2021年6月30日水曜日

梅雨時なのでカルシアるつぼ情報

  このじめじめした梅雨時に、例によってカルシアるつぼの制作しました。例によってもクソもなくて単にこのタイミングで依頼を受けただけで、俺が炎のファイターだとか、トム・クルーズばりの向こう見ずだとか言うことはもろちんありません。

  

 モノは普通の小さいるつぼなんですが、実は一回焼成で失敗しちゃいまして、やっぱ難しいなあと褌の締め直しをしているところ。窯出しの様子はかなりファンタスティックな画像をゲットできたんですが、ユーザーのお客様には不安をいたずらに煽り、恥をたださらす以外に見返りがない感じだったのでお蔵入り。またいつか失敗連発動画の第二弾作るほど溜ったらシレっと紛れ込ませるかもしれません。


良かった~何とかできました。

 

まあいくらかはラッパに反ってるわな。

 ここでカルシアは湿気に注意してくださいね!なんてまた繰り返すのもさすがに芸がないので、こんな感じで出荷することが多いですよ。という紹介を。


 カルシアを湿気を含んだ大気に曝さないようにするわけですが、経験上たどり着いたのが・・・

 サランラップとかクレラップとかのフィルムでラッピングしちゃう方法です。

こうやってミイラみたいにグルグル巻いちゃいます。
もちろん乾燥材のシリカゲルもトモダチ

 すべての製品を一つずつ、やや過剰気味にまで。
こう見るとなんだか押収されたコカインみたいですな



参考画像:ガチで押収された薬物
粉モノ扱うからこれに近い状態にもなりやすいんだよなあ(笑



 この状態のるつぼをミラーパッキンでくるんでます。こっちはもろちん耐ショックね。

 これらをタッパーに入れたり、二重三重にビニール袋に入れて出荷しています。

 ユーザーの皆さんは、受け取り次第製品を確認して、のちデシケーターなり密閉容器&除湿箱なりで保管をよろしくお願いします。その時もラップで包むのは大変有効な方法ですので参考にしてください。

 

 これが失敗動画第一段です。





2021年6月25日金曜日

【釉薬】沈殿はしろ!!固まっちゃうのが困るんだ!!問題【カッチコチ】

  最近はヤキモノ関係豆知識記事がとんとご無沙汰ですみません。

 ネタはあるけどまとめようとすると面倒で記事にあがってないのは随分たまってるんですけどね。

 そこはそれ「忙しいんじゃむしろそれで結構」と寛大な心で気長に待ってください。こんなこと言ってたら記事を上げたら上げたで「暇なのか、大丈夫か」とか心配されるのも恥ずかしいけどね。

 

 とはいえ偶にはやっとかないとなあという中、軽く済ませられるいいネタ見つけました!


 みんな大好き大困り

「釉薬底に溜まってガッチガチでマジいやになる問題」

 にちょっと言及したいと思います。


 言いたいことは…

「沈殿しないのは実は困る!でも固まっちゃうのは勘弁してくれ」

 もしくは、

「多少固まってもいい。でもかき混ぜたらなるはやで懸濁してくれ!」

 違いますか?少なくとも俺は一切沈殿して上水が分離しない懸濁しっぱなしの釉薬スラリーは大っ嫌いです。

 だって比重調整が超厄介になっちゃうじゃん。






 まずはこれ、この動画をご覧ください。サムネの顔も話し方もぼんやりしてますけど、これはかなりのお役立ち情報ですよ。

 

 ある程度以上のヤキモノ好きならキヤマ先生の対策、うなづける経験あると思います。マジそれなーみたいな。

 
一つキヤマ兄貴に突っ込んどくと「ベントナイト」はフツーに粘土鉱物です。無機物、鉱物。木節とかと一緒です。焼いても飛びません。 

 保水具合&ねっちょり具合が半端ないので素地や基体として使うんじゃなくて助剤として少量使うのが都合いいよね!ってなってるだけです。コメント欄にある「半透明になっちゃった」てのが透明不透明のどっち方面からずれたのかわかりませんが、釉薬調合のバランスの都合では粘土が増えりゃあそんなこともそりゃあるよと言っておきます。

 あとどうでもいいけど塩焼けばそりゃ塩素ガス出るわな。あぶねーよ。まあ事実上は量の問題です。本場英国やアメリカの塩釉も環境や状況、窯のサイズや土地によって規制がかかってたり届け出が必要だったり本当は禁止だったりするみたい。そもそもはその代替的にソーダ焼成の技術が発展中みたいよ(昔留学中の研究者がうろ覚えに聞いた話のうろ覚えですので証拠もないし調べてもないです。そりゃあぶねーはあぶねーよ)

俺たちのセンセイも解説済みだよー


 とりあえず用語。

 例によって重箱の隅を突っつきますが、ザザット調べた限りでは、「沈殿」という言葉自体にかき混ぜるのが厄介なほどに固まるかどうかは含まれてないみたい。

 「凝固」というと化学的には状態変化(水~氷とか)のことみたいなので、この言葉も使わないとすると俺の脳細胞に蓄積された幾億のボキャブラリーから

「(おそらくクーロン力、あるいはファンデルワールス力による)カッチコチ」

あるいは

「凝集(沈殿凝集)」

 という言葉をとりあえず今記事内では使いたいと思います。「凝集」は’国語辞典的’には”凝り固まる”ことだそうで。(どっちもあんまり自信がないけど、まあいいでしょう。この先はもう話が通じればOKということでヨロシク!)


 例によって言葉尻とらえて七面倒な話になってますけど、おしゃべり動画と違って文章だと間違いがバッチリ見た目に残るからな。読者もセラミックスガチ勢ばっかりだしあんまりヤワなウソ書けないんだよ俺は(笑。正しい用語や語釈、定義をご存じの兄貴姉貴はよろしく御教示願います!


 改めて話に戻ります。

 釉薬は沈殿してもOKです。というか沈殿しろ!

 上水に分離しないと濃度調整がクッソ面倒になっちゃうんだよ!

 

 問題は「カッチコチ」あるいは「凝集」

 


 と、いうわけでこちらの手間&感情的対応は三つ

1・カッチコチはもうしょうがない!その点はあきらめた!

2・とにかく絶対に困る

3・どちらともいえない(というか、そんなん程度と都合によるわ派)


 1は、釉の組成は変えたくない!固まるのは仕方ない。

 この場合問題はうまいほぐし方ですな。

 対策その1は機械的解決法。

 中にはカリカリカリカリ半日やってるのがマジでタマランとか言うドMさんもいるかもですが、それはもう勝手にやってください。

 とにかくほぐし方。いろいろあるみたいですが今回は言及しません。何せ俺はこの派じゃないんで(笑。

 キーワードは「ロープ」「タガネ」「ハンマー」「エリック一家」「根性」みたいです

 俺の場合は、そういう釉薬はポリプロピレンのでかい広口瓶にビー玉と一緒に溜めているので、釉掛けの準備してる間にミル掛けします(瓶のケツをゴムハンで叩いたりツームストンパイルドライバーなどを連発して中身を割ったり浮かしておいたりはします)。 

レッグドロップはおススメしません(広い場所が必要なので)

 まあ妥協案としては

・使おうが使うまいが毎日毎日日課としてかき混ぜる、ぬか床作戦

 なんてどうでしょうか? 




 では対策その二・

 凝集しにくく、あるいはしないようにする

 先に挙げた動画の木山先生が喋ってるのは主にこれの話ですね。


 これには基本的に3種類あります。

 A・粒度をもっと小さくする

 B・調合に手を加える

 C・薬物ドーピング

 

  Aはキヤマさんも説明してますね。場合によっては同重量でも比表面積が増えるから、粒子同士の接触点が増えるし、活性が上がって違う何か不都合を起こす可能性もありそうだけど。

 とりあえず設備も必要だし今回は無視。


 基本的にBとCですな。

 これは境目が微妙な場合もあるんですが、とりあえず考え方として別物ととらえたほうがわかりやすいと思いますよ。


 B・調合に手を加える

 は、一番簡単なのは粘土鉱物の調合割合を増やすと硬く凝集しにくくなります。おきにの釉調合の場合、あんまり加えても釉調(主にサーフェスのマット←→光沢)が変わってしまうので、そこは注意。ベントナイトを加える、あるいはクレーと一部置き換えるというのもこの理屈です。〇〇粘土よりもベンナイのほうがこの手の効果が強いので釉調の変化を抑えつつスラリーの性質を変えやすい、というわけです。。

 その他、経験的にドロマイトやマグネサイトが多いと凝集しにくいように感じています。石灰石は基本沈むよねー。

 石灰石、長石、珪石だけってのは地獄の一丁目だと思ってます。

 釉調に影響のない範囲で、場合によっては釉調を変えてでも原料配合をいじくってしまう、というパターンですね。

 自分はどんな釉薬でも最低5%はガイロ目粘土を入れています。十分カオリンが多かったりすれば入れないけど。



 C・薬物ドーピング(それ用の薬剤を添加する) 

 Bとの違いは、そもそものヤキモノ原料以外のものを使うのか否か、というイメージ。

 目的別に「○○用添加剤」みたいなもの。

 苦汁や水ガラス、ソーダ灰といった無機のものもあるんですが、有機物、フノリやでんぷん、コーンスターチや、化学合成された有機高分子(ファインは断然こっち)の場合もあります。

  

 何をどれだけ入れるかなんてそれぞれだと思いますが、基本的には、扱いやすさに支障のない範囲でちょびっとゲル化させてみたり、粒子間に反発するような電荷の状態にさせておく、結果凝集しないですぐ分散させやすい。みたいな捉え方でいいんじゃないかな。

 

 注意点

 無機物の場合は、ナトリウムやハロゲンが存在するので焼成した釉薬や素地に大なり小なり影響を与えます(流行としては、一般的に好ましい方向の気がする。もろちん程度の問題)

 有機物の場合は焼き飛ぶので焼成後の素地や釉に化学的な影響は出ないんですが、モノによっては腐敗の問題(特に天然素材)や、合成物でもアラビアガムやCMCといった勝手にこっち(ヤキモノ屋)が使ってるものは流動性や何やかやに不都合が生じる場合がありますね。

 もろちん化学屋がセラミック専用に開発してくれた添加剤ならそういう不具合はほぼほぼ無いようになってるはずです(あれば売れないし)。何しろ沈殿防止剤っつってんのに保管が聞かねえようじゃまるっきり意味ねえからな。


 近所で買えるものを利用する場合は少量から試してみましょう。

 専用薬剤の場合はお店の方やメーカーの担当者によく話を聞いてみましょう。基本オタクが出てきて早口で懇切丁寧に話してくれますよ。初心者だからって尻込みしないでOK!初心者はオタクの大好物です(話が無駄に長くなる可能性はあり)

 あ、今の話、具体的のどこの会社の誰さんとかはないですからね。


 沈殿凝集問題に関しては、

「釉薬の調合を一切いじりたくない」場合。

 機械的解決法を模索する


「凝集すること自体を抑えたい」場合

 配合を変化させてみる。

 薬物ドーピングを検討してみる。


 で、うまく解決法を探ってみましょう。


 個人的にハンドリングの観点から見たベストな釉泥漿の状態は

1・1日できっかり上水と分離するぐらいには沈殿する。上水が少々超微粉フワフワ状なのは我慢する

2・でも凝集はしない。ダマもできないし、あの謎の半透明なフレーク状の何かも出ない(あれ何?)

3・ずーっと懸濁したっきり濃く出来ないのはダメ。全ゲル状になってしまうようなのはそれもめんどくさい。


 といった感じです。なかなか難しいんだよなあ。

 おススメあったら俺も知りたいわ


 追記

 読み返してみたら具体的な数値が出てないんでボンヤリしてますな。

 

 いずれも釉なり素地なりの調合でドンピシャなんかは無いと思うんですが、一番の基本線と思われるのを記しておきます。


 粘土鉱物の場合。

 ベントナイト追加の場合、釉薬原料の乾燥重量に対して外掛けで4%の追加までなら「経験上問題はなかった気がする」です

 カオリンやガイロ目なんかでも一緒です。釉調変化にシビアな人は知らん。

 もうこれ以上粘土鉱物を増やしたくなければ、粘土の一部(5%とかからかな)をもっと粘っこいのに替えてみる。

 効果劇的度数は

 ベントナイト>>>>>>>キブシ>>ガイロ目

 ベントナイトは可塑剤としても使えるので切れやすい土や伸びの悪い土、腰のアマイ土に混ぜるのは常套手段です。


 添加剤ですが、

 原料の乾燥重量に対して、添加物の有効成分が外掛け1%ぐらいからを目安に初めて見てください。

 物によってシビアだったり甘々だったりいろいろですが、必ず重量で計算すること!!そのうちに入れる量の許容範囲がわかってきます。

 試験段階での嵩あわせは上手くいきません。いきなり「スプーン一杯」とか言ってるような人は必ず失敗します!

 ヤキモノの調合、よく料理にたとえられますが、少なくとも手のうちに入れるまでは料理は料理でも煮ものじゃなくてケーキです。

 







 


 






 

 



 



 





 



 

2021年6月23日水曜日

久々の開催!「MOT's技術展示会」in NIMS「物質・材料研究機構」

  無事終了しました。

 関係者各位お疲れ様、ご来場くださった職員の皆さんありがとうございます。

 今回の会場はNIMS=国立研究開発法人「物質・材料研究機構」です。

 このご時世、開催の許可いただけるだけでも本当に感謝感激でした。

 公式サイトはこちら

 YOUTUBEチャンネルもあるぞ!!結構面白いよ

 一番のおすすめはこのサイト「材料のチカラ」

 森高千里に言われなくても何か一個ぐらい興味ありそうなものあるハズ


 まあ今日はくたびれたんで写真並べて終わります。

 

知の巣窟、外観

 

 玄関ロビーの展示は…

 お約束、ゲンブツ周期律表!! 

単結晶育成るつぼで育成した単結晶だ(くどい言い回し)

一部好事家の間で大人気、ビスマス結晶。

放射性とかの危険なやつ以外全部現物入りです。

 ちょっとした展示場になってるのでいろいろありますよ。 
窒化珪素+アルミナ+シリカの合成セラミックス材料
ダントツ儲けてるみたいです(笑

 パンフレットや広報の類も、きれいでかわいい感じの表紙ですが、丁寧に解説してくれる割には俺なんかには結局チンプンカンプン。ヤフー知恵袋あたりでイキッテル自称理系ガチ勢の兄貴姉貴の挑戦を待つ!
と、ここで何やら捨て置けぬタイトルを発見!!

もらってきました(笑
 二冊ずついただいてきたので、自称やきものガチ勢の兄貴姉貴で欲しい人がいたら差し上げますので連絡ください。誰もいなかったら九州方面のヤキモノ兄貴あたりに黙って送り付けることになるかもしれません。


では会場へ入場しましょう
感染対策にMOT'sパワーが炸裂したのかどうか知りませんが
結構ハイテクにチェックしました。
画面に写ってるブラッド・ピットは気にしないでください。

忙しくない入場時間前の写真しかないんですが勘弁勘弁


 
今年からMOT's動画部も始動することになりました。
このお兄さんは金属加工より写真撮影が好きとのウワサ。
機材が立派過ぎでむしろひかれてました(笑

間隔開けまくってます。
各ブースにも消毒スプレー完備!!

おい!いったそばから密ってんじゃねーよ(笑

 お昼は消去法でこれ。530円。 

こう言っては何ですが、前よりおいしくなってました。

 といった感じで2時半ごろ終了


 お疲れさまでした。

 今日はここまで!



 


 

2021年6月21日月曜日

タダでは殺さない的な原料再生

  成形にしくじったり、ぶつけて割っちゃったり、いい年こいても何かと失敗はしちゃいますね。何年やってんだ!みたいな。

 焼成する前なら原料に戻してとりあえずなかったことにできるのがヤキモノ屋には救い。


 とはいえ高純度の場合は悩みどころで、そうもいかない素材もかなりあります。 

 まあ何しろものすごくもったいないには違いなく…

 とりあえず乾燥後に乳鉢で

 

 ゴーリゴーリして


 釉薬用にストックしてます。

 アルミナ、シリカ、ジルコニア、酸化亜鉛etc・・・釉薬に使えねーってものはほとんどないからね。

 やればやるほど貧乏性の自覚症状が出て嫌になったりするけど。


 

 




2021年6月18日金曜日

単結晶、タンマン管 細長系るつぼ

 どっちもアルミナです。今この手をいっぱい作ってますからね。紹介連打はさすがにいったん打ち止めにしようかな。

 



 まあどうせ似たようなもんばっかり作ってるんですけどね。


 忙しいのでダバナシもなし。

 ダバナシ書くと「ダバナシ、正直意味ないですよね。ヤキモノHPなんだし」

 ダバナシしないと「ダバナシ無いのかよ!意味ないだろ!つまんねえな」

 どっちも間違ってます。

 本来第一の目的は、当工房の製品紹介と「元気に営業しておりますのでお問い合わせお待ちしております」です。

 ヤキモノ解説的な記事も、ダバナシも、単に気さくでお喋りなアンチャン(実は引きこもりオジサン)がやってますのでお気軽にご相談くださいよ、という含みを持たせた「サービス精神の間違った形での発露」ですので、お間違え無きよう。

 というのはダバナシに入るんでしょうか?




2021年6月16日水曜日

アルミナ単結晶育成用るつぼ

 ちょっと前にも紹介しましたがサイズ違い。先端角度はすべて90°でお揃い。多分90°が定番みたいです。

 



 今こんな感じの単結晶用やタンマン管をザックザク製作中。おかげさまでそのほか、でっかいのや孔開いてるのやものすっごく小さいのやとても一言で説明できないようなのも各種材質で抱えてまして、おかげさまで忙しくしています。


 加えてローラン・ギャロス~EURO(今ここ)~ウィンブルドン、始まったら始まったで文句の一言も言いつつも絶対かじりついちゃう夏季オリンピックと、8月ごろには廃人になってんじゃねえかと心配です。

 

 こういう夜中のスポーツイベント何の遠慮もなしに観戦したいからテメエがシャチョーみたいな仕事の仕方を選んだわけでもあるんですが、寄る年波をいやでも感じる永遠の18歳。そろそろ代表(なんのだよ)から引退のカウントダウンは始まっているのやもしれませぬな。

 

 もろちん、まだまだ御注文お待ちしております!!作るモノないんじゃオチオチ野球も映画も観てられねえからな・・・


 

 

 




 




2021年6月14日月曜日

MOT’s NIMS技術展示会のおしらせ

  すでに月頭にお知らせ済みなんですが、先週横断幕設置してきたんで画像付きでお知らせします。

 二年ぶりなもんで道具忘れてきたり組み方忘れてみたり、まだ若いと思っててもみんなずいぶんおっさん化が激しいようで。 




 どうやら今日から本格的に梅雨なのかな?

 設置日の当日はカンカン照りの真昼間でした。


 


 六月七月はスポーツファンは大忙しの時期、先週末からオリンピック同様一年ずれ込んだユーロ「2020」が開幕。それまでローラン・ギャロスをずーっと見てたわけで特に準決勝決勝とフルセットフルセットで死ぬかと思いました。いつ寝りゃあいいんだよ!


 ニュース等でご存じの方も多いと思いますが、そんな待ちに待ってたユーロで、いきなり深刻なアクシデント。

 デンマークのスーパースター、エリクセンがピッチで突然倒れて心肺停止かな?みたいな状況で、俺の眠気も吹っ飛びました。

 エリクセンは一命をとりとめたようで、とりあえずホッとしてるところですが、何しろピッチ上での対応が早かったんですよね。

 スローインもらいに行ったところ接触も何もないまま前のめりにフラーと倒れてアレ?と思うが早いか周りの選手審判が駆けつけてこれは異常事態だ!と一瞬で判断。即メディカルを呼ぶ。駆けつける間にも近くの選手が処置を始めてて、キャプテン(ケアー)は事情不明でワラワラ寄ってきた選手たちを遠ざけてAED持ってきたドクターにかなりスムーズにバトンタッチ、といった流れだったと思います。

 その後は選手たちがフィンランドサポーターに渡されたフィンランド国旗で回り囲んじゃった(カメラ寄らせない)ですが、心臓マッサージ的なことをやってるのが見えてました。

 

 サッカーでもこういった事故たまにあって、亡くなってる選手も何人もいるのは知ってましたが生中継でこんな事態を見てしまったのは初めて。 

 エリクセンいまのいままで本当に唸るようなプレー連発してたんですよ。それがわけもわからんうちに蘇生処置を受けているという事態に背筋が凍りました。(自転車ロードレースでは何回かもっとひどいのも見てる)


 思ったのは応急処置の重要性。ニュースで見た知識としては無くもなかったんですが、初期判断の仕方、心臓マッサージの実際、AEDの場所と使い方、などなど一人でも多くの人が知っといたほうがいいんじゃないかなと強く実感。

 自分が助ける!てなわけではなくて、その場で可能な限り適切な判断ができるかもしれないぐらいにはなっといたほうがいいね、こりゃ。

 

 こういう講習は結構自治体などで行われてたりするみたいなので、ボンクラ一号連れて受けに行ってこようかな。


 家族友人だけでなく、いつ目の前で急なアクシデントに見舞われるかなんてわからないからなあ~。自分も含めて。

 カンカン照りで横断幕なんて打ち込んでる最中に誰かひっくり返るかもしれないしなあオッサンだし。


 エリクセン無事でよかったとはいえ、せっかくインテルでもすこしづつ調子戻ってきてってタイミングだったんだけどなあ・・・。








 



 






2021年6月10日木曜日

アルミナ単結晶育成るつぼ(K.U.F.U付き

  口元体格に小径孔を貫通させた単結晶育成用るつぼ。

 アルミナ緻密質の高純度品です。

 


なんか見にくいですけど孔開いてます。


 この孔は石英管内にるつぼを吊り下げる際に、ワイヤーを通すためのもの。通称「イーサン・ハント・システム」と言われる形式です(注:俺がふざけて言ってるだけでそんなシステム無いですからね。うっかり他人に言っちゃうと大恥かきますよ!)

 イーサン・ハントって何のこと?と思った方は「イーサン・ハント 宙吊り」でググってください。一発でわかりますよ。とにかくイーサン・ハントは毎回毎回ぶら下がってます。


 

 マジでどうでもいい話なんですが、双眼鏡欲しい病が止まりません。

 電気屋で買い物ついでに展示品いじくってみたら、5000円も出せばずいぶんいいやつ買えるんですね。びっくり。

 そのまま値段少しづつ高い方に覗き比べていったところ10000円しないような段階で十分どころかおつりがくるような見え方でした。コレが定番なんですよ的な15000円のは、いやいや、こんなに立派じゃなくて沢山ですといったところ。

 あの調子でグレードアップして言ったらケースの中のニコンとかライカのは無いはずのものまで見えるんじゃないかと恐ろしくなってきましたよ。高台の裏まで透けて見えるんだったら絶対買うんだけどなあ~


 単眼鏡も渋いし携帯性もいいよ!おススメ!なんてアドバイスももらったんですが、やっぱ双眼鏡のほうが立体的に見えていいですね。

 は別に必要に迫られて何か見たいわけじゃないので、あとは我慢するだけです(笑。ドMプレイたまらん。

 

 50センチぐらいの近いところもピントが合う実体顕微鏡的に使える奴にちょっと心が動いてます。そこら辺の地べたの虫の観察とか、美術館博物館で単眼鏡ライクに使えるみたい。

 ヤキモノの観察に使いたいよね。松井康成のちりめん皺の練り上げとかガン見できそう。

 

 


 




2021年6月8日火曜日

BNのハースライナー

 窒化ホウ素(BN)のハースライナー

 



 


 ハースライナー(綴りは「Haas liner」)というのは、ハースのライナーです。当たり前ですがハースというのは帽子を後ろ前にかぶったドイツの元トップテニス選手ではありません。


 ハースというのは蒸着するときにビーム当てるところに空いてる窪みのことで、何故に窪みのことをハースていうのかまでは「そういうんだからしょうがねえ」(師匠談)

 そこを内張(ライニング)するわけです。内張りといっても高炉みたいに本当にライニングしちゃうとポンスコ取り換えできないですから非効率。るつぼをカポっとはめちゃおうぜ!という次第。

 つまり蒸着用るつぼのうちある種のものをハースライナーいうわけです。


 窪みとるつぼがある程度以上ピッタリ嵌まってないと熱効率が悪かったりいろいろ問題あるらしいので精度は欲しい。でも消耗品なんで高い金かけてらんない、セラミックスは収縮が不安定、径や長さは変わるけど収縮が少々ずれようが角度は変わらない。というわけでこの形です。(ンなこと言っても材質によっては結構ラッパに反り返りますよねえ)


 というのがむかーし聞いた話なんだけど、間違ってたらごめんなさい。正確にはこうだ!とか、俺はこう聞いたぞ!なんて情報お持ちの方は教えてください。


 このハースという窪み、若い人はハースと言いますが、おっさんはそのまんま「るつぼ穴」という人も結構多く、超古株爺ィになるとまたハースと呼ぶ人が増える傾向(90~00年代当時の個人の感想です)

 


 いい年のおっさん同士なら「バースライナー」=バース(阪神・二年連続三冠王)のライナーかと勘違いするネタもそこそこ面白いんですが、三十代以下の若い人はバースなんて、俺がこどものころ親父が言ってたスタンカ(南海ホークス)とかスペンサー(阪急ブレーブス)、爺さんに聞いたスタルヒンとかと同じで歴史上の人物です。通じません。

 最近のヘルメットは頬当てみたいの伸びてるの使ってる選手も多いんですが、その話になった時に俺が

 「アイツ誰だっけ?名前出てこない?アメフトみたいなフェイスガードつけてるかっこいいやつ、ヤクルトとか近鉄で超ホームラン打ってた。あれ、あいつ」

 となかなか出てこなかった名前をパッと言ったのもいい年のおっさんでした。


 おっさん、大事なことすぐ忘れる癖にどうでもいいことだけはやたら覚えてる問題。



 あ、答えは…知ってる人はおっさんです。コイツね

 フィリーズで監督やってなかったかなあ

2021年6月4日金曜日

 アルミナ多孔質るつぼ、と、双眼鏡欲しい病

 アルミナ多孔質るつぼ、ちょいちょい紹介してる50㎜Hクラスよりも長いタイプのもの。容積はほぼ倍。 



 六月ですが、不思議と例年と違いなかなか忙しくなってきていて、成型だ型作りだと複数素材での並行進行が多く、ちょっと気が散り気味になりそうで怖い感じ。

 急ごうと焦るとしくじっておジャン(死語)になりかねないので、朝から夜寝るまでの時間を土日もいっぱいに使ってバタバタしないようにしています(家事や畑仕事、90分級の映画鑑賞や読書もチョイチョイ行えるペース配分)。所詮丸一日休んだところで特にやることないしな。

 傍目にはメッチャ長時間無理して働いてるか、メッチャダラダラやってるように見えてそうですが、誰も気にしてないってのが実情。

 残業手当もへったくれもないかわりに、急いでも褒められない少々時間効率悪くても怒られない、なので納期に余裕持って納められる限りじっくりペース維持。壊したり失敗するのが一番イヤだからな~。(誰に何を弁解しているのか不明な文章)

 


 じゃあダバナシ

 5~6年ごとに、双眼鏡欲しい病、というのに罹患します。先月読んだ川端裕人「空よりも遠く、のびやかに」のせいで俺ももうちょっとその辺の自然など意識して観察してみたいなあなんて感じたのがきっかけで再発。

 全然何をどう選べばいいのかわかんなくて物色&お楽しみ中。過去に数回ありまして、結局一個も買ってないんですけどね。さあイイのないかな~。

 

 幸い、ある程度文明的な生活してれば世界中誰でも知ってるような大手光学機器メーカーにも、ウチのるつぼや耐火物をちょいちょい使っていただいてるユーザーさんが数人いらっしゃいます。葦の髄ほどのほっそいパイプですが着易く無駄話を話せる方々。数年前の前回発症時にちょっと聞いてみたことがあるんですよね。

 何しろ、ああいうメーカーの研究員(募集の倍率も要求される能力も高かろうよ)なんだから望遠鏡とか顕微鏡とかが大好きすぎて絶対「俺の考えた最強の双眼鏡」とか「あたしの理想を詰め込んだ夢のカメラ」とかを作りたくて入社してキャリアを積んできたはず!!


 「そりゃ比べたら高い方のがいいんだろうけどさあ。俺よくわかんないんだよねー。その辺に詳しい奴いるかなぁ・・・・・・・・・いないって~ごめ~ん」

 「全然詳しくないんですよね~。カメラ?ケータイので撮ってまーす」

 るつぼ使って合成とか熱処理とかやってるわけだからよく考えればそりゃそうかもなんだけど、皆さん材料レベルの研究者なんで売ってる製品がどうとかは詳しいわけじゃなく、買うんだったら自社の買おうかな~ぐらいだったんですよ(笑

 その当時得た情報の中で一番役に立ったのが

「嵐のコンサート(違うグループだったかも)の売店で買ったやつは結構すぐ壊れた気がする」というものでした(笑

 

 余分な銭も決断力もないので、一応「あればあったほうがいい程度のもの(そんなに必要じゃないもの)はどんな安くても買わなきゃ買わないほうがいい」というのをある程度の年になってから強く意識するようにしてます。今高熱と戦っています。


 ただ、双眼鏡は必要度レベルはさておき何かとあれば何かと人生豊かになったり、緊急時に役立ったりしそうなので必要最低限度でいいから一個あってもいいなと。

 この必要最低限ってのが曲者で、特に目的があるようでないものだから選べないんですよ。

 巡視艇の上から遭難者を見つけるかもしれないような目には多分合わなさそうだし、何とか大星雲を毎日観測するつもりもないし、コンサートにチョイチョイ行って推しメンの顔汗を間近にうっとりするわけでもないし、悪事の取引現場を向かいのビルから張り込みするわけでもない。

 そうです「たまには自分の双眼鏡でなんかちょこっと見てみたい」以外の欲しい理由がないんです。でもなんか欲しいだけ。そりゃ選べるわけねーわ。


 しょうがないので「アウトドア派の我が家の北政所様にちょっとしたトレッキングや散歩のときに腰袋に入れて歩って邪魔にならずに、その辺の木や鳥なんかを見るのにちょうどいいのをプレゼントする」探すことにします。
 
 予算は出しても1万円以内。
 俺が見てかっこいい見た目。
 
 なんかおススメありますかね?
 かっこいいと思える双眼鏡ってないんだよねごっついのしか。
 やっぱいらねーか?必要ないし。
 


 過去一番無駄なダバナシ決定ですな。



 これちょっと安めでかっこいいかも。




2021年6月2日水曜日

アルミナ単結晶育成るつぼ MOT's展示会始動(するはず)

  アルミナ高純度品の単結晶るつぼ

 先端角90°のもの。結構細くて小さいです。



 

 去年一年間まあ世情がこんなんですからお休みしていた「つくばモノづくりオーケストラ(MOT's)技術展示会」が、今月後半、一年半ぶりに開催されることになりました。


 各研究所にもそれぞれ可能不可能の判断基準があって、いつも通りの回数はできないんですが、OK出してもらえたところだけでも、という運び。


 普段だったら一か所にみんな集まって行う説明&作戦会議もZOOMとやらでオンラインでしたし、当日ももしかするといっぺんに入れる入場者数に規制がかかったり、俺等のツバキから備品の端まで感染対策に余念なく、みたいな窮屈な開催。

 何はともあれ停滞が微速前進に変わったってのはちったあマシな話です。

 それまでに茨城県やつくば市の状況がひどく悪化したりしないことを祈りますですよ。 

 あと贅沢言うと梅雨時なんでね、天気の悪いのも嫌だなあ(笑

 

 近場の予定では今月がNIMS(物質・材料研究機構)、来月がKEK(高エネルギー加速器研究機構)

 もちろん他所の方や一般の方は入場できませんのでここで宣伝したからって読者の皆さんどうすんだって話なんですが、こんな話でもしないことには「ユナたん(少女時代)とファン・ジョンミンが共演してるアマゾンプライムのドラマがメチャ面白い!」みたいな話を長々して食いつなぐことになりますよ?

 ユナたんかーわーいーいーとか、ファンジョンミン貴乃花っぽくなくなったとか。そんなのこそ読んでどうすんだ!


 どうでもいいけどZOOMって自分の顔見る羽目になってキッツいすね。