2018年5月17日木曜日

排泥鋳込み超入門 穴を埋める 闇ヤキモノ教習(仮

 鋳込み成形の仕上げに特有な作業として気泡の穴埋めがあります。ありますっつっても完璧に鋳込んだ結果気泡なんかないよ!ってことも当然ありますし、そこを目指すんですが何かとどっかしら穴ぼこの一つや二つあるものです。見えないんでわかんないし直しようもないんですが閉気孔もありますよ。(やたらありますが多い文章)

 原料スラリーがシャバシャバな場合、たまたま泡立ちやすい原料(ってのもあるんですよ)が入ってる、型の形状からして空気のたまりやすい、巻き込みやすい部分がある等々の理由ですが、原因がわかったら対処しつつ少しでも減らしていくようにするのは当然としても…。

 穴あいちゃったもんはしょうがねえ直すか!というわけで穴の埋め方。

では前回までのおさらい
離型して・・

バリ、口元なんかを仕上げます

この場合はダンチの所で切り飛ばしました。

順番はそんときの都合にもよりますが、口、バリ、穴埋め、面均しの順番でやってることが多いかな?ダメージのでかそうな順に整えていくのが結局「ダメだなこれ」になるまでが早いので無駄仕事しないで済みますね。

 じゃ穴埋めますよ!
用意するのはこれ
穴あきボディ、水とスラリー、スポンジ、写ってないけどハバリ
で肝心なのが筆、面相筆をお勧めしますが、
写真のように使いすぎて過労死寸前の今は面相筆!でもOKです。

 勘の悪い方でも当然お分かりのようにスラリーを吸った筆を穴に突っ込んで埋めるわけですが…

 素地の表から見えてるピンホール、気泡ってのは奥の方が広くなってることが多いんですよね。そのままスラリー埋めようとしても口塞ぐだけだったりしてうまくいきません。
で下図のようにハバリでグリグリして穴を広げます。
こうすることできちんと穴が埋まるようになります。

穴ぼこを

刃物やドリルで広げます(わかりづらくてゴメン

 埋めるときに気を付けるのはボディの乾燥具合とスラリーの濃さの関係。
 基本的にいっぺんに盛るよりも、チョンとつける、水が引いたらチョンとつけてを繰り返して5回ぐらいで埋まりきってちょこっと盛り上がるぐらいがベストです。
 まだ水気の多い時には、濃いスラリー使えますが吸いが悪いので時間がかかります。乾きすぎてると盛ろうとしても上手く付かずにポロっと取れますので水で薄める感じでスラリーを少しづつ少しづつ盛っていくことになります。何も具体的に言ってないのを自分でも知っていつつ、ちょうどいいのはこの中間と言っておきます。何回かやれば要領わかってくると思いますよ。
 乾きすぎないようにだけすればかかる時間はともかく成功率は上がります。


高級な将棋の駒のように埋めてなお盛り上げ気味に

のちスポンジや筆で均します。直ったー!

 自分でいいと思うまで仕上がれば工程終了!乾燥棚に回しましょう。
 あとはお好きなように素焼きして釉掛けして焼成すれば完成です。
 


 急に「入門用のムック本的無責任クソ展開」ですが、まあいいでしょう。

 この生体整形(なんかジャンルSFっぽいな)以降はおなじみの流れです。鋳込み特有で発生する何らかの作業工程はないと思います(実際私は思いついていない)。

 排泥鋳込み入門として素焼き以前の工程、作業に関する説明はこんなもんかな?この先は、何か生じる問題の対処法や、根本のスラリー調整、型の設計の仕方的なものになると思います。

 何か質問やご意見、間違いの指摘などありましたら恥ずかしがらずにメールやコメントお寄せくださ~い。


 この穴埋め工程ですが、気泡がなければそれでいいし、そんなの気にしないでもいいような土、デザインもあると思います。こんな作業なきゃないほうがいいんですが、やり方知らないと直しようもないのでめんどくさいですが試してみてください。理屈自体はどの成形法で作ったものにも応用可能ですし、組み立てモノなどでスラリー接着する時もコツなんかは一緒ですよ。

 みんなが知ってるお世話になってるあの企業の便器や洗面台作ってる現場でも世界最高峰の職人の皆さんが同じことしてますよ!

   



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