実際に排泥鋳込みで何か作ってみましょうか。ぜひ真似してみてください。ということで始めます。
対象は鋳込みでモノを作ることに興味が強い方です。
粘土と情熱さえあれば何とか形になるという成形方法ではないので、ハードルはそれなりに厳しいです。
ロクロで言う構想~坏土調整~成形~仕上げの工程にあたる分だけ抜き出して、流れをざっと箇条書きしてみます。
①作りたいものを決める。
②鋳込み型、原型の設計を決める。
③設計に基づいて原型を作る。
④石膏で鋳込み型を作り、乾燥させる。
⑤適した鋳込み泥漿を作る。
⑥排泥鋳込みする~離型~バリ、鋳込み口等切り落としたり整える。(ここが狭義の成形)
⑦アッセンブルしたり加飾したりして焼成できるように仕上げる。
以上です。
この後、焼成するわけですが、お好みで素焼き~施釉などしてもよいです。一応焼き上げるまでやる予定です。
よかったですね、誰でも彼でも一様な品物が作れそうです。
今後シリーズ記事中、できるだけ丁寧に説明しますが、どうしても「それなりにハードルが高い」部分があります。
②と③の工程がそれなんですが、②に関しては今回のものに関してはおススメの設計を記しますので参考にしてください。
鋳込みで一番の問題は③
最低限、使える原型を作る工作能力のない方は、鋳込みで好きなものを作ることはまずできません。
鋳込みの面白さの神髄は、粘土がグネグネする感覚的面白さとは別で、設計とその遂行力の高さに自分で自分に勝手にシビレる、という所にあります(個人の感想です)
いじくってるうちに何となく好きな形になったり、数つくればたま~にいい形ができるなんてことは絶対に無いです。
一回性こそゲイ芸として至高!とか、鋳込みなんてど素人でも同じものポンポン作れるんでしょ?ツマンネ!なんて思ってる方はそもそもこんなクソ文章を読んでないでしょうからいいんです。
でも大変申し訳ないんですがどんなに鋳込みに興味があっても、コテやヘラを一回も自分で作ったことがない、とか、鋸もネジ回しも家に無い、とか、立体の各部寸法が取れない、なんて方は結構厳しいかもしれません。
エラソーに繰り返しますが、鋳込みは、基礎的な設計、工作技能のない方は自分で完遂できません。ロクロ成形とはそこが違います。
情熱と時間だけあっても無理、技術及び技能が必要です。
もちろん、金があって図面が引ける方であれば型屋さんにお願いして作ってもらうことができますので、そっちのがいいです(特にプロはこれが多い。単純形状のものばっかり作ってる自分も工作技術の及ばない場合は金属加工屋さんにお願いしています。しかもしょっちゅう)
と、イヤミを言いまくって脅かしましたが、今回の題材は「ロクロでモノをそれなりに作ることができる人は全部自分でチャレンジ可能」な設計内容ですので安心してください。
では、何を試しに作るのか。
①入門的には比較的型の設計+工作力的難易度が低い
②入門的にはロクロでも同じようなものを作れると工程も出来上がりも色々比較しやすい。(回転対象形)
③100人いたら最低97人は絶対作りたくなっちゃうようなカッチョイイ何か
+できれば単なる置物じゃなくて用をなすものがいいなあ
という三大ターム+1を勘案した結果…
冒頭の画像からも、もうお分かりですね。
「ジェミニ宇宙船」型の一輪挿し、に決めました。
言ってみれば単なる逆円錐型の袋もん?なんでロクロで作ればいいわけなんですが(水引きも気持ちいい形状だしね)、こういうのは鋳込み入門、鋳込みの力の実感にもってこいなんですよ。
せっかく鋳込みで作るんだから、多少ギミックを盛り込んで設計してみたんで、それは次回以降に。
では「多少ハードルの高い鋳込み入門」の宇宙にアストロノートのように飛び出してみましょう!
(まだ型作っただけで成形まですら行ってないけど最後までがんばりますよ)
とかいいつつ、仕事が忙しくてこんなん立ち消えになるほうが実は嬉しいのでるつぼの注文はどしどし受け付けてます!!ユーザーの皆様、よろしくお願いします!!
あとね、もともと好きなんだよね、こういう形。今回気が付きました。
その辺に転がってるの、こんなンばっかりやんけ!!
もっと言うと、普通の口広がりの器をうつ伏せ(さかさま)にした形が好きなんです。
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