アルミナ緻密質のセッター。
るつぼ、と、セッターの違いですが、「定義」のようなものは無いんじゃないかな?正直、よく分かりません。
熱処理用の容器、という点では同じですが、中身を反応なり溶解させるなりして液体、もしくはそれに準ずるようなドロドロ状態にさせるような使い方はるつぼでは日常的ですが、セッターではそんな使い方しない気がしますね。
大雑把に、そのような感覚でとらえていただければいいかと思います。まあ厳密に考える必要はないよね~。多分。
ユーザーの皆様の呼びならわしにこっちも準じますよ!
結構デカいんすよ、これ。
煆焼(いろんな字と意味があるっポイ)でもカ焼(カは片仮名のカ)でもいいんですが、とりあえず「カショウ」という言葉があります。
現場では「カリヤキ(たぶん仮焼き)」という言い方もしょっちゅうしますので、若いころは勝手に「カショウ」も「仮焼」かと思ってたんだけど「煆焼」です。
「素焼き」のことも「カリヤキ」と言ったりするんでゴッチャになりがち。面と向かって話せばまあ間違わないんですが、こういう一方通行の発信モドキでは自分にできる限り正確に?というか意味がなるたけ狭い、ボンヤリしない用語を使うように心がけてます。言葉超大事。
で、その煆焼。
他の業界はいざ知らず、ヤキモノ、セラミックスでいえば、原料粉末を加熱することで化学反応を起こさせて、分解する成分や遊離成分を揮発せしめて得たい特性を得るために行います。
カショウのこまごまとした内容は、ご要望あれば気が向いたときにでも「煆焼特集」として駄文を連ねてもいいんですが、もしそんな要望があるとすると同業者臭いから気が向かないかもな~。俺も他所の煆焼テク超知りたいし(笑い。
ここから先は、個人的な経験とかイメージです。そんなことないよ!とか、こうするといいよ!とか、おれもおれも!とか、反論やアドバイス、傷のなめ合い等、当事者、識者からのご意見ご経験をぜひぜひ伺いたい!!
で、その煆焼したい原料粉末は(るつぼでもいいけど)セッターに入れて焼成(加熱処理)するわけです。
高純度の原料の場合、セッターからのコンタミを抑えたいのでどうしても緻密質を使いたくなるんですが、
緻密質のセッターって割れやすくないですか?
注!!細粒粉末を充填した場合です!!
特にセッターなんてのはアルミナの場合がほとんどですが、
1・微粉末ではなくサラサラするような細粒のものを
2・容積もったいないしとタップリ入れた
なんて場合、割れ発動率100%(個人の感想です)な気がします。四角いセッターの割れやすさはもちろん、今回紹介したような丸型でも次々割れます。何しろ100%ですから(個人の勝手な意見です)。相当ゆっくり昇降温してもバッチリ割れます。
緻密のセッターよ!お前はサミュエル・L・ジャクソンか!(『ミスター・ガラス』とかシャマラン映画を参照のこと)
微粉末、特にフッワフワの超微粉の場合、いくらかましなような気がしますが、やっぱり割れやすいですよ。
理屈は、ちょっと考えれば中身の溜め込む熱の問題、つまりセッター内外の熱の差によるサーマルショックなんじゃねえのかなあ~とはアッサリ思いつきますが・・・
サイズは大きければ大きいほど割れやすいってのはこれまた簡単に想像つきますが、結構小さいもの、例えば50~60Φぐらいのアルミナ緻密質のるつぼ(つまり丸いコップ型)でも、アルミナの60番とか200番ぐらいの細粒粉末を満たして焼成すると、やっぱし一発で割れます。
なんてわけで、自分は原料粉末の煆焼は必ず多孔質のセッターを使っています。多孔質ならなかなか割れませんし、割れたとしてもぱっきりバラバラで大事な原料ダダこぼれ、なんてことにはなりにくい。
緻密のセッターを使うしかない場合は、かなり気を付けています。
1・なるたけ小さいセッターを使う
2・試料は容積の三分の一以下ぐらい、少なきゃ少ないほうがいい
3・条件次第では多孔質の外るつぼを使う、出来れば外るつぼとの隙間にアルミナ粉末等を充填して使う。
と、言ったあたり。煆焼したい粉末の値段、レアリティ等、大事さ加減で厳重に行ってください。
と、言うのが私個人の見解(本当に偏見かも知れません)なのですが、強く言っておきたいのは
「俺の作ったセッターだけが割れてるわけじゃない!!」
ということ、全国津々浦々の研究室に必ずあるあのメーカーのもこのメーカーのも私は割ってきました!!
原料粉末の煆焼に緻密質のセッターを使う場合、重々気を付けてください!
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じゃなくて、
研究者、学生さん等セッターユーザーの皆様、ご同業のお友達(広沢虎造的な意味で)の皆さん、コッソリとでいいんで、ご意見お願いします。