アルミナ多孔質のボートです。るつぼと言おうが焼成容器と言おうがセッターと言おうが、呼び名はどうでも構いません。
横倒しの炉心管の中央まで突っ込んで使う場合はボートって呼ぶことが多いなあという記事は最近も書いたかな?
まあそんな製品です。
このボート、発注の際にちょっと確認しておいた方がイイことがあるんですよ。
数年に一度「入れたいところまでまで入らない事件」というのが勃発します。
皆さん、お使いの試験炉の炉心管内径に合わせてご希望の寸法や形状を指定していただいたり、要望を受けて俺の方でこんな感じでどうですか?と提案したりするわけです。
管の内径には±誤差がありますし、ボートの方もしかり、それで輪切り断面方向の寸法にについては十分注意してクリアランスとるんですが、意外と見落としがちなのが長さ方向の寸法。
横型の炉心管は使用を繰り返すうちに、どうしても湾曲して垂れさがったり捩れたりしてきます。あるいは、結構なハードプレイ(ぎりぎりの高温域まで上げてキープめっちゃ引っ張るとか、ガス、蒸気がきっついとか)をすると、いっぱつだったりもするかも?
この手の装置は、試料を置きたくなるような測温が安定してる部分は結局中央部の案外狭い範囲だったりするので毎回毎回、ど真ん中に熱間荷重受けてることになりますから炉心管さんも大変な虐待うけてんですよ。長ーいのに両端受けてるだけでステーもブラケットもなかったりもしますからね。
そこまで装置に詳しくないから、この辺これ以上話すとどっかの声だけはカワイイ法務大臣みたいに藪蛇だったりトンチンカンになっちゃいますので細かい状況の説明はできませんが、とにかく炉心管は痛みます。
で、曲がった炉心管に長いボートがつっかえちゃって通らない、なんてことがあるようです。この事故?ってのは、時の流れは残酷に二人を引き裂いた、みたいなもんです。誰も悪くないのに。
頑張って入れたけど帰りは出てこなかったなんて話も以前聞いたことあります(笑
短いボートにしとけばスーッと入るし、もっと長い間炉心管使い倒せた筈!なんて状況ありませんでしたか?
ここで「ウンウン」と頷いてる経験者も結構いると見た!
な~んてことにならないように、設計する時は内径のクリアランスだけじゃなくて、長手方向の通りの確認もした方がいいですよ!まあポンポン新品に交換できるようならそりゃいいんですけどね。
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