2023年8月18日金曜日

卯年の浜通り双葉郡

 恒例の、といっても個人的な話ですが、盆中にまた浜通りを流してきた。楢葉から南相馬まで。景色の写真少ないですが、興味のある方はぜひ出かけて目で見てください。

  

 双葉郡は父親の故郷でまたここで暮らしてる親戚がいて、もう住んでない親戚もいて。この土地は俺のことなんか必要として無いけど、俺はここの海や山や町が必要。自分のとっての「イナカ」がココ。



 知ってる港の景色じゃなくなってたのは確か、元の港がどうだったかはもうよく覚えていない。空のペットボトルもお菓子の包み紙もなに一つ浮かんでいないきれいな海面で、それが逆に気に入らなかった。





 海沿いを走る線路の駅は、そりゃ当然海沿いなわけで。商店街ごと駅舎もなくなって、今は多少場所が変わった駅だけがある。建物はすべて新しくて、古いものが一切ない。

 国道まで出るといくらかはあるけど、ほとんどはここ12年ほど息をしてない大型店舗。

 


 自然はときたま、あるいはしょっちゅう、どこか一帯の生態系や何かを地表ごといっぺんにシャッフルして、改めて新規更新、フレッシュな域を自ずから作る。古くなったせいか、傷の治癒か。どっちにしろ、大体の場合、人間にとってはあんまり具合のいいことではないけど。

  

 津波の被害は太平洋沿岸一帯とてつもない規模だったけど、双葉郡は「オマケ」がついたことで事情はまたややこしい。港の写真には「爆発しなかったほう」が写っています。


 富岡には「東京電力廃炉資料館」というのがあります。専門知識も高いガイドさんの丁寧な解説付きで、意外なほど自己弁護感がなく、シクジリの原因分析や科学的解説も客観性が高いように見える。まあ「現東電」としては無罪を主張し続ける元首脳のジジイ共に感情的悪意をすべて向けさせる作戦かも知れないけど。

 そんなに反省してるんならとりあえず値上げしてんじゃねーよとか、待合室の展示が「今はもうへっちゃらです的放射線情報」だけでガイドツアースター時までにこちらの感覚を恣意的に操る戦法臭い、と感じたり、好き嫌いはさておいて非常に行く価値の高い展示内容。安心するにも懐疑を続けるにも無定見ではいけません。ただし、良心からくる感情的にその存在を美と見るか醜とみるかは結構有力な判断基準でもありますが。

 





 

 以下はヤキモノ屋的興味。

まずは浪江の大堀相馬焼。



 相馬焼には二種類あって、相馬市のは殿様向け、浪江の大堀は下々向け。

 詳しく解説しないので良く知らない方は是非ググって!民窯としてはかなりスタイルのオリジナリティが高いです。知ってればすぐそれとわかるってのは凄い!

 どんどん復活してるのでぜひ!!

 欠点は見かけほど容積が無かったり、とか。しょうがないけど。


 もう一つは半分冗談で素材がらみ。




 土木、建築、農林業クラスの消費量でないと意味なんかなさそうだけど、トン袋を一袋貰ってみたい気がした。いちヤキモノ屋の自己満の手慰みでも50mプールから取ったスポイト一滴分ぐらいの消費にはなるかもしれないし、不謹慎かもしれない職業柄好奇心がある。

 子供たちが独立して年寄りだけになってからの楽しみにしようと思います。何年先かわからないけど、多分まだ余ってるに違いないし。




 

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