2018年5月30日水曜日

蕎麦猪口Vol4 ちょっとひねってみる 闇ヤキモノ教習(仮

 前回まで、とりあえず自分的にはこんな感じで形を決めていきますってのをやりました。対蕎麦猪口用ってわけですが、それ以外、自分が何か作るときにほぼほぼ前提条件にしていることがありますのでそれも付け加えておきます。番号に意味や軽重はありません。
 1、軽さ、表現的繊細さよりも丈夫さと機能性こそを重視。
 2、実際丈夫かどうかだけでなく丈夫そうに見えることも必要。
 3、なるたけ少ない手数、手順で完成する
 4、安定性があって、ちゃんと安定感があるように見える(無いようには見えない)
 5、滑りにくい等のハンドリングしやすさ。径や反りの向きなども考慮する
 6、小さい子供やお年寄りにも使いやすく、ちょっとぐらい手先の不自由な方にも決定的に使いにくくないように。
 7、だからと言って絶対じゃないし、当然ですがオーダーに関してはオーダー重視です。

 といったあたりです。オリジナリティや個性といったものはとりあえず考えません。まあせっかくならとは思いますけどね。
 ここまでこのHPやこのシリーズで述べてきた肉厚や重量に対する考え方もこのあたりから来ています。年取ったりお子ちゃまは軽い食器だとひっくりかえしちゃうんですよね。死んだばーちゃんが脳溢血でひっくり返ってからは体の右側利かなくなっちゃったんで難儀してました。今でいうユニバーサルデザインのようなカップも使ってましたが、やっぱりいかにもなちょっと特殊な形でして、しかもプラだったんですよね。軽くて握れても操作しにくい。「これじゃ丸出しなんだよねえ」とまあ今思えば悪いわけでも恥ずかしいことでもないんですが本人コンプレックスありました。で、ばーちゃんの旦那、俺がこんな性格になった遺伝子の元の一人と噂される(それは事実だろ)洋画大好きなジーちゃんは要約すると「もっと普通の無いのかよ」という意味の、こんな気軽な記事では書けないような言葉でデザインを罵ってました。しかもフレンチノワール風味に(ここはうそです)

 今回は普通の蕎麦猪口、というわけであまりいじくりようないんですが、基本的に自分が作るもの考えるときに気にしているのは、どうせ出したところでろくでもない俺のデザインセンスを押し出すよりも、何の変哲もなくとも触れやすい扱いやすい丈夫でどっしりしたモノをというのが本線です。

 でも、ちょっとシンプルな円錐台形じゃないものも、この際一気に考えてみましょう。たとえば、よく作ってる変形のカップやお椀があったとして、そのデザインを流用したり、調和を取って同一シリーズ風にしてみたりできるかも。
 センスとチョイスの良い方でしたら、薬味入れやめんつゆ入れ(あれも徳利っていうんですかね??)もセットにできるかも。

 まあ日本のごく普通のご家庭で洋食器ディナーセットみたいにシリーズで一式揃えちゃう方ってどのぐらいいるんでしょうか?デビ夫人とか叶姉妹ぐらいじゃないかな?あ、普通じゃねえか、しかもどっちかっていうと日本人より孔雀に近いですね。

 何言ってるかわからなくなっちゃってますが、要はちょっとひねって凝った形にしてみよう。失敗上等。失敗したら小鉢と言い張る、というオプションを用意してアタックだ。

 私の場合はとりあえず作り出すなんてことはしたことなくて、いつも頭専攻ということで例によって理屈っぽくて身のない仮定と想像をモース警部みたいに繰り返します。

 ひねってみる。小鉢。ということでコールマン、伸身だったらカッシーナなどというネタも他人に通じたことがないので封印しますが、ロクロ引いた後にグネリと変形させるのは好きな手筋。へんてこ感、あんまし観たことない感を増すために三角、四角が候補。六角以上はよくありそうだし。やわらかめに変形させて高台畳付までその形状を保つシルエットで。三角錐台、四角錐台って感じ。角は丸っこくてもいいし、ちょっと削いで稜線を出してもいいかも?

 花形にゆがめる手法。湯呑でちょくちょく使うのでこれもやってみることにしよう。

 丸みの大きい碗形だとどこら辺からどこら辺までが蕎麦猪口に見える限界なのかも確かめてみたいですね。

 思い切って取っ手をつけてみるってのはどうでしょう?マグカップでラーメン食ってるみたい。ノアール系香港映画に出てくる奥さんに逃げられた捜査一課のデカの一人さみしい食事シーンみたいですね(もちろん洗濯物部屋干ししっぱなしのおんぼろアパート)。やっぱり却下かもなあ。

 たまに蕎麦屋で出くわす。蕎麦猪口と薬味入れとめんつゆ入れがぴったり重なるお重スタイルのやつ。考えるのは楽しそうだけどそんなの注文されてません。それと用途が蕎麦一直線になりすぎかも。とりあえず今回は保留。

 何か貼り付けもので加飾するのはスタッキング対応性を著しく落としそう。

 鎬、掘り込み系の装飾は視覚だけでなく、触覚に訴える部分が多く、ハンドリングの安定性を増すので好きですし釉薬もセクシー対応可のつもり。重量配分に問題があった時のセーフティバルブオプションとしてもつかえるか。バリエーションNo1かも。


とまあこんな感じで明日も仕事しながら考えてみて土日に作る予定です。
 

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