ヤキモノに無理やりからめておすすめ映画紹介してよ!なんてソウルメイトに頼まれたんですが、細かいそこまで有名でないかもしれないレベルの品を今思い出してベラベラ語るのはちょっとまとめれないんで、じっくりやるのは後日宿題とさせてください。
今回はパッと思いついてやれる程度の基本編、お盆でもなければなかなか改めて見る時間もないようなみんな知ってる大作物を中心に、劇中映るヤキモノ(主に食事シーンの食器かな)がスジものにはタマラン!というのを。
先に、「当然製作者サイドがそこまで意識している」とした場合、そのヤキモノ(だから主に食器)がどういう意味を表しているのかな?というところを考えてみます。
順不同、それぞれ絡み合いますが、
1・特に経済的な生活レベル、身分、階級
2・その持ち主個人の趣味嗜好
3・その時代その地域の人々の文化や伝統といった生活様式
4・監督(か美術さんかよく知らんけど)の趣味嗜好(のみせびらかし)
5・スポンサーとかの大人の事情?もありそうだよね
といったあたりかと・・・
4と5は、ポップな映画だと見どころになったりしますけど作劇的な意味は無いっすね。多分。
まあ、細かいこと考えずに、この映画で見た食器印象的でした~とパパッと思い出せるうちから、俺個人が一番興味ある3番「地域の伝統陶っぽさ」の要素(ほんとうかどうかは調べる気もないし知らんけど)のうちから二つ。
まず『荒野の七人』
舞台は開拓時代のメキシコですね。超面白い映画ですよ!
もしかすると「どうせ『七人の侍』のリメイクでしょ?」とか思って観てない人がいたら本当にもったいないです。これまた長いけどお盆休みの暑気払いにはうってつけですぜ!
『七人の侍』の方が上だと俺も思ってるのは間違いないんですが、黒沢明の嫌な部分だなあとみんなが思ってるとおもわれる「悪人(犯罪者)の人権を徹底的に無視!」みたいな側面が見事に補強されてます。つまり、盗賊側にも「やむにやまれぬ事情はあるのだ!」と人間的な盗賊団が描かれてるので人間ドラマ的な力は上と感じます、こっちのが。さすが巨匠ジョン・スタージェス。
他にもアベンジャーズよりメンツがスゲエとか、宮口精二とジェームズコバーン顔似すぎ!とか、ブロンソンいつも力仕事してんなあとか、ボンクラ目線でも見どころたっぷり。
超有名作なんで内容は無視してヤキモノ目線。
最近ショッピングモールで出くわす「ラテンアメリカ系民族雑貨屋(チチカカとか)で見るようなアレの本物(推定)」がドバドバでます!
敵も味方もおんなじような(というか多分おんなじ)食器で食事してんですけど、そこは小物を使いまわしたんじゃねえの?という大人の事情を鑑みつつ、どっちも貧乏な庶民である=おんなじような悲惨な境遇のもの同士でこんなことになってる…。という記号だと解釈して大目に見てあげましょう。
多分土器に毛が生えたような焼成温度のこれまた多分鉛釉の安物食器ではあろうと想像します。民芸、と言うと違う意味合いがついてしまうので、土地の伝統的な庶民の雑器という意味で「フォークポッタリー」とここでは仮に呼びますが、そんな感じ(返す返す時代考証的に正確かどうかはしりませんよ!)
ではそんな食器群をご覧ください!
とりあえずマックのアップから
右下のマグカップに注目
高台なし、切りっぱなしのベタ底
おそらく見込みと口元周りのみ施釉
ロバートヴォーンもカッコいいけど、背景の土器壷や水差し等に注目!しびれますな!
ロバート・ヴォーンの役柄も『七人の侍』にはない要素で映画に深さが出てると思います。
多分直火OKでしょ、これ。取り皿もプリミティブな魅力あり!
この水差しなんかもド正統だよね~
右端はスピーク・ラーク!
土鍋土鍋!スピーク・ラーク!
ヤキモノ屋としてぜひ見たかった角度のカットも見つけました(笑
ヒッコキの取っ手なのか、短冊をシッピいた取っ手なのかは確認しきれませんでした(笑)、多分ヒッコキ
違う街には呉須のカップもあるぜ!
シーンは久蔵登場シーンと一緒で腕自慢が吹っかけてくるあれ
これ以上はご自分でどうぞ!
食器なんざは気にしないで、最高に楽しい痛快娯楽西部劇(もうなかなか無い!)にどっぷり浸ってください!
お次は、このHPでは何回も引き合いに出してる『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ(ホビット三部作含む)
先日WOWWOWで一日中やってたので一日中見る、という何回目かの廃人修行を無事こなしました!
こちらはもう、セントアイブス系(そんな系あるのか?)でおなじみのイギリス伝統「フォークポッタリー」(と少なくとも俺は勝手に思ってる)のアレです。
近所で言えば、益子や笠間の伝統型(というかあれって世界のハマショー以降なんですかね?)っぽいような、トンカツ屋っぽいような、といってわかってくれるかどうか知りませんが、なんとなくそんな感じ(益子、笠間の部分にはお近くの伝統陶器の古臭いスタイルのものを代入してください)と無知な頭では勝手にとらえています。
改めて言いますが、調べたり詳しかったりはしません(無責任)
この映画は架空の種族ばっかり出てくる魔法ファンタジーなので格差も民族差も言ったところで仕方ないんですが、キッチリ食器に現れています。
何も言いませんので安酒場のシーンをどうぞ。たぶん間違ってるだろうノーガキは過去記事を検索してみてください(笑
出ました英国型タンカード!
やっと証拠シーンを提示できました
男らしいサムの飲みっぷり、その視線の先には・・・
これからプロポーズする相手!君たち顔もよく似てんな!
俺たちは彼女ではなく食器を見ましょう。
しかし飯屋のウエイトレスと仲良くなる、というのは男の夢なのだな
これはビルボ(ちっと裕福で美的にこだわりある)の家の食器。
観ればわかりますが手作りロクロモノのちょっといい奴です。
ウワサ通りホビット族の技術の高さがうかがえます!!
エルロンド(エルフの殿さま?)の家は全然また違います。
観た感じ金彩の磁器のものも多かったようですよ。あと金持ちそうな金属器や妙にこりまくった皿など。こういうの確認してしまうのも好きです。
リアルかどうかは大事ですが、そこまで気にしてはいず、なるほど!と勝手に早合点して楽しんでいます。
リアルでもこういう食事シーンではヤキモノ的楽しみは半減しちゃうんで。
韓国映画『いつか家族に』より
ああ、こうなると食器より美人の方が問題ですよ!
ヤキモノ云々関係なしになっちゃいますが、韓国映画の場合、このお二人(のどっちかが)が出てる映画はまず間違いないですのでお勧め。ハ・ジョンウとチョ・ジヌンさん。この映画もいい映画です。
ほか、意外にヤキモノ的見どころがあるぞ!と言えばカンフー映画がありますね。
連綿と続く黄飛鴻もの(ワンチャイシリーズとか)、最近流行のイップマンもののような時代物がかった正統派カンフー映画だと、武館のメッカかつ中国を代表する窯業産地である「仏山」(あるいはそれ風の都市)が舞台設定されることも多いので、背丈ほどもあるようなでっかい青花や総上絵の壷をガシャンガシャン割りながらのバトルがタマランですし(大体スローで破片が飛び散ります、笑)、ジャッキー映画だと逆に反撃しながらもお宝を壊さないように支えたりして頑張る(でもほっとした後倒れる、とか)というコミカルファイトの最高峰が楽しめます。
ドニー・イエンのイップマンシリーズは映画の出来も素晴らしいし今度また続編が出るのかな?みたいなので、まだ観てない人が地球上にいるとは思えないんですが、気になった方は改めて通しで是非!必ずマックス・チャン主演のスピンオフも観ること!!
どうでもいいけどマックス・チャンは○○拳うんぬんよりマックス・チャン拳みたいのありますよね。超好き。
また、個人的に好きな設定に「ワイナリー、あるいは、ブドウ園もの」という今作った誰も気にしてなさそうなジャンルがあります。
日本の場合だと、
都会に出てIT企業だったり証券会社とかでカネ転がししてる(多少疲れてるかも?)な息子(娘も可)が、心ならずも実家の農家や漁師を継ぐ、そして自然とともに人間らしさを取り戻してゆくみたいなのあるじゃないですか?
あれのヨーロッパバージョンはなんか知らんけどブドウ農家なんですよ(勝手な決めつけ)。地元じゃちっとは知られたご自慢のワインなんか作ってんだよね、大体。
で、オヤジが倒れてスゲエ車で帰ってくるんですよ。畑もワイナリーも売っちゃえ!ってつもりだったんだけど隣の幼馴染(なぜか思った通り美人)とか使用人の土づくりの名手(元親友)だったりとの再交流や、もうお前は都会もんだよ土にまみれるなんてできないだろう!オヤジさんとは違う!と周囲に舐められたり、倉庫の隅で子供の頃の思い出の品を見つけて、人間らしさを取り戻してゆく(笑)
一年目のワインはまずくてぶーっと吹き出すのがお約束ですな。
この手の映画はなぜか、名監督の小作品に多い(俺のイメージ)んですが、できのいいのが多いです(ただし都会ディスイデオロギーを前面にだすタイプのは説教くさいしベタで一方的なことも)
で、ヨーロッパの田舎のそれなりにでかい農家の食卓、というのが、ご当地陶器の高級品と思われる品がデカいテーブルにズラズラ並んで最高です。洋食器、といった時にイメージするキンキラおセレブ磁器ではないんですよね。ぼってりした感じの厚手の土もので、詳しくないんですがマジョリカタイプというか、そういう感じ。サイゼリアの食器のもっと職人が作ったやつ。みたいな。
ヨーロッパ作品、しかも文芸タイプが多いので俳優もイマイチ知らない人が多いし、おすすめタイトルを一個も思い出せないんですが、
リドリー・スコット監督、ラッセル・クロウ(笑)主演の
『プロヴァンスの贈り物』(今タイトル調べた)をとりあえずおすすめしておきます!!
さすが美術のコマゴマまで口うるさいと評判の監督。食器だけじゃなくて写ってるものすべて気持ちいいし、マリオン・コティヤールとか顔知ってる役者が多いので見やすいしで、何より面白い映画ですよ。
ラッセル・クロウ(笑)が一人も殺さないってのも珍しいんじゃね?
とりあえずこんな感じ!!
ご無沙汰しております。Limeです。
返信削除映画の中に出てくる焼き物! 気が付きませんでしたまさに・・・目からウロコですね。
アクション映画の銃などには、たまにリプレイして確認することありましたが、焼き物は眼中になかった、今更ながらこんな面白いことを知ってしまい、後悔と映画自体にのめりこめなくなるような感じがして面白いです。
ありがとうございます・・・おうち時間が充実してきて、昨年までの新幹線のお盆の乗車率くらいの%で映画が楽しめそうですね・・・笑
単なる職業病な上に、何の検証も確証もないまま一方的に思い込んで言ってるだけなので、鵜呑みにしないでください(笑
削除日本映画だと、是枝監督の「そして父になる」で金持ちと貧乏の差が端的に食器の違いにも出てます。
あと名前いちいちあげませんが、「スローなライフでアタシステキ」っぽいよきこと(とそいつらが思ってる)を厚かましく押し付けてくる系の作品(糞タルイ女性作家や監督が多い)には、それっぽい作家モノ食器が良く使われます。もちろん経済感覚というか、生活感のリアリティは低いっす。ニュータイプのトレンディドラマと言えそう(笑、いや、金持ち生活を俺がしらんだけか…