2018年12月10日月曜日

鋳込み動画の解説編 闇ヤキモノ教習(仮

 先日、超基本的な排泥鋳込みの成形動画を紹介したんですが、その解説をしたいと思います。いまだ25人しか見てないんで必要なのかどうなのか心配ですがクッソ時間のかかる鋳込み中なんでやっておきます。

 まず型ですが、こんなのを使いました。


型についてのもろもろは次回「解説の補足編」で

 とにかくこの型を水平に置きます。俺の場合型の底は旋盤でナラっちゃうし、この型は小さいので気にしてませんが、口の広いのや長細かったりするのはちゃんと水準器で測ります。傾げちゃうのはよくない。

 スラリーはすでにビーカーに篩を通して準備済みです。これも近いうちに記事にしますが、今回は動画の解説なので割愛!



 字幕がフライングしてますが、鋳込み開始!
 口元ぎりぎりチョイ盛り上がりぐらいまででOK!

こうすることによって型いっぱいまでキッチリなじませます。動画ではちょっとはみ出すぐらいまでやってますね。そっちのがいいです。こうすることで口元が均一に着肉します。
 型に鋳込み口、押し湯部分があれば必要ない作業ですが、その点については型と一緒に補足編で説明します。とりあえず今回のように方から抜けたら即製品の形状!って場合はこうしてますよ。

 筆のチョイスですが、この作業に限れば、筆でなくとも棒でも指でも実は何でもいいんですけどね。自分はナイロン毛の絵の具筆にしてます。で、グリーン体の仕上げや修正にも使っています(原料ごとに数セット)、これはぺんてる(平仮名なのな~)のネオセーブル。この筆は毛が強くてイイですね。釉薬には使いませんが、素地をいじくるときはこれが今のところお気に入りです。名前もセーブルだし!
本当の毛の筆でもいいんですが、特にメーカー品でない100均とかのセットの安手の毛筆は脂ぎった中年男みたいに毛がまとまらない上にハラハラ抜けやすいので注意。



今回のはあんまり泥漿面の下がりっぷりが目立たないんですが、例えば型が細くて深かったりすると著しくせわしないことになります。もちろん泥漿比重や型の乾燥度合、消耗度合にもよります。

 一分半って時間はそんなもんと分かってたんでそうしましたが、実際は始めの一回二回は流したらタイマースタート、着肉を測って排泥するタイミングにストップで割り出します。これも日ごと型ごとスラリーごとに常に一緒ではないのでその日の一回目は必ず時間を計ります。回数を重ねると長くなってくる場合も多いです(理由は主に型の濡れだけど様々)。
 この着肉をみながら時間を測るってことが引き込んだ鋳込み口を有した型では確認しにくい場合があります。=フレキシブルさに欠ける。測る方法はあるんだけどね(粘土物には使いずらいテクなんでここではナイショです)

わかりずらいけどヘコンでます。この凹みは水分が型に吸われて原料粉末が目詰まり?するような感じで型の壁に吸い付いてしまっていってる(成形してる着肉してる)ってことですな。流しの排水溝の網にご飯粒とかがたまってくのと一緒です。時間を掛ければその分原料粉末の層が厚くなっていきます、品物の肉厚が増していく。


BGMでジャッキーがそう歌ってます(多分


押し湯部分(引き込んだ鋳込み口)があれば頻繁にはしない、あるいはいらない工程です。
型の設計は、作業や製品の形状によって変えればよし。

このシンプルな型方式、ではこれが肝です。フラれた次の日なんかやゲームの発売日なんかだとつい余計なこと考えちゃって気が付いたらベッコリ減ってたなんてことがありがちだぞ!気をつけろ!


排泥する瞬間が写ってないのは申し訳ないです!
 隣のビーカーにガバッとあけただけです。ちょっとピッピッと滴を振り落してもいます。本当は元の容器に戻さずに別な容器にあける方がベターです。場合や原料によってはそうしないとまずいですね。

 「諸説」とありますが、「諸方法」ですね。
 皆さんがはテレビなどで見たことがあるのは開けたらそのまま傾けっぱなしで置いておいて次に行くって光景かな?
 この動画ではすぐに普通に仰向けに置いちゃってますよね。この型の中はすでに水気は切れていて垂れる滴がないのでこうしても平気なんですってのが一つ。
 もう一つ傾けっぱなしだと、口元の下になってるところ=スラリーが流れ出てる部分が最後厚くなっちゃったりして偏肉や滴もっこり状態が目立つ場合があります。口元の偏肉は、特に粘土物の場合歪みの原因になりやすいです。押し湯部分があれば切り飛ばすだけでいいんですけどこのように排泥した口元即製品の口元の場合、修正は結構めんどくさい。
 ガバッとあけたある程度ですぐに上向きに戻して置いておけば底に向かって垂れ落ちるので口元は綺麗にそろいます(ベコベコだったら型が悪い)

 作るものや型の設計、原料の性質に合わせていろいろ工夫する(できる)ところです。原料によっては置きっぱなしにする角度によっても結構な違いがあるんですよ。

 で、この後ある程度乾いたら口元を切りそろえます。型にかぶさってる部分ができるだけないようにするのがいいですね。
ある程度以上スルリと切れるようになってからがいいでしょう。ねっとりカッターにひっ付くようでは早い。あんまり乾いたり縮んでからではやりづらい&無理な力が加わって歪みの元、もしくは割れちゃう。
 まあこれもケースバイケースですね。 



ほら綺麗になったよ~!
 切れ味のいい刃物を使うこと、石膏をあんまりザクザク削がないこと。
 大型刃剥き出し+素手が怖い人は使う刃物を工夫しましょう。
 原料次第では刃物でなくても構わないこともありますね。板っきれで裁断機みたいにせん断する方法を使える場合もあります。

型とモノの間に空隙が見えてきたらそろそろ離形のタイミングです。
 軽くたたいたりゆすったりしてヨレちゃったりするようでは早い。外した後の素地が娘のオシメを触った時のようにあんまりじっとりしてるのも早い。まあこれも時と場合によります。しっかりしてからだとクビレた部分で切れちゃうようなこともありますからね。
 そういう意味でも単なる一方通行テーパーのカップ型には余裕があります。置きっぱなしでもあんまり関係ないからね。

ポロンとかわいく取れました~

平らな板、ガラス板やもう使わなくなった鏡とかかな?反ってたりボコボコしてなきゃなんでもいいです。
 ここではキッチンペーパーですが、綿の下着的なメリヤス布でもいいです。濡らして絞って綺麗に広げます。板に吸い付くように。


スリスリして切り口を綺麗な面に整えます。
 そーっと丁寧に持たないと歪んじゃうような、あんまり濡れてるうちはやらないこと。変形の心配がなさそうな強度を感じられるまで待ちます。粘土物の場合(俺の場合磁器土も含めてますよ)うんと乾いてからでもこれができるので焦らないこと。やたら薄手の場合は、水吸って割れることもありますが、それはさすがに乾かし過ぎ。

ここではるつぼのようにスパッと揃えちゃいましたが、日用の器の場合の口作りでも一旦こうしてます。
 口作りはもっと乾いてからスポンジや、やはり濡れ布で、時に刃物を併用しながら任意の形状に仕上げます
 

と、言ったところ
 質問お待ちしていまーす


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