シリーズ「土を知っとこう」の追補編としまして、いくつかその後気になってるところ等、記しておこうと思います。
素地そのものの特性だけでなく、釉との絡みなどもありますが、参考になれば幸いです。
何回か思いついたら続くと思います。ヤキモノ二大要素(そんなん聞いたことないけど)は土と火なので
焼き物は曲がる!ということで今回は
ひん曲がり性!問題
もちろんそんな言葉はありませんが、生から焼成までいつどのぐらいひん曲がるのか、ということ等調べておくといいと思います
反りやすい土、というのはあります。乾燥で反りやすい、焼成で反りやすい、のどっちかですが、数種類土があるのなら同じサイズの板でも何枚かづつでも作って、どのタイミングでどのぐらい反るのか調べておくといいんじゃないでしょうか?
これは頭が粗い(素地中の最大粒度が粗い=何メッシュで篩ったか)からとか、細かいからでなんとなくわかるもんではありますけどやっぱり傾向でしかなくて、焼いて反る土は焼いて反ります。古株は「踊る土」的な言い方しますが…
成形時、乾燥時、焼成時、それぞれ要因があって素焼きまでどんなにピッシリでも反る土はありますよね。荒目を混ぜ込んだから、乾燥をしっかりやったからって解決にならない場合もあります。
これらの特性を知っておけば、何を作るときには何を使おう!ということを、それぞれの釉薬との絡みを合わせて頭に入れておくことにします。もちろん解決策が見つかれば可能性が広がるので解決法らしきものを思いついたらどんなにバカバカしくても試してみましょう。そのためのことも今後ともたまには記していきたいと考えてます。
昔独立前にどうしても曲がる素材で先輩と一緒に二か月以上ずーっとしくじってたんですが、やけのヤンパチで一見無理筋の成形法に変えたらほとんど動かなくなりました。セオリー無視も極めてまれには功を奏します。あの毎回毎回しくじってた時は、またやんのかよ!絶対無理だよ!ってお偉方と相当喧嘩もしたんですが。
多分リックフレアーもトップロープに上るのさえやめれば毎回毎回デッドリードライブ喰らわないで済んだんじゃないかな?(←それはお約束だからいいのだ!)
一つファイン屋らしい話を付け加えないと俺が書く意味がないので付け加えまーす。
熱間でどのぐらい曲がるかの簡単テストの仕方
基本的に焼いて曲がるのは、熱間での荷重、応力に対して弱いわけです。
決まった短冊状(たとえば20×100×10)を両端だけで支えて焼成するやり方で、これは熱間の耐荷重なんかを調べる試験の簡単な応用編です。
耐火物の場合は真ん中に重石を乗っけて調べたりもします。
もちろん坏土の調整、成形、乾燥、窯詰、焼成パターンや温度など色々原因は複合してるんですが、それぞれ自分なりのパターンで作ったものをデカい鉢の下屋にでも入れて試験しておくと、この土には工程上のここがポイントになるようだ!ということまでなんとなくですが見当が付きますよ。
ただのテストピースじゃもったいないので、ちょいとシャレオツな箸置きみたいに仕上げといて上手く焼けたら使えるようにしとくのもいいね。
この熱間軟化性を逆手に取ってこんな方法も使ってます。
カップの窯詰法です。右のようにより土の玉で取っ手部分を高く傾げて詰めると左下のようにつぶれ方向に荷重を掛けることができます。黙って平たく置くと左上のようになりがちな土ありませんか?
これももちろん、工程のどっかの段階での気づいてないミスが原因だったり理由は定かではありませんが(気取って薄ーく本体を作ったのに取っ手がメッチャ重かったとかもあるかもねえ。ひっこくのむずいよねえ)いつも通りにやってもなぜかこの土だけこうなる!なんて場合は、試してみてください。
個人的にカップの口元が歪むとした場合、左上はダサくてたまらないんですが左下は割りかし平気なんですよ。みなさんはどうですか?もちろんこの図は極端すぎですけど。
まあ、あらゆる歪はヤキモノやる以上なんだかんだ止めるまで(俺の場合死ぬまで)付きまとうんですよ。始めっから目くじら立てるんじゃなくて気楽に考えて上手い付き合い方を考えましょう!
歪まない方法、歪んでもわかりにくいデザイン、歪み上等、死んでも歪むわけにはいかん、いろんな立場や態度があると思うんですが、一つにこだわることなくやってみて得意やお好みや必要に応じて対応できるようになって行けたらなあ~と、常々感じてるんですよね~
あんまりファイン屋が持っちゃいけない感情の部分もある気がするんですが・・・
他にも今後、土シリーズとしては
コネコネした時の切れにくさ
どこまで芯を保ったまま薄く延ばせるのか、
生掛け耐性
焼成前後編
素焼き温度による差、釉掛け時、釉掛け後
水分貫通問題
などなどいくらでもあるので時間と気が向いたらネ!
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