カルシアの多孔質るつぼ。
10月は雨がやたら多かったので隙を観てダッシュ!
ウチだけかもしれませんが、ヤキモノでは極めて珍しい、作ったその日に急いで焼成しちゃうという魔材質。詳細はヒ・ミ・ツ
そもそも激しく水和する性質です。焼結体ですので見る見るうちに、なんてことは無く、耐消化性は上がってますが、それでも≪カルシア=CaO=酸化カルシウム≫、ということで密閉保管してください。
一般陶磁器目線でいうと、主に釉薬の材料として石灰石を使うんですが、あれは炭酸カルシウム(CaCO3)。
炉内で強熱を与えられてC(炭素)が、炭酸ガス(多分おなじみのCO2)としてすっ飛びますとCaCO3-CO2=CaOとなるわけですね。
この勘定するからモルとか分子量で考える必要があり、からの~、ゼーゲル計算マジめんどくせ!のコンボが完成するというわけですな。当社比(aka個人の勝手な感想)でいうとゼーゲルめんどくせ問題の大部分はこいつの変身のせいじゃねえかって感じです。
なんで炭酸カルシウムを使うかって言うと、ほぼ水と反応しない(溶けたり、水和崩壊しない)=棚にただ置いておいても変質しない。よく知らないけど天然にはなかなか生石灰(酸化カルシウム)のままでは存在しないんじゃないかな?安定した状態である炭酸カルシウムとして産出する、というあたりが理由かと。
白亜紀の白亜、大理石、日本画で使う胡粉といったあたりもこの炭酸カルシウムです。
生石灰は特に粉末だと空気中に存在するレベルの水分すら吸い取って消石灰を生成します。この性質を利用しているのが最近減ってますけどお菓子等の乾燥材。
せんべいとかの乾燥材に生石灰を使用してるものがいまでもありますが、古くなったり表に出しっぱなしにしておくとパンパンに膨張するんですよね~。
水と反応する際に水和熱、という熱を出すんですが、これが結構危険。火事の原因になります。水かけたせいで火事になるという…。あの乾燥材の中身出して水少しかけるとめちゃ熱になりますよ!あれを利用した駅弁温めギミックがあったような…
最近はシリカゲルビーズにとって替わられてますね~。湿気を奪う能力がどっちが高いのか知りませんけど(多分石灰)、安全だしレンジでチンすりゃ復活するしで勝負ありですね。
オッサンオバサンがいくつからなのかはさておき、昔はグラウンドのラインを引くのに石灰使ってましたよね。あれも細かく言うと消石灰=水酸化カルシウムでした。強塩基の細かい粉が目鼻口に入ってむせるわ痛いわの経験あると思います。
今は刺激の少ない炭酸カルシウム使ってるみたいです。あんなもんでも我々の知らないところで進化してるんですなあ。
まあだらだらくそウンチクを並べましたが、要約すると、
炭酸カルシウム(石灰石)に熱がかかる→酸化カルシウム(生石灰)になる
酸化カルシウムに水がかかる→水酸化カルシウム(消石灰)になるというパターン
これで身の回りの石灰問題は65%は片付くと思います。
つまりグラウンドライン用粉末は気軽に釉薬に利用することができる!ということで締めたいと思います。
なんだそれ!
使うはずの生石灰や石膏が水和しちゃってた!な状態を風邪をひく、と言います。
今私おかしいなと思って測ったら、38度ありました。おやすみなさい
るつぼ、割れてるのもあってプチに鬱!
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