2019年6月17日月曜日

アルカリ土類金属酸化物を中心にした融点とか溶けについての話かも、

 いきなりですが、周期律表を。うぃきから引っ張ってきたんですが芸能人の個人情報じゃないんでさすがに間違ってないと思います(笑



 さらにいきなりですが、融点を発表します

 マグネシア(酸化マグネシウム)とりあえず2800℃以上(結構文献によります。個人的には細かい数字にはこだわらない方がいいと思います)
 カルシア(酸化カルシウム)とりあえず2500℃(以下同文)

 ついでにその他の材質についても概算、よく言われる融点で
 アルミナ(酸化アルミニウム) 2050℃
 ジルコニア(酸化ジルコニウム)2700℃(いつの間にかアガッてた?)
 シリカ(二酸化ケイ素 石英) 1650~1700℃
 ムライト(アルミナ+シリカ) 1850℃
 
 現代的な複合酸化物や非酸化物【ALNとかね】を除いたスタンダード(多分、少なくともうちでは)なラインナップのセラミックス材料を並べてみました。
 
 あとからあげた四つの「より」スタンダードな素材に比べて融点がとても高い、という特徴があると思います。まあジルコニアもそうなんですが・・・
 
 るつぼ屋であるつくばセラミックワークス的には、緻密質、多孔質問わずマグネシアとカルシアは推しメンです。アルミナの良くあるルツボでなんか上手くいかないからって場合は是非是非選択肢に入れてくださいねと言いたい。意外とこの二種類のるつぼは化け学的(反応しちゃうよ問題)に耐金属溶湯には弱点が少ないです。まあ今回は推してる!という事実だけで切り上げます。過去の個々紹介したページにその他の注意点なんかは書いてますのでそっちも参照してみてください。

 問題は融点が高いから選ぶ!、というのは案外うまくいかないもんなんだなあという点。融点は製品の最高使用温度の目安になりません
 単にちょっとした塊がその温度の中で溶けずにいればよい、なんてことは耐火物全般基本無いわけで、炉材だとしても雰囲気や昇温速度等に、さらにるつぼなどなどなら金属溶湯との反応がプラスされてきます。
 また、融点とは別にどのぐらいの温度から強度低下や軟化が始まるかというのも材料ごとに各々違いますし、そもそも何かしらの形状に成形して作られたものは構造的な強弱や歪みを内包してもいるわけです(熱間で使用されることによって欠陥、弱点として表に出ることがある)
 そして、これら融点(をはじめとする物性値も)は理屈上の理論値だったり超超高純度のもの(知らないけど単結晶とか?)でのデータだったりすることが普通なので、実際の原料からしてそこまでコンタミがないなんてこともなく、ましてや焼結助剤を添加したりしてるのも多いので使用温度なんてのはよくある酸化物でしたらせいぜい1800℃程度が限界です。と思っていて間違いないと思います。
 よって融点から材質を選ぶ、なんてのは決め手にはならないという理解はあった方がいいと思います。

 もちろん融点以上の使用温度で持つわけ普通はないのでそこは当然考えなきゃいけないんですが・・・
 しかし大昔から貴金属業界ではプラチナの溶解にシリカルツボを使っています。両者の融点を調べてみればわかりますがプラチナは1750℃チョット。シリカはさっき言ったようにせいぜい1700℃。おかしくね?
 昔からこの話は、不思議だよねー話として有名なんですが、研究者や耐火物屋以外では実感ないので一般にはあんまり知られて無いという無駄ウンチクです。
 まあ多分実際は、
 1・高周波で溶かすので溶けたプラチナの温度=るつぼの温度じゃない、
 2・シリカは熱伝導悪いので融点になるまでもたもたしてる(笑、溶けたりしても粘りがある(ガラス吹き職人の図を想像してください)
 3・しかもるつぼはバックリ割れにくい調合で、少々軟化してもジュエリーの型に鋳造する間ぐらいがんばっちゃう
 といった理由だと思われます。

とまあなんだかんだ、融点以外のもろもろの要素の方がむしろ重要に絡み合ってルツボをはじめとした耐火物たりえています。

 アルミナやジルコニアのるつぼなら簡単に手に入る時代のようですが、ウナギはうなぎ屋で食いたいなあーと思ってる方ならばるつぼはるつぼ屋に相談とか注文してみるといいんじゃないですか?みたいな形で話の枕を終えますね。

 で、ここから闇ヤキモノ教習(仮ともリンクしてくるんですが、もう一度周期律表

 マグネシアとカルシアは左から二列目のアルカリ土類金属、と言われる金属の酸化物です。
 ファインのユーザーの皆さんなら、おお、コクもキレもある一筋縄じゃいかねえ材料がそろってんな~べリリア(酸化ベリリウム)が今使えないのが残念だぜ!(毒性が強くて難しいし恐ろしい。実力は超強いがもはや幻のるつぼ。だいぶ特殊なところで研究や利用されてます。どことはいいませんが若い女性チーム(主観です)に担当させてるのはどうかと思わなくもない)みたいな感想でしょうか?(多分違う)
 
 最近では読者中の多数派と思われる作陶趣味の方からすると、あれ?釉薬原料のうち「溶かす材料」といわれるものがこの列にあるなあ。と思われたんじゃないでしょうか。

 さあ、ここからアヤフヤな解説の釉薬が溶ける云々の話が始まりますよ!セラミックス畑の皆様や本職のヤキモノ屋の皆さんの温かい訂正とツッコミお待ちしてますのでよろしく!

 釉薬のメイン原料をあらためて並べます。
 アルミナ Al2O3 2050℃
 シリカ  SiO2 1700℃
 カルシア CaO 2500℃
 もちろんこのほかに周期律表一番左の列の金属「アルカリ金属」の酸化物が結果的に適量入っているわけですが(酸化カリウム・酸化ナトリウムとして、意識的に酸化リチウムも入れますよね)、この三つだけでも釉薬(の用をなすもの)は作れるんです。また、ここまではあえて焼成後の「酸化物」として列挙しています。

 かなり俺個人的な理解のもとに「釉薬が溶けてる理屈とやらっぽいもの」をウルトラC込みで語りますよ!
 ガラスになるもの、粘るもの、溶かすもの、みたいなよく考えるとぼんやりした暗記ゲーみたいな覚え方じゃなくて、とりあえず理科の教科書の巻頭か巻末を見ればそれなりに納得がいく、という方法で行きます。

 1・酸性・(中性)・塩基性の組み合わせで反応性が強い(傾向があるはず、ですよね?)。それぞれの度合いの強さもあるアルカリ>アルカリ土類とか(酸性側にもあるはず、ですよね?)
 2・そもそも融点の低い材料が混じるとそりゃ複合物の融点もうんとさがる
 の二つの理由で出来上がってるんだと考えます。意外とこの辺解説されて無いっぽい。まったく別々じゃなくて複合的な理由でもあります、もちろん。たとえばカリウムやナトリウムは名前からしてモロアルカリな上に融点もググッと低いですからね。

 カルシア(石灰石からとる)、マグネシア(マグネサイトやタルクからとる)、ドロマイト(カルシアマグネシアの盛り合わせ)、炭酸バリウムやストロンチウムがアルカリ土類金属の酸化物(炭酸塩)です。
 酸化カルシウムや酸化マグネシウムに対して「溶かす材料」として認識していると不思議なんですよ。こんなに融点が高いのになあ、なんてこと思ったことないですか?俺はあります。

 これらは基本的に1の理由で中性であるアルミナ、酸性であるシリカと反応して溶け合う、という理屈。もちろんそれぞれ別の物性を持ってますから反応の相性は一様ではないんですが、たとえばカルシア(2500℃)の塊をアルミナ(2050℃)の板に載せて焼成すると1450℃ぐらいになるともう溶けた穴しか残ってないですよ(通称チャイナシンドローム)、でもマグネシアなら1700℃まで上げてもほぼほぼ平気です。そのマグネシアも微粉末の状態でアルミナと混ぜるとかなり緻密化温度を下げることができます。
 ただし、どんどん混ぜればどんどん溶ける温度下がるわけではないんですよ。ある程度の割合を過ぎればまた解けない方に向かってマットになったりちっとも溶けなくなります。3成分4成分での試験をやってみるとわかります。これは「溶かす材料」としてだけ考えてると変な話ですが、そもそもバランスで成り立っている融点の位置、が変わるからです。ただ入れれば入れた分だけ溶けるってわけではない。みたいな感じです。
 
 これとは別に(完全に別じゃなかろうが)そもそも融点が低いからまじりあった時にそりゃ溶けやすくなるわい!って材料も「溶かす材料」と言われてるものの中にあると思うんですよ。
 代表的なものでいえば一酸化鉛、融点は900度行かないぐらい(その他の鉛系原料も結局この形になるはず)、酸化銅も1350℃程度な上に揮発性が高い(反応しやすいはず)、二酸化マンガンなんかもかなり融点が低い。酸化リチウムは上記アルカリ金属でもあるからダブルパンチだなこりゃ。みたいなね。
 この辺の「そもそも融点低い材料案件」はゼーゲル式だけじゃいまいち把握しきれない部分なので実感するしかないんですが、多少は教科書の票だけで見当つくはずです。

 ここまでわかりやすいつもりで書いたんですが、上から目線的で気持ち悪いので例によってむしろわかりにくい気もする例え、で整理し直しますね。
 
 至上最高のスポーツ映画の一つを例に取って、多分世界初、「がんばれベアーズ」で釉薬を考えてみたいと思います
 ベアーズを釉薬として考えてみましょう。
 もともとベアーズは全然機能していないチームだったわけです。そこに個々の技術(耐火度)は高いけど性格が異質なテイタム・オニールとあのタバコ吸ってるセンターのヤンキーというアルカリ土類の二人が入ってきたことでぐっとチームとしてまとまって(うまく溶け合って)成績も出るようになってきた。と。
 セカンドの喧嘩っ早いおかっぱチビとキャッチャーのビッグカツ食ってる強打者のデブと併せてセンターラインとクリンナップがしっかりしてきたねーみたいな。

 でもヤンキーに両翼はおろか内野フライまで取るように指示したり、女の子一人にスピットボール投げさせすぎたりしてアルカリ土類の割合が高くなりすぎるとまたチーム(=釉薬)としてダメダメになっちゃった(監督の調合ミス)
 あの眼鏡のオタクっぽいボンクラピッチャーとか最後ライトフライ取る超ヘタクソのカワイイチビちゃんとか英語通じないメキシカンの子とかは多分カリウム分とソーダ分で、彼らの存在、仕事の分もうまく混ざり合うことで最後負けちゃったけどいいチームになったじゃないか!みたいな感じですよ(「あいつらだけじゃあ力不足とか溶けすぎて大穴とか元のベアーズ」
 
 無茶は承知でやってみたもののやっぱり無茶だった気がするんですが、とりあえず、変に各材料の役割だなんてのを決めつけて覚えるのでなく、融点の関係や、酸~塩基の関係などのバランスを取る、という風に理解しておくのも一つことからの見方に凝り固まらないためにはいいんじゃないかと思っておすすめしてみます。

 「あくまでも補足事項の補足」程度ではあるんですが、頭の隅に入れておくと、多少の足しになるんではないでしょうか?

 ベアーズの件、思いつきで書いちゃったので確認してみようと思ったんですがDVDがどこに行ったかわかんなくなっちゃったんで心苦しいながらもYOUTUBEを張っておきます。
 もう俺が生まれたころの映画なんでネタバレもくそもなくラストシーンのやつ!あの弱虫のチビちゃんが相手にトロフィー投げつけるシーンでアガらないやつはいないでしょ!ってことです。
 
 クッソー上手くまとまんなかったぜ!
 昨日まで温泉行ってたからかもしれないなあ~





 
 

 
 
 







 
 


 



 
   
  
 

1 件のコメント:

  1. 気になって調べたらセンターのヤンキー役の役者さんはジャッキーアールヘイリーでした!
    マイベストランキング上位の「ヤングゼネレーション」のムーチャ!
    さらには「ウォッチメン」のロールシャッハ!
     
    全然気が付いてなかったよ!全部何回も見てる作品なのに!
    語る資格ねえなー俺

    返信削除