だれも頼んでないのに勝手に始めた知的好奇心の無駄遣い、「園芸用土VSヤキモノ屋」シリーズ第二弾です。
タイトル通り、1000度で仮焼成してみましたのでご報告いたします。
こちらです。右クリックで開くとでっかくなります。
窯開けて最初に思ったのが、「鹿沼土、かなり白い!!」
ということでした。ああいう黄色っぽい土はなんだかんだ言って結局赤茶色になることが経験上多いんですが、白かったっす。信楽土的普通の土、っポイ感じです。結構びっくり。
また、収縮してるのにスカスカです。一般的に購入した陶土の場合は、完全乾燥した後、素焼きの温度帯までではほぼほぼ収縮しないんですが、常に真ではないということですね。原因としては、やはりどれだけイグニッションロスがあるのか、ということじゃないかと思います。多分水酸基であったり炭酸ガスになって飛んでく分とか、何よりも有機物が多いんだと思います。
全体をまとめるとやっぱり全然強度が出ないですね。ガイロ目と50:50にした可塑性成形品以外は角っこなんかすぐにボロボロになります。まあこの辺はどんな耐火物でも一緒ですので、低温焼成時の強度は、粘土鉱物の微粉末の量次第。というのがはっきり出ましたね~。
もちろん「想定内」ですよ、今までいろんな土だの砂だの焼きまくってきてますからね~。
本焼き前にガタガタ解説するのはやめておいて、いろいろ気になる状況ですので、写真でご紹介するにとどめまーす。
趣味のヤキモノ人におすすめなのは、プラスチック製の二つ。安いんですが、かなり楽しいアイテムですよ。
アマゾンで調べたら売ってました。
・レイメイ藤井 顕微鏡 ハンディ petit 20倍 (ピンクのやつ)
子供に買ってやったやつなんですが、俺がずっと使ってます。おもちゃに近いとはいえ、これ持ってるだけで素晴らしい世界に出かけられますよ。
ピント合わせた接眼レンズにスマホのカメラレンズを引っ付けて撮影しました。
ただし、このでかいのは100~250倍(ホンマかいな)なんで手持ちでプルプルしながら写真撮るのは相当な職人技が必要です。私には無理でした。ただし、これで覗いた素地や釉薬は必ずあなたをセラミックスの面白さの深みにどっぷり浸らしめること請け合いです。
と、言うわけで、ピンク色の20倍での撮影。
まず、円板から、赤玉土100%
参考までに同じように金型で加圧成型した多孔質マグネシアの20倍接写
では可塑性成形のほうを
赤玉土50:蛙目50
鹿沼土50:蛙目50
同じ可塑性成形品の素焼きの参考
素焼きの皿です。土は信楽土+うちの削りカス等々(のはず)
最後、鋳込み成形品
赤玉土+蛙目単味スラリー
やはり石膏接触面の肌理は細かいです。鹿沼土+蛙目単味スラリー
記憶によれば土は赤津貫入土(ねんどやさん.COM)
趣味で個人でやってると、なかなか、組織の観察をしたことがない方も多いんじゃないかと思います。これを参考にして、どういう粒度の何を足していけば(あるいは引けば)作りたいものの理想に近づけられるのかなあ~なんてことを耐火物屋はやってるんですよ。
今回の場合、赤玉土でなら植木鉢的なものを作ると楽しそうじゃないですか?赤玉土で作った容器に赤玉土を詰めるわけだし。
1000度で焼いて強度不足、ちょっと粗粒と粗粒の間が空いちゃって微粉末が縮んで裂けちゃってますよね。どうやって改善しようかなあとか。
この続き、釉薬編と本焼き編は近いうちやりまーす。
では、おもちゃ顕微鏡のおまけ写真。
釉肌を20倍で観察すると~
もちろん自然観察にも使えますよ。
ではお次は…
ヤキモノ一切関係ない畑の害虫シリーズも企画してます!!
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