2020年11月2日月曜日

園芸用土VSヤキモノ屋 釉調合編

  誰も期待していないシリーズ「園芸用土VSヤキモノ屋」

 第一回目本焼成が終わりました。一応含みを持たせておきます。今回叙述トリックが仕込まれております。

 

 結果から紹介してもいいのですが、モノには順序ってものが多分ありますので、釉調合編として先にお届けします。

 単に素地だけ先に焼けばいいんじゃねーか?ってのもそのとおりなんですが、こんなもんいっぺんに終わらせたいじゃん(もはやヤル気が疑われる発言)

 

 先に紹介した組成からなんとなーくボーっと判断した結果、釉薬材料としてみた場合、赤玉土も鹿沼土も、「土として扱う」ということに決めました。何言ってんの?と思われた方のために大雑把に解説します。


 釉薬のオーソドックスな基本要素として、

 1・長石類

 2・アルカリ土類多め含有物(石灰石等)

 3・言い方知らんけど土分(カオリンや〇〇粘土)

(4・+都合で目的にかなう量のシリカ)


 と考える定番定石があり、その3番として扱う、という意味です。

 そして、みんな大好き「苦土石灰」は2番ですね。


 今回は釉薬編ということで、釉薬テストのとっかかり方を紹介します。あくまで俺流の超ズボラ定石なので、まじめでやる気のある方はきちんと二成分、三成分系等に起こしてやってくださいね。


 上記、長石、灰分、粘土の4種類で試験する場合で、なおかつ、時間もやる気もいまいちの際はとりあえず・・・

 A:長石、灰分、粘土 同重量ずつ 

 余裕があればB:4種類を同重量ずつ

 だけでやってみることをお勧めします。本当はそこまでしませんがします。

 今回灰分は苦土石灰(くどいようですが粉末!)、粘土分は赤玉土と鹿沼土。

 上記三種類(あるいは4種類)で一番とっかえひっかえしても何とかなりやすいのが土分ですし(経験上、当社比)

 仮に苦土石灰が「ほぼほぼドロマイトといって差し支えない」というのが事実なら、長石とドロマイト1:1でそれなりになるので、これでなんもならんということは経験上なさそうです。(注・ここまでもこれからも経験上の単なる勘です)

 これで箸にも棒にもかからないような焼成結果ではその先試すの結構大変そうです。

 

 今回は苦土石灰が残念だった場合に備えて、ウチのストーブ灰も試します。

 A:長石1:苦土石灰1:赤玉土(鹿沼土)1

 A':長石1:灰1:赤玉土(鹿沼土)1

 と作戦立案しました。


 では準備します。

 左から、赤玉土、鹿沼土の粉砕物、そして粉末状苦土石灰です。写ってないけど灰も。


  どんどんゴリゴリ作っていくよー

 景気よく素焼きしたテストピースに塗っていきまーす

 こんな感じで終えました。

 左下テストピースでいうと上部白っぽいところから時計回りに…

 1(黄色)・鹿沼土1:苦土石灰1:蛙目粘土1

 2(グレー)・鹿沼土1:灰1:蛙目粘土1

 3(濃い茶色)・赤玉土1:苦土石灰1:蛙目粘土1

 4(薄茶)・赤玉土1:灰1:蛙目粘土1

 のテストピースが出来上がりました。


 また、苦土石灰をドロマイト代わりに一般的な釉薬に組み込むことができるのか、という、当然こっちのほうが見込みがあるに違いない計画を二正面作戦で進行中。

 

 左のネコさん 上部・福島長石1:苦土石灰1:蛙目粘土1

        下部・福島長石1:苦土石灰1:蛙目粘土1:シリカ1

 右のブタさん 上部・ネフェリンサイアナイト1:苦土石灰1:蛙目粘土1

        下部・ネフェリンサイアナイト1:苦土石灰1:蛙目粘土1:シリカ1


 もう焼きあがってるんですが、間を持たすために続きは次回!



 なーんてやったところで、興味のない方も多いのかな?

友人のパチーノ(40台後半ヤキモノ二年目・教室でノシ上がり中・狂人)も「これ何の役に立つの?」なんて聞いてきやがってね。

「役になんかまず立たねえよ。でも面白そうじゃん」

「面白いか?やる意味マジわかんねえし」と来たもんだ。

 俺は持続可能性原理主義社会の成れの果てに起こりえる陶磁器製生活用品廃止条約のせいで材料が手に入れられない世界になっても「闇陶器」を作り続けるつもりですから、こういう鍛錬もたまにはやっておきたいんですよ。

 頭もおかしいしね。

 

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