2020年11月16日月曜日

色覚とヤキモノ

  とりあえずこんなん作ってますよ!とアルミナるつぼ


 

 この秋のラジオの番組の入れ替えで、夜勤時の定番TBS「セッション22」が夕方に移動してただの「セッション」に。ここ二~三年、昼間の面白い硬派な番組がなかったんでこれはうれしい!仕事しながらおちゃらけじゃない番組が聞ける!!ちょっと即時性が強くなっちゃったかなあ~というきらいはあるけど、TOKYOFMの夜8時「トーキョースローニュース」と併せてジャーナリストや専門家がじっくりと調べた調査報道(というらしい)のお好み番組2トップです。

 先週、個人的に超興味深い話があったんでご紹介。
 
 リンク先で音声配信を聞けます。


 色盲とか色弱と「かつて」言われた色覚異常についての話で、詳しくは是非配信を聞いていただきたいんですが、今回気になった部分だけかいつまんで言うと、

 1・結構多い。特に男性は100人中5人もいる。
 2・見分けにくい色がある代わり「通常」より厳密に見分けられる色もある。つまり個性といえる。
 3・色覚異常と正常の間に明確に断絶した壁はじつは無くて、色の見え方や弁別にはスペクトラム、グラデーションがあり、個人個人で結構様々
 といったあたり

 もちろん社会に存する問題の一つとして取り上げてるので
 4・昔ほど「優勢・劣勢」みたいな差別的な観点は薄れてるけどまだあるし、あるいは新しい問題もある。
 という部分は一番大事。

 自分でそうと気が付かない人も相当数いるみたい。その程度に日常ほとんど不都合はなくて、たとえ職業上難点があったとしても技術やテクノロジーで克服できることも多いし、こんなんで人生左右されちゃあたまらねえよな。
 
 そういや、「俺、見分けにくいからその色のチョーク使わねーでくれ」って学校の先生いましたね。何の問題もなかったよな。

 
 よくあるパターン、みたいなものはあるようで、どうやら茶色と緑色の見分けがつきにくかったりするケースはかなり多いらしいです。
 
 となると・・・
 俺の作る中で圧倒的に多い飴釉の中に緑色を入れ込んだこの手のやつはどう見えちゃうんだろう。

 みんな考えたことがあると思うんですが、俺の見てるこの赤は相手にはどう見えてるんだろう?もし俺の言う青に見えててもわからないですよね。証拠も出せねーし。
 北欧とか雪国の人は白い色でもかなり細かく見分ける(青い目の人だったかなあ?)、とか昔何かの本で読んだことあったし、日差しの強い赤道付近に住んでる人はどうとか、俺も聞いたことがあったような気がする。

 みんなそれぞれお気に入りは違うし、そんなん好みの問題だと思ってたけど、実は「見え方自体が違ってる」可能性もかなりありそう。


 だからってヤキモノ屋がそれ気にしたからって…とは俺も思います。でも看板屋さんとか、ピクトグラム制作する方は絶対考えてるはずですよね。こういうのも知っといて悪いこともないでしょ。

 俺の選んだ仕事の仕方として、ファインも伝統陶器も「素敵なものを作って、多くの方に気に入って買ってもらう」ということ自体よりか「お客さんが自分が作ってほしいものを聞いて作る」というオーダーメードシステムをハッキリ中心としてやってるので、大変気になります。
 俺は個人でやってるから「個人作家」じゃなくて個人のためにやってる作り手だから「個人作家」と自分を定義したいんですよね、できれば。これが言いたいだけですけど。 




 紹介しませんが、手の不自由な方に、「こんな形の取っ手で」とオーダーいただいて気に入ってもらったこととかあって、そりゃもうこんなうれしいことはなかったんですが、「その方固有の色覚のタイプ」が選んだ釉の組み合わせ、みたいな話があったら興味深いですし、詳しく知りたい。

 色覚異常というのは医学的にも使われてる用語だそうですし、差別意識なくあえて言いますが、「面白い!」

 例えば織部のスタイルは緑と素地、黒や鉄茶のコントラストが独特の世界で、人気の一大ジャンルで俺も好きなんですが、素地や色味、配色のパターンによっては結構な割合の人にとって「そもそも色覚弁別的に」ピンと来ない場合も多いのかもしれない。

 教室や学校で講師としてやってる方にはぜひ生徒や受講生の皆さんのこと調査みてほしいぐらいです。男子のうち5%が「異常」、女子の場合ではほとんどが「無自覚」とのことですから、実は結構大事で興味深い観点が隠れてるのかも。
 興味ない?


 今回紹介したラジオの解説者はSF作家・科学ライターの川端裕人で、好きな作家です。
 ノンフィクションと小説を両方やってて、どっちもかなり面白いものが多いです。好みの問題ですが俺には合う。
 何々の専門家、というよりは「いわれてみれば超興味ある!!」という話題や問題を総合的な科学知識で冷静にかみ砕いて解説する本が多く、読みやすいです。ナショジオでやってる研究室に突撃取材するシリーズも面白いよ。親書も出てます。

 小説では文章にアクがないので読みやすいかわり、どろどろしたブンガク的カイカンには欠けますが、すっきりさわやか系のSF/ファンタジーで、そっち系苦手な方にもお勧めできますよ。

 今年、疫病騒動に乗っかって再版された「エピデミック」(息子が学校持って行ってて今手元に無い)もスゲエいいんですが、俺のおすすめは
 この二冊!「雲の王」のほうは「天気の子」に影響与えてんじゃねえかな?
 個人的に「天気の子」は、奴らの世界との対峙の仕方が俺には到底受け入れられないんですが、喜んでた娘は数年後見直した時にどう感じるのかな~。


 と、いうわけで、
 を読んでみたくなりました。なんか感染状況的にフラフラ出歩きにくいんだけどね~。



 

 

 
 



 









 








 
 
 





0 件のコメント:

コメントを投稿