有害有毒な何かが溶けて染み出してるので使うのは(程度は知らないけど)不健康なのではないか?系のことです。
このなかなかにアンタッチャブル視される問題に専門家や同業者の冷ややかな視線を覚悟で体当たり!(体当たりっつても俺の濡れ場もヌードもありません。簡単な意見陳述です)
県の工業技術センターや産地にしかないかもしれないですがより専門的な窯業試験場等で有料で試験はできます。「食品衛生法に基づく溶出試験(鉛とカドミウム)」だけでなく蛍光X線とか原子吸光分光での定性定量分析もそんなに高く無い値段(高くても5千円ぐらいだと思う。場所によります)でできます。これは安いよ!民間じゃ話にならない値段だと思う。それに、ああいうところの職員の方は親切に対応してくれますし、茨城の場合でいうと検査官専任じゃなくてその正体は窯業指導所の先生もやってるロクロとか釉薬の達人だったりして二度びっくりみたいな。釉薬試験やったこと実はないんですけど今度話のタネに試験してこようかな。
ただ問題があって、結局は試験片の結果であって製品すべてではない。知り合いの研究者の方も言ってましたが釉薬なんて毎回毎回全部調べねえと多分本当はわかんないよ!とのこと。研究者的ミクロな目で見れば常に完全なバランスの均一な釉薬なんて無理だろうし、ちょっとした何かの酸化物のあるなしで簡単にバランスは崩れて鉛が溶出、なんてことは普通だそうです。(危なっかしい記述だったので追記:普通に作家モノやウツワ屋に並んでる器がちょいちょいそうだってことではないですよ。その研究者の方は別に釉薬の専門家ではないです、が、鉛酸化物を含む化合物や固溶体にはある話なので釉薬内でも一緒であろう、という意味です。安全に対する設定ラインによっては低温釉薬はとくに難しいかもね。神経質なら信頼できるメーカー製をいじくらないで使うことをお勧めします。)
わんさと作った全数検査してたら金はなくなるわ、売り物はなくなるわで何やったかわかんない、なんてことになります。
食品衛生法なんてたしか鉛とカドミウムの検査だけなのかな? ま、とにかく現行いろいろ不十分だったり不備があるとも言えますよね。だから騒ぐ人は騒ぐ。
やったことない俺が自分のこと棚に上げて言うのもなんですが、「検査はやったほうがイイに決まっている。が、すべてではないし、いろいろ現実もある」
実は今現在は規制なんてないに等しいともいえるわけです。だがこれはヤキモノを作る側から見ればうれしいことで、すなわち使える手筋が多い!ってことでもありますよね。
仮に法規制などでがんじがらめになればコレとコレをこう言う風にしか使っちゃいけません!なんてことにも為りかねず、そうなれば個性だのオリジナリティだの表現の幅だのの範囲がどうしても狭まってしまい、ありていに言えばつまらなくなっちゃうよね。自分で自分を規制するのはやりたいようにやればいいけど、放射性原料やとんでもない猛毒ならともかく他人、特に国だの法律だのから言われて強制されてるようじゃあディストピアですよ!(やきものディストピア問題に関してはそのうちシリーズ化する予定!)
幸いまだそうなってはいないわけで、今現在自分で手に入れられる材料でなら俺の好きなように作りたい!
とはいえ危険や危険の可能性を知りながら無言野放しなのは無責任。
これを解決する「たったひとつ(かどうか知らんけど)の冴えたやりかた」は、もう
自分から悪びれず正直に発表する
ということだと思います。
たとえば、
「釉薬に酸化銅と二珪酸鉛を使った低火度釉薬です。鉛成分の溶出の恐れがあり食器として使用する際には十分ご注意ください、あるいは用いないでください」
もっと言えば
「黒いキラキラした釉薬部分は見せ場ですが、二酸化マンガンが50%調合されています。(食器として、以下略)」
とか、
「この織部釉には酸化銅(コバルトでもトリカブトでもなんでもいい)が約5%調合されています。食器としての使用にさしつかえないように万全を期して製作し、後処理も十分に行っていますが、気になる方はご使用をお控えください」
でもいい。
堂々と内容まで宣言して堂々と売ったりあげたりすればいいと思います。食器屋が置いてくれないとか、買う人は減るかもしれませんが、実際そういう風に説明してくれたりPOPを立ててわかるようにしたりしてる作家の方もチラホラ見かけますよ。誠実な態度だと思います。
まあ判断を使う側に預けたずるいやりかたともいえますけど、やりたい製作ができるし、告知もきちんとする。これが現状維持するためのベストではないでしょうか?
彼ら彼女らの行為は、俺がたまーにネタとして言ってる「予防線の時代」だからですよ!というわけではなく、それが当然!という気持ちから出てるんだと思います。
俺も直接説明はしてましたが、それだけじゃあまだ不足だと思いましたよ。若い賢そうな人に多いけど君らはエライ!
注意喚起の文章をいちいち附すのが一番だとは思いますが、基準や境目をある程度決めて映画のレーティングみたいな感じでもいいと思います。
R18+ 18歳以上のみ!
R15+ 15歳以上のみ!
みたいなやつです。PG12とか13とかあるでしょ?
全年齢で楽しく視聴可!は「G」ですね
意外にも007はシリーズ全部Gです。人を殺しては不謹慎なジョークを投げつけたり、あんなにあっちでイチャイチャこっちでイチャイチャ、それもほぼ出会った次の瞬間ですよ。フケツだわ!!(人体欠損描写とか血がドバドバとかオッパイもろだしとかはないけれどもさあ・・・映倫グッジョブ!)
自分なりの基準を決めて、鉛系化合物を使ってたらレベルいくつ、銅やコバルトはレベルいくつみたいなのでもいいし、「食器に使わないで下さい」と「ご注意ください」、「絶対ダメ」とかでもいいと思います。
もちろん「有害な溶出物が懸念される材料は使用しておりませんので安心して梅干だろうが入れっぱなしにしてください」も(ほんとかどうかは知らんけど)大アリ!
オリジナルの髑髏マークの窯印やアラートのサインでも入れとけばワンピースの海賊団それぞれの旗みたいで識別もできてカッコいいかも。
俺も今現在どういう基準で分けるか3パターンぐらい、仮に「大丈夫」「注意(判断を使用者にゆだねる?)」「やめてください」で、その理由?や成分を簡単に記したもの(使用原料中の重金属酸化物等)を付けるべきかなーと整え中です。
俺みたいな規制アレルギー患者にしてみれば、製作者個々人のルールがそれぞれあったほうがいいし、その決め方や基準自体がほかの人にも勉強になったり参考になると思いますよ。できれば聞かれたら何使ってるか秘密にしないで言っちゃってもいいよね。細かい調合まで言うこともないし、たとえマネしても同じにならないしね。どうせ買ってきた土と買ってきた釉薬でも同じようにはなかなかいかないんだから。
多分、なにもわからないより「こいつは信用できる」とは思われると思います。
これは、めんどくさいしいいかっこしいの話かもしれないですけど、要はね
コンドーさん理論に近い。と思ってます(そんな理論はない)
ある程度の年になると親や周りの大人から「ヒニンはしとけよヒニンは」といわれたと思います。
自己の自由と快楽を得る、が、最低最悪かもしれない被害を他人にかける危険を下げる。わけです
こんな意見はどうでしょう?
で、なんで馬の骨の海賊ヤキモノ屋ごときがこんなエラそうに厚かましいことを言ってるかというと、多少将来に対して危機感があるからなんですよね。
それについてはまたそのうちやきものディストピアとして書きます。
安全性シリーズは補足補足と(細く細くと掛かってる)書き続けますよ。
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