2019年3月14日木曜日

灰つくったった とりあえず実戦用テスト開始

 イノウエ先生の現行シリーズとうっかりかぶっちゃって解説の出来の違いに恥ずかしい限りなんですが、「ストーブの灰で釉薬試します」の件、続けます。

 まずは段取りから、
 1、先日の結果からお好みをチョイス。
ということで、灰+長石を選択。だってやってみたかったから&他のはメンドクセエし難しそう。お前ポカホンタスの歌まで上げて小賢しいノーガキ言ってたじゃねえかって突っ込みはなしで(笑)
 
 2、灰7:3長石~灰4:6長石まで4パターンをカリ長石とソーダ長石で。
 ずいぶんおおざっぱな目見当だな!お前ポカホンタスの・・・以下略。
 灰を消費するのが目的なのに長石9とかじゃ灰減らないし、灰9とかは練ってる最中に前頭葉が「やることないんじゃね?」と言ってきたんですよね、前頭葉が。まあ「そうありたい理想の俺」が「怠け者の現実の俺」に負けた瞬間ですよ。あるある~
 いずれも俺ルールで必ずガイロメ粘土を5%混ぜます。使いやすさがダンチ。ベントナイトでもいいんでしょうがこれは俺ルールなんでしょうがねえ。おいといたのがガッチガッチに固まっちゃったりしたらベンナイなりニガリなりで調整しますがそれは後々。

 3、土は灰釉なんだから、ザックリした粗目の土が向くだろうと、そして鉄っポイ赤い土(こっちは細かい)の二種類で。
 これもまただらしなくも大まかなイメージ引きずられ式の生ヌルチョイスですが別の試験にいつもの土はまわしたかったので・・・「ジョー、ワイはダメな男や」鼻からうどんを出すので許してください。

 というわけで





 4、焼成はうちのメイン釉薬の天目系黒と飴釉用のパターン、通称『バーフバリプログラム』で。何のこっちゃって感じですが、1220℃30分キープから時間100℃で下げて900℃一時間キープです。電気炉酸化ですが降温をいじくることで深みとそこはかとない清楚さのある(当社比)色味になります(個人の感想です)
 ゆっくり冷却とアニールは釉薬中のうかれポンチを落ち着いた微細結晶にしてなんとなく「いいな。おちついてるな」って感じにさせてくれるものですよ(勘で言ってます)
 せっかく電気炉なんだからうちの十人並の娘がたったの10センチでも桜井日菜子によるかもしれないと思って一変試してみてください。
 
  
 結果がこれ。







写真も塗り方もテキトーですみませんが、イノウエ先生の動画など参考に見てみます。





技術的な至らなさで写真じゃなかなか伝わらないしご覧いただいても突っ込みどころダラケとは思います。すいませんねぇ。解説は省きますが、今後に使うのは灰4:長石6です。

 保管後どうなっちゃうか、酸化鉄、酸化銅等添加した場合、他の釉との重ね掛け等々確認しつつサイズアップしたテストピース(楊枝立てとかショットグラスサイズ)に使って試験。さらに実際の湯飲みや茶碗といった、まあいつになるかわかんないですけど上手いこと製作品を作るところまで行ければなあと思います。

 こういう試験実験のいいところは理性的なデータの蓄積による実感と理屈の確認ができるところですね。ただ綺麗だダメだだけじゃなくて。もちろん理屈なんかいくら考えてもわかんないことばかりですけど、結果からわかることってのは「自分なりに」とはいえ少なくとも使い方の脳内シュミレーションをするには最高のおやつですよ。

 自分の場合こういった基礎試験で選択したのち、小さな器に使って、ちょっと違う?こうしてみるか、を複数回繰り返してやっとこれならいいね!って感じになりますね。でもそのあとやっぱりに三回違うんだよな~になりますが…
 それらから得られる実感と理解がすべて次への道。と思うと楽しいっすよ

ざっと今手元で進行中のものを並べると…
手前の基礎試験ピースからはじめて・・・
奥のような小物器で試験(これは重ね掛け試験のもの)
ひどいもんですが、これでもまだ見られる方だったりして(笑

で、右の重ね掛け試験から左の製品版用のプロトへ。
みたいな感じ。
各々手にするためには複数回の確認試験もしくは失敗があります

こうやって理解理屈(使い方)と実感「テゴタエ感?」を積み重ねまーす

実感ばかりを優先させると地球が平らと信じてしまう(そういう人達もいるらしいんですよ)
理屈ばかりにとらわれると話が先に進まなくなる

理屈と実感の両方を得るために実験~検証(とはいっても好き嫌いの判別程度かな?)が必要なんだろうな、と。

 判断の仕方は、テスト結果に限らずですが、群盲象を語るに陥らないようザックリした大区分けで判断するのも大事、個々の細かい部分部分をよく見ることも大事。
 年を取ったり、なんかの毒気に当てられて多様性に対して寛容心がなくなるとどこそこの国の人は…とか、右だの左だのバカみたいに大雑把なディスりあいになっちゃったり、なんか一つのミスや不出来を鬼の首を取ったように大騒ぎとかしてああいうのホント嫌ですよね。

 見た目と強さが第一基準ではありますが、沈殿具合や伸びの良さ、各土との相性といった使い勝手の部分等も織り交ぜながら、おのおの取捨選択を検討します。

 まあ普通に溶けてれば使い方次第で上手いやりかた絶対あるはずで、せっかく作ったのにたった一回二回で決めつけちゃうのもかわいそうではありますが、人生の残り時間や置き場所の問題等いろいろな現実が渦巻いてますから、バッサリ決めつけちゃうのも結構大事だったりします。
 沈殿するからダメ!でも、この一点が好きだから突き詰めようかなでもなんでもいいですよね。犠牲が出るのはやむを得ない!なんていう考え方は大っ嫌いでそんなこと言うような奴でカッコいいと思っちゃえるのはデスラー総統ぐらいです。「新幹線大爆破」の宇津井健だったらいっぺんそう考えただけで辞職しちゃうような最低最悪の思考ですが、しくじった少量の釉薬ぐらいだったらいいんじゃないでしょうか。
  
 それでも許せない!ダメ!な崇高な心の持ち主(俺とか)は、場所が許せばデカいゴミバケツにでもボンボン投げ入れてある程度たまった時にあらためて使ってみるってのも楽しいですよ。経験上、ゴチャマゼの釉薬って色味や光沢の好みはともかくかなり安定して使えるものです。
 着色剤入りとそうでないのにわけたりすると便利、うちには15年分の戦死釉薬がバケツ三つにたまってます。どっちもあんまり使いませんが黒マット(着色の方に酸化鉄ブチ込み)もコバルト釉(透明の方に酸化コバルトブチ込み)も成分不明のそれです。15年ロマンシリーズとでも名付けるか。

 先日亡くなった超尊敬する《大ウォーレン・マッケンジー》さんがいろいろ語ってるビデオを、昔どっかの美術館で観たんですが、そのなかで青黒い渋い釉薬について「釉薬室のテーブルとか床掃いたのをゴミバケツにためてるんだけどいっぱいになったら酸化コバルトをひと掬いいれてかき混ぜてんだよね。酸化コバルトなんざ強いから適当でもきれいに青い!うわっはっは!昔っからそうやってるんよ!」みたいなシーンを見て、やべーかっけー。ってのがヒントっちゃあヒント。中島敦の小説に出てくるような悟った達人感がいいですよね。まあ全員にお勧めはしませんが。
 
 とにかく取捨の判断基準は、見た目以外もろもろを含めた[前頭葉と良心で感じる美醜]で結構だと思います。勘って言わないところがミソ(笑
 損得や利害といった世知辛い、ともすると邪悪、冷酷にもなりかねないそろばん勘定をひとまずおいておいて(そりゃファクターじゃないとは言わないけど)、良心が感じる美醜で判断しましょう。これはたかだか釉薬に限らず、例えば、いろいろな差別、原子力発電、遺伝子組み換え、脳死、排他的な思想やカルトといった社会の問題から、夜の9時過ぎにお菓子を食べる、二人も三人も同時に好き、ニシコリケイ(変換できない)が試合をしているからと言って仕事を中断するかどうか、などなどすべての判断に役立ちますよ。
 
 お前が言うナ!

 いやあこないだ某大学の先生から「世界中のセラミックス社のHPで一番バカ、いい意味で!」とお褒めいただきまして調子に乗りました。

 あ、ちなみにテストピースは段階が進んだら結構捨てちゃうクチです。よく見るとかわいい部分とか見えちゃったりすると泥沼にはまります。うっかり雑草の花なんか見ちゃって情がわいちゃうあの感じに陥るので。
 気になって思い出したら新たにやり直します。

参考になれば幸いでーす

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