というわけでさっそく続き書いちゃいます。石膏だらけだと他の仕事やる気起きないんですよね~。今日は成形は離型まで時間のかかる多孔質の固形鋳込みだけです。
昨日カップに石膏を流し入れて作った「アレ」を原型に排泥鋳込みで作るカップの使用型を作りましょう。
その前に「アレ」の形状を確認してみましょう
気泡はとりあえず無視してください。
こんな感じで溝と口元の逆テーパーで一発では抜けない形になってます。太い部分綺麗に削るとか、面取りしてみるとかいろいろ考えたんですが今回は段チになってる部分から切り落としました。面倒なんで(笑切り落すのはぼろくなった歯の粗いのこぎりがおすすめです。このために買うんなら一番安い替刃式ののこぎりでいいですよ。ホムセンでワゴンで売ってるようなのでたくさんです。1000円も出してはいけません(笑)私は切れ止んでもう木は切れないようなの使ってます。
剪定鋸とか仮枠用だとちょっと粗すぎる気もしますが早く切れますよ。本当は乾いてからのが粘らなくて切りやすいんですけどとっとと切りましょう
切り落したら平らに均します。
使う道具はタジマのアラカンとか、折れた金鋸の刃(24目おススメ) 、百均で売ってるパンの切れないパン切り包丁、粗めのサンドペーパー(#80とか#120使ってます)、金網に砥粒くっつけてあるやつもいいですね。ガリガリ行けるやつなら何でも。ペーパーは平らな板にのっけて固定し石膏の方を滑らせて削るんですよ!カッターや鋸刃は立てて使います!
仕上げはこれ
アブねえと思った方は各自工夫してください。
そこまでシビアじゃないけど、どうせなら、ちゃんと水平取りながらやりましょう。
あ、台が傾げてないかも確認ね
できたらカリ石鹸を使わずに水を弾く状態にします。
石膏の表面ですがつるつるですよね?つるつるのはずです。今からいじくってこれよりきれいな面に仕上げられないレベルにきれいなはずです。プリンカップじゃなかった場合は知りませんが・・・
表面がきれいなのを確認したら、200円の安物でもいいのでラッカースプレーしてください。びしょびしょにせずにさっと一周。すぐに吸い込まれて乾いて行ってる感じになると思います。全部吸われちゃったかなーと思ったらもう一周スプレーします。もし濡れちゃったら乾いて硬化するまで20~30分待ってください。
指につかなくなったらグリスを塗ります。これもクレとかAZので結構です。別にシャーシーグリスでも何でもいいんじゃないかな。使ったことないけど。
形が変わってるとか細かいこと言うな!
こんな感じでペトペトペトと付けたらティッシュとか柔らかい布で刷り込むように塗っていきます。自分はおむつライナーを使ってるんですが、最近赤ちゃん本舗とか西松屋にいくのが恥ずかしくなってきました。
多少多めに全体にヌラヌラ塗っちゃってから、そのあとは刷り込んでいきます。うすーく延ばしてください。型取り一回目はこれを二回ほどやったほうがいいかな?
セットします。
普通サイズのプリンカップなら直径+4~60㎜ぐらいの多少厚みのある(20㎜以上あれば文句なし)きちんと平たい円板がベストです。
円板はたとえば木製、アルミ、SUS、45C、石膏
石膏はいくつか作っとくといろいろ便利。
先に円板作っとくんだったかな?
と、仕事上うちにはいろいろあるんですが、普通はなかなかないかもしれませんね。平らな板があればそれを使います。それについては後述。
円板の天面、側面に薄くグリスを塗ります。
真ん中に載せます
いつも目見当で載せちゃいますが、ちゃんと測るに越したことはないです
台板側面にプラスチックのシート回して縛ります。
自分は縛り方は必ず巻結び(とにかく緩まない縛り方で)
紐の位置は台板の周りじゃないと明日になってもうまくいかないですよ
この写真では田んぼの畔用の塩ビシートですが、他にクリアファイルのでかいのを必要な高さ(台板の厚さ+原型の高さ+2~30㎜)長さ(理想は一周半以上回る)に切って使うことが多いです。寸法が足りれば水に強い厚紙でもいいかもしれません(牛乳パックとか)
とにかく遊びの無いようギッチギチに締めてください。
内側の巻き初めの部分にシートの厚み分ちょこっと隙間ができますがきっちり縛れてれば気にしなくてOK。
背の高いものの場合は何カ所か巻き終わりにテープ貼って留めます。
台板の厚みがこの縛るときに利いてきます。薄いとシートがピシッと揃わないんですよね。
自分は10キロも20キロも石膏使うような大きい型を作ることもありますが、これで決壊したことないです。(いやあそりゃもちろんゼロじゃないけどそんな時はどっかで横着してるんだよねえ。あーやっぱりって)
続いて平板使う場合
板はガラス板がベストですが、コンパネでもいいです(できればパネコートで)。他にも平らな板の上にクリアファイル敷いてもいいです。
何かある程度厚みのある円筒を用意します。
塩ビ管を必要な長さに切って縦に一本切込みを切れる。
サイズが合えばこれがベスト。
端面の片一方はまっ平らにすること!
他にもボイド管とか何か使えるものがあると思うんですが(底抜いた小さいバケツとか?)自分はさっきの円板+シートと塩ビ管各サイズで間に合ってます。管はなるたけ矩を出して切ったあとサンドペーパーをロクロにでも貼り付けて磨りあわせればまっ平らにできます。
長手方向にまっすぐ一本切れ目を入れます。アングルを定規にしてプラスチックカッターで頑張りましょう。突っ切らないで皮一枚残してグニグニやると内側に白い筋が入ります。そうしてからナイフで切ればきれいにできます。
切り込みはテープで塞ぎましょう。
端面にグリスを一周盛る。
指にグリスを軽くつけて踏んじゃったウンコを側溝のヘリになすりつける要領で一周盛りつけてください。慣れれば10秒でできます(靴のウンコなびるのがじゃないですよ)
原型が中心に来るよう狙い澄まして軽く押しつける
多少ずらすことになるけど気にすんな!
これだけでOKです。板と枠の接触面に隙間が無ければこの程度の量(石膏600g+水370g)漏れません。心配だったら綿棒かなんかではみ出たグリスをぐるっと枠の立ち上がりに軽く押しつけてください。
この方法でも石膏1.5㎏ぐらいまでなら経験あり。ヤバイと思っても筒のテンパに棒二本渡した上に重し掛ければ平気!
石膏を水に溶く前に最後の準備
ティッシュの切れっ端、スプーン、石膏の粉少々を型の脇に準備
写ってないけど予備の紐も一本
また型が変わってるとかも気にすんな
万が一石膏スラリーが漏れてきちゃったら予備の紐でもう一回ぎゅうっと締め付けてティッシュを丸め軽く押さえて吸わせる、もしくは石膏の粉をスプーンですくって振り掛けます(両方でもいい)。漏れた場合この方法が知ってる限り一番の対策です。
これでOK!
必要の石膏と水の容積を測って投入します。
2~3分待ったら・・・BPM100でかき混ぜよう
今日はなぜか持ってるABBAのベスト盤3~4周掛けっ放しにしてましたが久々に聞くとイイネこりゃ!リアルタイムで聞いてたような世代じゃないんですけど耳応えあるわ!ヒット曲たくさんあるんだね~
「You can dance! You can dance!」
というわけでトロミがついたら流し入れます。
写真撮ろうとしたらちょっとこぼしちゃったよ!
どうですか?漏れてますか?漏れてこないでしょ?
これであとは道具を洗って固まるのを待つだけです。
巻き初めの隙間のある部分でこのぐらい
これは漏れてるんじゃない、ちびっただけだ!
ホカホカするのが収まってきたなーってところでパカっと外しましょう。側面をゴムハンでコンコン叩けば外れるはずです。
左の塩ビ管グリスで引っ付けただけの枠でも漏れてないでしょ?
外したらバリの部分や底面の凸凹をざっと平らに均して終了です。カップの口元部分が多少ガリガリになることもあるかと思いますが、濡らして絞った布で優しくこすって軽くRが付くぐらいにしておけばモアベターです。
ひっくり返してポンと外れない場合ですが、側面を掌底でポンポン叩いて、動くのがわかるカタカタいう小さい音が聞こえれば外れています。ゴムハンか掌底で慣性の法則を利用しましょう。
原型を平らに削れて無くて石膏が回り込んでるせいで外れないってのもよくある症状です。しょうがないから外れるまでカッターとかペーパーで丁寧に削り落そう!
とにかく気泡に入り込んだ分か、口元の引っかかってる部分などをぱきっと砕いてでも出てくるまで頑張りましょう。絶対外れるから!
真ん中にコーススレッドねじ込んでプライヤーで引っ張り出すと案外綺麗に外れることもありますよ。
石膏によって膨張率も違うし、型の形状も奥深い場合などは外れにくいので。
動いてない場合は時間をおいて改めてチャレンジしましょう。何日たっても外れない場合はあきらめて石膏板の代わりにでもしましょう。外れないまま埋め殺しになってるのがいくつかうちにもあります(笑
自分はるつぼなんかは90%以上金属原型なんですが、自重があるのでひっくり返せば勝手に外れます。
あとはこの方を使った排泥鋳込みの記事があがるまでどっか隅っこにブン投げておいてください(いつまでなのかは未定)。上手な乾燥の仕方もあるんですが、この程度なら自然乾燥でも特に問題はないはずです。
自分の場合、本当は粘土詰め込んだりタタラ押し付けたりする為の型と鋳込み成形用の型では原型の仕上げ方違ってたりするんですが、そこまで細かくは説明しませんでした。
自分の排泥鋳込み用の原型の作り方ですが、
石膏素材を作り、多くの場合機械加工で成形
あれば気泡を目止め
ラッカーニス(もしくはスプレー)
乾燥
ウレタンニス
乾燥
番手の細かい耐水ペーパーで仕上げ
グリス塗って石膏流し
といった結構手間な手順です。そのうち慣れて来ますから、これだけ知ってればできるとおもいますよ。
また意図的にディスってるカリ石鹸問題ですが、上手くいけば多分よりいいものができるのがカリ石鹸なんです。でもしくじったら石膏がゴミになっちゃうんですよ。少なくとも鋳込みでは。グリスなら鋳込みに支障が出るほどのリスクが少ないと思ってます。
壁や目止めに土を使わないのかあ、と思った方も多いと思います。使いません。曲線の多い割型の場合でもない限り滅多に使いません。割り線の形状に見切り板を作る方が理にかなうことが多いので、使うとしても細かい隙間埋めるだけの部分的仕様。それも幼稚園児みたいな緑色の油粘土かな?
だいたい自分は人形的なものの場合でも、マイクラレベルのめっちゃ大雑把な形の型にして外してから削ったり貼ったりして作りますし。見切りはおろか厚い土の板で枠作ってるのとか見るとウソだろーって思う感じです(笑。確かに荷物は増えないからその意味では良いけどね。
まあ割型編、四角い板枠の場合編もそのうち必ずやります。
2回連続の大河巨編になってしまいましたが、多分ここまでダラダラと石膏の使い方書いたサイトやブログはないんじゃないかな?あったらすいません。ところどころ入る不必要なくだらないネタが水増ししてるだけだったりして?
しかも俺基本的に石膏流しって好きじゃないんですよ。ゴミでるし汚れるし。偉くね?普段は旋盤とかボール盤で平面直角出したりもしてるんですけど、久々に手削りしてみました。結構楽しかったりして。
今日気になって何カ所か仕事の話ついでにカリ石鹸とか石膏型流しのこと聞いてみたんですけど「え、石膏型?型屋さんに頼んでるからなあ。超うまいよ。当たり前だけど」みたいな感じでうちのような超零細じゃない限り石膏型って自作してないのか?修行してたところではみんな自分の仕事の型は自分で作ってたんだけどなあ。カリ石鹸など使わずに(この影響がデカい)
とにかく石膏型の情報ってメチャ少ないのでこんな駄文でも何かの参考になれば幸いです。
また詳しい方、根本的決定的に間違ってる部分があればすぐに直しますので連絡ください。質問もお待ちしてます。
型と方がごっちゃに変換されてメンドクセエなあ
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