2019年1月31日木曜日

細長るつぼ

まあ普段からこんなのばっかりみたいですけどね。
4N(99.99%)のアルミナです。

 透光性が伝わるかな?日にすかすと明るい中に持ってる指が赤く光る感じが好きなんですよね。性能とは一切関係ないんですけど(笑



 先日工場のお茶が切れたんで棚の奥にあった法事のお返しのお茶(ほうじ茶ではない)持ってきたんですが…
むう・・・・、味の違いがわかんない。
真空パックってスゲエレベルに達してんな~、うちの娘も20年ぐらい真空パックしてもらおうかな。

2019年1月27日日曜日

(振動式)固形鋳込み入門編の動画撮ってみました

インフルエンザでひっくり返ってる間に先日撮影した動画をアップしてみました。
鋳込みって排泥だけじゃないんだよって感じで、固形鋳込みの動画です。
排泥することなく製品の形の空洞に原料泥漿を充填させきってそのまま固化させるタイプの鋳込み法です。
 製陶所などでは圧力鋳込み式が多いと思うんですが、こちらの方式なら個人で特に大がかりな設備も必要なく、かなり肉厚なものでも、径より深さのあるものでも比較的楽に成形できます。
 個人作家などではほとんどやる人がいないんじゃないかと思うので、もし何かのきっかけやヒントになれば面白いかなと…
 この動画は全然不親切なんですが、石膏型がどうなってるかとか、メリットデメリット、可能な条件やなんかといった解説記事もそのうちにあげま~す。そのうちに。


2019年1月21日月曜日

それでも男は戦う


 そりゃこんなこともありますよ。ヤキモノ屋だもの。
 仕上げ作業の最中にうっかり筆ひっくり返して並べといたルツボにダイビングヘッドバッド。ダイナマイトキッドか!
 速攻作り足さなきゃいけないわけで予定が一日丸ッとずれ込み。成形作業自体は半日分なんですが、その半日のせいで一日かかる作業が次の日にずれ込んだというわけ。しかも作り足した分も仕上げなきゃいけないんですよね~。先週の話なんで、もう無事にそろってますけどね。あとは焼いて壊れなきゃOKなんですが、実はこのショックで潜在的に壊れてたってことも絶対あるはずなので、だいぶ余分に作り足しました。

 何が言いたいかというと、クリード2を見に行く時間ができてよかったなって話です。もうドルフラングレンのたたえる哀愁と最後の決断(オトコとしてこれ以上ないほどの優しさ!)に両の目からクラシアンを呼ぶかと思うほど漏水ですよ。ああ、ヴィクターにも勝ってほしかった!

 そして俺も戦い続けるのです。

まだまだ作らないと。

2019年1月16日水曜日

今日のるつぼ



石膏名人のオバサマを発見! 必見です。

 去年アップした石膏流しの記事は、妙に人気があり(好まれてるかは知らんけど)閲覧数が多いんですよね。石膏作業の実際、というものはやはりやってみたいと思っている人の数に対して情報が少ないのかな?
 バカ文章ですが、少しでも参考になって皆さんの作業に落とし込んでいただけるならば幸いです。
 
 たまたま見つけた海外の作家のドキュメント動画(とは言わないか、こういうのなんて言うんだろ?)に、素晴らしい石膏作業の見られるのがありましたので紹介します。
 

 Sasha Wardellさん。(とそのHP勝手リンク)
 作品も鋳込み好きなら一度はやったことがあると思うストレートな積層鋳込みからの削りだし製法ですが、きれいで素敵です。まだ修行中の頃に良くコソクリ仕事で隠れて作ったわ、このスタイル。

 正直動画(英語なのは関係ない)は別に石膏チュートリアルじゃあないので、一回も石膏やったことがない人にはなんもないかも知れませんが、やったことある方ならこれは合理的だ!と思っていただけるんじゃないでしょうか。まあ流儀が俺のと一緒なので「俺が正しい」って言いたくて上げたわけじゃあ、いや、ちょっとはありますが。

 石膏溶いたり流したり、型の設計がどうなってるのかも経験者が見ればわかる感じでこりゃいいね!原型は木工旋盤で作ってるようですね。
 6:35秒ごろからの、位置決めのコマの削り方は俺もこの手があったかって思いました。轆轤は使いようまだまだありそうですなあ。

 後半口元から上に継ぎ足してるリング部は、押し湯口ですね。

 英語がわかればもっと楽しめそうだなあ。もう繰り返し見ちゃいました。




 
作品は、呈色材の入った泥漿を流し、ある程度で排泥して別の色用のスラリーでまた鋳込む。で希望肉厚にすればよいです。乾燥後切れる刃物で下地の色が出るまで削ぐなり磨きだすなりすればこの手に装飾になります。練り込みとか漆の堆朱と似たような手法。削りだしをしなければ内外で色違いの器になりますね。
 素焼き後に、あるは本焼き後にダイヤモンド砥石で切るのもお勧めです。
 自分が感じたコツは、色替えの時の排泥から再流し込みのタイミングですかね。滲んじゃうのはよくない。
 
 鋳込みの実際動画でこの技法でやってみるかな。面白そう~。あとは時間が…



 
 


2019年1月11日金曜日

フランジ付アルミナ多孔質



釉薬をしゃぶりつくすには残りの人生あまりにも短い

 一応いろいろ記事にしてるとは言え、あなたの研究のためにファインセラミックスカスタムメードします!というのが私の仕事で、それを宣伝してるのがこのホームページなんですが、なんだかんだ言って人気トップテンの記事の半分は「釉薬の調合なんかをしている記事」なんですよね。みんないろいろ釉薬知りたがってんだなあ。面白いからしょうがねえよなあ。簡単で一番夢のある「何か新しいことやってみるか!」だもんね。

 ビデオ録画を取りだめる暇はあっても観まくる暇は無し(去年200本以上映画見たけどだ)、本を買いまくる暇はあっても読みつくす暇はなし(最近もうローガンですよ)、釉薬を試し続ける暇はあっても製品に落とし込むだけの暇は無し。みたいな話。

 人生という時間の尺度の選択が間違っていて、おそらくそれを知りたいだけ知るには地質年代で測られるべきかもしれないレベル。ジュラ紀とか。この例え上手くないか。



 例えばここに一つ釉薬があるとします。買ったもんでも作ったもんでもいいですよ。
思いつく限りで試してみるべきテストのパターン。
 1、もってる土全部に使ってみる。
 2、その際の濃度、もしくは厚さでもいいけど、濃い薄いとその中間で三種類。五種類でも
 3、焼成温度、10℃刻みでも20℃刻みでもいいけど数種類やってみるか。
 4、その際に窯のどこに置くか?上から下まで格段に置いてみる?
 5、釉薬の内容物によってはかけて濡れてるうちに焼き始めるのとしばらく置いておいて色変わってから焼くので変わる場合もありますよね?(あれ何?ソーダ分か何か水溶性のもんが表に寄っちゃうのかな?それともわかんないだけでホコリか何かかな?)
 これ全部掛け算したら何種類だろう?

 やばい!もう一つ釉薬があるよ!
 掛け分けたときの境目はどうなる?
 二重掛けしたときは?どっちが上?下?その際の厚みは上下それぞれどうする?
 この二つの釉薬を泥漿同士混ぜてみるか…9:1から1:9までやってみるかな
 それをそれぞれ上の1~5までやらなくちゃね
 あ、そうそう切り立った面と平たい面でもある程度の面積で両方試す必要があるな。
 見込側と外側で感じ変わるのも結構あるよな。
 溝の部分は膨れっちゃったりめくちゃったりするのかよ~
 下に呉須や鉄で線引いた場合と、掛けた上から塗った場合も両方確認しなくちゃな 

 ウソ!もう一つ釉薬あったんだっけ!化粧土だーなんつって作っといたのもあるぞ!

 一つ二つの出来上がった調合でもこれなのに、この前に調合を決めるためのテストまであるんですよ。何種類かの原料でそれぞれ四成分系の順列組合せ。
 
 もうね、人類の進歩のために、みんなで具合よかった釉薬や結果どんどん発表してシェアしましょう。一回誰かがやったことゼロから全部やるのはもったいねえよ。俺の使ってる釉薬だってもっと使いこなせる人に改良してもらったり使ってもらえるんならそっちのが幸せだしな。同じ釉でも百人いたら百通り以上でしょ?どんな達人でもこれはこれでいいや、の妥協といえば妥協。間違いなく。
 
 あいつ釉薬の名人だよな!って人から思われてるその名人はちっともそんなこと思ってないだろうね。俺は釉薬を知っている!なんて奴がいたらウソか寝言のどっちかじゃね?品物作ってる暇ないよ。

 と、いうわけで、こんなくそヤキモノ屋の釉薬でも気になったらどんどん試してみてください。

 





2019年1月9日水曜日

マグネシアの孔あきルツボ と、粘土が早くも届く

 マグネシアは緻密多孔問わず大変好きな材質で、アルミナついでジルコニアという二種がまあ他を大きく引き離してメジャーな感じありますけど、それらに対してもポテンシャルの高さと守備範囲は十分対抗できる、あるいはそれ以上の可能性もあると思ってるんですね(だからなんだっていわれても、あくまで個人的感想です)
 使用温度域も高くまで行けるし、特別マグネシアがうまくいく感じのパターンはかなり多いようです。今までアルミナで頑張って行っていた実験や工程もマグネシアにしてみたら「早くこれにしとけばよかったっすよ」みたいなこともよくありそう。アルカリ土類酸化物の中では焼いてしまえばそこまで扱いに気を使う心配も少なくて(焼成までは超メンドクサ物件の一つですが)、カルシアやイットリアにありがちなディザスター的破損の恐れもあまりないですね。

 まあ久しぶりにアントラーズで例えると遠藤選手ですね。お調子者さ加減が大黒柱感なくて損してるけどいなきゃダメっしょ、どっしりゲームも作れてトリッキーなまねもできるいい感じの安心感と意外感たっぷりのパサー&アタッカー。例によって何言ってるのかわかんないですけど。

 とにかくマグネシアのるつぼです。





 詳しい内容はもちろん書けませんが口元周り対角にあけてる孔は宙吊りにするためにワイヤーを通す用の孔だそうです。他にも多少の工夫が…。
 以前から紹介していますがカルシアやアルミナでも同様のご注文をリピートいただいているのでシリーズ化しています。特定の研究室からリピートいただいてる特徴あるシリーズは癖でついついコードネームつけるんですが、このシリーズは「イーサン・ハント」と名付けてます。他にもコードネームだけ紹介すると「ミルズ・メス」とか「ルピタ・ニョンゴ」とか「二百三高地」とか「出羽の花」とかあります(内容はナイショ、ユーザー当人も知りません)
 注文書が読み終えたあと5秒でファックスごと煙になっちゃうので本数とか内容忘れないように注意!
 

 昨日、記事にしたついでに注文した粘土が今日届きました(もちろんお目当ての原料も)。
萩《風》土ね。意外と黒っぽかった。

極太の円柱状に二本、これ押し出したままなんだろうか、だとするとさすが土屋の土練器はバカデカいなあ!原人さんもびっくりですね
注文してない「珪砂入り信楽土-1番」が、1.2キロほど一緒に入っていたんですが、オマケのサンプルですかね。これは嬉しい!
  記事上げる前に発送済みだったので「おまけ上げるからもっと褒めて!」みたいなソデノシタなんてことはありえません。

 まだ直に触ってもいないんですが、オマケ分の土も併せてテストピース作って焼く、なんてのも記事に出来そう。気になってる方に多少の参考にもなっていいかなあって感じ。

 取り急ぎ必要ない粘土選ぶのに浮かれちゃったせいで、他に注文した原料のうち、間違えて発注したのが一軒ありましたが、それはそれで別の案件で試せるしまあいいや。
 皆さん発注は慎重に!




2019年1月8日火曜日

オイ!ねんどやさん.COMが進化してるぞ!!というわけでカタログから土を選んでみるよ~。

変なタイトルですが、そういうわけです。

前から評判は伺ってまして何かきっかけがあれば利用したいな~と思っていた「ねんどやさん.com」ちょっと必要になった材料がありまして、もしやと思ってのぞいてみたらなんと新年から?ホームページがリニューアルされてました!
 とりあえず必要な情報は前のバージョンのHPでも十分だったんですが、サンプル写真など見やすくなっているうえに、今風のネットショップと化していてうっかり買いやすくなってます。

 実は12月に極秘ルートからパンフレットをいただいていてカタログを眺めながら楽しいなあ~なんて考えていたので渡りに船(なにがだ?)と、現在特に差し迫った必要性は実はないんですがこの際ついでに土も一袋買ってみましょう!
 なんで商売人がネットショップでポチってんだよってのはとりあえずおいといてくださいね(うちみたいな零細海賊ヤキモノ屋が必要分だけ小分けでモノ買おうとするとメーカー直じゃあかえって面倒なことが結構あるんですよ~。もちろん良心的なメーカーさんも多いですよ!)

 ここで気になったのが、皆さん何を根拠に土を選んでいるのだろう、ということ。プロアマ問わず超気になる。
 もちろん、「俺にとって大変扱いやすくて俺の釉薬にバシッとハマる、そして(おそらく商売ならずとも)価格の引き合うものがいい」ってのは分かってるんですがね。そんなんやってみないとわかんないじゃん。実店舗には焼成見本があったりするわけですがあれでもよっぽどじゃないと粗さもわかんないですよ。
 産地の本職相手の卸し屋ならもしかすると触らせてくれたり、一握りもらえたりするのかもしれませんが・・・。

 普段何か買うときはメーカーの担当の方に電話したりしてサンプルわけてもらったり相談するんですが、特に具体的に求めてるものがないってこともあり申し訳ないので、今回ショップ側には何も聞かずにHPと紙のカタログだけで勝手に妄想して選びましたので、その際に何を考えたかを恥ずかしいのも気にせず紹介します。

 とはいっても、普段使ってる土はオーダーからの必要性(例えば赤いとか薄いタタラだつくりだとか、指定の釉薬との相性とか)がない限り、ファインの削りカスや余り原料がテキトーに混ざりあったモノ(バケツの中身)になんとなくガイロメ粘土、必要そうなら長石やシャモット、鉄分、ソーダ分なんかをまたテキトーにブッ込んで腕がくたびれない程度に混ぜたものと掘ってきたり井戸屋さんが置いてったりたまたまホムセンでセールになってた激安土を混ぜただけのものも多かったりしますので、まあ選んだ粘土が思ったのと違ってようが構わないし、それこそゴキブリの死骸が練り込んであったとしても何とも思わない男のチョイスであるとは先に断っておきます。
 この境地に達するには、土の違いに対してモーレツ鈍感な釉薬とか気に入らない地肌の露出をサウジアラビアの女性より少なくする化粧土の使いかたが必要ですよ~。
 何しろ土屋さんの作った調整済みの売り物粘土なんだから何使ってもそりゃいいに決まってるじゃん!
 
 では妄想準拠によるチョイス始めてみましょう。
粘土屋さんドットコムのHPは各自別枠で開いていただくとして、三つ折りパンフレット粘土一覧はこれです。


カタログには、土の名前、酸化還元での参考写真、適する成形法、一言コメント、(適正)焼成温度帯、(参考)収縮率、篩い目、それに価格(部分的に改定前ですが)が記してあって参考できるようになっています。
 HPとは多少の差異があって、価格はもちろんですが、適する成形法に関してはもう一段回細かくなっているのでそういう場合はもちろんホームページの方と照らし合わせてみると丸から三角に格下げになってるのがあります。

 以下、もちろん俺の勝手なカタログの読み解きや、俺の勝手な好みに基づくチョイスの過程を記します。あくまで今回の理由ですよ!

 成形法ですが、基本ロクロは◎と○しかないのでなんでもOK。タタラでひん曲がることほどムカつくこともないのでタタラ適正は重要視。鋳込みに関しては「地球上の霊長類中上位5%に入ってる程度には上手(だとおもう)」なので気にしないことにします。鋳込みの×はおそらくですが、粗すぎて排泥側の面が荒れるから、か、何しろベタついて上手くいかない。のどっちかじゃないかと思うんですが前者は対応策いくらでもありますし(何しろ地球上の・・・以下略)、後者はわざわざ鋳込まなきゃいいだけですよね。てびねりはどうでもいいや。ロクロもタタラもやり良いのにてびねりしにくいとかねえだろ、多分。
 タタラでやりやすそうってのを基本線にします。

 焼成温度。これはたとえば上限超えるとすぐブクっちゃうのかとか、足りないとサックサクだったりするのかな?とか気にはなるんですが、例えば温度上げて吸水率無くよく締まったからって強度が最も高いとは限らないのが土の難しいところ。まあ、製造側の想定してる使い方に対して十分締まって十分強度も確保できる、まず間違いない範囲、という認識でいいんじゃないかな?
 これも個人的には何でもいいやってところなんですができれば広いほうがいいですね。うちの窯の特性からすると上限が高いほうがやりやすいかな。そういう意味では「野焼き粘土」はエンゼルスのショート並みの守備範囲ですな。吸熱急冷にも強いわでこりゃいいね。下限ですが土偶でも作って野焼きするぞ、ということで想定上から800℃なのか、マジで800℃でもラインナップ中一番強いのかは気になりますがそこまでは書いてねえな。
 俺は1230で温度は決めてるんだ!って方は焼成幅もへったくれもないので他のファクターで。
 これ以上難しく考えるぐらいなら直接聞けばいいだけだよね。


 収縮率。どうしてもまあこの範囲ぐらい、程度ですよね。作り方や作った時の状態で変わってきたりもします。
 参考にするとしたら、少ないと歪みにくいが本焼き後の気孔率は高めになりがち、逆は逆。ぐらいの見当ですかね?まあ組成次第でそうとも言い切れないことも多いんですが・・・
 大雑把な俺の認識としては収縮率(特に乾燥収縮率)が大きいと組み立てモノの作業タイミング合わせがシビアになるかもな。ってところです。
 個人的な希望を書くと想定温度で本焼成後の見かけ気孔率、あるいは吸水率の代表値範囲が記されていると非常に参考にしやすくて助かります!メンドクサ案件ですが是非検討してください!

 篩目。個人的にはこれ結構重視してるんですよね。個人の事情で文句言ってもしょうがないですけど、俺はお腹と手が大変デリケートな上に技術も鍛え方も足りないので粗粒があるのはロクロする時に手が痛いんですよ。ほとんどの場合、小さいものも一個ずつ引くから天板とチョップの所にザラメが入るとマジ切れ五秒前ですよ。マジで切れたこともあるんだよなあ。必要でやるときは土殺し軍手してやってます。
 それとあんまり細かいのも、切れやすかったり練りが面倒になりがちなので却下かな。化粧ドベ作るのとかには滅茶好都合なんですけど、そんなのは粗めの土でもロクロってる時に親指と人差し指のまたぐらに出てくるヌラヌラを上手により分けとけばいいわけで。何しろ腕がないもんであんまり肌理の細かい土で作ると造形のダサさが際立って感じられる気がするんですよね。
 大雑把な頭(いっちゃん粗い粒子)の番手の目安(個人的ですが)40番より細かくて120番より粗いこと。ハタキの8番なんておろし金かよ!って感じ。

 篩目粗さはあんまりこうやって大ぴらに出てるサイトは少ないので大変助かりますね。エライ!私などは普段ファインではメッシュの各番手の割合で調合しますので、確認しようと思えば原料袋に手をツッコンだら一瞬で粗さの程度が分かるんですが、なじみのない方でもこの中の土一つ持ってればそれより粗いか細かいかがわかりますから表示されてるのは大変便利です。まあ、その粗目がどのぐらい入ってるかまではいじってみるまでわかりませんが好みの判断はつくはずです。

 色味(鉄っ気)に関しては、加えることはできても抜くのはできないので特に狙いがなければ白いほうがユーティリティ性が高いかな。共ドベに5%も酸化鉄や黄土を混ぜれば黒っぽい化粧土にもできるしね。それが一番剥がれないし。
 また焼いて火色がつくことがあります!なんてのは場合によっては加点ポイントになりえますね。たとえ酸化オンリーの電気炉でも。
 
 このあたりが特性的な目見当のつけ方でしょうか?紙パンフの方に初心者マークがついてるのがいくつかありますがこれはおそらく(特にロクロ時に)作りやすくていいですよ!強いクセもなく乾燥やなんかでも気を使わないで行けるクチです!という意味だと思います。まさか、たっぷり作りすぎちゃったんで少しでもはけるために言いなりの初心者に買わせちゃえイヒヒ!って意味ではないと信じます(失礼な妄想)

 あとは価格と好みですね。価格は勝手にしてもらうとして好み。この好みはもう何でもいいよね。一言コメントにぐっと来たとか、名前がカッコいいとか。
 そうなると、俺の場合「萩」と「もぐさ」と「五斗蒔」ってワードは却下なんですよ。なぜならずいぶん前ですがホントにやかましい(おそらく)お茶大好き陶芸倶楽部オバハンの小集団がそれぞれ扇千景みたいなカッコで仏壇の引出の扇子の臭い(ビャクダン?)を強烈にまきちらしながらこの三語をギャーギャーわめき散らしてる現場に遭遇して大変な苦痛を味わったからで、マジ残念。まあこれらはしみじみ焼いたところで両手ででウギャッと引き裂けばプロレスラーでなくてもボソッと割れるようなサクくて軽いよわっちい土ですよ!よく知らないけど(イメージだけで語ってるというもうどうしようもない一方的な偏見)
 とにかく、理由は参考にしていただかなくて結構ですが好みで最後は決めちゃいましょうと。

 そんなこんなで俺の好みっぽい(あくまで今回はですよ)
 焼成温度の幅もあって上限が高く、タタラ◎、粒度もちょうどよさそう、収縮も小さい上に初心者マークがついてて、なおかつ自分ではなかなか作りにくい黄色っぽい焼き色、挙句にコメントに「焼成腰の強い土です。焼成条件により緋色や御本手が出ます」という土を選びました。
「萩風土」20キロ 今月のセール土!でチョット割安だ!これが決め手。

 さっきのタチの悪いクソ偏見はなんだったんだって感じですが、これは「萩土」ではなくて萩「風」土ですからね。ギリセーフ!

 井戸茶碗ぽいのを二つも作って同じ町内のIさんに売れば元取ってお釣りがくるわ!

 
 
 と、今確認したらすでに発送しましたのメールを確認!
今日の昼過ぎに注文してもう出荷…世の中なんでこんなに便利なのかよ。恐ろしいわ!

 

BNのフランジ付ルツボ

タイトルですべて。BNのフランジ付のるつぼです。


 これ、胴回りの肉厚が1mmしかないんで、強度はきちんとあるはずなんだけれど比重の小ささと相まって、見ても持っても非常にセンシティブ(AKAよわっちい)に感じます。いじくるのこわいなあ、みたいな。

 これはるつぼなんで話は違うんですが、もし日用の陶磁器だったりした場合、真の強度が必要十分であること大事なのはもちろんあたりまえなんですが、観た感じ、持った感じの、たくましく「思える」感、もとても重要なファクターだよなあ、と感じます。すぐ壊れそう、と思ったらパッと見のデザインどんなにステキでも買いにくいよねえ。
 

2019年1月2日水曜日

今年もよろしくお願い申し上げます

 最近は、「お願い申しあげさせていただきます」っていうんですかね?

 2019年って…SFかよ…って感じしませんか?
 








 元日目にした一発目のメールがこの世で最も尊敬する陶工の訃報でした。
 だってもう2019年だもんなあ~。

 俺は元気にやりますけどね