では頭の中に蕎麦猪口のシルエットの平均値というか普遍的にだれが見ても蕎麦猪口なんじゃね?ってのをイメージしてみましょう。蕎麦猪口はこの個人的なイメージの振れ幅がものすごく少なそうで助かりますな。グーグルとかいう便利なページで画像検索してみてもいいですよ。どれもこれも大した変わりませんよね。取っ手がついてたり注ぎ口がついてたり平べったかったり、やけに細長かったりしませんよね?間違ってアマゾンで検索しちゃうとしばらく蕎麦猪口ばっかりおすすめされちゃって大変なことになると思います。
基本的に私は、作ってるもの、あるいは作ろうとしているもののもっとずっと立派な先行品、ってのを見つけて鬱状態になってしまうので画像検索するのはしないですしお勧めもしませんが、蕎麦猪口ならいいんじゃね?寸法や形状、その比率に関してはよっぽどのことがない限りオリジナルもパクリもへったくれもないですよ。多分。
もちろん新しい形デザインの蕎麦猪口を想像、創造することを否定するつもりは一切なくて、見てみたいですし可能ならば自分でも作りたいですけど、凝ったカップじゃなくて蕎麦猪口である、と認識させるにはかなりの才能と力技が必要なんじゃないかな~と現段階では思ってますし、何より自分にそんな才能ないですのでここでノーガキ垂れられましぇん。(失敗作は山ほどあるよ~)
とりあえずオーソドックスに行こうということで・・・、
手持ちの資料の中から大体こんな寸法だろう、というのをまとめてみました。
1、口元 φ70前後~φ80前後(φ=ファイ、直径ね)
2、底回り φ40前後~φ70前後
3、高さ 50H~いっても80Hぐらいじゃね?
というそれほど具体的でないボッソボソの結果になっています。
底部分は口元から畳付までずどんと一息で高台だけぽこっと飛び出してることはほぼないようです。机に置いてある状態じゃあ高台刳り貫いてあるのかべた底なのかわからない。
ざっと骨格寸法を図にしてみました。
この範囲が定番らしいですよ
ここから先は増して個人的な感覚ですよ。独断と偏見!皆さんも独断と偏見でいってみましょう!間違って「高慢と偏見」にならないように
数並べたときに揃いものに見える大事な要素であろうと考えてるので角度揃えで調べてみたいと思いました。
下の図は口径を仮に70φに固定、左から80°、85°、75°、高さを上から80H(径より高い)、65H(ほぼ真四角に見える)、50H(高さの下限と思われる)の9パターン
これより角度が立ってると筒モノっぽさ、寝てると鉢っぽさが強くなるんじゃないですかね?また、一番上、径より高さが上回ると蕎麦猪口感がなくなってるように見えます。
個人的には中段の左二つと下段の右が好きです。
作り手の好みでどれでもいいんですけど角度の違いでどんなことが発生するかを考えてみます。
寝てると重ねやすい、小鉢的に使いやすい。立ってるのはその逆かな?
側面はRのつかない、ほぼほぼ直線的なシルエットになるはずなので寝てるとつかみにくい保持しにくいってのはあると思います。蕎麦食べるときにお茶碗持ちしないですからね。しないですよね?しないって言ってくれ。
頭の中にある完成形と合わせて確認できましたか?
完成寸法でボール紙かなんかで作ってみてもいいかも知れませんね。
ここまでで骨格的な寸法はあらかた決まった、というかイメージできたと思います。
好きな比率を確認したら好みで大小させてみましょう。窯詰時のツクボーの高さや棚板に綺麗に割り付けられる寸法に合わせるのもアリですね。特にうちの窯は小さいので結構重視してます。その際は前に測った収縮率、割り掛けで生寸法(焼成寸前寸法)から計算します。
もちろん今、寸法を決めたとしてそれは絶対確定の必要はありません。絶対でもいいんですけど手癖の問題もあるし、細かい外面形状のニュアンスや最終的なものは作りながら調整しながら決まってくることが多いんじゃないかな?頭の認識と手の動きのガイドラインとして作用すれば十分だと思います。自分の場合はそうです。で、ある程度決まってからコテを作ってますよ。
大まかな骨格が決まったらあとは、装飾や、使う(使いたい)釉薬、見込みの処理などが要素として絡み合って決まってくると思います。もしかするとこの辺は初めに決まってるかもね。
成形方法も決まってくると思います。轆轤引き、鋳込み、タタラ巻いて貼って作る、手びねりする。どれでもいいですね。
簡単で早いので私はロクロにします。というわけでこのシリーズ以下ロクロです。「なんだよお前鋳込みじゃねーのかよ~」って方。いつになるか知りませんが「何?お前ら今時まだロクロ使ってんの?(仮)」というシリーズをぜひやりたいと思ってるのでそれまでお待ちを。寸法形状揃えるだけなら鋳込みが手っ取り早いんですが段取り面倒ですからね。鋳込みはロクロじゃ絶対できない何か、を作るまでとっておきましょう。
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