セラミック業界はなにかと名称があやふやな場合があるのですが、
この両者はよく混同されがちです
伝統陶磁器の場合は釉を白くする添加物の材料名として、
またファインの製品をお選びいただく場合もごっちゃになってる方が結構おられます。
るつぼや耐火物のお客様の場合、
ジルコニアのことを略して?ジルコンって言っちゃうパターンが多いかと思いますが
ジルコンのことをジルコニアの略称だと思って逆にジルコンなのにジルコニアって言ってることもありました。区別せずに無意識に同じものに対して両方の名称を使ってる場合もありました。
この辺は老舗の金属屋さんに多い気がします。会社方言(って言葉があるとすれば)その場合も結構ありますね。
伝統陶磁器に釉薬原料としては、基本的にジルコンしか使わないと思うんですが、ジルコニア添加、あるいはジルコニウム添加、みたいな言い方や書き方を見聞きします。
まあ後者は「銅」、とか「鉄」、と同じでいちいち「酸化」ってつけないだけではありますね。
珪酸ジルコンっていういい方も非常に多く耳にします。この場合は混乱はないです。
ジルコンとジルコニアは似てますが別物です
ブライアンアダムスとライアンアダムスほどは違わないんですけど
ボンジョビ(バンド名)とジョンボンジョビ(おっさん個人の名前)ぐらいの違いは確実にあります
とりあえず整理しまーす
字面上はこんな感じ・・・
ジルコニウム 金属 Zr
ジルコニア 酸化物 酸化ジルコニウム ZrO2
ジルコン 酸化物 珪酸ジルコニウム ZrSiO4 もしくは ZrO2-SiO2
ジルコニアはジルコニウム酸化物のみですが、ジルコンはシリカとジルコニアが混じり合ったものです(実際はジルコニア自体には兄弟酸化物?のハフニア(酸化ハフニウム)が結構入ってますし、製品にはイットリア等の安定化材が数モル入ってるんですがこの辺は無視します。)
お客様でどっちかわかんない場合、多孔質なら写真を見せて頂ければだいたい判別できますし、磁器の場合は実物を見せてもらえるか、嵩比重を測れば区別できると思います。
釉薬の研究で、ジルコニアとジルコンを置き換える場合シリカ分を差し引くなり別に加えてみてください。私の経験ではジルコニア単味で加えるメリットは感じませんでした。ジルコンで入れる方がいいです。ジルコニア単味で入れると溶けきれないツブツブが現れたり、ピンホールが出やすい気がします(SKの低い番手の場合特に)。ジルコンフラワーとジルコニア微粉末では値段も全然違いますしね
0 件のコメント:
コメントを投稿