2019年5月27日月曜日

ヤキモノ映画シリーズ Vol.1

 久々パチーノからのチャチャ入れメールで「ヤキモノ映画」の紹介しろや!とのこと。知らんわ!そんなん。
 もちろんヤキモノを作ること、あるいは作陶家が主人公、といった映画はいくつか知ってます。
 浅見光彦似の板谷波山が主人公だったり、石黒賢がひでえ男で「女を窯場に入れるんじゃなかった!」とか言って子供と奥さん棄てて若いのと逃げるようなのとか(意味わかんないでしょうけど主演は田中裕子です)そういう陶芸家映画、もあれば、単にイチャイチャシーンを巧いことやるために取って付けたようにデミ・ムーアが陶芸家設定だったりとか、ね。

 そんなんじゃ面白くねえなってことで(私が基本伝記映画は好きじゃない)、なんか面白切り口で見られるうえに、映画としての出来がイイ!というのを紹介できたらと。上記三作品は比較的イイですよ。というか「ゴースト」はいいですよ。マジで。(お前それ本当はウーピーだから!とうのも込みでイイ)。


 いい器の写る映画、器に意味のある映画、器が写ることで俺たち(=ヤキモノ人)がちょっとなにかグッとくる映画、等々紹介できればいいなと思います。


 まず第一回目は大ネタから…

「初恋のきた道」
 まずチャン・ツィイーがヤバい!これだけで一万点!
 ちょっとど田舎のおぼこい娘にしてはあざといっツウかずいぶん積極的やな!とか思わないでもないですが何しろみんな大好き「あのころのチャン・ツィイー」なので無問題。


 チャン・イーモウが監督ですから画面の色彩や構成の美しさは言うまでもなくすさまじいですし、「グレートウォール」とかと違って絵面以外のストーリーとかも素晴らしいです。

 でヤキモノ映画としてですが、結構当時の中国庶民の器がその意味とともに見られます。意味とともにってのは観てのお楽しみ。
  白眉としては、割れた茶碗の継ぎ方がすげえ!国宝かなんかでこんな継ぎ方してる青磁のお碗見たことあります。しかも直してくれる人はどういう人ですかってのも見どころ。手順もじっくり目に移してくれて。これ現代でもアリですよアリ!マハーシャラ・アリ!
 1950年代、昔の電気も水道もない山あいの農村の日常非日常のはざまで素朴な力強い器の数々が見られます(かなり遠目ですけど)。
 晴れの舞台に出す器とはいえどれも使い古したようなもので、揃いでもってる感じなんかまったくない。民芸品的なものから結構立派な素性そうなものまでてんでバラバラだけどそれがまた生活感があっていいじゃないの。

 ヤキモノの器は大事なものなんだってことを、特に青花(チンファ、染付)のグレードってものも再確認!染付やってる方は、絶対見ること!
 こういう使い方をしてもらえるように魂入れて作りたくなっちゃうよね。心に刻み込もうぜ!

 あなたの器は「これと決めた相手のハートを射抜くために使えますか?」

 もちろん映画的文法でいえばこの「割れた茶碗~継ぐ(再び縫い合わせる!)」ってのが家族だったり、社会的運命に翻弄される若い2人そのもの(彼が帰ってきたときに使う器なんだよ!)だったり、伝統を現代でもがんばってつなぐこととか、ネタバレになりますけど最後教え子たちが・・・等々の象徴的メタファーなんだと思うので超重要シーンなんですけど別に器紹介映画じゃないですよ!その辺気を付けて!
 
 とにかくチャン・ツィイーを愛でるだけでも至上の時間を過ごせますのでまだ見てない人は是非! 

 
 おすすめです!

 ヤキモノ目線で映画を見るなんてのは普段なかなかない(というか物語の方に意識が向く、なかなかコップなんか見てねーわ)のでパッと思いついたのがこれ一本なんですよね。
 シリーズとか銘打ったけど次いつかは一切わかりません(笑

 

 

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