そこら辺にあるものを最大限に利用して問題解決しちゃうプロ、というものに憧れます。
『アトミックブロンド』のシャーリーズ・セロン、『イコライザー』のデンゼルワシントンとか。ほかに個人的にマジおすすめの作品『コンフィデンシャル/共助』のヒョンビン(ダブル主演のもう一人がユ・ヘジンだし少女時代のユナたんもかわいいしで超最高です)。
そういったDIY暴力系もいいんですが、科学の知識と工作能力でそこら辺のものを武器や道具に変えてってのが特に好き。台所のもので何か作って爆弾とか目くらましとか、スパイものなんかでたまにありますよね。
アクションものじゃないけど『オデッセイ』のマットデイモンに至っては火星!!に一人置き去りになっても、基地の設備を改造したり、クルーのごみや排泄物を利用して水だの野菜だの脱出マシンだの作っちゃってなあ。
それがどこまで関係あるのかは置いといて…今日は道具買いに行ったついでにこんなもの買ってきました。
わかりますかね?前からやりたかった企画なんですよ。勝手にやってろって話ですが。
何をするのかは企画倒れに終わった時に恥ずかしいのでハッキリ明言しませんが、
ヒント1:盆栽じゃありません。基本的に鉢植えはしないし、食べられないものは・・・(笑
ヒント2:私はヤキモノ屋
とりあえず今回はイントロダクション(笑)として、これら資材のちょっとした解説だけしてみますね。まあ思いのほかどうにもなんなくて待てど暮らせど続きがない!可能性も相当ありますが…
赤玉土と鹿沼土についてはこちらのHPをご覧ください。ここのHPでしか細かい組成のってなかったんですよね。園芸、農業はヤキモノとおんなじぐらいにインチキ科学風がまかり通っててヤキモノ以上にカルト宗教だったりもしがちなんですが、その辺は今回は無視。
赤玉土は関東ローム層の火山灰系の赤土だったんですね~。鹿沼土はローム層の下の軽石層から掘ったものということです。
赤土 今はほとんど育苗しないし、しても出来合いの播種用土使っちゃうんでひっさびさに買いました。今回行ったパワーコメリでは極小粒が売ってなかった!何がパワーだよ!
組成は先ほどのHPによれば
SiO2(シリカ) 39.5%
Al2O3(アルミナ) 24.6%
Fe2O3(第二酸化鉄) 9%
MgO(マグネシア) 0.88%
MnO(酸化マンガン)0.14%
となっています。合計74.1%
じゃあ残りは何なんだよ!!25%もあるじゃねえか!!と思いますが、これはセラミックス屋の悪い癖。農業資材なんてそんなもんだよ。
想像するに我々いうところのKNaOがちょこっとと残りは灼熱減量分(イグニッションロス)です。きっと
ちなみに5Kgで200円以下です。
鹿沼土 これは初めて買いました。園芸屋のちゃんとしたのは硬くて微粉末化するのが厄介なので、ダイソーで入手しました。これは100円なうえに指でこすっただけでぽろぽろ崩れるので盆栽に使うよりヤキモノ屋の実験台にふさわしいと思いますよ。
やはり先ほどのHPから成分組成を
SiO2 58.6%
Al2O3 17.1%
Fe2O3 1.93%
MgO 0.076%
CaO 0.044%
MnO 0.041%
合計 77.8% 残りはさっきと一緒。多分。
苦土石灰 これは結構使ってる方いるんじゃないかな?でもここで豆知識!何も考えずに耕耘時に苦土石灰混ぜるのはちょっと待った!!安いのでいいんでPh計で土壌を調べることをお勧めします。家庭菜園的な無農薬低化学肥料雑草ぼさぼさ栽培の場合はそんな簡単に酸性に傾いたりしないみたいなので、必要ないことが多いですよ。特に安い鶏糞肥料ばっかの人はいらないと思う。一応真面目に5年近く修業したんですよ、前に(笑
苦土石灰って何よって方。苦土ってのはマグネシアのことです。石灰はみんな大好き石灰。ちなみにアルミナは礬土(ばんど)。
勘のいい方はお分かりのはず。これはほぼほぼドロマイトです。前に仕事でお会いした農研機構の研究者に聞いたんですが「ドロマイトってご存じですかねえ~、あれが原料のはずですよ~。もちろん窯業原料ほど高品位じゃないだろと思いますけどね~。」みたいな感じ。
今回の成分値はこんな表示
アルカリ分って・・・大雑把やのう。55%のうちどのぐらいが石灰で苦土なのかは不明。ほとんどなのかな?+KNaOも若干あるでしょ、きっと?じわじわ炭酸が飛んだあとの残り分=酸化物分としての実効成分表記なのか(飛ぶのかわかんないけどそうだったら辻褄会う)・・・化学式で書いてないのでわかんねえな。
可溶性苦土 16%(そのうちク溶性苦土11%)
合計71%じゃねえか!!
この辺がそんな高純度じゃねえって話なのかな?
買うんだったら粒状ペレットじゃなくて粉末品を買ってください。
この1kgで220円でしたが、大袋なら20キロ1袋で500円ちょいで売ってます(笑。かなり割損こきましたが、俺はあんま使わねえし使うとしても粒状ペレットなので粉末はいらねえんだよな。
「可溶性」ってのは水じゃ溶けないけど酸などで溶けるって意味でOKだったはず。水に溶けるって見じゃないのがミソ。
「く溶性」ってのは具体的に2%のクエン酸溶液に溶けるって意味です。くはクエン酸のク。く溶性だと植物の根から出る弱酸で溶解して吸収可能になるみたいな話でしたよ。
この辺は農業用語なのかもね~。ほかであんまり聞かないっすよね。
ほかに土壌酸度の調整には、消石灰(水酸化カルシウム)、がゲロ安ですがむせるわくせえわ目に染みるわ使いにくいわで我々は手を出さないことをお勧めします。有機石灰といって貝殻や甲殻類の殻といった生物由来の石灰系資材もありますので、暇と根性とお金のある方はどうぞ。
とにかく、アルミナ、シリカ、石灰、酸化鉄。あれ?なんかみんな大好きな酸化物でできてるんじゃなーい?
やきもの人ならこんな状況であれ作りたくならない人っていないですよね~(あんまりいないようです)
これはたまたま残ってたやつです。自分で食うためだけに作ってるんで基本、無合成農薬・無除草剤・無化成肥料ですが、肥料切れに即対応するために化成肥料はたまに使います。頑固にこだわって食い物失うつもりはない程度には柔軟です(笑。勇気ってのは有機肥料分(有機は生物由来という意味)も入ってる意味ね。
組成とやらはこちら。
おお!リン酸分、カリ分投入ですよ!!ホウ酸も申し訳程度についてくるぞ。
肥料の三要素というのが「窒素」「リン酸」「カリ」なんですが、化成肥料はその成分が8-8-8(8%ずつ入ってる)とかみたいな感じですぐわかるようになってますので、作りたいものに合わせてお好みの割合のを選んでみてください。
わかってると思いますが、野菜に合わせる必要はないですよ。あと別に窒素なんか全然なくても多分問題ないです(笑)
ほかにも単肥といって、硫酸アンモニウムとか尿素とかケイ酸カルシウムとかセラミック的に多少食指が動かないわけじゃないものもいろいろ資材コーナーには安くあるんですが、でかい袋でしか買えない場合が多くて、いらない場合に庭や畑にドヒャドヒャ捨てるわけにいかないので、あんましお勧めしません。コブクロであるんだったら遊ぶ価値あるかも?ぐらいで。
といったぐあいで、ホムセンの農業コーナーには夢の部品が並んでいますのでいろいろ考えてみると面白いと思います。
一応注意事項を…
1・ピートモスとか腐葉土といった有機物腐食は汚れを残してなくなっちゃうだけ(な気がする)なんでやめたほうがいいです。何しろ俺たちこれから焼成するつもりですからね。吉村俊一先生レベルになってからにしましょう。
あと液肥もいりませんし、HB101とかEM菌とかのお布施資材は心を無にして植物に使ったほうがいいです(笑
2・パーライトとか軽石みたいなモロ鉱物のもありますが、粉砕、細磨が難しいのでこれもひとまず無しがいいです。バーミキュライトは細磨簡単でたぶんほとんど雲母なんじゃねえかと思うんですが、何しろ比重が軽すぎてゴミみたいに浮いちゃいそうです。これも鼻薬以上には使わないほうがよさそう。この辺は「岐阜のアメリカ人」ことLimeさん(鉱物オタクで度を越したDIYer、このHPの読者という三重苦)なら詳しいのかもなあ。
3・ここまで読んで、各組成を見ていまいち調合の仕方にピンと来ない方、まだ釉調合の経験がなく勘所を得てない方、危なっかしいものを焼成するときのディフェンス能力(さや、座布団等)に不安がある方、は、この続きの記事が出るまで手を出さないか、苦土石灰だけ買ってあとは長石とカオリンで試してみるにとどめることをお勧めします。
4・草木灰は使わないこと。灰じゃあ面白くねえだろ、灰じゃあ。企画的に(笑。
庭の雑草燃した灰とか本来大歓迎ですが趣旨が違うんだよね~
では、俺の健闘を祈る!
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