!
って今からこれ使って鋳込みます!


 本当に明後日お正月なのか!?
 まあゴロゴロしてても大掃除させられるし避難するってか?

 

 

 
 なんかね、ダークサイドに落ちたまま年を越すのもアレなんでね。週末口直しをしてきました。

 先日の超無駄企画、つくデミー賞の結果に追加あり!

 最優秀シリーズ完結編賞の表彰です。
「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」
 
 おい!EP9よ!これが完結編だ!
 などと無粋なことを言いたくなりました。サイコー!
 それにしてもガキっぽいラインナップになっちゃいますけどね。

 まあ~筑波って所は、ご立派な大学があってご立派な研究所が並んでていきった市長や市民が「茨城県のくせに文化と科学とシャレオツ!」なんてぶってますけどね。シネコン三つもあるくせにおんなじようなのばっかで単館系の映画がほとんど市内で見られないんですよ。
 アスガーファルハディーもケンローチも来るとしても遅れてくるし、やってくれたらもうけものって感じ。ワイダなんて遺作すら見られなかったんですよね。
 科学は知らないけど文化的なのは表っ面だけだね。読めない店名のクソ高いパン屋とできてはつぶれるベンチャーがあれば文化じゃねえと思うんだよね~。 

 なんで今年最後の記事に嫌味っぽくなってるのかって言う・・・

 来年は年男のこのオジサン、小学校三年生から1㎜も変わってないことが発覚しちゃいましたよ。

実家から持ってきてた昔の図鑑から登場!
 これだから大掃除はダメなんだよ
 
 


2019年12月26日木曜日

年末年始のお休みについて、とか

 初めに、年末年始の営業について
 12/28~1/5までお休みいたします。
 休業中もなんだかんだ成形なり窯の入れ替えなりで工場に出入りはしますが、いろいろ私事で出かける用事も多いので連絡は付きにくいかも知れません。よろしくご了承ください。
 
 一週間も記事のアップを怠る、というのはこのHPに移行して初めてだったんですが、別に『スタートレック・バルカンの夜明け(仮名)』にショックを受けたからでは決して!ありません。理由にもなりませんが体調不良と製作の忙しさゆえです。

 もちろんいろいろぎりぎりまで作ってますし作りますよ~
  ジルコニアのタンマン管とかね~

 今まとめ中の割れに関しての考察『ワレ思う故にワレあり』(これが言いたいだけではある)は年明けスタートにして正月の目出度さにケチをつけたいと思います。
 とりあえず年内は無駄記事で「月に最低でも10本記事を上げる」というタスクを達成する予定です。

というわけでここからマジで無駄記事。
 肝心のスタートレック(仮名)に関していろいろ話したくてしょうがないのに年の瀬忙しくて誰も相手がいない!ウおお、鬱屈がたまるぜ!

 で、ここでぶちまけたいんですがまだ公開一週間、ネタバレ問題、というのがあります。世の中ネタバレに大変うるさいですよね。

 例えば、超傑作アニメ「この世界の片隅に」。今完全版?が公開されてますね。スズさんたちは呉で生活してますけど、8月6日には広島に原爆が落とされます。
 ネタバレすんじゃねえよ!っておい!

 不時着した星は実は地球です!
 実はあいつは主人公のお父さんです!ノー!
 てっぺんのタンクを爆破して消火します!
 そもそも僕は幽霊でした!
 主人公も実はエイリアンに乗っ取られてました!
 結局結婚しないんだよな!
 ネタバレすんじゃねえよ!っておい!何年前の映画ならいいんだよ!場合によっては、まだ観てない方が悪いんじゃねえのか?

 ついさっき娘がキュリー夫人の伝記漫画を学校から借りてきて読んでたんですが、旦那さん交通事故で死んじゃうんだよな!って言ったらネタバレすんなって怒られました。五年生にもなって知らねーのかよ!
 俺は子供の頃そのこと知ってたんで映画を観たときにもうハラハラしちゃって手で顔を覆いながら観てましたよ。マジサスペンス。

 かくのごとく、どこまで許せてどっから許せないのかは勝手にしてもらうことにして、簡単に今現段階での感想を…
 とりあえず、こうなったらやだなあって意味で予想してた範囲を裏切らないという感じでした…
 一応意味不明になるように暗号化?しておきますよ。

 カークがカーンの孫だってのは別にいいですよ!まあ結局血統主義っぽいのでムカつくけど。でも、カーンご本人がなんか変な形で生きてるんですよ。しかもどこにいたのか大軍勢まで保持してて。そうなると旧シリーズでピカードとピカードのオヤジが成し遂げた偉業に対してそれは無意味でした~って感じじゃないですか?
 まったく別な敵とか、カーンの思想がまだ影響が残ってて、やっぱ人類ってバカだから歴史は繰り返しちゃうねえ、みたいな形ならまだわかるんだけどなあ。

 しかも、最後の最後に名前を聞かれて、
 カーク。カーク・ピカード。とか名乗ってんですよ。ナニ師匠ではあるけど過去の英雄の名前利用してんだよ。
 そりゃ血筋を知って気分悪いだろうけどさ、命をかけて守ってくれた御両親だって苗字はカーンじゃん。あんま掘り下げてないけどあの両親立派ですよね。あの顛末のスピンオフが見たいぐらいだ。
 そうなれば最後は「ただのカークよ!」か、借りるにしても「カーク・ピカード・カーンです」でよくないか?
 しかもピカードとウフーラのライトセーバーをピカードの故郷に埋めて供養?するんですが、ウフーラってタトゥイーン関係なくね?てかウフーラもジェダイだったのかよ!だったらEP7からもっとバシバシ戦えよ!何ただの政治家兼将軍やってんだよ。

 一番気に入らないのはこの二点とそこにまつわる部分です。
 これだけは言いたかった!
 あと、カークの横顔のシーンはやっぱり最高ですね!

 とかいろいろ文句はありつつも楽しんだし、俺のファン心理としては『スポックの帰還』もプリクエルを見て大好きになったし、今回の三部作を見てプリクエルも好きになったので時間と妄想的ファンセオリーを自分の中で組み立てることによって解決できるかな。
 でもやっぱり前作『最後のクリンゴン』も今はがんばって消化してるのでいろいろなかったことにされちゃったっポイのは残念だなあ~。もしかすると最後のクリンゴンは10年20年たつと「女王陛下の007」みたいに再評価されるかもね。トドのオッパイ飲むシーン以外は。
 まあここまでにしておきます。


 では無駄企画第二弾、今年もやってくださいって注文メールの最後に書いてくれた方が二人もいたので(笑
 今年のつくデミー賞を発表します。
 
作品賞 『スパイダーバース』
    『スケート・キッチン』

主演男優賞 ホアキンフェニックス『ジョーカー』
主演女優賞 松岡茉優『出演作全部』(二年連続受賞!)
助演男優賞 ドルフ・ラングレン『クリード2』
助演女優賞 デジタルアンチエイジングしたニコール・キッドマン『アクアマン』(でいいのか?)
最優秀カップル賞 ネッドと放送部の娘『スパイダーマン ファーフロムホーム』
最高にグッと来たシーン賞
 「生活者の音楽は敗れました」と語る松坂桃李 『蜜蜂と遠雷』
 
 まあちょと説明するとしたら最後の松坂桃李ですね。彼は普通にサラリーマンとして仕事をしている妻子ある(言ってしまえばアマチュア)ピアニストです。天才、申し子としてピアノだけやってるわけじゃない。
 「僕は一般的な生活者だ!そういうやつにしかできない素晴らしい音楽だってあるはずなんだ!」
 まあ決勝戦に勝ち上がれずに負けちゃうんだけど彼の演奏が優勝を争う天才たちに響いて、天才たちは余計にフォースを覚醒させちゃうんですよ。でも多分、無邪気な天才たちは「生活者の音楽に潜在能力をグッと引き出してもらったんだ」ってことには気づいてないかもしれないなあ~って感じ。特に男子二人には。
 言ってしまえばまあ、持たざる者=我々の代表として、立ち位置はよくあるステレオタイプではあるんですけどね。
 「敗けてねえ!敗けてねえぞぉ!」と泣きながらエールを送った次第です。
 まあ俺たちと違うのは「①大変ハンサムで、②技術は純粋プロに引けを取らず、③志高潔で性質も立派、④奥さんまで美人」だってことですかね。
 あれ?だんだん頭にきたな、敗けちまえ!


 何だかわかんないけどこんな感じ。
 今年は子供向けばっかでしたな…娘とばっか観に行ってるからなあ~
  







 
 

 

2019年12月19日木曜日

2019つくセラ極私的やきもの本アワード

 年末だしこういうのもあっていいよね?

 あくまでも「俺が今年読んだヤキモノ本」ということで、出版された年月日は無視します。俺が個人的に受けた感銘で選んでいますので異論はご勝手にどうぞ!

 各部門ですが、
 ・大賞
 ・技術賞
 ・外国語作品賞
 ・超絶珍味賞
 ・最○○○賞
 の5部門です。

 まずは外国語作品賞から
 Jacqui Atkinさん著 
『Troubleshooting for Potters』
 これは、作陶の一から十までの間に出くわすトラブルに対して原因と対策を分かりやすく整理した本です。ほぼほぼ箇条書きですので辞書を片手に頑張れば俺でも読めます。必要そうなところだけかいつまんで読んでもOKなタイプの本だしね。
 まあこの方の著書はいくつも翻訳されてますが、多くがそうであるように、クラブレベルというか、これ以上詳しく知りたかったらちゃんとした人に聞くか本読むか開眼しろよ!という感じの内容です。私とてプロのハシクレとしては食い足りないというか、目新しい話はあんまりありません。

 でもわかりやすく整理されてます。そんな失敗をしないようには~といった風に技法書としても使えるようになってもいます。素晴らしい。
 原料調整、成形、加飾、焼成までページ配分はほぼほぼ等分ですよ!(当たり前ですが成形が一番ページ数少ない!)
 こんな本って日本でも出てますかね?近いのはあるのかなあ?見たことないなあ。
 俺的には無くてもいい本でしたが見事なコンセプトに賞を授けますよ!!!(この唐突な上から目線って・・・)
 

 では次、技術賞は・・・・ 
 黒田永二さん著
『焼物の謎に迫る』です。


 本当はこれを大賞に推そうとも思ったんですが、もう中古でしか買えないので残念ながら部門賞です。すみません。事実上の大賞です。

 実はこの本、古本屋で100円コーナーだったんですよ。なにしろこのタイトルの地雷臭に心惹かれちゃいまして。よーしオジサンツッコんじゃうぞ!とネタにする気満々のホクホク顔で一切中身確かめずにゲットしたんですが…
 超真面目な、しかもわかりやすく読みやすいヤキモノ科学本でした!
 どーもすみませんでした、ナーメテーターでした!と土下座しました。
 著者はファイン畑の研究者、特にプロセシングの専門家の方です。ファイン最先端の現場と研究所を歴任してまして・・・しかも文章も上品でコクもキレもあります。ビールの宣伝以外で見たことねえ。

「陶芸家の皆さん、とやら」はこんなこと考えたことありましたか?(例えば、ラミネーション、という言葉、現象の持つ絶望的な力)、そして、自戒を込めて言いますが「ファイン屋さん、とやら」は一般陶磁器なめてませんか?(例えば、たかだか釉が薄皮一枚加わるだけでどこまで泥沼の底が深くなるのか)とだけ言っておきます。

 メインイベントであり、白眉は、例のパワーワード「窯変」に迫る章です。著者の経歴からSiCをはじめとするカーバイド(炭化物セラミックス)にめちゃ詳しそう=還元焼成に死ぬほど精通してるはず、これは期待できる!といった流れでワクワク。読者各々の知りたい謎にどこまで迫ったかはともかくサイコーです。
 まあ前後の文脈抜きに一文だけ抜き出すのも乱暴ですが、
 
 本来、窯変は全く偶然によるのであるから、窯出しした焼成品の中に区別できないほどよく似た窯変物が2個以上あるというのは、かなり珍しいと言わざるを得ない。~
 わかりますかこのキレ味あるイヤミ。最高ですよね。ロマン派にもそうでない派にも是非読んでほしい!

 ブルーバックス的な本なので、柔らかさの意味ではそう面白くもなく、科学的という意味ではいまいち詳しすぎないという、ともすると中途半端に陥ってないとも言いきれませんが、部分的には私(=理系レベルの足りないヤキモノ屋)にとって思いがけない見事な出会いでした。こういう風にキレカワな美女とも出会いたいものですな。できれば100円で。
 
 お!今調べたらアマゾンで1円だぞ!急げ!
 内容を俺が語るのもアレなんで、不躾極まりないながらも内容をコピペしておきます
 

商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

焼物は素材のままではなくて、原材料に技術的な手段を加えてゆく間に、人の手の届かない工程をも経なければ完成した作品にならない。原材料の品質ばかりでなく、その後の製造技術にも大いに左右される。芸術的表現に対する才能に加え、化学的な能力も要求されることになるから、そこに焼物を神秘化する要素があるようだ。この本では、製造技術を専攻してきた立場から気付いた問題で、場合によっては神秘化されている事柄にも迫ってみた。

内容(「MARC」データベースより)

焼物は、原材料に技術的な手段を加えてゆく間に、人の手の届かない工程を経なければ完成品とならない。焼物の製造技術を専攻してきた著者が、科学者の視点から焼物について語る。

 読めばわかりますが、これマジです!
 もちろん、初級者の方や、ロマン原理主義者の方には買って読んでもつまらなかったよ!って人がいるのもわかんないけどわかります。急ぐな!


 
 では、ついに大賞の発表です。
 輝く、2019年(に俺が読んだ)ヤキモノ本大賞は…
 石黒武彦さん著
『陶芸で多面体-フラーレン、ナノチューブ、トポロジー
 おめでとうございます!!

 断っておきますが、この本、幾何学の本です。ヤキモノの本ではありません。ですので、ヤキモノの本が欲しい方は絶対に買ってはいけません。
 
 内容ですが構造の研究者(大学の先生)の方が、なかなか実体験として出くわすことはないであろう『多面体をいじくった何か』とか『トポロジー的な何か』を、作って実感してみました!という本です。
 年齢からいってもおじいさん先生。奥様が作陶趣味だそうで、ご本人は出発段階ではマジ素人。手伝ってもらって頑張りました!みたいな。なんだそりゃ!ですよ。
 正直焼造物、作品としては失礼ながら微笑ましいレベルのものが多く、もちろん綺麗ににできてるのも多くありますが、それがご本人の上達なのか、裏で奥様が頑張ってくれたのか、って感じ。

 実際の文章もヤキモノ部分に関してはほぼ「難しいけど面白いね!」ってだけで(失礼)、その構造体の数学的解説が我々にもある程度は分かりやすいように説明してくれてる分だけギャップがすごくて、なぜに陶芸…といったいろいろなんか違うんじゃねえかという気がしないでもない。

 でもですよ、結晶に見るような構造や、ピタゴラス多面体?とかそんなのをCGイラストじゃなくて著者自ら手作りしたヤキモノで見るってのは結構おおッ!!とうなりました。俺自身が高等数学についていけないので具体的にはあれですが、あー実物はこうなるわけね!オモシロ!ですよ。

 また、折り紙(とかペーパークラフト)で作ったモデルには、作った本人だけ感じる紙厚はともかく、とりあえずパッと見の視覚上の「厚み」が存在しないんでほぼ理論上の物体、と言えると思うんですが、ヤキモノで作る以上、必然的に「実存を主張する壁の厚み」が存在します。
 たとえば、「メビウスの輪」を紙っペラで作ったことがない人はいないでしょ?あれを厚みのある粘土でぐるっとねじって作るわけ。そうすると、裏と表、だけじゃなくて明らかな側面ができますよね。さあこれって何面体になってるでしょうか?とかね。面白くないですか?

 はっきり言って見方によっては構造工学(そんなんある?しらね)の専門家が八十にもなって素人陶芸にハマっちゃった挙句にみんな見てみて面白いもん作りましたよ!ってだけの本ですよ(ごめんなさい)。自費出版なのかな?みたいな。素晴らしいじゃないですか! 
 多分作品をすべてCGイラストに置き換えればいい大人素人向け高等幾何学入門書になるんじゃないかなあ。自分は半分理解できなかったです。幾何学本としてのクオリティはあるんじゃないかと思います。

 とにかく、知的好奇心はかなり刺激されます。

 そして、ヤキモノ屋であるワタクシはというと…

 この中の各作品、実際いざ作ろうとするとかなり難しい(というか相当めんどくさい)モノをたくさん作っておられるんですよ。これなかなかできませんよ。
 「俺だったらどう作るか、どんな作り方があるか」を、写真の枚数分、かなり真面目に考えますもん。
 御本人製作品はほぼ板づくり。六角形とか菱形を何枚もたくさん作ってドベで張り付けて組み立ててます。

 鋳込みだったら型の設計どうするか、同じ板づくりでも素地のチョイスで歪や仕上げかたをまるっきり変えられるはずだ、とか、ロクロで作ったのを面取りしたり刳り貫いて作るならその手順は?どんな道具があると都合よくできそうだろうか?とか、いやしくもヤキモノ人を名乗るのであれば課題や構想はいくらでも発見できます。
 つまんないけど超面白いという不思議な本でした。 

 まえがき冒頭を引用します
《陶芸に取り付いて、伝統工芸作家の手になる壷や鉢などに惹かれつつも、造形の手掛かりを幾何多面体や数理モデルに求めることにした。美的に優れた形を生み出すには洗練された技とアートの感性が必要だが、数理には自然の法則性がもたらす美があるからだ。~》
 賛!心から賛同します!
 製作の方向性が自分と似てるのか…好きなわけだ…と今気づきました

 釉薬の調合や小手先の技を知りたいだけが興味のすべてって人(aka調合ハイエナ)や、マーカス・デュ・ソートイあたりを面白く読めない人は買ってはいけませんが、幾何学的構造に対すると同じように陶芸愛も満ち溢れています。アマチュア陶芸好きのある種の頂点といってもいいと思って賞を授けます!!
 いや、称えさせていただきます!!尊敬します!!

 何度でも言いますが、幾何学の本です!ヤキモノの本ではありません(ごめんなさい!)

 大賞も発表されましたしココからは肩の力を抜いてくださいね。

 四つ目、
 超絶珍味賞です。
 もうお分かりですね!






二部門受賞、快挙です!




五部門目は最○○○賞。
 ○○○部分に入るべき言葉ですが、私の語彙力文章力では思いつかず○○○ということでお許しいただきたい。

 これは古い本ですが、カミサンのもともと持ってた所有物。今年初めて読んでみましたのでね。
 メチャンコ有名人だし、なんでかさっぱりわかりませんが大分リスペクトされてる方も多いようですし、俺ごとき馬のクソがいちいち細かいこと言いませんが、ムカついてムカついて反吐が出そうでした。一般論からは言いたいことがわかんねえわけでもないけどね。思想的に受け入れられないってやつだね、こりゃ。俺も心が狭いなあと再認識しするに至った次第・・・ジェダイへの道は遠し
 いまだに現役で流通してる本なんすよね~。いや、私も今を生きる現代人。言論、表現の自由は当たり前の根本です。人を憎んで本を憎まず(今日のキラーフレーズ)。
 日本に真の民主主義が根付かねえわけだ!などという自分でもわかってない支離滅裂も甚だしい言いがかりをつけたくなりました。

 以上、今年の「極私的ヤキモノ本アワード」でした。




 今ちょうど時間かかる鋳込み&ポットミル回しやってるんですよ。眠くならないために今日2記事目を書いちゃいました。
 
 まあ年末になると来し方行く末への不安で心を病みそうになりますですよ、ハイ。
 とりあえずは今降温中のこの窯の出来栄えとか
 


 



 まあそんな個人の心配はさておいて、世界規模での心配がこれだ! 








アルミナるつぼと・・・手びねりの境界線

 年(度)末が近付き、何かとバタバタ忙しくなっています。
 うちはユーザーの90%(勘定してないけど多分)が大学と公立の研究所ですので、そろそろ予算の締めが近付いて、るつぼのような消耗品をゲットするには絶好のタイミングなんですかね。あんまりこういうこと言っちゃいけないのかな?
 残り予算の都合でしょうね、普段リピートいただく時とは違う本数、場合によってはなんだその半端な数は!二桁の素数ときたか!みたいなこともあって毎年のひそかな楽しみになっています。
 今なら何しろ毎日アルミナとジルコニアは作ってますので型さえあればびっくりするぐらいの短納期で製作できるかもしれませんので、どしどしご注文お待ちしています。(とはいえ今発注で年内はもう無理っす)
 
 そんな中でアルミナの単結晶るつぼ。


 これは近々作りましたよってだけで製品のウンチク語りはしません。

 これは石膏型に排泥鋳込みで成形し、ナイフとペーパータオルで仕上げた後焼成したものです。

 これって手作り?

 なんて愚にもつかない意味なきどうでもいい話ですが、このくそ忙しいのにねぇ。

「手作り」ってどこまでなのかって微妙ですよね。ジャンルやモノによっても違うでしょ?
 以下全部想像ですけど
 ネジだったら普通ネジつくりマシンからにゅるにゅる出てくるのを任意の長さで次々切り飛ばしてほぼほぼ自動で作るわけで、それは手作りとは言えなさそうですよね?それは分かる。特注品をオジサンが旋盤で山切り出せばそれは手作り?
 鋳物なんかだと手作り(多分そう謳ってるのあるよね?)とそうでないのの違いは工場や設備のサイズと立派さだけがちがいかね?バリ取りや湯口だって素手じゃ切り落とせないでしょ。
 機械が据え置きか手持ちかだけの違いですか?

 まー、100均で見つけてきたあれやこれを100均の箱に100均ボンドで引っ付けたほっこりファンシーな何かは手作りなん?
 
 あとこれは昔から俺の持ちネタなんですが「天然の木の家」つったってその檜や杉は植林したもんなんだから「それ、魚だったら養殖だぞ!」みたいな。

 この辺で言っておきますが、境界線をはっきりしろ!とか、そんなの手作りじゃない!とか言いたいわけじゃないんですよ。そんなんそん時の気分とかいろいろの都合だわ!ぶっちゃけどうでもいいよなって話ですからお間違え無きよう。

 ことほど左様に手作りの境界線は極めてあいまいなわけです。だからどうでもいいです。好きにして。


 次。ヤキモノ屋としてはココだ!手びねりの境界線。
 
 ユーチューブを見て「手びねりではなくてロクロ成形じゃん!」と某友人が教えてくれました。

 たとえば玉作りでも紐積みでもいいんですが、手回しろくろ上で始まるわけですよ。で、その後、ロクロを強く回してロクロ引きしたり整えたりするわけです。
「手びねりで〇〇を作る」じゃねえじゃん「結局ロクロ」じゃんか!モートルがついてねえだけだろ!(その友人、通称パチーノ君は機械系なのでモーターをモートルって言う)

 確かに!結局それじゃあ世界の浜ショーと同じ、手回しろくろによる成形です。

 玉塊から始めるか、より紐を巻き上げるか、シッピいた板を筒にしてから始めるか、は、単にスタートに過ぎない!
 ロクロの回転から発生する力を成形に決定的に利用したらロクロ成形なのでは?
 ロクロを単なる向きを変えやすい台、として利用するのは構わないが、形は静止した土に対して動く手が決めるのが手びねりでは?とのこと。
 前にわが家で土器とか作った時にもそんな話が出たんですが、うちのカミサンも結構原理主義的手びねり人なので強くこの見解。

 ココロの奥ではぶっちゃけマジどうでもいいんですが、もし誰かに聞かれて答えなくてはならないときは、「ロクロを旋盤として使ったらそれは手びねりじゃない!」と答えると思います。・・・多分。

 あんまり考えると、じゃあコテもちょっとした型も使うなよ!とか、死ぬほど不毛でめんどくさいんでアンマリ考えないで置くのをお勧めします。

 なんでもいいわ!

 

2019年12月16日月曜日

アルミナるつぼと・・・

 細長系アルミナるつぼ。

 今度のはペンよりはずっと太いです。


 
 今回の窯出しは残念なこともありました… 
クラックが二か所!

別な個体です!ガーン
 
 というのは半分冗談で、仕上げ途中割れた(割っちゃった)のに気が付いたんですが、もう原料に戻せない段階だったので、炉に隙間もあるしそのまま焼いちゃいました。
 当然ですが納品数割れはおこしてませんよ。ラッキー!というか歩留まりのワリィ商売だよ。

 なぜ焼いたかというと、割れについての考察をまとめたくて、割れ写真をためてるんですよね。意外と、割れについてグジグジ語るってのは本でもネットでもなかなか見ないですよね?
 教室ではどうなんでしょう。よくできたね~、ここがイイよね~。綺麗だね~。はあっても割れちゃったのについてどのぐらい話し合ったりするんでしょうね?残念だったね~で済ましちゃあそっちのが残念だ!というぐらい割れについて考えるのは楽しいものです。

 特に製陶所なんかは「できて当たり前」なのでできなかった時、しくじった個体についてこそいろいろ話し合ったり考察してるはず。まあ俺の修行してたところも検討会議?が好きでなあ~。みんな自分の意見しかなかなか認めないのでサイコーでした(笑

 割れのパターンや原因、どのタイミングで割れたと考えられるのか、なんでこっちは割れなかったのか?割れたのと割れなかったのの違いは何か?などなど分類好きオジサンが無理やり考えてみます。ほとんど自分の頭を整理するためですけど。

 ちゃんと考えるとなかなか厄介だし、なんでかわかんないけど対策は立ったり、結局のところハッキリ特定したりはできない(証明もなかなかに不能)わけで、テメエ勝手な思い込みかもしれない点に着地しちゃうわけですが、しくじりをよ~~~く考えるってのはヤキモノ作る楽しみの半分はこれじゃねえかな?って思うぐらいですよ。その中では割れってのは見た目のショックも大きいし語り甲斐がありますよね~って感じ。

 仮タイトル『割れ思う故にワレあり』、近々やります。永遠にできるはずだけどそこまではやりません(笑
 先に予告がてら経験のみをもとにした勝手な見解を述べておくと、割れの95%は窯詰までに起こっています!そのうち90%はハンドリングエラーです。しかし当社比



 
 

2019年12月13日金曜日

ジルコニアるつぼ!二種類

 なにが「!」だかわかりませんが、連続で製品無しの記事が続いてしまったので今週の焼き上がり品から紹介。
 何屋だかわかんなくなっちゃいますからね



 定番?のラボサイズのほかにも…

  こっちはボールペンより細いタンマン管



 

2019年12月11日水曜日

農研機構での展示会・・・

 無事に展示会終了しました。
 ご来場くださったみなさまありがとうございました。

 商談/来場者数レシオが高かったようなのでよかった・・・かな
 今回メイン担当だったので、なんとかちゃんと終わってホッとしましたよ。
 MOT'sメンバー、市役所、商工会、農水省のご協力いただいた皆様、ありがとうございました。フツツカ幹事でお手数おかけしました。
 
 
今年度最後のもっつ君!

忙しくてこれしか写真撮ってないし。


例え家庭菜園でもガチならうれしい情報がありますよ!
研究の成果が我々の生活の重要なレベルに還元されるジャンルですよね

そんななか・・・
バイオビーイングもしくはミュータントも作ってるらしい…(超有名ですが)



 なんだかほっとしちゃって帰ってきてこんなの作っちゃいました。
本当は、流した石膏の余剰分をこうやって遊んでるだけです。
 氷とかチョコレート作るシリコン型がいろいろあって楽しいっすよ。

2019年12月6日金曜日

MOT's展示会 農林研究団地 のお知らせ

 来週11日は今年最後のMOT'S技術展示会を農林研究団地で開催します。
 そのお知らせ!

  追記:写真じゃよく見えないんで・・・
 日時:12/11(水) 11:00~14:00まで
 場所:農水省 筑波産学連携支援センター(旧筑波事務所)
        1F会議室 です。
 農研機構全体の研究者の方が対象です。大わし地区、森林総研の方も是非是非!!

 皆様、是非チーム一同、白い巨塔のごとくのしのしと御来場ください!
 他の展示会と違って開催場所が一般ピーポーでも買い物できる売店(野菜果物の穴場!)のすぐ脇なので、誰でも来場可能です。通常は職員しか来られないのでレアっちゃレア。まあ来ても日常生活に1gも関係ないっすけどね。うちも耐火物ばっかりで食器とか湯呑とかは展示してないっす。
 
 この研究団地は各研究所の敷地の周りが有名な桜の名所で、それはそれは毎年毎年素晴らしいんですが、ひとつ疑惑が…
「禁断のバイオテクノロジーで改造されたミュータント桜なんじゃねえの?場所が場所だけに…」

 と、先代の会長が偉い人に聞いたんですが、「植木屋さんに全部任せてますよ~」ということでした(笑

 
ネタもないのでやらせのアホ写真。

新婚さんもテナガザルのような動きで頑張ってます!

多孔質アルミナるつぼ そして・・・

 アルミナ多孔質のるつぼ、いつものアレ、これは固形鋳込みで製作しています。
 

 前回紹介したように、同寸のマグネシアのるつぼは金型への打ち込み成形でした。
 アルミナで打ち込みするのももちろん可能です。
 マグネシアの場合、固形鋳込みできないことないんですが、形状的にこっちのほうがモノもいいし製作工程も安定(少なくとも私には)なので。
 
 無理やり一般陶磁器、特に個人作家に話を結びつけますと…
 別に金型の必要はないんですが、木型でも樹脂型でもなんでも半乾式の打ち込みでモノ作ってるのはほとんど知らないんですよね。石膏の合わせ型で粘土を詰めてギュッとやるってのは小物中心に結構あると思いますが…
 
 誰も興味がないのかもしれませんが、打ち込み成形の利点は…
 1・寸法がそろう
 2・収縮(乾燥、焼成のね)が減って、狂いや反り歪みが出にくい(ことが多い)
 3・強度が高くなる(ことが多い)
 といった点かと。
 水分量が少なくて、俗にいう「土を締める」という点ではバッチリ締まります。ロクロで底を締めましょう、とか縁を締めましょうってよく言いますけど、あれはホントに締めてんの?土が動いてるだけじゃん?均して言うこと聞かしてるだけ(それがマジ大事なんだけど)じゃね?と思ってるんですが、それは別の話なんでそのうち「土締めるってどのぐらい締まってんの?」等タイトルででも調べてみます。

 中国もののお茶セットにあるような(朱泥?烏泥?無釉のあんなの)の一部には、これは打ち込みではあるまいか?と思われるものもありますが、なかなか見ないんだよなあ・・・

 もちろん難点もありまして。
 1・土や石膏でシコシコ作る型と違って型代自体が高くつく。
  設計能力も問われる。独学だと慣れるまで難しいかも。
 2・で、下手コクとその型を壊しちゃう。
 3・その後の加飾次第でもあるけど、いかにも産業的なニュアンスが出ちゃう。
  しかも、そこまで産業的に効率がイイとも言えないのでね。
  そこはそれ、当たり前ですがどんな成形法でもけっこう職人技ですわ。
 
 でも粘土物なら坏土の固さ具合は好きにできるわけで半乾式とは言えないまでもかなり堅めの土で作れる、とかいろいろ間に可能性はあると思うんだけどなあ~
 
 じゃあなんかやってみろって言うのは気が向いたらそのうちね(こればっかだけど)



 もう師走ですよ。走ってないですけど忙しくなってきてます。
 そんななか・・・
先日オジサンついに、「ペリー・ローダンに追いついた男(NEOだけど)」という新たな称号を手に入れました(笑
 テッドチャンの新作に間に合いましたよ…
 
 結構大変だ!もう大シリーズには手を出さねーぞ。
 もちろん「スタートレックのTVシリーズ」に手を出すつもりは一切ありません。
 
 では、年の瀬皆様もお忙しいでしょうが
 「長寿と繁栄を!」


読んだ端からボンクラ一号の本棚に「転送!」してってますがキャツは読んでないみたい…













2019年12月3日火曜日

マグネシア多孔質るつぼ

 おなじみのマグネシアの多孔質のるつぼです。
 誰におなじみだかよくわかんないですけど。
 


 
 これは打ち込み成形、という成形方法で作ってます。加圧成形の一種です。つまりロクロと同じでるつぼを一個また一個と作ります。純フィジカル系。
 鋳込みは型さえあれば、あわただしさや何やかや、対応し切れる限りいっぺんに何個でも同時に作れるわけですが、どうやら、というか、当たり前、というか、頭の中のくたびれる部位が違うんですよね。

 鋳込みと打ち込みと同じ日にやらねばアカン!というのが続いているので脳の何とか云う部分がちょこっととろけてきたみたい。

 面白そうなことが書けませんのでこの辺で。