まずはじめに、できるだけ原料の粒子を流しや下水道に流出させない工夫や、廃棄の仕方などを紹介した動画を並べます。
サムネにキャラが出てんなあ~
私の場合、当然工場(コウジョウじゃなくてコウバね)の排水は深ーい浸透桝に直結してますし、ハンコや書類申請がいるような危険アイテムや薬品は扱ってないのでジャバジャバ流しちゃってOK仕様になってます。当然うちの立地が街中だったら二連発三連発の沈殿槽を作らざるをえませんね(ここはど田舎でそもそも下水道無し)。
が、何しろ原料粉が高いですし、生まれつき貧乏性なのでケツの毛までむしるつもりで基本洗い汚れや削りカスまで使い倒します。これはKg何万円のファインセラミックスだろうが安くならんでる「並」って書いてある陶芸用土でも一緒ですよ!
自分の場合、岩山さん方式と同じくバケツ沈殿槽二連(もしくは三連)方式ですね。趣味でやられるならこれをお勧めいたします。バケツは釉薬用、土用に分けます。土の場合種類ごとに「第一バケツ」を用意したほうが混ざらなくていいですね。第二バケツ以降はススギに使います。
もしくは手桶ですべて道具を洗ってしまい、それを第一バケツに入れるとか。
洗いのコツとしては、カラカラに乾かした後洗うとほぐれるのが早いよ!とかありますが、その辺はあなたのライフスタイルイメージにお任せしますね。乾いた粉末飛ぶのも本当はよくないことでもあるので。俺は大体すぐ手桶で洗っちゃいます。次の日薄汚れてるのでそれをすすいだりね。その時その時の都合だわ!
左が第一バケツ、右が濯ぎ用第二バケツ
こうやって洗った泥水(この場合ビーカーの泥土)は第一バケツへ!
第一バケツ内で泥を全部落としちゃいます。
第二、第三バケツできれいにした後流水ですすぎます。
バケツはしばらくすれば沈殿するので上澄みを捨てます。上澄みの行先はうちの場合庭にぶちまけですが、状態や作業場の状況次第で第二バケツ行の方がいいかもです。
上澄みを捨てたら沈殿物は練り直して使用します。これは決まった土なので新品と混ぜたりしてもいいと思います。釉薬の場合は戦死釉薬だめに直行。第一バケツは気分が許せば洗わずに同じ用途で使い続けられます。
次は第二バケツ以降、これはもう釉薬も土も一緒でもいいですし、分けてもいいでしょう。スペース次第でどうぞ。で、その沈殿物ですがやはりこまめにまとめておきます。いつまでもバケツの底に沈めておくと腐敗して「久々に引っ張り出した泥漿の臭い=ドブさらいの奉仕作業でハズレ引いた時のあれ」になっちゃいます。
とにかくこまめに使える坏土の状態にしておく!これをお勧めします。
でそれは捨てずに使いましょう。
可塑性粘土はですね、なかなか人工的に作れるものではないんですよね。どのぐらい大量にあるものなのか、あと何年もつのかわかりませんが、地べた掘って取ってきてる以上、生成に何万年もかかる以上絶対的に減る一方のものです。必ずいつか無くなります。皆さんが大好きなロクロ作業は可塑性粘土がなければ不可能です。今、産地の伝統的な粘土のなかには伝統通りのものではない場合もあるって聞きますよ。
地球からの贈り物【はあと】とかいうつもりは一切ないですが、そういうダメージがどこかに掛かってる産業、あるいは趣味だということは覚えておくべきです。可塑性粘土がなくなった時に備えてヤキモノ屋どうするかってのはヤキモノディストピアシリーズとして下書き書き溜めてんですがあんまり読みごたえある記事にならないのでペンディング中です(笑
話が柄にもないエコロジー方向に振れちゃったんで元に戻しますよ。
たまった屑粘土。屑釉薬。
これも全部使っちゃおうゼ!ってのを排水問題の根本解決法の片一方として提唱したいと思います。
まず釉薬屑の方。
試験してダメだった調合と一緒にためて成分は謎だが使える釉薬にしてしまうというのが第一。どうせ見えやしない袋物の内側に使ったり、粘土屑や酸化鉄など混ぜて熔火化粧土風にしたりできるはずです。酸化鉄をギリサチるぐらいまで混ぜ込めばみんな大好き鉄砂風黒釉になるこたあなりますよ。きちんと釉になるのなら酸化コバルトを適当量混ぜてダークブルーの釉に。
どうしても棄てたいって人ももう少し待ってください!
では土のくず。
これはいくらでも使い道ありますよね。無いって人はヤキモノ向いてないと思いますよ。粘土があって作りたいものがないって、チョッ、オマッ!って感じじゃね?
釉薬のテストピース以外のものなら何でも作れるはずです。
プロがそれで金にしようとか思わなければ制限もないと思います。
石膏流す際の埋めぐさの土にしたり、カメ板用の土にしたり、縁の突っ張りに使ったり、三島のスタンプでも作ってみたり、実用作業にも使えます。
そういうのに積極的に乗り気じゃない人は思いつきのオブジェっぽいのを作れば、練習になるしいいんじゃないでしょうか。
おすすめは、こんなの
こんなのを作って見込に屑釉薬をため込んで焼けば、もしかっこよく焼ければオガワマチコ、ダメでも捨てやすい。
渾身のギャグのつもりだったんですが、これ小川先生に怒られないか不安ですな
井上先生の動画内のコメント、橋本先生の動画の概要欄にもありますが、釉薬屑を焼成して廃棄するならできるだけ高温で焼くべきだと思います。それもよく混ぜてからをお勧め。できるだけ緻密な熔化した状態にするほうが少しでも組成内の成分の水和、崩壊、溶出を避けられえると考えます。
まあ普通は神経質にならなければいけないような毒性、身体へのあるいは環境への攻撃性はありませんが、ここはご自身の良心のハードルと知識を総動員して必要と思えるところまでやるべきでしょう。
何しろヤキモノの材料は石膏含めて捨てにくいんですよ。面倒です。だったら使った方が全然まし!
使い切る!を目的に上手い消費方法を考えてみましょう!!
俺のやってるこの場所は浸透桝の堆積物とその周りから大量にでる陶片で何世紀か後には「つくば境松古窯跡遺跡」になる予定です。
俺は大体素焼き鉢です。
追記・今回のこの記事、基本的に泥自体を通常排水としてバンバン流してしまっては管が詰まったり下水道の負担になりますし、粘土自体ももったいないよって話で、環境や人体動植物に対する毒性攻撃性云々の話ではありません。いっしょくたにするには面倒な話ですので。
また、ちょいちょい言ってますが、そういうのを気にする方は、金属とその酸化物や炭酸塩になってるなってないの違いをわかっておいてください。たとえば我々本職が単に「鉄(テツ)」といった場合、それが金属鉄であることはまずありません。何らかの酸化鉄であり、もしかすると珪酸鉄、鬼板や○○石といった含鉄土石(鉄がおおくは酸化鉄、あるいは複合酸化物の形で含有してる)状態です。同じように「チタン」といった場合は酸化チタン=チタニア、あるいはチタン含有土石(以下略)です。
次、原料の石灰石=炭酸カルシウムですが、なぜこの場合酸化カルシウムではなく炭酸カルシウムなのか。炭酸マグネシウムでも炭酸リチウムでもなんでもいいですよ。なぜこれらは酸化○○ではなくて炭酸○○なのか。この辺もギャーギャーいうならわかっておく必要がありますよ。
あと「重金属」
重金属という言葉に「毒性が強い」という意味など一切ありません。単に比重が大きい方の金属という意味です。その物性や分子量もイオン価も全然関係ないっす。いやもちろんこういった場面で使うときはそのニュアンスを込めてるんですけどね。
軽金属と重金属の境目は?知ってますか?
0 件のコメント:
コメントを投稿