2020年2月3日月曜日

薪ストーブでヤキモノは作れるのか!? 

 結果から先に言うと、できます。
 ほら
土器ドキドキ

 そりゃ、条件はいろいろ厳しいのがたっぷりついてきますよ。何しろストーブだからねえ。

 野焼きのちいせえのレベルですから、下位グレードの土器ならできるかも?ということでトライしました。
 
 まずテストは親指の先ほどの土を平たくお碗型にしたもので。
  
とりあえず光ってる辺に入ってます。 
 キチンと全体が赤熱させられてるんで素焼きレベルは達成できてるはず。

じゃーん。カチカチになってます。

 色味はかなり生っぽいし、焦げが付いたりテカりが出るようなほどにはなってませんが、両手で引き割ろうとしても割れない強さには焼けてます。と、言うことは楽や萩のご立派抹茶碗よりは強いのか?(例によってネタにしてるだけでなんの恨みも憎しみもありませんよ。そもそもサイズが違うっての)

 えー、改めて温度と焼成の関係についてさらりとおさらいしますと・・・
 1250℃で焼きました!というブツがあります。これはブツを1250℃にしました。という意味です。もちろん測ってるのは焼成室の室温、さらに言うと熱電対の先端部分の保護管内の温度ですが、とにかくそういう意味です。これ以上厳密には言いませんが。
 1250℃の火に結構長い間当てました。というだけでは足りません。

 単に火の温度、例えばマッチやライターの火でもフレイム(火の黄色くゆらゆらしてる部分)温度だけでいえば1300とかあるんじゃねえの?と思いますが、それでいくらアブってもお碗をその温度にするまではいかないわけです。

 例えば、縄文土器は野焼きだったりするわけで700℃とか800℃で焼かれました!というような話はよく見聞きすると思いますが、少々デカい焚火をしたところでは鍋だのお碗自体は7~800℃までしか上がりません。という意味です。焚き火のフレイム自体の温度はもっとうんと高いですよ。

 なるたけ熱を逃がさないように、できる限りフレイム温度を利用できるように閉じ込めようと仕切ったのが炉です。葬式のおならと一緒でそれでもやっぱり漏れてきちゃう熱があるんだよね~。俺の工場が夏暑くていられないのはそのせいです。
  ストーブっツウのは、フレイム温度を利用してなるたけ上手に部屋に暖めたいけど煙ったいのはやだなあ~というタームを達成するため上手いこと仕切った設備です(多分)
 見た目似たようなもんですけど、仕切った部屋の中をできるだけ熱くすることが目的なのが炉、本体自体を放熱板にして仕切った部屋の外側を熱くするのがストーブです。まちがってないよね?暖炉とかペチカとかいろいろあるけど今回は薪ストーブの話だからね。
  
 とにかくできなくもなさそうということで、実際にある程度形になってるものを焼成しました(冒頭の写真)
 厳しい条件って何よってことですけど、
 ①部分的に温度が上がってもダメなので、小さい小さい小さいものを選ぶ。 
 ②半日以上ずっと薪をくべていられる暇な人。一番熱そうなところにブツがあるようにファイヤーコントロールをしながらですよ。
 ③クソ寒くて、仮にブツがだめでも行為全部が無駄にならない日。
 という、まともな社会人には難しい条件ですよ。
 
ファイヤー!

 縄文土器はなんで煮炊きに使えるの?というのは私昔っから謎で謎で、かといって詳しく調べようとも思わない程度の興味しかなかったんですが、考えてみました(調べてはいない!!)
 
可能性は二つ(両方かもしれないけど)
A・いっぺん我慢して炊くとか?なにかしら使って目止めをする。これは今でもよく言われますよね。重湯とか。
B・実はそんなに漏れないように作ってる。
 
 で、問題はB。どうやってたんでしょう(調べてはいない!!!)
1、よく磨いて目を締めておく
2、実はテラシジレッタ的なテクを使ってる
3、何か組成的にテクがある
 
 1は須恵器とかの黒色陶器はそうなんじゃないかって気がしますね。実際私も磨くことが多いです。よくスプーンで、とか、ツルツルの石で、とか言いますが、私はスーパーの買い物袋で磨きます。カミサンはストッキング最強!とか言ってますが、男子が手に取るにはあまりにも高い心の壁。
 2これは要は水簸して沈殿もろくにしないような細かーいのを焼く前の器に塗って刷り込む技です。気になる方は調べてみてね。俺は大好きな技法です。これ当時からやってるやつ絶対いたと思います(職人としての直観!ですけど)
 3はたとえば塩水で土を練る、とかすれば乾燥した後出来上がったものの表面に塩がたまりますから、焼成すれば低温度でも反応して多少の被膜を作る可能性が高いですよね。気になった方は濃いめの塩水で字でも描いて素焼きしてみてください。

 今回は、出来合いの、しかし窯からあぶれてた気の毒な子で実験してみただけなので、とりあえず今から可能な3番。中に100斤の重曹を入れて焼成してみました。たまたま余ってたんでね。塩はガスやばそうだしあんまりやりたくねえなと。

 じゃーんお見事!
冒頭の小壜を割ったものの見込みです。


なんかうまいことやればこれはこれで面白そうじゃない?

もちろんおすすめはしません。


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