2020年5月11日月曜日

秘密工作課「Q」case-5 釉薬の比重計を自作

 カップのジュース買うとストローついてきますよね。
 何と、5φのスチールピンがめちゃんこピッタリ押し込めたんですよ。

 そこでピーンときましたよ。
 秘密工作課「Q」機関の出番だ!

 釉薬や泥漿の比重を測るための比重計をチョイチョイっと作ってみましょう。

 先に改めておくと、比重計(あるいは泥漿の濃度や比重そのもの)というのは、施釉の「目安のための指標」にしかなりません。一番大事なのは素地に重ねられた釉層自体の厚さだと考えます。その厚さをコントローラブルにするために釉泥漿の状態の一部を数値化できるアイテムが比重計だと考えてみましょう。

 一番大事な釉泥漿の管理、状態確認の方法は今回省きます。今回は作ってみよう!ですので

 比重計、買うと高いし、壊れやすいし、ぶっちゃけ今から作るぞ!ってこのタイミングでいうのもなんなんですけど比重とは別に釉泥漿の粘性?流体としての性質?(レオロジー的な性質、特に粘土鉱物が多い場合に径時変化しやすい)ってのも大きく関わってきますので、どこまで正確に測れるか微妙な上に、数字の使い方わかってないとあれなんですが、指標があることでそりゃもう大変便利です。


 とりあえず、「比重を測る何か」を自作したい皆さんは重ボーメ計の示す数字のことは気にしないでください。
 今回は自分で自分用の比重計(釉薬比重の目安計)を作ります。
 重ボーメの数字って何を意味してるのかわかりにくいんですよね。実際は塩分何%の数値を何分かに分割した値をいくつとするみたいな感じだったかな?これは手計算するには相当根性いりますよ。自作には不向き!

 と、言うわけで、なんでみんなこれでやらないのか?といつも思うんですが、
 私は比重は基本的に重量体積パーセントで測ってます。一番わかりやすいので。
 つまり、
 《重量/体積》です。
 
 調合一発目は原料乾粉の重量+水分重量で作りますから、重量重量パーセントが比較的わかりやすいんですが、水っ気なんて飛んじまったり思いのほか濃くて薄めていったりいろいろありますよね。そんなことが重なった暁には重量体積パーセントで測るのが便利じゃないかなと思います。
  
 単位そのもの、単位と思って使ってる言葉、(もちろん計算にまつわらない技法でも材料でもなんでも言葉そのもの)が何のことを表してるのかがあっちとこっちで食い違ってるがゆえの食い違い、というのは誰しも経験あると思うんですよね。
 どんなジャンルにせよ、なるたけ細かい意味や定義の決まった曖昧でない言葉がたくさんある方が絶対的に全体レベルを押し上げるんだと思ってますが、この業界そうなってないことも多いんですよね。
 この辺が伝統産業の面白さではありますが、難点でもあると。今後ネットを中心とした知識共有の輪が広がるにつれて自然とそうなるんじゃないかと思ってましたが、むしろ私がみたいもの、好きなものだけ観ればいいって言う点が邪魔をしてセクト化が逆に進んでるような気もして結構ブルーです。
 
 あ、思い出したんですけど、昔クリスマスだーなんつってみんなで集まった時に、俺が某友人I君に「クラッカー買って来い!」つって1000円渡したんですよ。そしたらそいつお菓子のクラッカー1000円も買ってきやがった!なんて事件もありました。みんなお菓子持ち寄ってんのにそのクラッカーじゃねえだろ!しかもお釣りなしかよ!
 極端な例ですが、こういうのは同じ言葉でも各人受け取った意味内容が違うがゆえに起こる事象です。どうせ俺がわりいんだろうけどよ!
 もちろん、そいつのあだ名はクラッカーになりましたけどね。

余談が長くなりましたが準備するもの!
こんな感じでビッタリねじ込めます。
 
 太目のストローとぴったりはまるピン、それだけです

 つまり、ピンってのは5φ、6φ、8φ、10φあたりならその辺のホムセンで買えますので、それに合うストロー。なるたけ太目の方が体積を稼げるので精度は高くなるはずです。

 ピンを切って重量を決めます。重量は、「水」を張った紙コップに落とした時に都合よく浮くぐらいの重さです。
 
5φのピンだと約10㎜前後で
 
プカプカ浮きます。
べったり底まで沈んじゃったらもっと小さく切り直し。あんまり浮きすぎても実際釉に入れると倒れちゃったりするかもしれないので気を付けよう。この作業を釣り人は「タナ取り」と呼んでいます。
 こんな紙コップ程度である程度以上測れるってのがこのストロー比重計の利点なんですよ!

 では水面に目を移しましょう。
ここ、このちょうど水面に位置してる点が基準点ですので印を打ちます
 
なんとなくマステを巻いてみました。

 水の比重は1ですので、この点が1.00となります。比重に単位は無いんですが、とりあえず重量÷体積が1.00g/mlってことだね。
 釉薬は溶剤系でない限りこれより軽くはならないので、なるたけ底トントンに近い方がいいわけですな。

 ここから目盛りを打つわけですが、今回のこれは重量体積パーセントですので、簡単に計算できます。ストローってのはストレートの円筒形ですので、水中体積がそのまま長さと比例します。
 
 まず、この1.00基準点からストロー先端までの長さを測ります。
 例えば1.3(=100ml時に130g)なら、基準長さを1.3で割ればいいわけ。
 続けて1.2,1.4,1.5と割り付けてメモってみました。 

 あとは確認してみましょう。
 実際の釉泥漿に浮かべて…
写真じゃ見えにくいけどほぼ1.5です
 釉に沈めるときは液体ワックスでふいておくと弾いて見やすいよ!

 じゃあ釉薬100㏄の目方は…
おおー、思った以上にぴったり!(やらせじゃないんで笑っちゃいました)

 といった感じ。
 タピオカストローぐらいので作れば丈夫だしもっと工作精度の高いのも作れそう。その際はスチールじゃあ短く切っても沈んじゃうかもしれないので錘は都合のいいのを見つけてください。
 単に精度って意味では本当は水中に沈む分が長い方がいいんですが、それじゃあモノホン買えばいいじゃんってことになってしまいますね。ここでは少量の釉でも測れるコンパクトなものを!という方向性で作ってます。(本物のボーメ計、つまり唐辛子ウキのような形の方がトップの感度が高くなるんで、実際俺もハエウキ使ってましたが、良いウキは釣りに使った方がいいです(笑)

 もちろん数字なんてどうでもよくて、ちょうどいいのがわかってる釉薬に浮かべてその点だけわかるようにしておけば数字もいらない一発測定のバカ棒にもできちゃいます。

 掛かった金額
 ストロー:タダ
 ピン:タダ(買っても5本200円ぐらいじゃね?)
 労力:金鋸で切るだけ
 効果:プライスレス

 釉薬一つに一本づつ用意したっていいぐらいだこりゃ!

 しかも・・・
 
 カフェっぽくておしゃれ!



 最後にこんなこと言うと怒られそうですが、俺個人は・・・慣れてる釉薬なら手を突っ込んでかき混ぜた感じで決めてます。





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