2018年4月12日木曜日

土を知っとこう 本焼成後 闇ヤキモノ教習(仮)

 四月になってパチーノの教室も始まったらしく、とってもウキウキしてるみたいです。パチーノが初心者すぎて何のこと言ってるのか俺にはわかんない部分もあるんですが、なかなか明るくて開放的、しかも理性的な教室らしいですよ。老いも若きも先生も仲良いし、協力し合ったり優しくいろいろ教わってるみたいです。よかったね!!チクショウ、なんか面白くねーな!

 私の妄想教室では、このあと「暴力教室-バトルロワイヤル-2018」(架空のタイトルですよ)みたいな話で進めようと思ってたんですが、やる気なくすなあ。
 「危険だって言ったでしょ!」とかヒステリックに叫びながらタタラ作るプレスローラー(プロレスラーじゃないですよ)で手潰したり、ろくろで回ってる土の山に指先突っ込んでグシャグシャにするシーンとか、色味孔覗いてるところにガスのバルブ全開するファイヤーアクションとか用意してたんですけど(コイツ=オレは何をしたいのか?な文章)


 それはさておき
 ようやく「土を知っとこう」シリーズの完結します、

 素焼きしましたよーつってから、もうほとんど一月経ってますね。間延びしちゃってすみません。

 とっくに本焼きも済んで、計測してあるんですが、わかったところでなんかに何の?ってところや、それ普通は測れません、みたいなところ等あり、また、細かい定義や呼称に私自身の認識のあやふやさがあり、明解に説明できず、まとめ切れませんでした。

 とりあえず作陶する上で重要な部分に絞って、知っといたほうがいいことなどをざざっとまとめてみたいと思います。

まずは写真とデータを並べます
土は、近所のホームセンターの陶芸コーナーで5キロ300円ぐらいで売ってた安いやつです。
成形直後
右は切り出し、49.6gの目盛りは100㎜
左は型に詰めたもの、37.5㎜角で27.3g

乾燥体(完全ではないですが)、
左、22.0g、35.4㎜角に
右、37.5g、95.0㎜に
この段階で約5%乾燥収縮し、
重量は水気が飛んだ分20~25%減ってます。ホントかな?多くね?

850℃(100℃/h)キープ無し、窯出し直後
寸法はどちらも変化なし。
重量は、さらに減って、36.0gと20.0gに。

 乾燥収縮後素焼き程度の温度では収縮しないことがわかりました(少なくともこの土は)
 重量の変化は、多分三つの要因
 1、用語的に紛らわしいんですが俗にいう結晶水(詳しい人に聞いてね)のような組成の中に化学的に取り込まれていた水分、水酸基の分とかそんな類含む、とにかくただ自然乾燥させてもなくならない水分が減ったこと。
 2、分解されて揮発、ガスになって飛んでっちゃう分。炭酸化合物が炭酸ガスと酸化物に分解されるとかおもに炭素分だと思います。ほかにも7~800℃までで分解したり飛んでっちゃうのってあるんですが、素地中の出来事として具体的には判断つかないんで割愛したいところ!
 ですがたとえば、石灰石(CaCO3)はメーター読み800℃前後あたりからCO2とCaO(カルシア、酸化カルシウム)に分解されます(目方で半分近く減るはず)みたいな感じで覚えとけば、少なくとも当たらずといえども遠からずじゃないでしょうか?
 3、有機物が燃えた分。まあゴミだけでなく、土なんで燃えるものが結構入ってるってことですね。(ただし残留炭素はもっと高温度でも意外に残ってるものだったりします)


 このように熱がかかった時に分解したり焼け飛んで減る重量のことを強熱減量とか熱灼減量といいます。この用語も相当カッコいいんですけど、もっとカッチョイイ言い方にイグニッション・ロスというのがあってなんとなくジェイソン・ステイサムが大暴れしてくれそうでイイですよね。

 お話ついでに
よく読むと面白くてためになりますよ!!
古い本なので普通に結晶水って書いてありますね

これはある原料のミルシート、分析表です。
このメーカーはIg-lossという表記です。
MAX1.2%まで許容範囲、今回の分析値は0.44%でした。何℃だかわからんけど



ちょっと話がうんちく方向に飛びましたが、本焼成後の測定結果がこちらです。

右が1230℃30分キープ 100㎜の目盛は結局89㎜に、重量変化なし。
左は1260℃30分キープ 平均値33.0㎜角、重量変化なし。

この段階で、収縮率、割り掛けが立てられます。

1、100㎜が89㎜に縮みました。
 100-89÷100×100=収縮率11%
 100÷89=割り掛け1.123

 つまり1230℃で100㎜に焼きあげるためには、作った瞬間の寸法を112㎜にすればよい!

2、37.5㎜角が33.0㎜角になりました
 100-33.0÷37.5×100=収縮率12%
 37.5÷33.0=割り掛け1.136
 
 つまり1260℃で100㎜に焼き上げるには113㎜に作ればよい。

 もちろん毎回毎回ぴったり勘定通りにはいかないもので、特に湿式の可塑性成形はそうです。つまり普通の作陶のほぼほぼ全部なんですが、これを実感として知らなきゃ作りようもないですから、カタログ値は分かっててもやってみるといいですよ。水分量、練りや締めの具合がかなり影響しますよ。粘土屋さんも何%~何%みたいな数%の幅のある表記しますよね。

  このように、各工程ごとに採寸、計測してその収縮の程度を調べておくといいですよ。特に乾燥収縮を把握するのは意外とやってないかもしれません。



 次に何をするかですが、吸水率を測ってみましょう。これも実感として知っといたほうがいいんです。というところですが、思いのほか長くなっちゃったので、そんなつもりもなかったんですが、完結篇のくせに二部構成にして続きは次回にしたいと思います。

 とりあえずテストピースを水没させてお待ちください。

 本当は3時間だったかな?煮沸するんですが、こうやって沈めて一日おけばいいと思いますよ。




問題はこの土の名前をよく覚えてないってことぐらいですかね。

0 件のコメント:

コメントを投稿