書籍では見たことないですけど、仕事上の書類やなんか程度ではたまーに変換ミスのまま印刷されてることありますね。さすがに「鎌」になってるの見たときには笑いましたけど。
要は手で書く分には絶対無いようなミスが、ワープロパソコンになったせいで面白変換とかアヤフヤ変換になってるわけです。
多分このHP内にも間違って「釜」になってる記事あるかもしれないですし、そういう単なる変換ミスなら笑えるんですが・・・
ボーっと変換してんじゃねーよ!
この窯釜問題、「マジで勘違いしてるんじゃねえの?」ってことありますよね。そいつの文章まるまる「釜」とか。
ちょっと個人的に筋違いな割にはタイムリー話題になっちゃったので「ブックオフでいろんな100円辞書を買いまくる型落ち辞書好き」でもある私が、棚の漢和辞典4冊で調べてみました。
「窯」(「窰」と同字、かま、ヨウ。部首穴冠)
全訳漢辞海 第三版
1、かわらや陶磁器を焼くかまど。かま。「瓦窯」
2、陶磁器。「汝窯」
3、住居とした洞穴や土室。「窯洞」
角川漢和中辞典 1993年版
解字 形声 羔(コウ)が音を表し、やく意の語源(焼)からきている。
かわらを焼く穴。かまの意
1、かま。かわらや陶器を焼くかま。
漢語林 初版
解字 形声 穴+羔 音符の羔は羊を焼くの意味。
土器を焼く穴、かまの意味を表す
1、かまど、かま。かわらや陶器を焼くかまど。
2、すえもの。陶器。
新字源 1,990年版
なりたち 形声。穴と、音符羔(やく意)とからなり
陶器を焼くあな「かま」の意を表す
1、かま。かわらや陶器を焼くかまど。「窯業」
2、すえもの。陶器
3、《俗》芸妓の家(引用者注 面白い!いろいろ燃えてるんすかね)
「釜」(かま、フ。部首は金)
全訳漢辞海 第三版
1、煮炊きする器で脚のないもの。かま
2、量目を測る器具
角川漢和中辞典 1993年版
解字 形声 父と金とから成り、父は音を表す。
「釡」は俗字
1、かま。飲食物を煮る金属製の台所道具
2、春秋戦国時代の量の単位。
漢語林 初版
解字 形声 金+父。鬴の別体(引用者注 この先はご自分で)
1、かま。煮炊きに使う金属製の台所用具
2、春秋戦国時代の量の単位。六斗四升。64掬
日本の約7.1升にあたる(引用者注。結構な量っすな!)
新字源 1,990年版
なりたち 形声 金と音符父(ふくれる意=彭)とから成る
1、かま。飲食物を煮る道具
2、春秋・戦国時代の量の単位
まあここまでにしておくとして…
もうわかりましたよね。
窯は、穴=炉穴(設備、火を焚く用にしつらえた場所とも言える)、
釜は、鍋(容器)
と、言うわけで
「釜」はこれ!
で、これが「窯」!
今年初めに惜しくも亡くなった大ドーラ・デ・ラリオス先生
さすが焼き物の申し子、コーン倒れてもご本人は全然平気。ヒューマントーチか!
個人的に大っっっ変尊敬しているアーティストですが、茶化しちゃってごめんなさい!
気になった方はDoraDeLarios sculptureとかで検索だ!
で、いろいろかんがみるに、釜を置いて火をくべるのは竈(カマド)で、竈と窯はニアリーイコールなわけで・・・
と、言うことはおなじみの炊飯器。あれは釜だとおもってましたが、釜なのは中の内釜(フッ素加工!とかの)だけで表っから見えてる部分は竈、電気窯(あるいはガス窯)といえないこともないのか。
まあとにかくこれでもう俺たち間違えないですよね?
「作陶家に必要な国語の時間」でした~
いかがでしょう?
追加です。
窯業辞典、的なものにあたるのを忘れてました。
もちろん「釜」は載ってないんですが、
「窯=炉」の項に面白い内容が。
Kiln,Furnace,Ovenは明確な区別なく使用される。
Kilnは、陶磁器、レンガ、耐火物、セメント方面に、
Furnaceは、おもに冶金、ガラス方面に、
Ovenは、RetortOven,BeehiveOven,CokeOvenなどのように、おもに蒸焼作業炉に慣用される(注・慣用なのね慣用)
Furnaceはまた燃焼室の意味にも使用される。ドイツ語のOfenはすべてに使用されている。
だ、そうです。ただし、奥付を見ると昭和29年のもんですが…
辞書をいくら持って年中引いてても文章は頭が悪そうなのしか書けないってのもわかりましたね。
最初に自分でコメントしちゃいますが、写真共々いい記事ですな!
返信削除皆さんもお宅の辞書引いてみてください!