2018年6月22日金曜日

いおん

 一人で仕事をしているんですが、予期せぬ異音が聞こえることがあります(予期できたら異音じゃないか)、まあ別に仕事してなくてもありますけどね。
 耳なじみのあるのは、ピーンピーンとどっかで釉に貫入してる音。ミシとかパキとか柱が割れたか軋んだりする音もありますね。カサカサいうのは虫かネズミかな。グシャグシャの書類がずれた音。鳥だか近所の猫だかが工場の周りで遊んでる音。この辺は正解じゃない場合もあるとしてまあいいんですよね。
ピンピン常習犯

 よくわかんない異音が怖いです(よくわかったら異音じゃないか)
 これが運転中の窯の方から聞こえたような気がした時は特に怖い。
 ボンッとかパコンとか破裂したような音は、やばい。経験上破裂は昇温時、比較的低温のあぶり段階で起こります。300°400℃ぐらいまで。もしかして逝ったか? 大きくて肉の厚いものが破裂します。くっそーあれでも乾燥足りんかったか?あげるの速くないはずだけどなあ~。過去に3回ぐらいあります。

 ゴトリとなにか重たいモノが崩れたっポイ音もやばい。棚倒れたのか?るつぼひっくり返ったのかな?なんで? もちろん実際、崩落事故!なんてことは過去に三回ぐらいですが・・・
 
 降温中はピキーンといういかにも《今何かが割れました!》的な音も怖い。
 もし本焼成後にパックリ割れて出てきたら切り口、特に角を見てください。冷め割れなのか、昇温中なのか(潜在的に割れてたとかも)がわかります。

 今朝、理由は言いませんが結構寝ぼけた状態で仕事を始めて変な音が窯からしたような気がしました。異音、怖っ!!デカくて重たいモノ(特注の炉材)が入ってるし!温度的にはキープ終わって窯切れたあと。タイミング的に理由はなんだろうか?周りの異常はないしやっぱり窯内なのかな?不明。

 とにかく取り出せるまで窯の温度が下がる明日にならないと、中がどうなってるのかわかりません。この間できることといえば、
 1、何もないであろうと普通に仕事する。
 2、壊れてる場合を想定して、製品の作り足しをしておく。
   場合によってはヒータの発注までか?明日土日だし。
 この状態は窯屋にはしょっちゅうある話で、「シュレーディンガーの皿」といわれています。まあだからと言って自分の場合は、型と原料の準備を確認しておくだけなんですが。
 
 
 土日のどっちかで小学生の娘の用事でつくばイオンに行くんですが、仕事はやりたいときにやりたいようにをモットーとする私にとって土日も平日もないんで調子狂うんですね、土日付き合うと、逆に(←わがまま極まりない男)。でまたうっかりイオンなんていくと半日つぶれる上に男が行ってもひとっつも面白くない。どいつもこいつも大した用事もないくせに(多分)大込みの中ウロウロしてるし、ゾンビがなぜかやたらとショッピングモールとかデパートに集まるのはきっとこれのメタファーでしょ。
 どこの田舎に行っても地方色の無い変わり映えのしない姿でドカンとあらわれて変わり映えのしない男つまんなラインナップで俺を辟易させるイオンこわ!映画館だけで十分です。ちなみにイオンの映画館で観た一番怖いものは実写版シンデレラで継母を嬉々として演じるケイトブランシェット様かな?(さっきWOWWOWでやってたので思い出した)

 イオンといえば、個人的には独力で理解が追い付かない理科の限界でして、電荷だのイオンが出てくるあたりから先は一人で教科書読んでても全然脳の深いところに定着しません。この辺、それなり以上の理解の上に実践できれば解膠材の選択やなんかでかなり無駄玉撃たなくて済みそうなんだけどなあ。
 レベルがはるかに違うとはいえユーザーの研究者の方もちょっと専門から外れたことに関しては「難しくてわかんないんだよね~」なんてことよく言いますし、俺程度じゃしょうがねえかと。どんな変化球でも弾き返してヒットを量産してる西武の秋山も、腕に蚊が止まった程度の接触でクリスティアーノ・ロナウドが4M以上すっ転ぶのをノーファールと見切る審判も別に物理学の天才ってわけじゃなさそうだし(可能性はゼロじゃないけど)
 
 で、先日のイノウエ動画で「ニガリを釉薬に添加して沈殿のやばいのを抑えてみよう!」という、未経験のものにとってはものすごく助かる実験&人柱っぷりに心打たれ、しかも俺と同じくイオンの電荷交換のあたりでギブリ気味になってるのを聞いて(失礼!)、やっぱり勉強してるんだなあと、緩んだ褌を引き締める気分になりました。



 折を見てこの辺の勉強もたまにはしとくと新しい理解の道筋が自分なりにできたりして楽しいんだよね(間違ってそうなことも多いけど)。ガラスの靴だけ真夜中過ぎても消えない理由がついに解明できるかもしれないよ。


 どっちもやらなかった俺から子供たちに言わしてもらうと(どうせこんな文読んじゃいねえだろうが)、学校行くのも勉強するのもちゃんとやっとけよと。荷物になるわけじゃなし、科学も数学も、無駄無駄言われてる微積分ですら必ず実生活&仕事で役に立つ。あと何より学校の勉強頑張ることほど簡単で身になる頑張るってないんだよね~。大人にならねえとわかんないんだけど。
 
 塩化マグネシウムは俺も成形バインダー+焼結助剤として固体のもの使ってるんで釉薬にも使いまわしてみようかと。おかげさまでちょっと試してみたいこと思い付きました。
 
 

 
それにつけても、あしたの窯出しが恐ろしや!イオンこわい


  

2018年6月21日木曜日

カルシアのるつぼ 水和崩壊画像

 梅雨時期ですがカルシアの緻密質のるつぼ
 CaOです。一般陶磁器やってる方には石灰石、炭酸カルシウムCaCO3でおなじみですが、あれも単味で焼くと炭酸ガスが抜けてCaOになるわけです。
 このCaOは、高温でアルミナやシリカと激しく反応して溶けあいます。その性質を利用して釉薬の主要成分として、「溶かす役割。媒溶材」なんて説明されてるんですが、理屈っぽいオジサンとしては「オレ(石灰)から見ればアルミナシリカに溶かされてんだよ!俺のが融点めちゃ高いんですけど?なんでアルミナシリカ視点?」という声が聞こえないこともないですな。割合も少ないし、石灰使わない釉薬はあってもアルミナシリカの入ってないのはまずないので、説明上わかりやすいのかな?長石やカオリンをもっと溶解させるために添加ってことですね。




 例によって説明すると、カルシアは簡単にいうと生石灰ですので空気中の湿気を吸って水和=消化=湿気る、します。石膏の場合は「風邪ひく」ですが、カルシアの場合は「フケル(老ける?)」といってます。ただこの言葉は先輩おじさん俺にオシャクリパクられた方)のパーソナル用語の可能性あり!
 焼き上げてしまえば「焼結する=表面積が減る」+「焼結助剤との固溶体がマトリックスを構成する」で耐消化性上がりますが、原料粉末の段階では猛スピードです。袋の口あけたまま「アラビアのロレンス」なんか見てたら事故ですよ事故。場合によっては火事。というわけで、晴れ間を見て一気に作ったが早いか食い気味に焼きます(言い過ぎ)

 多孔質に比べて当然緻密質は緻密にシンターしてるので耐消化性高いんですけど・・・

 去年の暮れに作ったカルシアのしくじり品を割って湯呑に入れたまま流しの脇にほっぽっておいたものです。湯呑に入れたのは発熱した場合やばそうなので。
 下の写真は焼成後2か月程度のもの
表面や出隅から少しづつ崩れていきます。粉化しちゃう




 で、昨日こんな感じ
まだ固い部分もあるんですがボロボロです。

どうして途中の写真がないのかっていうと、邪魔で棚の向こうによけたらそのまま忘れてたっていう…
 
 カルシア発注、使用の際には保管に気を付けてください。デシケーターで減圧保管するのが筋ですが、密閉容器に入れて空気の動きや入れ替えをなくするだけでも格段に違います。シリカゲルや石灰の乾燥材をお供に。

 釉薬目線で見ると、石灰石を主要構成物としてこれをガラス化させるために長石やカオリンを入れていくとすると、フリーのカルシアが残って上の写真のように崩壊する。からの~溶出(毒じゃないはずですが)ってことになるんじゃないかと推測。石灰マット釉なんてのもモノの本には載ってたり、三角試験での画像なんか見てもわかんないですけど。
 何年もたってから貫入することもあるんですよ!という貫入案件以外の径時変化っていうのは案外今までおざなりだったのかも?まあ普通の食器だったら割れるまで持ちゃいいん気もするんだけどね。

2018年6月20日水曜日

シリーズ石膏でなんかする 石膏置換 離型剤試してみる 闇ヤキモノ教習(仮

 セネガルまで勝っちゃって大混乱に陥ってますな。2点とも幸運に恵まれたとはいえ、守備の規律と攻撃の創造性が整った美しいチームだったなあ。しかもマネがマネらしいところロクスッポなかったのに。アフリカの強豪名物のピッチ外の問題で勝手に壊滅してるなんて話もなさそうだし。
 
 それはさておき石膏ウィークということでちょっとした小ネタを
 
 石膏の中に石膏を流すシチュエーションがあったので軽く紹介します

このアルミの原型を石膏に置き換えます
タダの丸棒じゃなくて複合テーパーになってます

 通常、唐竹割り真っ二つの割り型を取ればいいんですけど、今回は薄く型取りしてその中に石膏を流し込み枠にした方は割り捨てる作戦です。理由はいろいろあるけど仕事の都合です(笑

どうせ壊して捨てるものなのでできる限り薄く
石膏もったいないですからね。

 で、離型剤を縫って溶いた石膏を流し込めばいいわけですが・・・
こういう奥行きのある中に離型剤を上手に塗るのは難しいんですよ。

で、一昨日物置から出てきたクソ小汚い液状カーワックス。確実に10年は立ってるな。
中身がまだあったのでこのワックスを流し込んで排泥!
その後何やらわからない白い粉をスポンジなどで拭きとりました。

水かけてみたらよくはじいてるようなので一本試してみました。(結果、特におすすめはしない。グリスのが全然いい。でも古いせいかも?)

自分はこんなんで内側にグリスなど塗ります
また汚らしい写真ですみませんね

 石膏は硬化時に膨張するのでそれを利用するんですが…
こうやって買って損したのこぎりなどで切り込みを入れておきます。
どこまで切るかですけど肉厚の半分超えてればいいんじゃないでしょうか?
できれば3mm以下ぐらいかなあ?でも突っ切らないように注意

下ごしらえを終えたら石膏を流し込みます。この辺写真無いですけど硬いこと言うなよ~
でホカホカするまで待つと・・・
見えますかね?切込みに沿ってひびが入ってます。
これで捨て型を壊しやすくするんですよ

ヒビに硬い薄板(金尺など)を差し込んでこじると離型します
これは失敗(笑。でも指でポロポロ取れます(グリス、カリ石鹸なら)
ワックスはちょっとはがれにくかったかな?でも使えますよ。

と、言うわけで完成

 いつもと違ってグダグダ書きませんでしたが伝わりますかね?

胆は見込に離型剤を丁寧に、隙なく塗ることです。塗り残しがあるとそこから水気抜かれてへぼ石膏になっちゃいますから。用途によってはグリスぬらぬらでもいいかもです。

2018年6月18日月曜日

石膏ウィークの始まりか

 WCは常にアップセットを期待しているので昨夜は、「どうせドイツがドイツなんでしょ?つまんねえの」って感じで前半だけ見て寝るはずがメキシコ勝利の瞬間までがっつりアガッてしまい、やばい、調子狂う!といった状態のまま朝からドジャッ!と原型が届き石膏流しウィークの幕開け。さすがに寄る年波で一晩中は見れなくなりブラジルースイスはスキップしてますが・・・こっちも見とけばよかった。(かなり寝ぼけた文章)

 で、たまには型でも見せられる範囲でご紹介


 この旋盤仕事はMOT'sの仲間に頼みました~
 相変わらずバッチリ綺麗な金型をあっという間に作ってくれるので大助かり
 言い忘れてたんだけどオオハシ君、結婚おめでとう。

今回のも特に交差いりませんよ!って仕事だけどこれだし!
下手に交差指定しない方がいいのか?焼成歪のがはるかにデカいし!

 しかも、実は明日もウリャッと届く予定。
 石膏を水に落としてちょっと待ってる間に眠っちゃわないように注意!
 
 ジャイアントキリング度が高ければ高いほど生で見る価値があるので、アジアチームの試合とかは見逃せないんですよね。イランとかサウジがドイツとかブラジル相手にうっかり一点勝ってて終盤に日本人としてはあのくそ忌々しい「突然イタイイタイっつってひっくり返る時間稼ぎの猿芝居」を見せつけてほしい。それで腹いっぱい笑いたい!

2018年6月15日金曜日

アルミナの小物

だからちゃんと仕事もしてるってば(笑
高純度アルミナの小物です

四角い焼成皿

さらに小さい熱天秤分析用

蓋には小さい孔が中心に

肩こり養成シリーズが続いてます。
まあ小さいと窯は一発でけりがつくんで窯詰めや窯回しの心配はないんですけどね。

蕎麦猪口の試作品、焼いたよ~

試作品つっても注文仕事はもう終えましたけどね。
夏の蕎麦猪口祭りに向けてここから検討!






やっぱノーマルがいいやね

2018年6月14日木曜日

排泥鋳込み超入門 離型しろよ!スラリー編 闇ヤキモノ教習(仮

 皆さんワールドカップモードにはなりましたか?とっくに私はなってます。何つうか身の回りに限って言えば過去にないレベルで盛り上がってない気がするんですが・・・なんで?
 バイエルンのあいつとかリバプールのデコッパチとかとわがアントラーズの誇る昌子植田コンビが戦うわけでしょ?でもってトップに大迫(ほぼ鹿島)で柴崎(事実上鹿島)からパスが出る。うー、燃えるぜ!みんな試合に出てくれよな!っていうか出せ!ニシノ!


 「離型しろよ!石膏編」はクリアできましたか?
 自戒を込めてもう一度整理すると、成形体が石膏型から外れない理由は?
1、くっ付いてる(はがれない)スラリーが原因
2、引っかかってる(はがれてるけど取り出せない)石膏型に原因
3、収縮して挟み込んだり突っ張ったり抱きついちゃう これも石膏型
と解説しました。

 石膏型の設計ミスをしないこと、上手く型取りすること、鋳込み面を汚したりしないこと、外れない原因のガジガジは丁寧に均すこと。を気を付ければ大丈夫なはずです。あんまり当たり前なんでわざわざ書くの忘れてましたが、よく乾かすこと!これも大事。濡れれば濡れるほど外れにくく、またせっかく鋳込んだ成形体がヨレやすくなります。

 石膏にはどうやら問題なさそうだとなると、はがれない理由はスラリー側にあります。スラリーの方をなんとかしないといけないわけですが・・・、

 初めに断わっておくと今回の話はファイン屋、耐火物屋の間ではなんとなくわかってるような話とはいえ、定量的な検証の証拠がないっていうか、要素が複雑すぎて経験的にこうであろうことが多いと思われる、レベルの内容です。もう、筆者、つまり俺の経験に基づいて「あそうそう、多分こういう理由であろうパターンあるよね」って話をつらつら思いつきながら書いてあるってことを断っておきます。もしかするともっと高レベルの技術者にとっては「そんなんオメー(俺ね)の独断と偏見である」って内容かもしれません。
 そこんとこよろしく!

 始めますよ
 まあ理由は大雑把に二種類じゃないでしょうか?
 1、調整に失敗している
   A・水分量や解膠材の量の調整ミス(ほぼ「水分量多すぎ」だと思います)
   B・混練混合不足
 2、原料調合に失敗している
   調合ってのは土そのもののことです。

 出来合いの購入した坏土を溶かしてスラリーを作った場合、引っ付いちゃって取れないってのは滅多にないと思います。あったとして90%以上は1番の調整ミスじゃないかな?2番は、各原料を自分で配合して作った場合や自分で掘ってきた土でやろうとした場合に限られると思います。ほぼ。
 ただ2番の場合厄介なのは1番のミスがあるかどうかも関係してくるってことですね。

 解決するのは難しいけど解説するのが簡単なので2番から行きますね。
 その土、調合で解膠材(ケイ酸ソーダね)を入れず、普通にコネコネできるような硬さに練ってみた時にやたらと手に引っ付いたりネバツク奴は注意信号。あ、ちょっと柔いから石膏型に吸わせてみっか!ぐらいに水っぽくしてからペタンと石膏板に叩きつけたりしてみてください。ドベ状にしたものを置いてみてもいいです。で待つ。
 いつもの知ってる感じに石膏板から剥がれないのがあるんですよ。こういうのはそのままではまず離型しない土です。

 自分の経験でいうと、うちで井戸掘った時に井戸屋さんが水止めに使ってる粘土(黄色い掘ったまんまのハタキ土。ちょっとそのままでは耐火度が低い感じ)をもらったんですよね。あれはやたらと可塑性がデカくてべったべたに粘ります。あれは単味ではダメでした。石膏にメッチャつく。ロクロでもタタラでも底切れ100%みたいな感じ。シャモット混ぜて使えるようにしたんですが、加えた量はなんと同量以上。なかなか使いやすくて焼き上がりもよかったです。が、そんでも鋳込みはダメでしたね~。
 1tだか500kgだかで2万しないぐらい安いそうなんで、マジで一袋お願いしようかといまだに悩んでます。礫とかゴミの量の安定感は保証できないようなので、いろいろめんどくさそうで二の足踏んでますが・・・
 
 原料を自分で配合した場合も同様に試せます。まず水のみでやわらかめに練ってみる。石膏に引っ付ける。剥がれるか剥がれないか?

 上手くいかなければ調合を変える必要がありそうです。
 粘土鉱物の質と量を増減させることでほぼほぼ解決できます。

 質、というのはさっきも話しましたが超ベタベタ特性の、極端な例ですがベントナイト的なもの割合を減らす、あるいはそれもう使うのやめて別なものに変えるとかですね。
 そこまでしたことないけど一部、あるいは全部を煆焼してべたつきを殺す手もありそうです。これなら焼き上げ後の見てくれに変化は少ないはず。

 量というのは、カオリンでも木節でもガイロメでもいいんですけどとにかく割合量を変化させる。他の原料の粒度や成分との兼ね合いでどっちにするか微妙(もしくはってみんとわからん)ですが、ドボツキ気味、べたつき気味なら減らし方向ってイメージかも?
 増やすにしろ減らすにしろそんなピンポイントではないはずなんで5%以上増やしたり減らしたりして試してみましょう。まあ基本的にはカオリンに比べて木節やガイロメの方が身離れがいいように感じます。個人の感想です。

 で、今言いました他の原料との兼ね合いって話ですが、粉の粒度のバランスが大きく影響します。これは何かの原料単独でもそうで、ちょうどいい粒子のサイズと水分量があるんですよね。

 ここから先は水分量と絡めた話になりそうなので1番に対する解説に移ります。

 まず水分量に関して、場合によってはきちんと正しいとも言い切れないけどわかりやすく話をざっとしておくと・・・
 硬めに練った土は石膏板からすぐ剥がれるけどベタベタの土は綺麗にはがれるまで時間がかかりますよね。ひっついたまま残っちゃったりする部分があったり。
 排泥にかぎらず鋳込みの場合も同じで製作可能な限り水分量は少ないほうがいいんです。あまりドロッこいスラリーだと排泥時や成形体の表面に悪影響ある場合もあるんで、欲しい出来上がり加減を得られる範囲で最小限度の水分量が望ましい。という言い方になるかな?

 で、調合
 ファインセラミックスの一部を除いて、ヤキモノの原料中の粒度分布はまったく均一な粒度に近いピーク曲線を持ってるわけでなくて粗いのもあればめちゃ微細な粒子までばらついてるわけです。これのバランスが素地の肌理の差になってるわけなんですが、見てくれ、さわり心地のザラザラ具合だけじゃなくて、強度、作りやすさ、反り歪み耐性、そして収縮に大きく影響してきます。

 解膠したスラリー中の粒子は自由に動けるんですが、粘土によって動けるスピードが変わってきます。粘っこければ微粉から粗粒までが均一に混ざった状態を長い間キープできますし、しゃぶしゃぶならその逆ですね。
 幅広い粒度分布の原料粉末に、必要以上の水分量があるとどうなるか。
 これまた大雑把で極端な図で申し訳ないんですが、石膏型表面から細かい順に層となって肉づいていきます。この図は壁側(高さ方向)ですが、底だと
 
こんな感じになり気味。あくまで極端な図ですよ!
 実際はもっと混ざり合ってますし、排泥すると見込の表面にも微粉末が浮くんですが。

 こうなると、粗い粒子の層の部分はロクスッタマ収縮しないで突っ張る形になります。表面は表面でめちゃ細かい粘り気担当の連中が層になっちゃって石膏型に張り付きやすくなり、仮に外れても表面一皮だけ収縮が大きいので割れの原因になります。割れ方は様々で、粗粒多い配合ですと、細かい網目状に剥がれるようにひび割れますし、粒度分布が狭いと引っ張られて身まで割れが進行する場合もあります。割れるタイミングも乾燥に割れてきたり、焼いたらヒビる場合もあります(多くは低温度の内にヒビ入ってます)
 この辺は離型してから気が付くと割れてます!と質問くれた神奈川県のNさん(お便りとご注文ありがとうございます)も、もしかしたら参考になるかもしれません。

 今の部分で勘のよい方はお分かりかと思いますが、「水分量が多い=乾燥収縮が多い」は常に真ではありません!!

 参考までに、「この土にはこの作り方が向いてます表」みたいなものが土屋さんからいただけますが、粗いのにはタタラOK!鋳込み×!ってなってるじゃないですか?あれは自分の経験上では鋳込めないんじゃなくて、普通に排泥鋳込みしたらどんなに頑張っても粗いのが見込に浮いちゃってザラザラになりますよって意味です。たぶん。板ものなんかは粗いほうが曲がりが出ないでいいので排泥ではなく両面吸わせのソリッド鋳込み=固形鋳込みで作るといいのができます。まあ、この辺はそのうち・・・

 で、問題の水分量ですが、いきなり解膠材何%で水何%です、なんて答えは出ないんですよね。
 できる限り水を少なく作れるようにする。
 いつまでもドボドボでだめっす。上手くトロトロしてくれませんって場合は解膠材を増やす。
 何をどれだけ入れたかメモって範囲を見つける。の繰り返しです。

 自分のやり方は、解膠材をある程度入れる。水だけを少しづつ増していき、何とか流せそうだぞって時に石膏に滴を落として離型を見る。を繰り返して上限と下限の範囲を探ります。
 次に、さっきより多めの%で解膠材を入れる。以下同文。

 解膠材は、乾いたと思ってもすぐにチクる(チクソトロピーでドロドロ化する)ようではもう多い。というのを参考に。
 解膠材は0.3%0.5%前後で、1%なんてとても多過ぎなことになると思います。かなり狭い範囲で難しいように感じますが、土の量に対して目方で考えれば特にピンポイントではなく、慣れてくれば勘でやっても間違わないと思います。自分たちがエライって言ってるわけじゃないですけどファインの解膠材は原料との組み合わせによってはとんでもなく渋いのでそれに比べればちょろいもんですよぉ~!

 


 特に、売ってる土からスラリー作った場合なら、これだけで何とかなるはずです。
 あとね、これ言っても始まらないんですけどね。
 ぶっちゃけ経験です


後、ほんとに感覚で申し訳ありませんが、
 つーっと糸を引くように細く切れずにたらせるのがいい!といいますけど、マジです。できる限り濃くしてもこうなるようならまず綺麗に外れます。
 でも水飴みたいにテロ~~~な感じになるときはほぼチクります。
 ツーとテロ~~の違いは説明できません。これまた経験(笑