無くしたと思ってたなにかが見つかったり、すっかり忘れてたあれが発掘されたりと油売る理由には事欠きませんな。
ヤキモノを作るため!という観点から見ると、この時期にまとめてやってるちょっとした仕込があって、それを紹介します。
それは雑味エキスの仕込み。
高純度のファインを生業にしてるからには不純物、不安定さ、ボンヤリした汚れ感、なんてのは嫌われもんなんですが、一般の陶磁器を作りもする自分、という立場から見るとアコガレがあるんですよ。
電気炉で酸化で制御された原料と焼成。という条件から見ればそりゃシャープで切れのいい再現性の高い工程全部デザインされつくしたヤキモノを作るのが本線!というのは分かっていつつも、あの、掘ってきた土で素地も釉薬も作り、薪で焚くヤキモノの佇まい、カッコつきでいいますが「土着な、腰の据わった感じ」、「なんとはなしの玄妙感」というものに大変強いアコガレがあるんですよ!アコガレがあるんですよ!(二回言いました)
そんな超大型じゃない地方の産地などで元締めみたいな窯元の鉄釉には、多分おんなじ釉薬使ってるんだけど黒だったり柿っぽかったり蕎麦釉になってたりいろんな表情があって(多分炉内の位置や釉掛けたときのかき混ぜ具合やなんかだと思う)かっこいいのがありますよね。均窯っぽいのも一面青白く濁ってたり、かと思えば透き通った部分が多くて紫が勝ってたり。で、またそれが重ねて置いてあるんだよ。「おんなじもんだし」みたいな感じで。かっこいい!
その高貴な野武士のような、まさに地方の豪族!といった腰の据わった風格にはしびれちゃうよね。年がら年中ナントカ政経塾上がりの青ビョータンエリートのようなノッペラボーばっかり作ってる自分(田舎モンのくせに)としては、ああいうの作れたらいいだろな~と思ってるわけです。
それらの土や釉薬は近くの山から取ってきた土と何燃したのか知らないけど灰でできてるはずなんですよ。でデカい窯で焼く。薪ザッポウ突っ込んで。
思考の過程を飛ばしますが、とにかく俺はそれらに含まれてそれらしさを調子づけているはずの「買ってくるわけではない染み込んでいる何か」を「雑味」と仮に呼ぶわけです(決してバカにしてません。他に言葉を知らない)
というわけで自分の身の回りから少しでもその自分なりの雑味をヤキモノに加えたい。染み込ませたい!とはいえ山も持ってねえし設備も変えるわけにいかねえ!
そこで『雑味エキス』を作ることを思いついたわけですよ。合成土灰とかそんな感じですね。合成雑味。
いろいろ突っ込まれる前に話を飛ばして『雑味エキス』の作り方を説明します。
といっても簡単、庭の金っ気のゴミをペットボトルに突っ込んで赤黒いブヨブヨ水を作るだけ。
錆釘、何かわからない出土した金物、舐めたら死にそうな色をしている十円玉、使い終えたカッターの刃、などなどなど、もちろん水は屋根から落ちてきたものや、洗い桶の水をかき混ぜてから汚いのを使うのを推奨(笑、
そのブヨブヨ水を釉薬にちょっと混ぜる、素焼き前に後にいっぺんくぐらせる、ただの透明釉がかすかに色めいて見える気がする程度には変化しますよ!
まあそんなバカなことやって遊んでるんですが、
今回はニューフェイスをぶち込みました。
これだ!
ごっついダンボールを止めてるあれ!ホチキス番長みたいなやつ。
切り口が白く光ってます。ということは~
やっぱり磁石に付きました。軟鉄に銅メッキなのかな?
45にもなって知らないこといっぱいありますなあ
今回はこれ単独でボトル一本作ってみることにしました。
もちろん例年通り、
錆釘!。ボンクラ一号が使ってないのまで錆させやがった!
普通の丸くぎに加えてツーバイ用の釘も見えます。
とりあえず番長ホチキスがどうなるかは楽しみ。
で、赤黒ブヨブヨ水ってどんなのよ?って思ったあなた。
心の準備はいいですか?
これが雑味エキスだ!オエーーーーーーーーーッ、マジで臭ぇ!
ってこれでも一番フォトジェニックなショットを採用。裏からはみせられません。
安っぽい白土の高台周りにこすり付けると焼き上げた後ちょっと焼き色がついていい感じ!辺りが無難な使い方。俺は鉄釉に限らずジャンジャカ混ぜてますけど。
と、今年最後のバカ話でした。
今年観た映画のおすすめトップ5を教えてください!というお得意様研究室からの依頼がありましたが、映画に順位なんてつけられません!
と、言うのもあれ何でオレデミー賞受賞したものを発表します。
作品賞 「勝手にふるえてろ」(1月に見たんですよ)
主演男優賞 ドウェイン・ジョンソン(ロック様)「ジュマンジ・ウェルカムトゥジャングル」
主演女優賞 松岡茉優「勝手にふるえてろ」
助演男優賞 マイケルBジョーダン「ブラックパンサー」
「スリービルボード」の小さい彼
助演女優賞 「スリービルボード」の別れた夫の彼女役の女優さん(動物園の飼育員?)
といったところです。
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