2019年3月27日水曜日

なんの工夫もなく直接的でランボーだが(ほぼ)正確な肉厚の測り方 

 轆轤で成形した器体は肉厚の把握がしにくいモノです。
 水引きする際もそうですが、特に気になるのは削りでの仕上げの時などもなかなか心配ですよね?
 
 私を含めた「上手じゃない人」の場合、なるたけ正確に肉厚をつかんで壁厚底厚決めたいですし、高台回りを中心にどんだけ削ればいいのかハッキリ知っておきたいと思うわけです。よね?よね?

 なんだか上手い方々はデコピンしたり指先の感覚で知るようなこと言っておられますが、まあシロートなりにでもそりゃなんとなくわかりますけどそんなのはどこまで行っても「勘」です「勘」
 大体どのぐらいのときにどんな音、とかこんな感じってのを唐竹割りにザックリ切らなきゃわからないようではヘタクソなりにせっかく作ったのにもったいないじゃないですか。万が一上手くできてたらどうしてくれんだ!みたい(わらい)
 
 切らずに、また、クッソ高い懐の深いマイクロメータを買わずに(そんなん使ってる人はいない)、肉の厚さを「ほぼ正確に、なんなら数字で」知る方法を紹介します。
 
 必要なものは「自作の」ニードルツール。市販品は太くて「釘か!」みたいのがおっ立ってるので今回の使い方「にも」結構不都合です。使い勝手のいいカッチョイイのが欲しい方は通称『ベルリンファイル』をこのホームページの過去記事から調べて製作してください。

 「ベルリンファイル」は大変に便利な道具で、いろいろな利点や使い方があります。市販品より使える上に、作るのに道具がいらないし。
 使い方は、
 1、板を切りだしたり口元を切りそろえたり
 2、傷つけたり気泡の息を抜いたり
 3、裏切り者の爪の間に差し込んで雇い主や文書の隠し場所を吐かせたり
 4、器体の肉厚を測ったり


画像はイメージです。

 簡単にはじめに使い方を説明しますと、針を直角にブッ刺して貫通するまでどれだけ刺さったか、を測ればオッケーです。簡単でしょ。終了!

 それではいきますよ!
 なにか適当な小さいキレッパシをゲージの目印として使います。薄いゴムとか発泡スチロールの板なんかいいんじゃないでしょうか。
ロクロ天面の土は器の底とでも思ってください。
ここではほぼ5㎜角×2t程度のEVAスポンジシートを針にセット。
キレッパシ(aka肉厚ガイドゲージ)はスルスル動くけど勝手には動かないものを。


躊躇なくブッ刺します!針先が天面にカツンと届くまで!

見込の底でキレッパシ(aka肉厚ガイドゲージ)は抑えられますから・・・
ゲージから針の先までが肉厚の(ほぼ)正確な読み取り量です。

 これを気になる壁の厚みでもどこでもやってみるといいですよ。その場合は針先が指に触れるまで、もしくは何か当て板でも使うといいでしょう。
 

 この方法は一個引きで成形する際に底の厚さを測る方法(針を天板に届くまでブッ刺す)として主に海外の書籍では紹介されていますが、あまり日本の書籍や映像では見たことがない気がします。さすが外人はやることが違う!卵立てるのに底の方グシャッと潰したり、お金強奪するのに金庫ごとスーパーカー二台で引きずったり(ワイルドスピードメガマックス参照のこと)するわけだ!日本だったら神の指先を持つ金庫破りとかがチマチマ針金突っ込んでるところですよ。
 ここではそれを成形中の壁の厚さや削りの際にも底も腰もブスッとやっちゃいましょう!ということを提唱します。細い針を使って、ロクロ引いたり削ったりしてる最中に孔なんか消えてなくなっちゃうものです。硬めの乾燥での削りの際はドベで埋めて親指でごしごしやれば問題ないです。釉薬で消えちゃうだろし。

 まあ職人の勘と経験で狂い知らず!みたいなものがもてはやされがちですが、知ってる限り製造業ならどんな職種でも職人さんは測れるぶんにはちゃんと測りますよ、当たり前でしょ、マジで。そりゃ経験で不都合ない程度に揃えるぐらいのことはできるようになりますけどね。それでもそうなるまでには測りながら鍛えたと思うけどな~。

 測りもしないでナタリー・ポートマンにすぐ隣でじっと見つめられても狂わずに肉厚をびしっと決められるレベルになるには相当な年季が必要ですよ。俺だったら測りながらでも失敗しちゃうよ。
 ちなみにですが、知ってる金属加工屋さんで旋盤工やってた女子は丸棒ぐいっと握って24.5φ!とかコンマ一桁までぴったり当てるつわもので、本当に歴代の彼氏さんがかわいそうなんですが(なんでだよ!)、そんな彼女もかなりこまめに測ってました。

 「厚さがそろわないんだよな~」「測らねえからだよ」
肉厚をそれなりに揃えるのは、Rを揃えるよりもはるかに簡単です。
 まあ個人的には器なんか少々不揃いでも気にしてませんし、それこそワンオフ(モノは言いようの「一品もの」だっったりして)次々作るとかならそこまで気にしないでもいい気がしますけど、そんなに揃えたいんならこまめに測れよって感じです。勘で揃うんだったら計測機器売ってねーっての。って言ってやったらパチーノがそりゃそーだなって納得してましたよ。

 まあもちろん今回も極論ですよ。どうしても孔開けたくない人、手わざのみでぴったりそろえなければ気が済まない人(イッピン!おやじ)にはお勧めしません。俺だってそこまで厳密にそろえるためにやってるってよりは不安解消のためにやってるようなものなので。

 さっくり切って断面を確認するのとは別の意味ですのでそれを不必要とか言ってるわけではないですよ。



 
『ベルリンファイル』切れ味も抜群だぜ!

 




 

 
 




 
 

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